「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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山さんの刑事部屋
ツマラン節
直方・・・ツマラン男。
三角・・・ムクワレン女。
●居酒屋・客席・昼
テーブル席を一人で占領する直方。
乱れたワイシャツ、緩んだネクタイ。
若くもなく老けきってもいない三十路。
瓶ビールから最後の一滴を注ぎながら。
直方「ツマランツマランツマランナア・・・」
三角「ちょっと、お兄さん」
直方「ツマランツマラン・・・」
正面からの女の声を一顧だにせず。
三角「お兄さんて!」
顔を上げ焦点の合わない目を声の主へ。
両手に顎を乗せてにやつく三角。
ぶかぶかレザージャケットにピアス。
青髪ゴスメイクのパンクギャル。
直方の手から滑り落ちた瓶をキャッチ。
三角「あっぶな。ギリセーフや」
直方「席、間違えてはるんとちゃいますか」
三角「なに寝惚けたこと言うてんの。店員に
相席ええか聞かれて頷いてたやん」
周囲を見回す直方。
外の明るさと中の混雑が目に入る。
直方「昼酒とか慣れんことしたらアカンな。
一発で体に来る。グラグラしてきたわ」
三角「昼間っからこういう店が混んでる自体、
たいがい不健全やけどね」
店員が生中のジョッキを運んでくる。
空瓶とジョッキを交換する三角。
三角「ども。じゃ、あらためて乾杯しよ」
置いたままの直方のコップにカチン。
喉をクイクイ鳴らして一気に半分。
三角「プハー、これぞ、<セ・ラ・ヴィ>や」
直方「<これ>って二回言うてるけどな」
三角「いちいち細かいねん。それよりさっき、
何ブツブツ念仏唱えとったん?」
直方「念仏?」
三角「ほら、ツマランツマランゆうて」
直方「ああ、声に出とったんか。せやったら
お聞きの通りや」
身を乗り出す三角。
三角「声に出るほどツマランのん?」
コップの僅かな残りを飲み干す直方。
直方「何で興味ビンビンなんか知らんけど、
聞かん方がええで。これは親切心や」
三角「えーっ、聞きたい聞きたい。ウチこう
見えて無味乾燥フェチやねん」
直方「なんやそれ」
三角「メリハリ無い漫才とか画面動かん映画
とか見てたら濡れてくるねん」
数メートルくらいドン引く直方。
テーブル越しに引き戻す三角。
三角「頼むわお兄さん、自己責任でええから。
ツマラン話聞かせてーなー」
●同・承前
テーブルに突っ伏す三角。
三角「・・・後で内容証明送るわ。心的外傷
に対する損害賠償請求、覚悟しといて」
地底から響くライフ0の声。
直方「濡れたか?」
三角「カラハリ砂漠じゃ」
ガバっと起き直る三角。
三角「潤いが足りない!」
高速でメニューを捲り始める。
三角「これとこれとこれ!」
直方「あ、僕ウーロン茶で」
三角「何どさくさ紛れにソフトドリンク頼ん
どんねん。生二つ追加!」
運ばれてきた料理と酒。
直方にも強引にジョッキを持たせて。
三角「何度でもカンパーイ!」
直方「こぼれるこぼれる」
三角「ちょっとくらい零れた方がええねん。
何で乾杯のとき盃ぶつけるか知ってる?」
口の周りを泡だらけにして。
三角「こうやってぶつけた時に、ちょこっと
相手の盃に入るやろ。どっちにも毒入って
ませんよーっていう信頼の証や」
直方「それ、出典は民明書房?」
三角「山川出版・・・たぶん」
直方「たぶんかい」
三角「タコブツうめー。遠慮せんとお兄さん
も食べて食べて」
直方「このテーブルの勘定、どうなっとるん
やろ・・・」
ペースに乗せられて箸を進める。
●同・承前
テーブル席に垂れこめる酔いの霧。
二人、とろりとした視線を交わして。
三角「そんで、ムカつく上司の顔に辞表叩き
つけて、そのまま飛び出してきた、と」
直方「なに聞いてたん。そんな威勢のいい話
ちゃうで。メール送ってそのままバックレ
や。終業ギリギリまで誰にも気づかれへん
と思うわ」
船漕ぐ三角、ガクンとして取り繕う。
三角「あっ、ウチのシャトレーゼ!」
直方「・・・寝とった?」
三角「寝てへん寝てへん。目つむって真剣に
考えとった」
直方「・・・喉涸らして損した」
三角「つまりはこうな。もはや息をするんも
面倒くさなった、このツマラン世から早く
オサラバしたい、と」
急に活き活きしだす三角。
直方「要約問題やったら、まあ六十点かな」
三角「未練は無いん?」
直方「何もかもツマランのに、未練なんか」
三角「アホ!」
突然の大声に静まり返る店内。
三角、周りの客に目で謝って囁き声。
三角「お兄さんの半生拝聴したけどな、全て
において経験しなさ過ぎやねん。ホンマに
楽しいことも知らんのにツマランって決め
つけとったら、この世界造った●●にキレ
散らかされるで」
●●の部分に被さるP音。
直方「●●、信じてんの?」
三角「●●の話は今どうでもええねん」
直方のよれたネクタイを掴む三角。
三角「お兄さん、グッド・バイする前にもう
ちょっと試してみいひん?」
直方「試すって何を」
三角「この世の楽しいエトセトラや。ウチな、
多少のことやったら自分より知ってるで」
鴨葱を見つけたような悪い顔。
直方「・・・明日のお日さんを拝むつもりは
無いからな」
三角「皿まで食い尽くすのに一晩あれば十分。
そうと決まったら善は急げや。・・・善?
まあええわ・・・」
ネクタイを引っ張って直方を立たせる。
直方、椅子の背を見て硬直。
直方「上着、パクられてしもた」
三角「初めから掛かってなかったで」
直方、遠い目で記憶を懸命に辿る。
直方「・・・会社に置き土産や」
三角「別にいらんやろ。こないだまで熱帯夜
続きやったし」
三角を複雑な目で見る直方。
直方「サイフ、スマホ、全部その中」
三角「オー! ●●!」
天を仰いで絶叫する三角。
●同・レジ
スマホを決済端末にかざす三角。
面目なさそうに控える直方。
三角「ええもん。最期に帳尻合わすもん」
直方「え?」
三角「何でもないわ。デビルイヤーか」
●繁華街・昼
雑踏を悠然と歩む三角。
三角「まだ明るい街中を千鳥足で歩く背徳感、
たまらんやろ?」
直方「どこが千鳥足やねん。自分早すぎるわ。
ちょっとはペース合わして・・・」
息を切らしながら続く直方。
三角「お天道様は待ってくれへんよ。明日の
夜明けまでに悪いこと出来るだけようさん
やろうと思ったら、スケジュールは分刻み
やで」
直方「悪いこと? 楽しいことやなくて?」
三角「楽しいことは、たいがい悪いことや。
さあ着いたで」
●パチンコ店・昼
あらゆる音が同時に鳴る店内。
特撮パチンコ台に並んで座る二人。
三角「○△□※~%」
直方「なんて?」
三角「○△ん※る?」
直方「よう聞こえへん」
三角「楽 し ん で る ?」
破鐘のような大音声。
横のオッサンが直方を睨んでくる。
直方「あ、すんません」
反対側の三角に顔を近づけて。
直方「そんな大声出さんでも」
三角「何回も聞き返すからやん」
直方「ここがやかましいからやん。聖徳太子
でもリスニングお手上げやで」
三角「すぐ慣れるって。ちゃんと見とかな」
直方「金属臭いんも苦手や。禁煙なだけマシ
やけど」
三角「いちいち文句の多い人やね」
直方「で、僕どうしたらいいの。レバーとか
無いん?」
三角「そんなん石器時代の話やん。ハンドル
握ってたら勝手にやってくれるから」
直方「何か手応えないなあ」
目に優しくない映像や玉の動き。
直方、霞み目を我慢しながら。
直方「ガチャガチャしてよう分からん」
三角「この番組、お兄さんの世代やろ。懐か
しいんとちゃう?」
直方「僕のこと何歳や思てんねん。再放送で
すら観たこと・・・」
三角「キター! 兄弟パワーチャンス!」
突如、直方の台が眩く輝きだす。
直方「え、え、何、これ当たってんの?」
三角「激アツ演出や! 七〇パーは固い!」
直方を尻目に盛り上がるBGM。
●繁華街・夕~夜
山吹色の街を並んで歩く二人。
三角「確率論を超えたビギナーズラックって
存在するんやなあ・・・」
三角、学者顔で何度も頷く。
三角「それとも無我と無欲が鍵?」
直方「忘れんうちに返しとくわ」
無地の封筒を差し出す直方。
慌てて手で遮る三角。
三角「あー、まだええって。夜はこれからや。
軍資金は多いに越したことないし、清算は
最期の最期で・・・」
三角、無意識に『最期』を強調。
三角「こんな早よ返されたら割に合わへん。
魚かてちっこいのは海に一遍戻すやろ?」
直方「なんのこっちゃ」
三角「物のたとえや。深掘りせんといて」
歩くうちに夜の帳が下りる。
街の雰囲気も心なしか剣吞に。
キョロキョロ落ち着かない直方。
直方「おめでたない場所やな」
三角「お兄さん免疫なさそうやもんね」
三叉路で立ち止まる三角。
三角「さあ右か左か。どっちもどっちも」
丁半のノリで左右の道を示す。
若者たちと音楽で賑わう右側。
桃色の空気が漂ってくる左側。
直方「一応聞くけど、右行ったら何?」
三角「ク・ラ・ブ。お姉ちゃん侍らせてお酒
飲む店とちゃうよ。ナウなヤングがミュー
ジックとダンスでフィーバーする・・・」
直方「それくらい僕かて知ってる」
踊り出しそうな三角を制止。
直方「・・・薄々思てたんやけど、君も大概
年齢不詳やな」
探るような直方の視線。
三角「ゴホンゴホン、変な所に唾が・・・」
下手くそにごまかす三角。
三角「あっ、じゃあ右で?」
直方「うーん・・・どうも気が進まんなあ」
三角「じゃあ左?」
直方「そっちはもっと気が進まん」
難しい顔で考え込む直方。
三角「<女か虎か>ちゃうんやからさあ」
●クラブ・フロア・夜
レーザー乱れ飛ぶフロア。
高いBPM、響く重低音。
直方、音圧に押されるように壁の花。
ひと汗かいた三角が歩み寄る。
三角「動かんからウォールアートかと思た」
直方「似たようなモンや。スルーしてくれ」
三角「バンクシーやったら高う売れるのに」
直方「せいぜい<火星の神>がええとこや。
世界遺産やけど」
タッシリ・ナジェールの壁画ポーズ。
三角「??????」
煙に巻かれるうちに曲が変わる。
三角「行こ、音の渦に飛び込むで!」
直方「この音楽な、ビートはやたら腹に響く
けどメロディーがさっぱり聴き取られへん
ねん。一体どう楽しめと?」
三角「頭で考えててもノられへんよ。もっと
アホになって身を任せな」
その場で軽く体を動かす三角。
直方「こ、こう?」
劣化コピーした不器用な動き。
直方「あ、やば・・・」
下腹部に響くドゥンドゥン。
直方、急に内股になって。
三角「何やアイドルみたいなステップして」
直方「ちゃうちゃう、雉撃ち・・・」
三角「あー」
奥の暗がりを指さす三角。
三角「階段下りたとこ。あと・・・」
言い終わる前に小走りで去る直方。
三角「・・・気ぃつけるんやでー」
●同・男子トイレ
小便器の前に立つ直方。
安堵と湯気に包まれリラックス。
直方「しこたま飲んだもんなあ・・・」
長々と続く放出。
直方「その上、あの重低音が下腹に・・・」
隣に誰か来たので独り言をやめる。
いつまでも増えない水音。
直方、つい隣をチラ見する。
瘦せぎすの青白い青年と目が合う。
青年、ズボンの前も開けずに。
広いトイレの中、二人きり。
直方「(参ったなあ。これ、アレちゃうんか)」
視線を感じながら排泄に集中する直方。
一向に終わってくれない。
青年「野菜? チャリンコ?」
直方「(うわあ、喋ってきやがった)」
無駄に動きをつけて終わりを促す。
直方「(ハイ、これで打ち止め、閉店!)」
青年「冷たいヤツは今日はないで」
ガン無視して撤退する直方。
チャックを上げる間も惜しんで。
その背中をホゲーッと見送る青年。
●同・フロア
三角、壁にもたれて手鏡チェック。
競歩スタイルで戻ってくる直方。
三角「めっちゃ長かったやん」
直方「トイレに八百屋がおって・・・いや、
自転車屋かな。そうやなくて・・・」
後ろを何度も振り返る。
階段を上ってくる青年に気づく。
直方「アカン、追っかけてきた!」
三角の手を取って引っ張る直方。
三角「もう、何やの?」
直方「ええから、後ろ見んと・・・」
有無を言わさず出口の方へ。
●路地・夜
ビールケースに座って息を整える直方。
しゃがんで顔を覗き込む三角。
三角「怖いことでもあったん?」
直方「ツマランツマラン・・・」
三角「デートプランお気に召さんかった?」
直方「・・・デートプラン?」
三角「左にしといたら良かったなあ。今から
でも遅ないけど」
三角をジト目で見上げる直方。
三角「まーまー、そんな目せんと。今度こそ
最高に楽しい悪徳や。ウチを信じなさい」
直方、何か言いかけて飲み込む。
●風営法対象飲食店・夜
テーブル席に向かい合う二人。
それぞれの隣は空席。
直方、ますます意気阻喪。
三角「指名やなくて良かったん?」
直方「こういうトコ、一見は指名できひんの
ちゃうん、知らんけど」
三角「何その半端な知識は。別にそんなこと
ないよ。好きなタイプとか有るんやったら
選んだら良かったのに」
直方「好きとか関係ないやん、こんな店で」
三角「なんで拗ねてんの。あ、好きな子以外
には純潔を貫くタイプ?」
直方「うるさい。いちいち食いつくな」
三角「めっちゃキレてるやん。図星か」
直方「大体、君はこんな店ええんか。同性の
子が、その、アレしたりされたり・・・」
三角「こんな店こんな店しつこいな。ここは
ちゃんとした接客業やで。働いてる子かて
みんな一端のプロや。ウチはちゃんとリス
ペクトした上で・・・」
二人の隣にそれぞれ薄衣姿の嬢が。
A嬢「ゴメンねー待たしてしもて」
B嬢「その分サービス増し増しするね」
体が触れないように隅に寄る直方。
A嬢「お兄さん、そない詰めんでええよ」
直方「ああうん、お気遣いなく」
A嬢「お気遣いしてるのそっちやん。ほら、
もっとくっついて」
B嬢「おにいさんもガチガチやね。やらかく
したげる」
いきなり三角の唇を奪うB嬢。
B嬢「唇めっちゃやらかいやん。てゆうか、
おにいさんっておねえさん?」
三角「えへへ・・・まあ・・・」
打って変わって押され気味の三角。
B嬢「へーそうなんや、珍し。でも嬉しいわ。
アタシ、両方いけるクチやし」
再び三角の唇を塞ぐ。
A嬢「ねえ、ウチらもアレする? それとも
少しお話しする?」
直方「し、質疑応答がええかな・・・」
A嬢「じゃあお兄さんからね。何でも聞いて
くれてええよ」
直方「えっと・・・ご趣味は?」
A嬢「アハハ、お見合いみたい」
直方「ホンマやね、ハハ・・・」
A嬢「趣味は鉄道全般。推し車両は二〇一系。
もう絶滅寸前なんやけどね。ラストランは
見に行くつもり。お兄さんの趣味は?」
突然照明が暗くなる。
本能を刺激するようなユーロビート。
直方「な、何? 節電?」
A嬢「何って、ダウンタイムやん」
直方の腿にすっと跨るA嬢。
首筋に腕を回して抱きつく。
押しつけられて歪む豊かな胸。
空中で泳ぐ直方の両手。
直方「こ、こ、こういう行為はホンマに好き
な相手とやね・・・」
A嬢「いっぱい触ってええんよ。こっから手
入れて・・・」
直方「あ、あかんて・・・」
A嬢「おっぱいは趣味ちゃうの?」
直方の手を取って谷間に導く。
救いを求めてお向かいを見る直方。
B嬢にメロメロにされている三角。
囁かれるままに体中をまさぐって。
●繫華街・夜
人通りの少ない裏道を歩く二人。
三角、両掌をポーっと見つめて。
トボトボと直方、遅れ気味。
ハッと我に返った三角。
歩調を合わせて直方の横に並ぶ。
三角「あれはアカン」
直方「・・・はい」
三角「一番やったらアカンことや」
直方「反省してる」
三角「ああいう場所で説教は」
直方「せやから反省してるて!」
顔を覆う直方に憐れみの視線。
三角「ハア、せっかくおっきい胸押しつけて
くれはったのに、指一本触れんとか」
直方「けど・・・何か硬そうやったし」
三角「贅沢言うな、魯山人か」
直方「でかくてもあんなんやったら、むしろ
君の方が・・・」
自然と目線が三角の胸へ。
三角「あ、アホ! 急に何を・・・」
薄い胸をジャケットで隠すように。
直方「スマン、気の迷いや」
三角「・・・ディレイでムカつく!」
直方「・・・・・・」
三角「ホンマありえん。あのお姉さんかて、
ちょっとでも自分を高めようと一生懸命に
努力して・・・」
まだ三角をチラ見している直方。
三角「気色悪い。言いたい事あるんやったら
堂々と言いーや」
直方「・・・わかった」
深呼吸して三角に向き直る。
直方「心を鬼にするわ」
急に峻厳な表情になって。
直方「君のデートプラン、映画の丸写しやろ」
三角「うっ、何のことですか」
攻守一転、たじろぐ三角。
直方「命短し何とやら」
三角「ひっ」
直方「ドンピシャの顔やな」
三角「み、観たんか、あんな古いの」
直方「不朽の名作やぞ。観てへんでも分かる」
三角「マジか・・・」
髪を掻きむしる三角。
直方「・・・君、言うほどワルちゃうよな」
三角「・・・・・・」
直方「大言壮語はどこへやら」
三角「・・・・・・」
直方「ええわ、もう」
三角「え・・・」
三角を置いてスピードアップ。
はぐれかけの子鴨のように縋る三角。
三角「・・・どこ行くん?」
直方「終電出てまう」
三角「終電て・・・話が違うやん!」
直方「・・・・・・」
三角「あんまりや、ここまで人を付き合わせ
といて!」
直方「人を散々引っ張り回したんは君やろ」
三角「困る、困るねん。もっと欲を満たして
くれやんと・・・」
直方のストライドに忽ち開く距離。
●駅・切符売場~改札~階段・夜
券売機に万札を突っ込む直方。
一番安い切符を買ってお釣りは取らず。
酔漢や社畜に混じって改札へ。
ゼエゼエ言いながら辿り着く三角。
レザージャケットを慌てて探る。
あちこちのポッケからかき集めた小銭。
券売機の操作に手間取りつつ。
切符を改札に叩き込んで後を追う。
●同・プラットホーム
階段を駆け上る三角。
澱んだ雰囲気のホーム上。
酔いと疲れと眠気の擬人化でぎっしり。
線路際に立つ直方の後ろ姿。
三角「ごめん、ちょっと通して。お兄さん!
危ないからもっと下がって・・・」
人ごみに遮られて届かない声。
直方、線路際でふらふら。
直方「(もう立っとるんもしんどいわ。人間、
死に傾く時って案外軽いもんやな・・・)」
次第に震え出す空気。
電車の接近を告げている。
直方「(このまま落ちてじっとしてたら終いや。
花火みたいに派手に飛び散るんかな。最期
くらいそんな見せ場あったってええよな。
ああ、ツマランツマランツマラン・・・)」
自然と前にのめる直方の上体。
けたたましい轟音と眩い前照灯。
微かに聞こえる三角の叫び。
衝撃と、暗黒。
●同・承前
ぼんやり明るむ直方の視界。
ホーム屋根のごちゃごちゃした内側。
その屋根に切り取られた狭い夜空。
雲が散らばって星は見えない。
直方「(・・・痛くも痒くもない。こんな一瞬
で死ねるもんなんか。景色はたいして変わ
らんけど、もしかして地縛霊になったって
ことなんかな・・・)」
三角「よかった・・・お兄さん、よかったわ
ホンマ・・・」
覗き込んだ三角の瞳が潤んでいる。
直方「ずいぶんいかつい天使やな」
三角「黙れ、死にぞこない」
直方「そうか・・・失敗したんか・・・」
難儀して上体を起こす直方。
中途半端な位置で停車した終電。
群がっている無気力な野次馬。
青い顔で駆けてくる駅員。
直方「それにしてはお通夜みたいな空気や」
三角「先に酔っ払いが落ちはってん。間一髪
のタイミングやったで」
直方を助け起こす三角。
三角「自分のifの姿、参考までに見とき」
三角に導かれて野次馬の先頭へ。
ホームと電車の隙間を見下ろす。
台車部分に絡みつく赤黒いモヤモヤ。
野次馬たちも奇妙なほど冷静。
直方「こんな地味なもんやったんか」
三角「そうやで。今死んだところで精々この
程度なんや。それやったら、悪徳の限りを
尽くして魂肥え太らせて、挙句にド派手に
散ったったらええねん」
直方「・・・いや、充分や」
三角「え?」
直方の顔を横から窺う三角。
脱色されたような直方の表情。
●屋上ビヤガーデン・深夜
店じまいしたビヤガーデン。
夏の残留思念が寂しく漂っている。
片づけ忘れたガーデンチェアに直方。
フェンスから夜景を見下ろす三角。
三角「世界は欲望ではち切れそうやのに」
眠らないネオンとヘッドライト。
三角「暴食も強欲も、怠惰も色欲もツマラン。
お兄さんは一体何がしたいねん」
直方「したいことがあったら、そもそもここ
にはおらん・・・」
夜空に浮かぶ妙に白い雲を見上げて。
直方「生きるもツマラン。死ぬもツマラン。
いっそ今ここで頭の血管でも詰まらんかな」
自嘲する直方を睨みつける三角。
ツカツカと早足で詰め寄って。
ガーデンチェアの上に覆い被さる。
直方「ち、ちょっと近・・・」
三角「これ、反則なんやけど・・・」
母親のように頬を直方の頬に。
直方「冷たっ」
三角「こら動くな。解析中や」
逃げようとする直方を引き留めて。
三角「ふーん・・・なるほどねえ・・・」
直方「あっ、くすぐったい・・・」
耳元での囁きに悶絶。
三角「まさかの傲慢・・・承認欲求か」
体を離して呆れ顔の三角。
三角「ちょっと待ってて」
どこかに電話をかけ始める。
三角「ああごめん、ウチや。いま忙しい?
悪いんやけど、急ぎで頼まれてくれへん。
えーと、トラヴィス御膳の竹で。そう、竹。
スペシャルちゃう、普通の竹な。お姫様の
設定は今から送るわ」
スマホを額に当てる三角。
三角「届いた? 嬢の方やけど、もし空いて
たら、まどかちゃんでお願い」
●豪邸・屋根・深夜
巨大な天窓を擁したドーム屋根。
天窓を囲むように直方と三角。
直方、必死に出っ張りに掴まって。
三角「そんな力入れんでも大丈夫やって」
歯を食いしばる直方の耳には入らず。
三角「・・・高い所アカンかった?」
直方「・・・平気な奴の方が病気や」
三角「ええわ、ウチが2Pやったげる。ケガ
せんように掴まっとき」
直方に自分の袖を握らせる。
三角「感謝してや。ホンマは別料金やで」
どこからともなく音楽。
ポール・ウィリアムズのバラード調。
不審げに周囲を見回す直方。
三角「導入剤みたいなもんや。気分出るやろ」
直方「何や知らんけど早よ・・・」
三角「今までで一番余裕ないやん。ヘイヘイ、
そんな調子やったらペルセウスにはなられ
へんよ」
わざとおどけた調子で。
三角「下に見えますは悪徳の巣でござーい」
眼下の部屋には高級円形ベッド。
ベッドの上に半裸の中年男。
三角「あのオッサンはIT関係の大物Pや。
その権力をかさに着て配信者志望の若い子
を散々食い散らかしとる」
部屋の中に入ってくる二人。
柄の悪い若者に抱えられた美少女。
Pの前に餌のように投げ出される。
清楚なセーラー服を乱して。
三角「今宵の餌食や。大方、大手事務所紹介
したるとか何とか甘い言葉に釣られて来て
しもたんやろ」
説明しながら直方を見る三角。
食い入るように下界を見つめる直方。
ベッドの端で青ざめる少女の顔。
直方の唇から漏れる怒りの呟き。
直方「父親のくせして、何でこんな・・・」
三角「ありゃ、設定変わった?」
スマホで注文履歴を確認して。
三角「まどかは母親と二人きりで生きてきた
健気な少女。偽善的な義父に誑かされて、
今夜ついにその清純な肉体を・・・」
早口で新設定を読み上げる。
まどかに迫るP改め義父。
三角「どっちでもええ。乙女のピンチや」
三角、傍らに雑嚢を引き寄せて。
三角「得物はよりどりみどり。オプションで
飛び道具も選べるで。さ、アンドロメダを
救いに行こ!」
雑嚢から覗く物騒な品々。
斧、鉈、匕首、鎖鎌、チェーンソー等。
●同・寝室
砕け落ちる天窓。
義父、ベッドから転げ落ちて唖然。
三角に掴まった直方、ベッドの上に。
まどかを後ろに庇って対峙。
義父「な、なな、何の真似やこれは!」
三角「啖呵切らな」
直方「あ、ああ・・・こ、ここまでや外道!
叩っ切ったるから神妙にせえ!」
三角「あーあ、しょっぱい田舎芝居や。てか、
自分なに選んどんねん!?」
直方の手元を見て愕然。
精神注入棒を刀のように構えて。
義父「曲者や! 出合え出合え!」
義父の叫びと同時に吹き飛ぶドア。
重火器を構えた傭兵がズラリ。
まどか「キャー! ・・・えっ!?」
固まってしまった直方とまどか。
三角「呆けとる場合か!」
二人を抱えてベッドの背後へ。
同時にベッドを蹴って盾にする。
ベッドの裏に隠れた三人。
マットレスを引き裂く無数の銃声。
まどか「こんなん聞いてないって!」
三角「くっそー、どこで間違えたんや。てか
義父何者やねん!?」
まどか「もうやだ、何とかしてよ!」
三角にしがみつくまどか。
三角「ちょっとまどか、ウチちゃう。そっち
のお兄さん頼ったって」
三角、まどかに設定耳打ち。
まどか、きょとんと直方を見る。
まどか「えっと、お兄さんが私の幼馴染?」
三角「そうや! ああもうややこし!」
ベッドの向こうに何か投げつける三角。
三角「目耳チャック、口オープン!」
直方、目を見開いてへの字口。
三角「逆! 逆!」
爆音と衝撃に押されるベッド。
まどか「じゃ、気を取り直して・・・」
武者震う直方の裾を掴んで。
まどか「助けて・・・お兄ちゃん・・・」
ショートカットから覗くウルウル瞳。
直方、おもむろに立つ。
精神注入棒を構えて防壁の向こうへ。
三角「あっ、不用意に動いたら・・・」
警告する暇もなく再び斉射音。
●同・玄関ホール
立ち込めた硝煙が晴れてゆく。
先頭に立つ直方、精神注入棒を携えて。
背中に隠れて怖々続くまどか。
その後ろを苦笑いで歩く三角。
三角「怖いなあ、抑圧って」
直方「ツマランツマランツマランナア・・・」
左方に立ち上がる散弾銃持ちの傭兵C。
迷わず間合いを詰める直方。
撃たせる前に宙を薙ぐ注入棒。
ワイヤーワークの如く吹っ飛ぶ傭兵C。
手放した散弾銃を直方キャッチ。
そのまま右上方に向けて連続発砲!
吹き抜け回廊から落ちて来る傭兵D。
直方「返すで」
空の散弾銃を傭兵Dに放る。
傭兵E、背後からナイフで突進。
まどか「お兄ちゃん!」
直方、まどかを前に押しやる。
セーラーの後襟から拳銃を引き出して。
振り向きざまに傭兵Eに三点バースト。
よろよろ後退って倒れる傭兵E。
傭兵E「・・・ちゃんと痛いねんぞ」
三角「悪い、もうちょい寝とって」
拾った注入棒で傭兵Eの頭をコツン。
まどかと手を繋いで前方を行く直方。
足下の傭兵Dの血糊に気づかずに。
玄関脇の西洋甲冑が微かに動く。
偶然その動きを捉えた三角。
三角「ヨロイ注意!」
甲冑が横ざまに斧を払った瞬間。
血糊で足を滑らせ宙を舞っている二人。
その間を斧が通過してゆく。
派手に背中から落ちる直方。
ひらりと軽やかに着地するまどか。
三角「やりすぎじゃ、ボケェ!」
三角、注入棒を槍投げの如く。
喉元を突かれてドウと崩れる甲冑。
●オープンセット前・早朝
半分ほど解体された豪邸。
建材を積んで走り去るトラック。
役者を荷台に満載した第二陣が続く。
血塗れで談笑する傭兵たちや西洋甲冑。
地面に敷かれたブルーシートの上。
直方を膝枕している三角。
肩を回しながら歩み寄るまどか。
まどか「もー。設定変わったんやったら早め
に言うてよ」
三角「メンゴ。ウチもよう分からんかってん」
眠る直方を覗き込むまどか。
まどか「どう? 満足しはった?」
三角、直方とおでこを合わせて。
三角「ええ感じでゲージ溜まっとるわ。これ
やったら費用対効果的にも合格点や」
まどか「そう、ならよかった。あ、休日出勤
やってんから今度おごってや」
三角「分かってるて。ファミレスでええ?」
まどか「ロイホな」
三角「月初まで待ってくれる?」
まどか「アンタもうちょっと計画的に生き。
まだ月ナカやで」
三角「オカンみたいに言わんといてよ。身に
染みるから」
まどか「ハイハイ。ほならね、グッモー」
まどかが姿を消すと同時に。
くわっと目を開ける直方。
直方「僕の石焼チャーハンは!?」
三角「居酒屋のシメ気にしてる場合ちゃうで。
人生のシメや」
三角の太腿から飛び起きる直方。
直方「うえっ、ごめん!」
三角「ええよええよ。長かったからちょっと
腿の感覚ないけど」
無意識に後頭部を撫でる直方。
柔らかい感触を思い出すように。
三角、少し顔を赤らめて咳払い。
三角「オホン。今日の日の出は五時三〇分。
あと一〇分弱やね」
スマホで時間を確認して立ち上がる。
三角「今まで散々思い留まらせてきたけど、
お待たせしました。お兄さんはもう自由や」
直方「自由?」
三角「収獲のメドはついた。どうぞご自由に
お逝きくださいませ」
勿体ぶってボウ&スクレイプ。
三角「・・・とは言うても自由って逆に難儀
なモンやね。特にお兄さんみたいな人には。
折角やし一緒に考えよか」
立ちつくす直方の周囲を歩き始める。
三角「飛び降りは他人様を巻き添えのリスク
に晒すから勧められへん。あ、どっちみち
お兄さんには無理ゲーやったな」
捲り上げたシャツの袖を下ろす直方。
三角「吊るんは色々汚いし、案外時間かかる。
薬かて量間違えてしもたら無駄にゲーゲー
しんどいだけや。そうそう意外に水は優秀
なんよ。苦しさ一瞬、あとは眠るよう」
ネクタイをきっちり締め直す直方。
直方「始発、何時やったかな」
三角「お、再チャレンジか。昨夜は色々ケチ
つけたけど確実性は抜群やわ。賠償責任が
心配やったら家族に迷惑かからんよう手配
したる。ささやかなアフターサービスや。
それに今の時間帯、ラッシュ時より世間様
への迷惑度も低いやろ」
大きく一つ伸びをする直方。
直方「会社行かな」
三角「そうそう会社な・・・ファッ?」
躓きかけて絶句する三角。
三角「ちょ・・・頭打ったんか?」
直方「気分爽快や」
胃の辺りをさすって。
直方「贅沢言うなら蜆が欲しいけど」
三角「何で今さら・・・」
直方「顧客の資料、ほったらかしてんねん。
アレ、僕しか整理できひんから」
三角「そう思ってるん自分だけやで」
直方「引継ぎも何もせんと辞めるん仁義にも
反するしな」
三角「先に仁義に背いたんはどっちやねん」
直方「あと上着。まあまあいい値したし」
頭を抱えた三角、呟く。
三角「メール、送ってしもたんやろ・・・」
直方「誰も読んでへん確率かて微粒子レベル
で存・・・」
三角「そんなん詐欺やんか!」
三角の悲痛な非難。
三角「せんどツマランツマランほざいて死に
たがってたクセに。こっちが好意で最期の
愉しみを教えたったら何や、この世に未練
でも湧いてきたんか!」
小柄な体全体で振り絞るように。
三角「自分からツマラン世界に舞い戻るとか
ただのアホやん、生き地獄やん!」
直方「地獄とちゃう」
直方、生気の戻った眼差し。
凛々しい表情だが唇が震えて。
直方「ふふっ、アハハハハハ・・・」
腹を抱えて笑う直方。
気味悪そうに見ている三角。
三角「ど、どんな情緒しとんねん・・・」
直方「んふっ、一生懸命な君のこと見てたら
何や知らん、妙に楽しなってきて」
三角「あン? バカにしとんのか!」
直方「僕に足らんかったモンが分かった」
笑い涙を拭って、三角に歩み寄る。
直方「ツマランツマラン思て生きてきたから
簡単すぎる答、見落とし続けてた。それに
気づけただけで生まれ変わった気分や」
ドヤ顔で三角の頬を撫でて。
直方「ありがとな。早よ帰って寝ーや」
颯爽と夜明けの街に消える背中。
取り残された三角、カメラ目線。
三角「え・・・今の感動するトコ?」
上昇してゆくカメラ。
三角「えぇ・・・ウソやろ・・・」
●居酒屋・客席・昼
明るいうちから賑わう店内。
テーブル席を独占する三角。
飲み干した空ジョッキ。
食べ散らかしたアテの皿。
放置された食器類の中に突っ伏して。
三角「ツマランツマランツマランナア・・・」
男「何お題目唱えてはるんですか」
向かいの席から模糊とした男の声。
三角「・・・相席とか聞いてへんで」
顔を上げようともせず。
男「店員に聞かれてボブルヘッド人形みたい
に頷いてはりましたけど」
三角「意思能力の欠如。無効や無効」
男「そう言わんと、挨拶がわりに一杯やって
くださいな」
微かに顔を持ち上げる三角。
男の差し出すジョッキが見える。
三角「これはどうも・・・って、ウチの飲み
残しやんけ」
男「細かい人やなあ。で、一体何がそんなに
ツマランのですか」
三角「何もかもや。仕事もプライベートも」
男「趣味とか無いんですか」
三角「今まで仕事が趣味やったからなあ」
男「そういうのが一番アカン。無理やりでも
何か作ったらな。例えば釣りとか」
三角「釣り!? アレは二度とやらへん!
バラシはもうごめんや! 餌だけまんまと
さらって行きくさって・・・」
男「竿はまだ、バレてないですよ」
三角、聞き覚えある声に顔を上げる。
相客、直方である。
直方、両手で三角の手を包み込む。
三角「お、お前どのツラ下げて・・・」
直方「餌の食い逃げなんかしません」
真剣な眼差しで三角の瞳を覗き込む。
直方「最期まで僕に付き合ってくれませんか。
せいぜいあと数十年やから」
了
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