2004年1月に僕が思っていたこと


以前、この詩をある詩の投稿サイトに投稿した時にいただいた感想と、それに対する僕の返信を載せたいと思います。


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(ここから感想)

>  世界はすっかり平和になって世界大戦なんてもう物語になったと思っていたかもしれない夏にインドネシアに旅をしました。留学生の友人がいて彼の家に。と、彼のおじいさんはインドネシアに残った残留日本軍の生き残りでインドネシア独立戦争を戦ったひとでした。ホテルのサウナでは韓国からの旅行者のおじいさんと話をしました。彼は流暢な日本語で話してくれました。
>  僕が思ってたほど戦争は昔のことではないですね。そしてそんな少しの時間で人類はより理性的に進化したとは期待できないでしょうね。僕はいつまでも戦いをやめられないどうしようもない性格の種だとは思いませんけど。
>
>  イデオロギーがひとを死なすのは(自分を犠牲にするひとは偉大だと思うけど)間違ったことではないかと思います。戦争のことは忘れちゃいけないですね、経験したとかどうとかじゃなくて。
>  パールハーバーを、ヒロシマを、アウシュビッツを、南京を、ベトナムを、僕は忘れたくないです。
>
>
>  イラクが早く平和になって欲しいです。各国の軍隊のひとが無事に帰れるといいなぁ。
>
>  作品とは直接は関係ないかもしれないですが、読んで僕の心に浮かんできたことです(最近考えてたことがよりはっきりと)。
>
(感想終わり)
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(ここから僕の返信)

 戦争は、その戦争を行なっている期間だけではなくて、その後にも後遺症を残すものです。
 今、イラクで復興事業が行なわれていますが、それとて完全ではないでしょう。なぜなら武力で制圧された地域を軍政で以って統治しているから。
 軍政というのは、必ず何らかの形で民衆に威圧を伴い、時には圧政を強いて大量の虐殺さえ厭わない性質を持っています。それはアメリカとて例外ではない。済州島4・3事件というのはアメリカ軍政下で起きた大量虐殺事件です。1945年から1955年までの10年間にわたって、当時の済州島の人口約20万人に対して推定3万人の一般島民が殺された事件です。直接一般市民の命を奪っていったのは韓国官憲及び韓国軍ですが、当時済州島にもアメリカ軍の司令部がありましたから、次々と一般島民が殺されていく状況をアメリカ軍は何らかの目的があって見過ごしてきたわけです。
 今、アメリカを中心にイラクで軍政が敷かれていますが(今の状況は軍政だと僕は考えています。)、私たちの見えないところで虐殺に近いことが行なわれているのではないかと案じています。歴史は繰り返す、と言いますが何にもできないこの身が腹立たしく思うこのごろです。特に日本の自衛隊派遣もその一翼を担わされる可能性があるかと思います。しかも、それは平和を大義名分とした虐殺です。

このごろそんな事を考えてしまいます。

(感想終わり)


 僕はイラクの自衛隊派遣が決定した時から、この時代に生きている人間として腹を括らねばいけないと覚悟をしてきた。今でもそうだ。
 でもどういう覚悟ができるのだろうか、と思う。少なくとも現状容認ではない。では、イラクに行き、イラクの人々と共に苦楽を分かち合うのか。それも選択手段の一つだ。
 だが、日本国内に留まりつつ、今の時代に対する責務を果たす方法は無いのだろうか。というのは日本という国家システムが今、怠情的になりつつある事が最も懸念するところだからだ。安楽的に自衛隊の派遣がイラクの復興に繋がると信じてしまうメンタリティ。ある議員の「反日的分子」発言。国全体の思考が画一化され始めている昨今、果たして真の平和への希求は存在するのか。
 イラクへ行った人々からもたらされる情報は、僕にとって予想の範囲内だった。というよりは、彼らのもたらす情報が今のイラクの人々の心理面を知る上で最も信用できるものだ。
 イラクの人々はアメリカを信用していない。アメリカの役割はフセインをイラクの独裁者の座から引きずり降ろす事だけでよかったのだ。

 今、金石範という在日朝鮮人作家の「火山島」という小説を読んでいる。この小説は上記の済州島四・三事件を取り扱ったものだが、不思議に思えるぐらい今のイラクの状況と合致する部分がある。
 まず一に、占領当初は済州島もイラクも米軍を歓迎したという点。
 第二に、やがて米軍統治に民衆が反発を感じ始める点。
 第三に、そしてテロの拡大。(済州島の場合は、ゲリラの一斉蜂起)

 日本にいてどうも見えてこないのは、イラクの人々がテロを支持しているのか、それともアメリカを支持しているのかが見えないことだ。
 これは僕の推察でしかないのだが、イラクの人々は心情的にはテロを支持しているのではないか(少なくともどれか支持しているテロ組織若しくはテロに繋がる政治団体・宗教団体がある)と思う。テロに関わる関わらないに関係なく、自分たちの生活と尊厳を守るために。だから、テロも動き易い。イラク統治評議会に参加しているイスラム指導者も、そういった民衆の心があるから、テロに対して十分に押さえが効かない。
 そうなると、米軍としても民衆を巻き込んだテロ掃討作戦をやらざるを得なくなる。ファルージャが良い例ではないか。
 ともすると自衛隊がイラクの人々に対して虐殺を行なう可能性(もう既に行なっている可能性も含めて)は高い。

 小泉首相。イラクから自衛隊を引き上げさせよ。日本国民に罪を負わせるな。世界の人々に罪を負わせるな。所詮武装した人間を送り込んで「国際貢献をする」なんて事ができた国は皆無なのだ。もしあなたができたと思ったとしても、それは国家という怪物のエゴだ。
 国家権力のエゴに一般人を巻き込むな。一般人の平和を希求する心を無視するな。人間の誇りを軽く見るな。
 他国の軍事力は人々にとって、尊厳を侵す脅威と映ることを知れ。実際に尊厳を侵す事を知れ。
 武器は抑圧しか生まないことを知れ。武器を持っているというだけで抑圧しか生まない事を知れ。



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