お気楽毎日

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3/24 HYT vol.2 "BOOK" 1巻+2巻


於 in→dependent theater 2nd

半年間限定劇団ピースピットハーフイヤーシアター。
この作品をもって活動終了となる。
とても面白そうな演目で、ずっと楽しみにしていたけど、期待を超えるステキなものがたりであった。
あらすじと簡単な感想等は下に。公式HP、チラシも参考にしています。
ちなみに、一所懸命見ていたけど、記憶間違いとかあると思うのでご容赦を。



小説の中に存在する架空世界ブック。
そこには、物語として語られる「本編」と、物語として語られぬ「行間」が存在する。
"その世界にはたくさんの人々が生きて、そして死んでいった"
例えばそんな、僅かな一行で記されたその行間にも、星の数ほどの人生が埋まっているのだ。
ある日、架空世界ブックにもたらされる5冊の本と一本のペン。
それは、ブックの物語が記された原書とそれを書き換えることのできる 原作者ベン・ハートのペンであった。
自分達が「小説の登場人物」と自覚する覚醒者たちはそれぞれの思惑を胸に、
5冊の本と一本のペンの争奪をはじめる。
行間の物語はいかなる結末に向かうのか?

第1巻 遥かなるベルギガン
〈本編〉
辺境の村ロランで育ったランスロッツは実はブック王国の第一王子。
産まれたときに、魔法使いメルタによって呪われた王子と予言され、殺されそうになっているところをユピという家来につれて逃げられる。
ユピは逃げている途中で追っ手に囲まれるが、何者とも知れない男に救われ、剣を与えられる。
無事に育ったランスロッツはピスカという魔法使いにより自分がブック国の第一王子であることを告げられ、ブック王国を救うのは自分だと言われて、昔与えられた剣を手に王都ベルギガンへ旅立つ。

〈行間〉
毎日退屈している金持ちの御曹司ツェットピットは『BOOK』と題された本を持つ満身創痍の女イフリータと出会い、「BOOK」を託される。
イフリータは「BOOK」の力を利用して物語を改竄しようとする覚醒者たちの秘密結社「右腕(右腕に覚醒者のみに見えるタトゥーを彫っている)」からランスロッツを救うためにロランにやってきたのだ。
ツェットピットは「BOOK」の力を利用しようとする刺客が幼馴染のノーマン・ブラーキンであることを知る。ノーマンは「BOOK」を改竄し、自分がブック国を手に入れようとしていた。
ノーマンとノーマンの妹とツェットピットは子供のころ仲がよかったが、ノーマン一家を襲った火事によりノーマン以外の家族は死んでしまった。そのことをノーマンは恨み、物語を変えようとたくらんでいたのだ。
ツェットピットはイフリータとともにノーマンや右腕からBOOKを守り、物語の存続を願う。
ランスロッツを助けることはできたが、イフリータは物語の主要人物として行間の世界から出て行く。イフリータは物語の途中から本編に登場する行間の覚醒者だったのだ。
BOOKを読むと、イフリータはランスロッツを助けながら共に旅をし、ランスロッツを守って死ぬ運命にあった。しかし、イフリータは物語の進行のためにそれも運命と受け入れていたのだ。覚醒者が本編に登場するとそれまでの記憶は閉じてしまうのが普通なので、ツェットピットに別れを告げ去っていくイフリータ・・・。
なんとかイフリータが死ぬのを止めようと物語を追うツェットピット。
しかし、間に合わず、イフリータは「これでよかったのよ・・・ツェットピット」と言い残して死んでしまう。ツェットピットのことを忘れてはいなかったのだ。
「BOOK」はいったんノーマンの手に渡ったが、無理な改竄がされたため、要求がBOOKに聞き入れられず、物語にできてしまった矛盾が化け物となってノーマンに襲い掛かる。
ツェットピットはノーマンを守り、化け物の餌食となってしまう。
ノーマン「なんでそんなことすんだよ!」
ツェットピット「俺にもわかんねえよ!ただ、退屈しなかったのはよかったぜ・・・」
残されたノーマンも改竄のために精神力を使い果たし、物語から消えてしまう。
せめてもの哀れみにと右腕のメンバーガーゴイルの改竄により妹と最後に出会えた夢を見ながら・・・。

〈本編〉
イフリータに助けられたランスロッツは幼馴染のヨーギーと共に王都ベルギガンにたどり着く。
そこで、ブック王家の血族であれば効かない毒の入った杯を飲み干し、第一王子であることが証明され、王家に迎え入れられる。王位継承権が遠のき、悔しそうな第二王子リーズフェルト・・・。



これからが長いのに、第1巻が理解不能だったらどうしようかと思ってましたが、おもしろい!休憩前の第1巻が終わったところでかなりの満足感を味わいました。
ツェットピット、いかにも少年ってかんじでステキでした。
BOOKがどんなもので、どんなことができて、どういう結末になるのか、かなり説明もあり、すんなり物語の中に入っていけました。
ただ、黒子さんが人の横に名前を出してくれるのですが、名前の字体がすごく可愛いけど読みにくい字体で名前を把握するまで時間がかかりました。タダでさえ横文字名前は難しいのに(笑)。



第2巻 忘却のアレハント
〈本編〉
王都ベルギガンに迎え入れられたランスロッツは王立学院へと入学。
しかしランスロッツ帰還以前に王位継承権第一位にあった第二王子リーズフェルトとは犬猿の仲。その上、リーズフェルトが思いをよせていたサフィラがランスロッツと付き合いだしたので、よりリーズフェルトはやりきれない気持ちに。
二人は学院主催の剣術大会で争うこととなる。必死に止めようとする四男ロイスを尻目に、二人は対立を深める。

〈行間〉
ベルギガン王立学院に通うニア・ランバーグとアル・スライダーは入学した時からの腐れ縁。暗くて、友達もあまりいないアルは、唯我独尊状態で“そんなの、私の知ったことじゃないわ”が口癖のニアに振り回されっぱなしの毎日。
王立学院には最近奇妙な出来事が起こっていた。突然机や椅子が空を飛ぶポルターガイストがおきていたのだ。ニアはその原因をつきとめると宣言し、アルを巻き込んで調査を始める。
そんなある日、とうとう王立学院で死者が出る。ポルターガイストの仕業かどうかはわからないが、池に死人が浮いていたのだ。犯人を見つけると意気込むニアと振り回されるアルは、学院内で奇妙な本「BOOK」を拾う。そこにはランスロッツたちの物語と共に、さまざまな事柄が手書きの文字で書き添えられていた。手書きで書かれた事柄が、最近学院内で起こる奇妙な出来事と符合することに気づいたニアたちは書き込みの犯人探しを始めることにする。そんな中、第二の殺人事件が起こってしまう。不思議なことに殺された被害者は二人とも、以前行われた宗教弾圧に関わった人々であった。
学院の優等生、タラ・ベルティーノは、最近まではただの優等生であったのが、めきめきと色気をつけ(フェロモンを身につけて動いてる(笑))、今では多くの生徒の憧れの的。
自分に関心を示さないニアに興味を持ち、近づく。
犯人探しのため、BOOKを部屋に引きこもって研究している間に、ニアはタラとつきあうことに。ショックを受けるアル。
ニアの部屋に招かれたタラはニアに眠り薬をかがせて寝かせ、ニアの部屋を探し始める。
実はタラは宗教弾圧で死罪となった聖職者の娘で、BOOKの力でタラ・ベルティーノという人格を乗っ取り、亡き父親の遺言であった復讐を行っていた。しかしその途中でBOOKをなくし、探していたのだ。
ニアを助けに来たアルからBOOKを奪い取り、復讐を書き込むタラ。しかし、BOOKは反応しない。アルがベンハートのペンをすり替えていたのだ。そこへ右腕のメンバーがBOOKを奪うために現れ、乱闘になり、ニアが傷を負う。ニアを抱きかかえ、君がいたから僕は僕でいられたんだ。死なせるものか!とアル。BOOKの物語を救うために異世界からやってきた猫の騎士も含め、BOOK争奪戦が行われ、BOOKは猫の騎士の元へ。
ニアはBOOKの力で助かり、平穏な毎日が王立学院に戻ってきた。
結局、復讐を書き込んだのはタラだったが(タラはその後右腕のボス・髑髏に見込まれ、右腕に入る)、ポルターガイストを書き込んだ犯人は見つからずじまい。しかし、あのかくかくした文字には見覚えがあるのよね・・・とニア。←どうやらいたずらを書き込んでいたのはアル?

〈本編〉
学院主催の剣術大会でリーズフェルトはランスロッツに敗れた。また、ゴードン王が逝去し、王の遺言によりランスロッツが王位につくことに反発したリーズフェルトは、ブック国を出て流浪の身となる。また、執政官メルタも失脚し、ブック王国から追放される。ロイスの願いもむなしく、兄弟は憎みあい離れ離れとなってしまった・・・。



1-4巻では2巻が一番好きでした。
行間の住人のニアとアルがとてもステキで。
行間の住人と知っても、別に、私は私だし、そんなの知ったこっちゃないわ。とさばさばのニアとそんな彼女に癒されるアル。
アルの繊細な感じがとても役者さんにはまっていて、見ていて違和感なく、元気なニアにいかに救われているのか、よくわかったし。
お似合いの二人だなあ・・・と思いながら見てました。
最後のアルの、“フルネームで呼ぶなよな・・・”という台詞できゅんとしました。
2巻ではまだ物語の破綻も物語の暗い影もそれほど多くはなく、学生時代ということで登場人物もみんな生き生きしており(ある意味アルが一番根暗だったり(笑))、タラというかっこいい方も(そしてフェロモンも(笑))、よかったなあと。
ただ、タラのお父さん、聖職者なんだから遺言で子供に復讐を頼むなんてしちゃいけないような・・・。



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