お気楽毎日

お気楽毎日

11/1,4 PP 呪いの姫子ちゃん”(P)


於HEP HALL


これは、むかしむかしあるところに・・・からはじまるちょっと切ない恋のお話。
まだおとぎ話の国と現実の国が地続きだったころ、2つの国の間には大きな扉があり、扉の国としておとぎ話の住人と人間とが行き来し、栄えていました。
しかし、扉の国の郊外にあるイバラの城には呪いの姫子ちゃんという一人の魔女と三人のおつきの悪魔が住んでおり、人々を呪いまくり、人々から嫌われていました。姫子ちゃんもほかの人のことが大嫌いでした。
姫子ちゃんを退治するために、扉の国からは何回も刺客が送られるのですが、姫子ちゃんと3人の悪魔は強すぎて、歯が立ちませんでした。

そんな中、城にいるのに嫌気がさした扉の国の王子ニコは城を抜け出して、街の嫌なにおいを避けてシスタースノウの元に行こうとしていました。そんな中城下で買い出しに来ていた姫子ちゃんと街中で行き会うニコ。嗅いだ事のない麗しいにおいをかいで、姫子ちゃんに一目ぼれ(ひとかぎぼれ?)するニコ。有無を言わせず金棒で殴り倒す姫子ちゃん(笑)。

ニコは姫子ちゃんを追って、イバラの城までおしかけ、毎日姫子ちゃんに好き好きいいつづけます。
でも、姫子ちゃんには呪いがかけられているのです。姫子ちゃんに触るものに危害が及ぶイバラの魔法。姫子ちゃんを好きになる人が不幸になる魔法。だから、人が自分を好きにならないように、がんがん人から嫌われるように人を嫌っていたのです。
そんな姫子ちゃんに初めて自分のことを好きだと言ってはばからない人が現れました。
目が見えない代わりに鼻が利くニコは姫子ちゃんの心のきれいさをかぎ分けたのです。
当然姫子ちゃんの心は揺れ動きます。
自分は嫌われなくちゃいけない、そうでないと人を傷つけてしまうから。なんなら、好きな人ほど嫌われなくちゃいけない。傷つけたくないから。でも…。

3悪魔(メフィスト、ユルグ、ヨナルデパズトーリ)は姫子ちゃんを守り、姫子ちゃんが世界から嫌われるようにある人から言い渡されています。姫子ちゃんに触ることも同情することも好きになることも禁じられています。主人の言うことに逆らえば、魔力の供給が止まって、枯れる運命。
でも、花から生まれた悪魔は情にもろいもの。姫子ちゃんをかわいそうに思っているけど仕方なく…。

姫子ちゃんに呪いをかけた3悪魔の主人には目的がありました。それは、姫子ちゃんをできるだけ孤独にすること。おとぎの国の魔女はそれぞれ人の感情を魔力のもとにします。その魔女の力のもとは孤独という感情だったのです。姫子ちゃんの孤独をもって、強大な力を手に入れるのが目的だったのです。

その魔女とは…シスタースノウつまり白雪姫。
白雪姫は人間に自分の国を滅ぼされ、人間に恨みを抱いていたのです。姫子ちゃんの孤独から得た力をもって、サンテグジュペリの小惑星を人間の国に落とし、人間の国を滅ぼそうと考えていたのです。

しかし、ニコに心を乱された姫子ちゃんは少し孤独ではなくなって、白雪姫の力は弱まります。白雪姫はそれを逆手にとって、ニコを姫子ちゃんから引き離すことで姫子ちゃんの孤独を完全なものにしようと思います。
ニコは隣国の姫君と結婚する予定になっていたのです。姫子ちゃんに恋をするニコはもちろん断りますが、白雪姫に操られ、隣国の姫君に化けた白雪姫と結婚することに。

姫子ちゃんは自分のことを好きと言ってくれるニコを大事に思う自分に気付きます。「離れていても、姫子ちゃんを好きでいると呪いで死んでしまうかも」と聞いた姫子ちゃんは、「ちゃんと嫌われるために」ニコに会いに行きます。
ニコは白雪姫にあやつられ、姫子ちゃんに「お前なんか大嫌いだ!」と告げます。
姫子ちゃんは孤独のどん底に。

姫子ちゃんを倒して英雄になることが目標なピノ、ピノの仲間のヘレナ、ロットン、スタンリーは姫子ちゃんを何度も襲おうとしましたが、返り討ちにあってばかり。そんな中、スタンリーはニコと街で知り合います。ニコはスタンリーたちに本当は姫子ちゃんはいい子なんだと説得。スタンリーたちはニコが魔女に操られていることを知り、姫子ちゃんにニコを助けてくれるように頼みに行きます。

孤独のどん底にいた姫子ちゃんは、みんな、大っきらい!といいますが、そこでみんなに、「その呪いごと抱きしめてやる!」と抱きしめられ、ユルグとヨナルデパズトーリも姫子ちゃんへの好意を我慢するのをやめて、姫子ちゃんを抱きしめ、姫子ちゃんはニコを助けに行くことに。
「世界中の呪いをぶっとばす!」

姫子ちゃんたちは3悪魔とともに結婚式典に乗り込み、結婚式典をめちゃくちゃに。白雪姫に逆らった3悪魔は魔力の供給が止まって枯れそうになりながら戦うことに。
姫子ちゃんはニコと白雪姫を追いますが、白雪姫の力のもとに叩き伏せられてしまいます。
ニコを操って姫子ちゃんを殺そうとする白雪姫。
ニコには危害を与えられない姫子ちゃん。
そこへ踊りこんできたのはメフィスト。枯れそうになる中ユルグとヨナルデパズトーリの力を借りて、生きながら永らえ、姫子ちゃんを助けにやってきたのです。
「おう、ざまぁねえな。世界中の呪いをぶっ飛ばすんじゃなかったのか?呪いの姫子ちゃんよ。」といいながら、姫子ちゃんを抱きしめるメフィスト。姫子ちゃんを抱きしめながら「その呪いごと抱きしめてやる」といい、枯れてしまったメフィスト。
姫子ちゃんの孤独の結晶はこわれ、ニコも正気に。
孤独の結晶をなくして、白雪姫は力をなくし小惑星を制御することができなくなってしまい、小惑星は扉の国に今まさに落ちてこようとしています。
「ごめん、私のせいで」という姫子ちゃんに「君に会えて幸せだったんだ、ぼくも、メフィストたちも。」と姫子ちゃんを抱きしめて囁くニコ。

姫子ちゃんは、今まさに扉の国に落ちようとする小惑星を食い止めるため、呪いん棒で打ち返そうと塔の上に。
「このー小惑星がー!私にはむかおうなんて、百億年はやいのよー!」
小惑星の傷をぶっ叩いて小惑星を粉々にした姫子ちゃん。
ただ、壊れた小惑星により、扉の国に地割れが起こり、おとぎの国と人間の国は離れ離れに。
そんな中、姫子ちゃんとニコは崩れ落ちる城の中で今までできなかったおしゃべりをずっとずっとしますが、2つの国がはなれてしまって、二人は離れ離れになってしまいます。

エピローグでこのお話を編集者にはなしている童話作家であるニコ。もうこのお話が本当であったのか空想であったのかもわからなくなった日々。
そこへあらわれたおとぎの国の住人ドンキードンキーホーテ十三世。まちがって現実の国に来てしまった彼と、再びおとぎの国を探す旅に出るニコ。
おとぎの国では、くだけちった扉を集めて再建しようとする姫子ちゃんとその仲間。
あいかわらず高飛車な姫子ちゃん。ずっとそうやって育ったのでなかなか治らないようで。
3悪魔も白雪姫によって、魔力の供給が再開され、ちゃんと復活。
姫子ちゃんに、「もっと素直になればいいのに。私のこと好きなんでしょ?好きなら好きって言えばいいのにー」っていわれてどぎまぎするメフィスト。
「ね、メフィスト。おしゃべりしましょ?」といわれておしゃべりを始める二人―。

ごくごく簡単に、あらすじを追ってみました。
このほかに保身の国王やら、国王の部下のミランダとマルコやら、国家の乗っ取りをたくらむスニフ神父やら、2つの国をまたにかけて金もうけをたくらむアルフォンゾ社長と秘書やら、老齢になってぼけてはいるが、まだまだ強いドンキー・ドンキーホーテ十三世やらおつきのサンチョやら、心を持たない人形でありながら、姫子ちゃんのことを気遣うコウモリ猫やら、呪いのダンサーたちやら実にいろいろな人たちが出てお話が作り上げられていたのです。
全部書いてたら読んでも長いだけで面白くないし、当然全部を完ぺきになぞるなんて無理なので抜粋しました。

思ったこといろいろ。
・姫子ちゃんの魔力の源は幸せ。きっと、メフィストとニコのおかげで幸せになった姫子ちゃんの魔力で小惑星もぶっつぶれたのでしょう。
・メフィストとニコと姫子ちゃんの三角関係…。人の迷惑顧みず好き好きいうニコと姫子ちゃんのことを見守っているけどシャイなのでなかなか素直になれないメフィスト。
姫子ちゃんにとって、ニコは自分の世界を変えてくれた人。メフィストは自分を見守ってくれた人。どっちも大切なんだろーな。
・4人の仲間ピノ、ロットン、ヘレナ、スタンリーのこと全然あらすじにかけなかったけど、ピノがこの芝居の決め台詞、「その呪いごと抱きしめてやる!たとえ君がどれほどに呪われていようとも!」って言ったときは、ヘレナより先に「お前が言うか?」って言ってしまった(汗)。でも仲良し四人組、とてもよかったです。ヘレナ、かっこよかったです。
・3悪魔は姫子ちゃんに触れないので、姫子ちゃんが自殺しようとした時に止める役目に心を持たないコウモリ猫。めさかわいい。BOOKでのへびといい、センチメンタルくまちゃんでのくまちゃんといい、パペット使いがうまいですね。中野さん。
・国王の娘フローラと政略結婚を狙うスニフ神父。でも、フローラと一緒のシーンではついつい顔がデレデレになってしまうところがこの人実は本意気でフローラ好きだろ?って思ってしまいました。たぶん、結婚したらフローラの尻に敷かれますな、ありゃ。
・スタンリー、自分の芝居大宣伝でしたねえ。もとから行くつもりでしたよ。
・ユルグはメフィストが好きなので、メフィストにアプローチするのですが、全然相手にしてもらえずせつなかったです。中村さん、めっちゃ可愛かった。
・ヨナルデパズトーリ。めっちゃ好き。悪魔なのに、あの気の弱さって言ったら。ユルグもヨナルデパズトーリも悪魔なのに全然悪くないなあ。
・アルフォンゾとスニフ司祭長。おとぎの国と現実の国の半分以上を手に入れた・・って、じゃあ、白雪姫の故郷を滅ぼしたのもあんたらかい!あんたたちのほうが悪魔より悪いよ。
悪魔は花の匂い、フェアリーは絵の具の匂い、人間は血と肉の匂い、では混血の彼らはどんな匂いなんだろう?
・魔女の魔力の源は感情だという設定。それじゃあ、力を得るために恐怖を源とするスニフ司祭長や孤独を源とする白雪姫は悪くならざるを得ないよね。反対に、幸せを源とする姫子ちゃんは悪くはなれない。だって、人を不幸にしたら自分の力が少なくなるんだもの。あ?人を傷つけて幸せを感じる人なら違うか?
白雪姫なんて、自分が一番孤独なんだから自ら魔力源を持ってるようなものかも。
・バラの悪魔の昇天時のバラの香り、2回目にしてやっとわかりました。この嗅覚の鈍さったら。

好きなシーンをつらつらと。
(1)ニコが姫子ちゃんとダンスを踊るシーン。「やめないと、本当に死んじゃうよ?」という姫子ちゃんに、「…死んでもいいかも」とつぶやくニコになぜかうるうるっとしてしまい、びっくりしました。
(2)まあ、これは大定番。誰もが名シーンとして挙げると思いますが、雨の中、姫子ちゃんが泣くシーン。抱きしめたいのに抱きしめられないメフィスト。雨の中空を見上げるメフィスト。2回目はここでうるっときました。まあ、もらい泣きみたいな感じで。
(3)メフィストの腕をつかんで、ユルグが「…行かないで」というシーン。精一杯の告白に、のぞいていたヨナルデパズトーリもうなずいたり、首を振ったり。あれでヨナルデパズトーリはユルグを好きになったんだな、きっと。
(4)兵士たち。役衣装は変えず、帽子をかぶると兵士に大変身。「ほいっぷ!」という挨拶がかわいくて。やっている人たちもめっちゃ楽しそうでした。
(5)姫子ちゃんを守って立つ3悪魔。メフィストは姫子ちゃんの後ろにくるのですが、肩越しに振り返った姿がとてつもなくかっこよかったのでございました。山浦さんは自分がどうしたらかっこよく見えるか知ってるんだと思う…。
(6)これは、実の芝居ではなく、妄想ですが…。
 ピノがヘレナをどう口説いたか?というシーンの想像が結構楽しかったです。

最終日おまけ企画の15角関係はたぶん…
姫子ちゃん←ニコ←メフィスト←ユルグ←ヨナルデパズトーリ←こうもり猫←ピノ←ヘレナ←ロットン←ミランダ←ドンキードンキホーテ十三世←マルコ←サンチョ←シスタースノウ  スニフ司祭長は自分が好きだと(笑)。
ピノ…ヘレナを捨ててコウモリ猫って(笑)。
そしてシスタースノウはなぜサンチョ?

で、最終日ゲストで石原正一さんやら小松利昌さんやら、山田かつろうさんやら腹筋善之助さんやら出てました。おなかいっぱいですわ。

せっかく書いたので、締切ぎりぎりですが、一応(P)つけてアップしときます(笑)。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: