鱗羽

鱗羽

空間ベクトル籐馬編1

『弟子達の新人戦?』

 二年目の秋、一学年下(弟子達)が新人戦を迎えた。一泊二日の遠征。一日目、私たちは練習を終えホテルに着いた。
  「部屋は各自で確認し、明日9時に出発するのでロビーに集合。今日はお疲れ様。解散」
私たち二年目同期5人は荷物を持ち、部屋にむかった。エレベーターに乗り、自分たちの部屋がある階で降りる。部屋番号を確認しながら、私たちはいつもどおりの会話をしながら歩く。

  「私と櫂ちゃんと祥ちゃんと三島さんが同じ部屋だね。あっ、ここだ」
部屋が別である伏見と周防にしばしの別れをするため、部屋の前で立ち止まった。 「後で部屋に遊びに行くよ」
 陣が伏見たちに話している横で大城の様子がおかしいのに気付いた。 「どうかした?」
「ううん、別に何も…」
「?」

私たちは荷物を部屋に置き、皆で夕食を食べた後、二階にある風呂に入りに行った。大きなホテルのため風呂も凄く広い。露天風呂を見つけ私たちは早速皆で入りに行った。秋の冷たい風が顔にかかり、なんとも気持ち良かった。
  「明日皆頑張ってほしいね」
  「そうだね」
共通の弟子を持つ私と伏見、明日の弟子達の活躍を期待する気持ちは一緒だった。
空を眺めながら、弟子を持ってからの色々な思いを二人で話した。ふと、周りをみると3人が風呂の中にいない。
  「あれ…?」
すると、突然大城の笑いを含んだ大きな声が聞こえてきた。
  「この下男子の露天風呂だよ。ちょっと見えるー(笑)」
  「本当だー!」
  「白い足が見えるね。美脚だ…」
声のした方角をみると3人は風呂からでて、下を覗きこんでいる。
  「のぞきだね」伏見は失笑していた。」
  「痴女だよ。ここに3人も痴女がいるよ…。すごい光景だ。捕まえるべきか…(笑)」

3人はついには風呂のお湯を下に投げて遊んでいる。本当に楽しそうであった。童心にかえっている君たちは輝いていたよ☆

 風呂からあがり私と大城はホテルの探索に出かけた。私たちはたいていどこかのホテルに行くと探索する。田舎者丸出しだと気付かないことは私たちの良いところだと思う。そして、今回は広い。探索しがいがあった。フラフラとロビーを歩いたり、売店を眺めたりした後、人があまり来ない静かな場所の椅子に座った。
  「結構広いね。疲れたよ」
  「そうだね…」
さっきまで元気だった大城の様子がおかしい。そういえば、先ほど部屋に入る時も変だった。
  「どうかしたの?部屋の前でもそうだったけど」
  「実はさ…」
いつにもない真剣な顔をして話し始めた。
  「部屋に入る前伏見の後ろに女の子が見えたんだよね。あと風呂場でも上半身しかない人がいたんだ」
  「ん!?本当に!こわっ」 
私の内心はドキドキだった。私は幽霊を見えないが近くにいると思う とやはり怖い。しかも、それが私の友人の後ろとは。イタコ(私と大城の思い込み)である祖母をもつ彼 女の力が目覚めたのか。

  「なんかこのホテル変だよ」
  「そうか…」
 今まで何気なくいたホテルがこわくなった。うつむいてた私はふと、大城をみると 彼女の視線は私を通り越して後ろを見ている。え…何だよ!私は振り返った。
  「何もないよ♪」
 ふふっと彼女は笑っている。
  「ば…馬鹿者―!!ビックリしたよ!」
私は完全にビビり、もうこの場所にいるのも落ち着かなく なっていた。まったくもって心臓に悪い。
  「あの~、今、あの店で飲むんだけど女の子いなくて。飲み代だすからどうかな?」
突然見知 らぬ男の人が話しかけてきた。…は?
  「私たち部活で来ているので」
大城がすかさず返答する。
  「そうだよね。ごめんね」

男の人が去っていくのを見送った後、「帰るよ」と言い大城が立ち上がり部屋に戻ろうと歩いていく。
  「驚いたねー」
  「あの人達についていったら飲まされて危険だよ」
  「うん、そうだね。きっぱりと言った櫂ちゃんのおかげだよ」
もしあの時飲みに付き合っていたら、私たちは違う人生を送っていたかもしれない。1位を目指す人生を。

 部屋に戻る道中、薄暗い廊下で大城さんに幽霊と共においていかれそうになりながらも、部屋につい た。その後トランプ遊びをし、就寝。

 二日目、寒い中弓を引く弟子達の成長した姿はなんとも感動的でした。良かったよ!弓道部にはいっ てよかったと思った数少ない思い出となりました。


数日後・・・

   「写真現像したよー」
 「見せてー!!」
 「あ、これ笑えるよ」
 「皆で筋肉を撮った写真だね。ん?・・・何これ?」
 「・・・なんだろう?」 大城が持ってきた写真、私と陣を加えて三人で写真を見ていた。その中の一枚の同期5人部屋で筋肉ポーズをきめて撮った写真に何か変なものがうつっていた。
肌色の・・・。心霊写真かも。
 「そういえば部屋で手浮いてたんだよね」突然陣が話し出した。
 「あっ、私も見たよ。やっぱり何かいたんだね」
大城と陣二人の会話は私には非現実的なものであった。
君たちは一体何者なんだ。この時二人の友人の会話を目の前で聞いている私の心中を察していただきたい。こうして私たちのドキドキ幽霊体験談は終わった。・・・新人戦の話なのだが。
 一泊二日の新人戦、友人の新しい一面を見ることができ楽しかったよ。
また、色々な事件・暴露話宜しく頼みます☆


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