雷を大変怖がる母がいて


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雷を大変怖がる母がいて

雷を大変怖がる母がいた。ある日、大きな台風が来て、雷が鳴り始めた。
二人の息子の内、弟の方は母の耳を手で押さえて聞こえないようにした。
雷が鳴り止んで、弟が両手を離すと両手のひらの中に宝石があった。
再び、雷が鳴り始めた時、兄は弟を突き飛ばし、母の両耳を押さえた。
ところが、大きな雷鳴が鳴った時、兄は思わず自分の耳をふさいだ。
母は雷鳴にびっくりして死んでしまった。
母が死んで次の日、また激しく雷が鳴り始めた。
弟は、母の棺おけのある部屋に行き守ろうとした。すると棺おけの上に猫がいた。
弟は猫を母の化身だと思って、それから毎日一緒に過ごし大事にした。
ある夜、夜中じゅう、猫が部屋を走り回り、ぶりぶりと音を立てていた。
あくる朝見ると、部屋中、黄金だらけだった。
それからも、毎夜、黄金をひるので、弟は裕福になった。大きな屋敷も建てた。
うらやましがった兄は猫をさらった。
その夜中じゅう、猫が部屋を走り回り、ぶりぶりと音を立たが、あくる朝、部屋中、猫の糞だらけだった。あまりにも臭いので、兄は猫を殺してそのまま庭に放り出しておいた。
弟は悲しんで、猫の死骸を自分の屋敷の庭に埋めた。
毎日、お参りしていると、猫の墓から芽が出て、成長していった。
まもなく木になり大きくなり、たくさんの実が成った。実のタネは黄金で出来ていた。
弟はもっと大きな屋敷を建てて住んだ。
兄は、猫の墓のある家をもらったが、その日の夜に雷が落ちて木も屋敷も燃えてしまった。
兄は、燃えた木に小便をかけて、もとの家に戻ってしまった。
弟は燃えた屋敷を片付け、燃えた木も念入りに供養した。
ある日、木に供えた飯を犬が食べていた。
弟は犬を母の化身だと思って、自分の屋敷に連れ帰った。
この犬、それから、飯を一合食わせると、一合の黄金をひった。
毎日、一合ずつ黄金をひるので、弟はますます裕福になった。
まずしいままの兄は、弟にたのみ込んで、数日だけ、この犬を借りることにした。
兄は無理やり犬に飯一升を食わせると、犬は食いすぎで死んでしまった。
死んだ犬の腹をさくと、臭い内臓と糞がどろどろと出てきた。
兄は糞まみれになり、あまりの臭さに、死んでしまった。

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