「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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山さんの刑事部屋
はらぺこぷりん
祭 優花(ユウカ)・・・女性。中学二年。
九重 亜美(アミィ)・・・女性。同。
一之瀬 美咲(ミサキ)・・・女性。同。
秋葉原 昭夫(アッキー)・・男性。同。
守宮 杏(アン)・・・女性。同。
柳 あかね(アカネ)・・・女性。同。
吾妻 ダニエル(ダニー)・・・男性。同。
七海 瑞穂(ミズホ)・・・女性。同。
西塔 薫(ルンちゃん)・・・男性。同。
高杉・・・男性。二年B組担任。社会科教師。
葉賀・・・男性。英語教師。
祭 裕一、なつみ・・・ユウカの両親。
リーチャ・・・アミィの自転車。
プリリン・・・空の落としもの。
●通学路・昼
下校中のブレザー姿の少女たち。
自転車を押すアミィ。
文学少女で眼鏡っ子。
その両隣を歩くアンとミズホ。
剣道女子とお洒落ギャル。
アン「まずい、まずいな、まずいかも国語。
大問二の三って、カ変だよね?」
アミィ「カ変は『来る』だけだって。あれは
ただの五段活用」
アン「まじか。『書く』とか、いかにもカ行
ヅラしてるからだまされた!」
ミズホ「それよか歴史。『おらが春』の作者、
千利休で合ってる?」
アミィ「一茶だよ一茶。その時代まで利休が
生きてたら、もはやサイボーグだから」
ミズホ「あちゃー、お茶違いだったかー」
アン「いいじゃん、サイボーグ利休。茶室が
宇宙船になっててさ、『ワビサ・ビーム』
とか言って撃ってくるの」
爆笑する三人。
ふと振り返るアン。
アン「あれ? ユウカは?」
ミズホ「さっきまでいたのに。胸にリュック
かけて後ろ歩きしてたよ」
アン「小学生かよっ」
アミィ「わたし、ちょっと見てくる」
来た道を自転車で戻るアミィ。
●デザートショップ前・昼
しゃがんで店内を覗き込むユウカ。
チビッコ不思議ちゃん。
視線の先にはプリンアラモード。
アミィ「お腹でもすいた?」
振り向くと、自転車に跨ったアミィ。
アミィ「みんな呼んでくる?」
ユウカ「あっ、ごめんなさい。いいんです、
ただ見てただけだから」
ユウカ、慌てて立ち上がる。
重そうなリュックを背負い直して。
ユウカ「さ、行きましょ。置いてかれちゃい
ますよっ」
あっけらかんと走り出すユウカ。
後ろ姿を見送るアミィ。
眼鏡をクイッしてヤレヤレスマイル。
アミィ「これだよ」
●タイトル
●デザートショップ前・午前
黒板のメニュー表を眺めるユウカ。
プリンアラモ―ド、四八〇円。
ユウカ、赤いがま口を取り出す。
中身は小銭ばかり。
無言でがま口を閉じるユウカ。
●病院・ロビー・午前
歩いてくるユウカ。
胸に抱いたささやかな花束。
ピンクのカーネーション。
●青空
青空に微かなひび割れが生じる。
気づく者はいない。
●中学校・二年B組教室・午後
帰りのホームルーム。
担任の高杉先生が試験の総括中。
高杉「まだ二年、来年から本気出せば大丈夫、
そんな油断が後々取り返せない遅れを生む
原因になるんだぞ。寝る間を惜しんでまで
ガリベンしろって言ってるわけじゃない。
部活結構、趣味も大いに結構。日々の授業
を真面目に受け、きっちり最低限の復習を
していれば、三百歳オーバーの利休が田舎
でノンビリ俳句詠んでるみたいな勘違いは
生まれんわけだ。誰とは言わんが、なあ、
七海」
生徒たち、ドッと沸く。
ミズホ、テヘペロ。
高杉「はい静かに。今日はこれにてお開き。
用のない者はとっとと帰れよ。ダラダラと
居残ってたらグラウンドの石拾い手伝って
もらうからな。秋葉原、挨拶!」
立ち上がるアッキー。
野球部のムードメーカー。
アッキー「起立、礼」
高杉退室と同時にざわめく教室。
静かに帰り支度するユウカ。
気づかれず教室を後にする。
*****
教壇の高杉に話しかけるミズホ。
アッキーに関節技をかけるダニー。
英国ミックスの関西人。
何度も答案用紙を見返すミサキ。
謎めいた孤高のお嬢様。
突っ伏して居眠り中のアカネ。
心優しきマイルドヤンキー。
*****
アミィとアン、ぺちゃくちゃお喋り。
アミィ「あれ? ユウカは?」
アン「ん? 先帰ったんじゃない?」
アミィ「ウソ、大道具のカーテン探しに行く
約束してたのに」
アン「アッシャー家の?」
アミィ「そう」
アン「あらら、忘れてんのかな」
脱力して椅子にもたれるアミィ。
アミィ「・・・あの子、最近ヘンだよ」
アン「最近? いつもじゃん」
アミィ「いつものヘンとは違うヘンなの」
アン「まーまー。いちいち気にしてたらお肌
も荒れちゃうよ。それよりキャスティング
なんだけどさ、ホントにルンちゃんでいく
つもり?」
教室後方にそれとなく目をやる。
一番後ろの席で瞑目するルンちゃん。
仏門系イケメン。
アミィ「モチ。見た目は満点だもん」
●花屋・午後
がま口の中身と相談するユウカ。
買えたのは、しがない一輪挿し。
黄色のカーネーション。
●住宅街・夕
軽やかな足取りでやって来るユウカ。
唇から漏れる謎の鼻歌。
ユウカ「さる、るるるる~♪」
落ちていた空缶に思い切り蹴っ躓く。
ユウカ「うわっ」
リュックのクッションで尻餅回避。
ユウカ「コラッですよ、もー」
頬を膨らませて元凶を探すユウカ。
路上には見当たらない。
ふと見上げた先。
色彩を失い始めた青空に刺さった缶。
ちょうどひび割れの真ん中に。
さらに枝を伸ばすひび割れ。
パリン、という乾いた音。
缶が路上にカンカラカンと落ちる。
続いて落ちて来る落下物。
●生地屋・夕
陳列された色とりどりの生地見本。
深紅の前で悩むアミィとアン。
ビクッと天井を見上げるアミィ。
アン「どした?」
アミィ「あ、うん、何か首筋に冷たいのが」
アン「うわ、雨漏り?」
染みひとつない綺麗な天井。
アン「錯覚じゃない? ほら自律神経とか」
アミィ「まーた適当な」
笑いながらも気もそぞろ。
●住宅街・夕
地面を見下ろすユウカ。
擂鉢状に窪んだアスファルト。
その中心に蠢くゼリー状の物体。
次第に何かの形を取り始める。
物体「プリン!」
ユウカ「カワイイ!」
まるでマスコットのような姿。
小型犬とプリンを掛け合わせた意匠。
ユウカに向かって愛嬌を振りまく。
物体「プリンプリン!」
ユウカ「あのー、お名前は?」
物体「プリリーン!」
ユウカ「そっか、プリリンってゆうんですね。
で、どこから来たんですか?」
見上げる仕草をする物体(プリリン)。
つられて見上げるユウカ。
紫がかった空、急速に縮み始める穴。
数秒後にはすっかり塞がってしまう。
プリリン「プリンプゥ・・・」
ユウカ「帰れなくなっちゃったんですか?」
プリリンを抱き上げるユウカ。
ユウカ「ユウカのせいですね・・・」
プリリン「プゥー・・・」
●病院・ロビー・夕
カーネーションを持ったユウカ。
背中のリュックがムズムズ動く。
プリリン(声)「プリプリン!」
ユウカ「病院ではお静かにっ」
囁き声でたしなめるユウカ。
●祭家・ダイニング・夜
夕食の準備が整っている。
先にテーブルについている裕一。
なつみ、階段の下から呼びかける。
なつみ「ユウカ、ご飯できたわよー」
ユウカ(声)「はぁーい!」
プリリン(声)「プリィーン!」
なつみ「・・・プリン?」
ユウカ(声)「あ、アハハハ・・・プリーン
プリーン」
なつみ「・・・プリンプリン?」
怪訝そうにダイニングに戻るなつみ。
裕一「プリンがどうかしたのか?」
どたどた階段を下りる足音。
ユウカ「おまたせっ」
ノータイムで席につこうとする。
なつみ「手、洗ったの?」
ユウカ「洗ったよ、ちゃんと二回」
ユウカの髪先についた小さな泡。
指で泡を取ってやるなつみ。
なつみ「確認オーケイ」
裕一、ユウカのお腹に視線。
ぽっこりしたTシャツの下腹。
裕一「・・・ユウカ、ちょっと太ったんじゃ
ないか?」
なつみ、すかさず耳たぶにデコピン。
裕一「たぁっ!」
なつみ「マイナス十点。ビール一本没収ね」
裕一「そんな殺生な・・・」
その隙に着席するユウカ。
お腹をテーブルの下に隠して。
ユウカ「わあ、ユウカの好きなのばっか!」
わざとらしく喜ぶ。
ポチ袋を差し出すなつみ。
なつみ「中間テストのご褒美よ。今回もよく
頑張りました!」
裕一「そうそう、お前は本当に偉いよ」
ウンウン頷く裕一。
裕一「今晩は実にめでたい。よーく味わって
食べなさい」
ユウカ「はーい、いっただっきまーす!」
裕一「めでたさに免じてあと一本・・・」
なつみ「便乗も甚だしいわね。ま、いいわ」
両親が目を離した刹那。
シャツの裾から飛び出したプリリン。
目の前のごちそうを一瞬で舐め取る。
ハンバーグもポテサラもスープも。
両親が見た時には再びシャツの中。
きれいに片づいたユウカの皿。
ユウカ、ごまかし笑い。
ユウカ「ご、ごちそうさまっ」
裕一「・・・そんなにハラペコだったのか」
なつみ「・・・育ち盛りだものね」
ビールを手渡す姿勢で固まっている。
ユウカ「すっごくおいしかったよ。でわでわ、
ごゆっくりっ!」
ピューッと二階に逃げるユウカ。
なつみ、ビール瓶から手を離す。
危うく落としかける裕一。
裕一「嫌なのかな、家族団欒」
なつみ「色々と複雑なお年頃なのよ」
●同・ユウカの部屋・夜
ベッドに寝転んだユウカ。
ユウカ「おなか、すいてたんですね」
胸の上のプリリンを撫でながら。
ユウカ「気づかなくってごめんなさい」
プリリン「プリィー」
歯の無い口でユウカの手をはむはむ。
ユウカ「くすぐったいですよぉ~」
プリリンを高い高いするユウカ。
プリリン「プリン☆プリン☆プリン☆」
ユウカ「なんか似てますね、ユウカたち」
●同・朝
プリリンの前に弁当箱とお菓子の山。
制服姿のユウカ、精一杯の厳めしさ。
ユウカ「いいですか、ユウカが帰るまでこの
お部屋から出ちゃメッですよ」
●中学校・理科室・午前
カルメ焼き作りの実験中。
掠れ声で説明する初老の安孫子先生。
安孫子「美味そうな匂いがしてきたところで
お浚いですぞ。先刻加えた膨らし粉、また
の名を重曹、正式名は炭酸水素ナトリウム
と云って・・・」
各実験テーブルで盛り上がる生徒たち。
お玉をコンロにかけるミズホ。
じわじわと膨らむ生地。
ダニー「まだ食われへんの?」
ミズホ「しつこい。これだから関西人は」
ダニー「あ、オマエそれ差別やぞ」
ミズホ「って、しれっと食おうとすんな!」
アミィ「やめなって、火あぶないよ」
ミズホからお玉をバトンタッチ。
アミィ「こういうのは焼き加減一つで変わる
んだから」
勿体ぶってお玉の角度調整。
横から伸びるミサキの手。
ミサキ「御託はもう結構よ。貸しなさい」
アミィ「あっ、もうちょっとなのに!」
ミサキ「片方だけ焦げてるじゃない!」
アミィとミサキの攻防。
ユウカ、お玉の行方を凝視している。
ダニー「ん、どうしたん?」
グルグルグルゥーと鳴り響くお腹。
沈黙に包まれる教室。
安孫子「であるからして、分解された二酸化
炭素が・・・」
●同・二年B組教室・昼
お昼休みの賑わい。
ものすごい勢いでパンを貪るユウカ。
唖然とするアミィ、アン、ミズホ。
ミズホ「あんたほど幸せそうにパン食べる子、
見たことないわ」
アン「大丈夫? 喉つまらせないでよ」
一瞬手を止めたユウカ、指でマル印。
再び暴食が始まる。
アミィ「にしても、すごすぎ」
横を通りかかったアカネ。
ちらりとユウカの横顔を見やって。
アカネ「・・・お前、ちゃんと家で食わせて
もらってるか?」
両手にパンを持ったユウカ。
アカネの顔を見て何か答えようと。
たちまちむせて目を白黒。
アカネ「おい、無理に答えなくていいぞ」
背中を叩いてやるアカネ。
アカネ「お前の母ちゃん、そんな人じゃねー
もんな。バカなこと聞いてゴメン」
軽く手を上げて去る。
咳が治まったユウカ、少し涙目。
残り少ないパンを見つめて。
アミィ「悲しい顔しないで。これあげる」
ピックに刺したタコさんウィンナー。
アン「じゃあ私も」
半分に割ったクリームコロッケ。
ミズホ「なんか親鳥になった気分。ほれ」
カップに生姜焼き二きれ。
三人をキラキラと見るユウカ。
アミィ「そんなキラキラしなくていいって。
早く食べなよ」
ユウカ、三品を味わって食べ始める。
その背中を後方から見つめる視線。
開眼したルンちゃんである。
●通学路・夕
頬を上気させて走って来るユウカ。
楽しみを待ちきれない子供みたい。
デザートショップも花屋も通過して。
●住宅街・夕
自転車に乗ったアミィが来る。
ぶつぶつと独り言をつぶやきながら。
アミィ「気になるなぁ。どうも気になる」
声「ええ、気になりますねぇ」
どこからか渋いオジサマの声。
アミィ「気になりすぎて頭が痛い」
声「私もです。この間からステムのあたりが
キリキリと・・・」
アミィ「どこか違うんだよ、いつもと。どこ
とはハッキリ言えないんだけど」
声「確かに。いつもなら疑問の余地など無い
くらいギンギンに感じるのですが」
アミィ「ギンギン? 何の話よ」
声「え、デモニックレーダーの事では?」
アミィ「全然違うってば。私が言いたいのは
ユウカの様子が・・・レーダー?」
声「はい。ここ数日というもの微かな波動を
感知し続けているのですが、余りに微弱な
ために発生源すら絞り込めない状況でして」
アミィ「また早トチリじゃない? 豆腐泥棒
の時みたいに」
声「あっ、ヒドイ・・・」
抗議のように鳴り響く自転車のベル。
●祭家・キッチン・夕
冷蔵庫の前で立ち尽くすユウカ。
開いた扉の中は空っぽ。
●同・ユウカの部屋・夕
恐る恐るドアを開けるユウカ。
お菓子や弁当箱、影も形もない。
ベッドで眠り込んでいるプリリン。
傍にしゃがみ込むユウカ。
ユウカ「そんなにペコペコだったの?」
寝息と共に上下するプリリンのお腹。
ユウカ「・・・ちょっと大きくなった?」
●同・ダイニング・夜
向かい合って座るユウカの両親。
二人の前には蓋を押さえたカップ麺。
裕一「・・・ビール飲みたいな」
なつみ「ありませんよ」
裕一「そうか・・・」
箸を割る裕一。
なつみ「まだ二分」
裕一「硬めが好きなんだよ」
麵をすする音が響く。
裕一「・・・大袈裟かもだけどさ」
なつみ「はい?」
裕一「一度、カウンセリングに・・・」
なつみ、無言でデコピン態勢。
裕一、咄嗟の防御姿勢。
裕一「アッ、待てって。そういう意味じゃ」
無言で戻るなつみ。
なつみ「・・・あの子は大丈夫です」
裕一「分かってるよ、分かってる」
なつみ「きっと・・・食欲の秋だから」
裕一「じゃあ、冬になれば治るな」
箸を割るなつみ。
なつみ「大丈夫、あの子は」
麵をすする音。
●同・ユウカの部屋・夜
ベッドに寝そべるユウカ。
ユウカにじゃれつくプリリン。
ユウカのお腹、グルグル鳴る。
プリリンのお腹、キュルキュル鳴る。
ユウカ「おなか減ったよぉ・・・」
プリリン「プゥー」
ユウカ「もー、プリリンは食べたでしょ」
プリリン「プゥー」
さらに体をすりつけて甘える。
ユウカ「・・・そっか、そうだよね。一人で
心細かったんだよね」
プリリンを抱きしめるユウカ。
ユウカ「ごめんね。もう一人にしないから」
●中学校・二年B組教室・午前
英語の授業。
教壇に葉賀先生。
まだ若いのにどこか厭世的な雰囲気。
ダニーの音読を冷たい表情で聴く。
掌をタクトで軽く叩きながら。
葉賀「ザッツ・イナフ。シット・ダウン」
やれやれと座るダニー。
葉賀、溜息。
葉賀「どうしようもないですね、キミの発音
ときたら」
ダニー「はぁ・・・」
葉賀「お手本をちゃんと聴いていましたか?
私、そんな発音でした?」
ダニー「はぁ・・・」
葉賀「私の英語も完璧なクイーンズ・イング
リッシュとは言えません。ですが何ですか
キミのは。コックニーも真っ青の関西訛り
じゃないですか」
ダニー「はぁ・・・あきませんか?」
教室中クスクス。
葉賀「キミねぇ、それで受験を乗り切ったと
しても、このグローバルでボーダーレスな
社会では・・・」
クシュンと響き渡るクシャミ。
刃のような視線、アカネの方に。
葉賀「・・・続きを、柳さん」
うざったそうに立ち上がるアカネ。
葉賀「時間がもったいない、早く」
アカネ「へーい」
プリリン(声)「プリリーン!」
鼻の頭をこすりながら固まるアカネ。
タクトを手に固まる葉賀。
一拍遅れて、爆笑の渦。
葉賀「・・・私の授業など、馬鹿馬鹿しくて
真面目に聴いていられないと?」
アカネ「は? アタシ何も言ってねーし」
リュックを足で小突くユウカ。
●同・テニスコート・午前
女子の体育の授業。
ミサキとユウカ、シングルスで対戦。
審判の椅子には風間先生。
試合を観戦するアミィとアカネ。
アカネ「ったく何だよ葉賀のやつ。アタシに
個人的な恨みでもあんのかよ」
アミィ「仕方ないって。実際何か聞こえたん
だし」
アカネ「じゃあ誰かがアタシを陥れたんだ。
チクショー」
アミィ「まーまー落ち着こ。風間ちゃんにも
怒られちゃうよ」
コートでは熾烈なラリーが続く。
アカネ「へー、ユウカやるじゃん」
アミィ「ああ見えてスポーツ万能だからね。
あちこちの部から引く手数多だったって」
アカネ「で、何で幽霊部員なんだよ」
アミィ「大岡裁きの結果だとか、本人曰く」
アカネ「わけわからん」
アミィ「これぞユウカ」
ライン際に落ちた球を返すミサキ。
アカネ「けど、そんなやつと互角に打ち合う
一之瀬もなかなかすごくね?」
アミィ「えー、そうかなあ」
露骨に嫌な顔をするアミィ。
アミィ「どうせユウカの圧勝で終わるよ」
グルグルグルゥー。
ユウカの足がチャールストンを踏む。
そこにミサキの強烈スマッシュ!
尻餅をつくユウカ。
アミィ&アカネ「ユウカ!」
シンクロする二人の叫び。
誰よりも早くコートに入るアカネ。
遅れてアミィ、続いて風間先生。
アカネ「大丈夫か、痛くねーか。どっか折れ
たりしてねーだろうな」
ユウカを支えるアカネ。
ユウカ「えへへ・・・へーきです。目の前が
急にグルグルしちゃって・・・」
風間「顔色が悪いな。貧血か、それか熱中症
かも。二人で保健室まで頼める?」
頷くアカネとアミィ。
タオルで汗を拭うミサキ。
平静に見えて少し心配げ。
●同・保健室・午前
ベッドに寝かされているユウカ。
白衣の乙原先生、聴診中。
固唾を飲むアミィとアカネ。
アミィ「あの・・・」
乙原「ん?」
アミィ「悪いんですか?」
乙原「そうね。病名はペコリーニ症候群」
アカネ「ハァ?」
乙原「要するに、空腹が限界に達して眩暈を
起こしただけの話。腹の虫のオーケストラ、
よく聞こえるわよ」
聴診器をユウカのお腹に当てて。
乙原「目を覚ましたら、教室に連れて帰って
あげて。お弁当しっかり食べさせるのよ」
母親のような表情で寝顔を見下ろす。
乙原「ダイエットかな、こんな華奢なのに。
あなたには必要ないよって言ってあげたい
けど、素直に心に響いてくれない時期なの
よね。私にも覚えがある」
アカネ「違えよ」
乙原「え?」
アカネ「そんなんじゃねーって、たぶん」
アカネの顔を見る乙原とアミィ。
●同・購買部・午前
下をこじ開けられたシャッター。
その隙間から蠢く影が見える。
●同・二年B組教室・昼
リュックを覗き込むユウカ。
ユウカ「いない!」
静まり返った教室。
集まってくるクラスメイト。
ダニー「おらんって何が?」
ユウカ「その・・・プリリンが・・・」
ユウカ、消え入りそうな声。
ミズホ「プリリン?」
アン「あんた、また何か拾って連れて来たん
じゃ・・・」
アカネ「おい、決め着けんなよ」
アン「だってこの前もそうだったじゃん!」
強い語気に身をすくめるユウカ。
アン「この子が隠してた野良猫が授業中逃げ
出して、ウンチまき散らしたの忘れた?
そうだ、英語の時間に変な声出してアカネ
に濡れ衣着せたの、そのプリリンってヤツ
だよきっと!」
ユウカ「・・・ごめんなさい」
ダニー「ごめんで済んだら弁護士いらんで。
大体なあ、何か騒動が起きる時はコイツが
起点になっとんねん」
ミズホ「ちょ、そんな言い方!」
詰め寄ろうとするミズホを遮って。
無言でダニーの胸倉を掴むアカネ。
ダニー「な、なんやねん・・・」
アカネの殺気にびびるダニー。
アミィ「一回頭冷やそ。アカネ、アンも」
教室全体に波及する不穏。
ざわめきの中、立ち上がるユウカ。
ユウカ「ごめんなさい、ユウカが全部悪いん
です。プリリンはちゃんと見つけて連れて
帰るから・・・」
静かになる教室。
ユウカ、とぼとぼと出て行く。
その後ろ姿を目で追う一同。
ダニー「あの柳さん、息でけへんねんけど」
ダニーの襟から離れるアカネの指。
アミィ「あの子まだ何も食べてない・・・」
ユウカのリュックを確かめるアミィ。
中はすっからかん。
●同・廊下・昼
ふらふらと歩いているユウカ。
教室に向かうアッキーとすれ違う。
アッキー「お、調子戻ったか」
何も答えずに行ってしまうユウカ。
アッキー「また保健室か?」
●同・二年B組教室・昼
いまだ漂う気まずい雰囲気。
あっけらかんとアッキー入室。
アッキー「やって来る来るただ俺だけを~♪
肉は待ってるぜ~♪」
席について鞄を開けるアッキー。
澱んだ空気に気づく。
アッキー「ん? 誰か死んだ?」
ダニー「まあ似たようなモンや」
鞄を探るアッキーの表情が曇る。
アッキー「れれれ?」
鞄を逆さまにするアッキー。
アッキー「お、俺のすき焼き弁当が・・・」
エリアス軍曹のごとく天を仰ぐ。
一斉に動き出すクラスメイト。
教室のあちこちで上がる悲鳴。
ダニー「俺のもあれへん!」
ミズホ「ウチのサンドイッチ・・・」
アン「おべんとドロボー!」
大混乱の中、教室を出るアミィ。
さりげなく後を追うミサキ。
ルンちゃん、自席で泰然自若。
ルンちゃん「ヒダル神が跳梁しておるな」
懐から竹皮の包み。
ルンちゃん「南無・・・」
静かにオニギリを食べ始める。
●同・廊下・昼
ユウカの姿を見つけたアミィ。
消火器の横に座り込んでいる。
気配に顔を上げるユウカ。
ユウカ「アミィさん・・・」
グルグルグルゥー。
一瞬の沈黙の後、笑い出す二人。
アミィ「アハハ、こりゃまさしくペコリーニ
症候群だ」
ユウカ「エヘヘ、ペコペコでペケペケです」
アミィ「・・・一緒に探そっか」
ユウカ「はい!」
ユウカの手を取るアミィ。
遠くの方で怪獣のような絶叫。
声「フンギャー!」
ユウカ「あれって・・・」
アミィ「購買のハルちゃん!」
●同・購買部・昼
ものすごい野次馬。
人垣をかき分けるアミィたち。
荒らされたカウンター内。
その中で腰を抜かしているハル子。
アミィ「しっかりして、ハルちゃん!」
ユウカ「プリ・・・犬はどこですか?」
渡り廊下を指す震える指。
ハル子「あああ、あっち、あっち行った」
アミィ「一足違いか。追っかけよう」
二人、指された方へ走る。
男子生徒「おばちゃん、焼きそばパンは?」
女子生徒「バカ、それどころじゃないって」
ハル子「プ、プリンのお化け・・・あわわ」
●同・渡り廊下・昼
うららかな陽光の中を駆ける二人。
アミィ、ユウカの手を握って。
●同・玄関ホール~階段・昼
頭上から大勢の悲鳴や怒号。
プリリン(声)「プリィー!」
腹の底に響くような咆哮。
迷わず階段を駆け上がる二人。
途中で上からの人波に遭遇。
必死で逃げる他学年の生徒たち。
押し戻されないよう何とか上階へ。
アミィ「プリリンってホントに犬?」
ユウカ「そのぉ、犬ってゆうか・・・」
●同・廊下・昼
無人になった廊下。
教室の中から取り残された女子が。
尻餅をついて後ずさり。
続いて姿を現すプリリン。
愛らしい顔はそのままで。
人間の大人サイズに成長している。
言葉を失い立ち尽くすアミィ。
ユウカ、プリリンに近づく。
ユウカ「・・・プリリン」
声の方向を向くプリリン。
その隙に逃げ出す女子生徒。
ユウカ「まだハラペコなんだね。でも他人の
ごはんは取っちゃダメ」
プリリン「プゥー」
ユウカ「ユウカの全部あげるから」
アミィ「気をつけて!」
さらに近づくユウカ。
ユウカ「帰ろ、ねっ・・・」
プリリンの口の端から覗く鋭い牙。
その時、火災警報が鳴り響く。
身を躍らせて逃げ出すプリリン。
凄まじい速度で廊下の反対側へ。
ユウカ「待って!」
後を追うユウカ、出遅れるアミィ。
階段を上ってくる教師たち。
へっぴり腰で各々武器を持って。
高杉「九重、無事か!」
モップを持ち、頭にはバケツ。
アミィ「先生、ユウカが・・・」
廊下の先を指すアミィ。
高杉「分かった。後は先生たちに任せておけ。
九重は体育館へ。みんな先に避難してる」
大きな三角定規を抱えた陸奥先生。
太い角材を構えた金剛寺先生。
薬品の瓶を両手に持った安孫子先生。
金剛寺「先生はお体に障りますから、生徒と
一緒に・・・」
安孫子「何をこれしき。年寄り扱いしないで
くれたまえ」
教師たち、追撃開始。
その場で思案するアミィ。
●同・手洗い場・昼
悠々と歩いてくるプリリン。
何かをガムみたいに噛みながら。
口から飛び出た椅子の脚。
立ちはだかる葉賀。
葉賀「やれやれ、この学校はサファリパーク
ですか」
手洗い場の蛇口を全て開く。
葉賀「薄汚いバケモノは私のアクアリウムで
滅菌してさしあげましょう」
取り出したタクトを振ると。
流れる水が空中で巨大な球体に。
葉賀「ホーリー・・・」
ユウカ「プリリン!」
葉賀の視界にユウカ。
気を取られた隙にプリリン突進。
撥ね飛ばされた葉賀の頭上に水球。
弾けて大量の雨。
ずぶ濡れの葉賀、呆然。
プリリンを追うユウカ。
横を通り過ぎる際、一礼。
葉賀、水も滴る引きつり顔。
●同・体育館前・昼
体育館に次々と入っていく生徒。
不安より好奇心が勝り始める。
クラスメイトに追いつくアミィ。
アミィ「みんな待って」
アン「よかった、無事だったんだね!」
アミィ「私は平気。でもユウカが」
ダニー「またアイツか。迷惑かけよるなあ」
ミズホ「高杉たちが助けに行ったんでしょ。
警察も来るって言ってたし大丈夫だよ」
ダニー「せやせや。アイツ殺されても簡単に
死なんタイプやから。どうせケロッとした
顔で戻ってくるって。おなかペコペコ~☆
とか言いながら」
ぷいとその場を離れるアカネ。
アッキー「お前ら、何言ってるか分かってん
のか?」
吐き捨てて動くアッキー。
ルンちゃん「秋葉原殿、いずこへ」
アッキー「俺は学級委員だぞ。仲間を見捨て
られるかよ」
アミィ「私も行く!」
二人で校舎へ。
気まずい空気再び。
そっと手を合わせるルンちゃん。
ルンちゃん「衆生済度こそ真の仏の道。やれ
尊や・・・」
●同・階段・昼
階段を駆け上がるアミィとアッキー。
声「アミィ様!」
アミィの首から下げた鍵が叫ぶ。
アミィ「何よ、こんな時に」
立ち止まるアミィ。
アッキー、先に行ってしまう。
声「残念ながら悪い知らせです」
アミィ「それならリアルタイムで体験してる
ところ」
声「例の波動の正体が判ったのです。やはり
只事ではありませんでした」
アミィ「あのさ、奥歯になんか挟むのやめて
くれない? こっちは一分一秒を争ってる
んだけど」
声「ゼロ次元の波動です」
アミィ「は?」
声「しかも幾何級数的に振幅を増している」
アミィ「ちょっと、何言って・・・」
ミサキ「あなたの自転車の言うとおりよ」
降ってきた声を見上げるアミィ。
踊り場から高慢に見下ろすミサキ。
ミサキ「教えてあげる。アレはゴプリンよ」
アミィ「ゴブリン?」
ミサキ「ゴ・プ・リ・ン」
ミサキ、優雅に階段を下りてくる。
アミィ「だから何よそれ」
滑りかけて威厳を立て直すミサキ。
ミサキ「まったく、手間のかかる子ね。ゼロ
次元は聞いたことがあるでしょ」
アミィ「人間界と魔界の狭間にあるってこと
くらいは。すごく寂しい場所だって」
ミサキ「そう、質量も時間も存在しない空間。
ゴプリンはそこに棲息している不定形生物。
虚無を貪欲に喰らって生きているの」
アミィ「それってショゴスみたいな?」
ミサキ「まあ、似たような物よ」
アミィ「そんなのがどうして。それにアイツ、
獣みたいな形してた・・・」
ミサキ「一時的にゲートが開いたのよ、原因
は不明だけど。アレはそこから実体化して
直後に祭優花と接触した。今の形態は彼女
の精神をトレースした結果ね」
アミィ「危険な存在なの?」
ミサキ「このまま成長を続ければ・・・」
校舎のどこかで破壊音。
ミサキ「祭優花は確実に喰われる」
●同・廊下・昼
気絶している高杉たち。
ただ一人悠然と胡坐をかく安孫子。
駆けつけるアミィとミサキ。
アミィ「先生!」
安孫子「心配ご無用、伸びとるだけじゃ」
言い終わるや引っくり返る。
廊下の向こうからよろよろとユウカ。
その場に膝をつく。
ユウカ「ダメです・・・もうユウカには止め
られません・・・」
ミサキ「無責任の極みね」
アミィ「ミサキ!」
ミサキ「まだ喰われてなかったのは幸いだわ。
決着はあなたがつけなさい」
ユウカ「でも・・・」
ミサキ「デモもゲバルトもない!」
凛と響き渡る声。
ミサキ「いつもいつも甘えてばかりで。一人
だと後始末もできないわけ?」
ユウカ「・・・・・・」
ミサキ「あなたが何もしないなら、ゴプリン
は私が殺すわよ」
涙を湛えた瞳で睨むユウカ。
ユウカ「・・・いやです」
ミサキ「聞こえないわ」
ユウカ「殺させません!」
アミィも口を挟めない二人の対峙。
●同・理科室・昼
教室の前方でうずくまるプリリン。
すでにヒグマ大のサイズ。
夢中で人体模型にむしゃぶりつく。
後方から忍び足で近づくアッキー。
障害物競走の網を手に。
割れたフラスコを踏む足。
アッキー「やべっ」
振り向いたプリリン、敏捷に跳躍。
アッキーを突き飛ばすアカネ。
間一髪で攻撃をかわす。
プリリン、網に足を取られて。
アカネ「死にてーのか! 来い!」
アッキーの首根っこを捕える。
そのまま教室から飛び出す二人。
網に絡まりながら追うプリリン。
アッキー「わりい、助かった」
アカネ「気が早えーよ! もっと速く走れ、
盗塁王だろ!」
背後からグングン迫るプリリン。
アカネ「ハァハァ、ユウカは?」
アッキー「まだ会えてない、ゲホゴホ」
アカネ「クソッ!」
アッキー「たぶんまだ大丈夫だ。血とか全然
見てないし。人間は喰ってない、はず」
減速せず廊下を曲がる二人。
曲がり角にプリリン激突。
アッキー「そうだ!」
アカネ「えっ」
アッキー「このままどこかに誘い込もう」
アカネ「どこにだよ!」
アッキー「それを今考えてんだよ!」
●同・体育館・昼
あちこちで集団を作る生徒たち。
声を潜めて不確かな情報を囁き合う。
どこか浮ついたような空気が漂って。
教師の指示もなかなか伝わらない。
トラメガを渡された風間。
風間「ハイ聞いて。安全確認が取れました。
今から中庭を通って校庭に出ます。校庭で
点呼を取ったらそのまま下校です。荷物は
決して取りに戻らないこと」
隅っこに固まった二年B組。
ダニー「風間ちゃん、何やて?」
ミズホ「声割れてて分かんない」
舞台の上の風間を眺める。
その背後に作りかけの書割。
ミズホ「間に合うのかな、劇の準備」
他の集団、立ち上がって移動準備。
アン「ここから出るみたい」
ミズホ「マジか。いない子はどうすんの」
ダニー「いない子だらけやからな、二B」
出口に向かって流れ出す生徒たち。
無言で立ち上がるアン。
ミズホ「とりあえずウチらも動く?」
アン、出口と違う方向に歩き出す。
ダニー「おい、どこ行くねん」
用具倉庫に消えたアン。
一振りの木刀を持って戻ってくる。
ダニー「なんや物騒な」
アン「私、ユウカにひどいこと言った」
木刀を握る手が震えている。
アン「友達みたいな顔して、心の中ではあの
子のこと見下してたんだと思う」
ミズホ「アン・・・」
アンの肩に手をやるミズホ。
アン「だから、あの子の行動にいちいちイラ
ついてトゲトゲして・・・」
ミズホ「もういいって」
ミズホの手をそっと払うアン。
アン「ユウカに謝ってくるよ」
●同・廊下・昼
ユウカとミサキの対峙は続く。
ミサキ「それで、どうするわけ?」
ユウカ、アミィに顔を向ける。
ユウカ「アミィさん」
アミィ「はいっ」
ユウカ「貸してください、それ」
手を伸ばした先はアミィの眼鏡。
アミィ「えっ、これ?」
頷くユウカ。
外しておずおずと差し出すアミィ。
アミィ「指紋つけないでね」
ユウカがそっと眼鏡をかけた瞬間。
ピンと伸びる背筋。
大きく見開かれた眼。
声もなく動く唇。
見えない暗号を解読するごとく。
ミサキ「何を見せられているの、私たち」
アミィ「さあ・・・ルーティン的な?」
ユウカ「・・・解が見つかりました」
向き直る眼鏡ユウカ。
ミサキ「で?」
ユウカ「私がお料理します」
アミィ「は?」
ミサキ「・・・・・・」
ユウカ「プリリンはきっとお母さんの愛情に
飢えてるんです」
落ち着いた表情で淡々と語るユウカ。
ユウカ「無意識の内にお母さんの味を探して。
でも知らないから手当たり次第に暴食する
しかなくて。あれじゃ地球上を食べ尽くし
たって満たされることはない」
アミィ「・・・・・・」
ミサキ「・・・・・・」
ユウカ「私が教えてあげなきゃ、祭家秘伝の
クリームシチューで!」
プッと吹き出すミサキ。
ミサキ「アハ、アハハハハ・・・」
ユウカ、不思議そうに見る。
ミサキ「はしたなくてごめんなさい。でも、
愉快なアイデアだわ。正直に言うと私にも
正解は解らないの。だったらあなたの賭け
に乗ってみるのも悪くないわね」
アミィ「よくも偉そうに・・・」
アミィ、ブツブツ。
ミサキ「一つ聞いてもいいかしら。どうして
クリームシチューなの?」
ユウカ「・・・から」
ミサキ「なに?」
ユウカ「それしか作れないから!」
耳たぶを赤くして俯くユウカ。
ユウカ「お父さんもお母さんも・・・大好物
だから・・・」
スマホを取り出すミサキ。
ミサキ「さて困ったわ。たぶん校内に食材は
残っていないでしょうね」
アミィ「もったいぶらずにさっさとかけたら
いいのに・・・」
アミィ、ブツブツ。
電話をかけるミサキ。
ミサキ「もしもし樋口? よく聞きなさい。
ホテルに納入する食材があったわね。全て
学校に回してほしいの。今すぐによ。それ
と芋煮用の大鍋も。余計な質問はしないで。
正門を開けさせるからトラックごと入って
来なさい。いい?」
●同・手洗い場・昼
濡れた顔をハンカチで拭く葉賀。
葉賀「私としたことがこれしきの事で冷静さ
を失うとは。まだまだ修養が足りませんね」
どたどたと接近する音。
顔を上げる葉賀。
廊下の果てから猛スピードで迫る影。
アッキーとアカネ。
そのすぐ後ろを追走するプリリン。
軽トラック大にまで成長している。
葉賀「くっ、今度こそ!」
アッキー「先生、どいてどいて!」
葉賀を突き飛ばすアッキー。
アカネ「うぉっ!」
廊下に転がった葉賀を軽やかに回避。
後から無遠慮に踏んでいくプリリン。
葉賀、無様に床に這いつくばって。
葉賀「ブラディ・ヘル・・・私を誰だと」
●同・廊下・昼
走りながら中庭を見下ろすアッキー。
体育館から移動する生徒たちの姿。
アッキー、並走するアカネに目配せ。
アカネ「何だよキモイな」
アッキー「あれ見ろ!」
アカネ「もっと安全な所に移るんじゃねーの、
アタシらと違って・・・」
距離を詰めてくるプリリン。
アッキー「今ならあそこは・・・」
●同・体育館・午後
広い館内には二年B組の有志だけ。
木刀を持ったアンを止めるミズホ。
アン「そこどいて! 行かせてよ!」
ミズホ「やめときなって。そんな棒きれじゃ
太刀打ちできないよ。相手は恐竜みたいな
ヤツだって、さっき先輩が・・・」
アン「じゃあユウカがどうなってもいいの?
アミィたちや先生たちも・・・」
ダニー「あー、くそったれ!」
突然の叫びに一同びっくり。
用具室に消えるダニー。
金属バットを持って戻ってくる。
ダニー「守宮ばっかええカッコさしたら男が
廃るわ。俺もお供すんで」
ミズホ「ちょ、アンタまで・・・」
いつの間にかアンの隣にルンちゃん。
数珠と共に手を合わせて。
ルンちゃん「拙僧が真言にて援護いたそう」
ミズホ「もお! これじゃあウチだけ冷血漢
みたいじゃん!」
拗ねるミズホに差し出された武器。
ホッケースティック。
ダニー「もちろん総力戦や。見学は認めへん
で」
ミズホ「ダニー・・・」
頬を染めて得物を受け取るミズホ。
その時、入口扉が派手に開く。
突風のように飛び込んでくる影。
アッキー「なんでお前らまだいるんだよ!」
ミズホ「ぎゃっ!」
アッキーの背後にプリリン。
扉枠を無理やり破壊して侵入。
アッキー「どけどけどけぇ!」
ダニー「こらあかん!」
武器を放棄してミズホを庇うダニー。
アッキー「何してんだ守宮!」
アッキーを半身でかわすアン。
木刀を構えてプリリンに正対。
臆することなく中段の構え。
アン「ユウカの仇ィ!」
繰り出された鋭い突き。
剣尖が捉える前にプリリン跳躍!
巨体がアンの頭上を越えてゆく。
舞台上のアッキーめがけて。
アン「冗談でしょ・・・」
アッキー「こっちこっち!」
ギリギリで伏せるアッキー。
プリリン、軌道修正できずに。
奥の書割をぶち破って停止。
崩壊寸前のアッシャー家。
アッキー「今だ、柳!」
舞台から飛び降りて制御室に叫ぶ。
照明バトン、急速降下。
もがくプリリンを押し潰す。
アッキー「もう一発!」
逃れようとするプリリンの上から。
もう一本のバトンが駄目押し。
抵抗する動きが鈍くなる。
ゆっくりと下りてくる緞帳。
プリリンの上半身を隠して閉じる。
ダニー「やったんか・・・」
ミズホを押し倒したままのダニー。
舞台に気を取られて。
ミズホ「ちょっと・・・」
ミズホに視線を戻すダニー。
ダニー「・・・お前めっちゃ汗かいてんぞ」
ミズホ「アホ!」
スティックを振り回すミズホ。
ダニー「あた、当たっとる、危ないて!」
制御室から下りてくるアカネ。
アッキー「ナイス、マデライン姫!」
アカネ「その呼び方やめろ。アタシは裏方が
向いてるって言ってんのに」
緞帳から突き出したプリリンの尻。
よく見ると微かに蠢動。
アカネ「しぶてーな。まだ動いてんぞ」
木刀を持って近づくアン。
アン「とどめ刺しとく?」
アッキー「一応な」
上段に振りかぶるアン。
プリリンの尻が激しく波打つ。
アン「メーン!」
振り下ろされた木刀。
尻が顔にトランスフォーム。
木刀を牙で受け止めて噛み砕く。
アン「うわっ!」
アカネ「キモッ!」
慌てて飛びすさる二人。
ダニー「ホンマに面になる奴があるか!」
獰悪な第二の顔、生徒たちを威嚇。
アッキー「お、落ち着け。ここから動けない
ことに変わりないから・・・」
プリリン「プリプリプリィー!」
凄まじい咆哮に耳を塞ぐ一同。
ユウカ「プリリン!」
くぐもったユウカの叫び。
生徒たち、同時に入口を向く。
逆光を背景に立つユウカ。
その後ろからアミィとミサキ。
ミサキ「お誂え向きだわ。このまま搬入を」
スマホに向かって指示。
壊れた扉口から次々とトラック。
唖然と見守る生徒たち。
●同・承前
体育館の真ん中にセットされた大鍋。
即席の大型竈の上に鎮座して。
その周囲に設えられた複数の調理台。
何セットもの包丁とまな板。
山のように積み上げられた肉と野菜。
ダニー「で、誰か説明してくれへん?」
コック衣装に着替えさせられた面々。
ミズホ「なにこれ、めっちゃエモい!」
ミサキ「一之瀬家の厨房服よ。ミラノで特別
に作らせたの」
アッキー「何も俺らまで・・・」
ミサキ「いいじゃない。似合ってるわよ」
緞帳に歩み寄るユウカ。
プリリン、牙を剥いて低く唸る。
ユウカ「こんなことになっちゃってごめんね。
もう少しだけ待ってて」
アン「ご機嫌斜めだね・・・」
アン、ユウカの傍に寄り添う。
ユウカ「人間だってお腹がすいたらイライラ
するでしょ。きっと同じなんです」
急にユウカを抱きしめるアン。
ユウカ「わわっ」
アン「ごめん、ほんとごめん。いつもきつく
当たっちゃって。きっとユウカは私のこと
なんか好きじゃないよね。でも気づいたの、
無事がわかった瞬間。私、やっぱりユウカ
と友達でいたいんだって・・・」
泣きじゃくるアン。
ユウカ、優しくよしよし。
ユウカ「アンちゃんはずっと友達。友達じゃ
なくなったことなんて一瞬もないですよ」
調理スペースに向き直るユウカ。
ユウカ「このたびはご迷惑おかけしました。
迷惑ついでにもう一つだけ、みんなの力を
貸してください。プリリンをお腹いっぱい
にして帰してあげるために」
深々と頭を下げる。
ダニー「なんや堅苦しいなあ。それにヘンな
眼鏡までかけて」
アミィ「ヘンとは何だ。私の眼鏡だぞ」
ダニー「知らんがな」
アッキー「ヨシ、もう一仕事やったるか!」
ミズホ「ルンちゃん、料理とか出来るん?」
ルンちゃん「拙僧は精進専門にて、調理中は
読経で応援いたす」
アカネ「いや応援とかいらねーから」
ミズホ「待って、いい考えかも。プリリンが
暴れ出さないようにお経で抑えててよ」
ルンちゃん「承知つかまつった」
アミィ「レッツ・クッキング!」
包丁を突き上げて盛り上がる一同。
ミサキ、アミィに目配せ。
●同・承前
ワイワイ言いながら進む調理。
一之瀬家スタッフの手も借りながら。
陣頭指揮をとるユウカ。
猛烈な勢いで具材を切るアンとアカネ。
アカネ「おい、切り方雑すぎねーか」
アン「そんなの気にならないって。だって、
食べるのアイツだよ?」
アカネ「ユウカが言ってただろ。愛情をこめ
なきゃ意味ないって」
アン「分かってる。だからできるだけ丁寧に
やってるじゃん」
アカネ「まだ皮ついてんぞ!」
アン「もー、この包丁安物じゃない?」
鍋周りを担当するミズホとダニー。
ミズホ「ダメダメ、まだ火通ってない」
ダニー「大丈夫、生でも食いよるやろ」
ミズホ「あ・い・じょ・う!」
ダニー「お前のためやったら、もうちょっと
愛情こめれんねんけどなあ・・・」
ミズホ「死ね死ね! 一緒に炒めてやる!」
ダニー「熱っ、熱いがな!」
フライ返し攻撃を必死で避ける。
てんやわんやの渦の外。
不動明王真言を唱えるルンちゃん。
激しく吠えかかるプリリン。
重しのバトンが少しずつズレて。
*****
回廊から調理風景を見下ろすアミィ。
反対側の回廊にはミサキ。
テレパシーで会話。
ミサキ(声)「九重亜美、何をボケっとして
いるの」
アミィ(声)「いや、いい匂いしてきたなー
と思って」
ミサキ(声)「お気楽も大概にしなさい」
アミィ(声)「でもクリームシチューが完成
したら万事解決じゃ・・・」
ミサキ(声)「あれは単なる時間稼ぎ。奴を
ゼロ次元に送り返す方法は一つだけよ」
リーチャ(声)「ゲート、ですね」
会話に割り込む自転車(リーチャ)。
アミィ(声)「ゲート? 私たちで?」
ミサキ(声)「他に誰がいると言うの」
アミィ(声)「だって、そんな・・・」
ミサキ(声)「だってもカフェラッテもない」
うっ、と息を飲むアミィ。
リーチャ(声)「幸い、次元障壁の不安定な
状態が続いています。ある程度くすぐって
やれば数秒間くらいは」
ミサキ(声)「くすぐるのは私が。次元障壁
がクシャミしそうになったらあなたがこじ
開けて頂戴」
空間からヴァイオリンを取り出す。
ミサキ(声)「グズグズしないで」
アミィ(声)「とちっても怒らないでよ」
アミィ、空間からパレット。
ミサキ(声)「座標は幕の後方二メートル。
計算が狂ったら大惨事よ。集中して!」
それぞれのアイテムを構える二人。
●同・承前
燃え盛る竈の炎。
大鍋から盛大な湯気。
大きなお玉で混ぜられるシチュー。
ユウカとアンの二人がかり。
*****
一心に読経を続けるルンちゃん。
滝のような汗がコック服を濡らす。
バトンから抜け出しそうなプリリン。
見えない衝撃が緞帳に伝わる。
僅かに引き戻されるプリリン。
あたかもルンちゃんの法力のように。
*****
回廊でヴァイオリンを弾くミサキ。
目を閉じて演奏に身を委ねる。
パレットに絵筆を浸して待つアミィ。
緞帳の向こうを透視するような視線。
●同・承前
一之瀬家SPたちに運ばれる大鍋。
プリリンの鼻先に重々しく配膳。
ユウカ「おまちどおさま!」
鍋一杯に満ちた具沢山シチュー。
唸りを止めて匂いを嗅ぐプリリン。
ユウカ「好きなだけ食べていいよ。プリリン
のためのご馳走なんだから」
息を飲む生徒たち。
次の瞬間、大鍋にがっつくプリリン。
ダニー「やった! 食らいつきよった!」
ミズホ「だから言ったじゃん、ルーは多すぎ
なくらいが丁度いいって!」
ハイタッチして喜ぶ二人。
アッキー「ルンちゃんお疲れ」
読経を止めてへたり込むルンちゃん。
アッキー「帰りに精進バーガーおごるよ」
プリリンとの距離を縮める一同。
ユウカ、息を詰めたまま見つめる。
アカネ「見ろよ、ユウカ」
プリリンの顔から悪相が剥がれていく。
食べ方も、ゆっくり味わうよう。
ユウカ「これがお母さんの味だよ」
柔らかくほころぶユウカの表情。
アカネ「良かったな、マジで」
ユウカの肩を抱くアカネ。
プリリン「プリンプゥー」
アン「よく見るとコイツ結構キュートかも」
ユウカ「そうなんです! 特にこのあたりを
撫でてあげると・・・」
プリリンの鼻面に手を伸ばすユウカ。
突然、悲鳴のような弦の叫び。
ユウカが手を引くのと同時に。
空中に何度も嚙みつくプリリンの牙。
ガギッガギッと禍々しい音。
*****
ミサキの視線は舞台上。
ヴァイオリンの弓を休めずに。
ミサキ(声)「祭優花、気を緩めすぎ!」
アミィ(声)「シチュー食べたのに・・・」
ミサキ(声)「時間稼ぎの意味、理解できた
でしょ?」
クライマックスに差し掛かる演奏。
ミサキ(声)「最後の駆け上がりよ!」
大きく内側に凹む緞帳。
アミィ(声)「収束!」
パレットから群青色の絵具が迸る。
*****
執拗に歯を噛み鳴らすプリリン。
大量の唾液が床を焼いている。
なすすべもなく立ちすくむユウカ。
ユウカ「プリリン・・・」
●祭家・ユウカの部屋(回想)
ベッドでユウカにじゃれつくプリリン。
歯のない口でユウカの手を何度も噛む。
はむ、はむ、はむ。
ユウカ「くすぐったいですよぉ~」
笑いこけながらプリリンを抱く。
●中学校・体育館・午後
一陣の風が館内を吹き渡る。
ユウカ「私を・・・食べたかったの?」
グン!と幕の奥に牽かれるプリリン。
再びルンちゃんの読経。
ミサキの演奏と絡み合って。
狂騒と混沌の中。
ユウカの頬を落ちる一粒の涙。
ユウカ「さよなら・・・」
一瞬、プリリンの顔が愛らしく戻る。
プリリン「プリィーン☆」
一気に幕に飲み込まれる巨体。
ミサキ(声)「閉じて!」
アミィ(声)「拡散!」
舞台から放出されるエネルギー波。
吹き飛ばされる生徒たち。
●同・承前
目を開けるユウカ。
アミィが上から覗き込んでいる。
ユウカ「・・・アミィさん?」
体を起こそうとしてふらついて。
グルグルグルゥー。
アミィ「あっ、無理しないで」
ユウカの上半身を支えてやる。
ユウカ「・・・これ、ありがとうです」
眼鏡を外してアミィに返す。
アミィ「お役に立てたなら何より」
袖でレンズの埃を拭いてかけ直す。
周りを見回すユウカ。
今しも目覚めつつある級友たち。
ダニー「ようわからんけど一件落着か?」
アン「ルンちゃんのお経が効いたのかも!」
ミズホ「マジ? ヒーローじゃん!」
ルンちゃんに抱きつくミズホ。
固まるルンちゃん、妬くダニー。
ユウカの傍にやってくるアカネ。
アカネ「あの・・・なんつーか、うまく言え
ねーんだけどさ・・・あんま落ち込むなよ。
もし寂しくなったらアタシと猫カフェに」
黙ってアカネに抱きつくユウカ。
アカネ、あわあわ。
アカネ「お、おま、ちょっとタンマ・・・」
その様子を見て微笑むアン。
大きく一つ伸びをして。
アン「にしてもヒドイね、グッチャグチャ。
アッシャー家、完全崩壊してるし」
アミィ「作り直しかー。本番間に合うかな」
アッキー「まあ最終的には何とかなるだろ。
それよりもさ・・・」
無傷の調理スペースを見て。
アッキー「もう一回何か作らね? 材料まだ
残ってるし」
ダニー「ええこと言うなあ学級委員。てか、
まだ誰も昼メシ食ってへんのちゃう?」
アン「せっかくだから次はカレーにしない?
具材ほぼ一緒でしょ」
ルンちゃん「拙僧は肉食が・・・」
ミズホ「じゃあ肉抜きカレー!」
アッキー「一之瀬、いいかな?」
後ろ姿のミサキ、サムズアップ。
ユウカ「やったー! みんなでカレー!」
飛び上がらんばかりの喜びよう。
まだ風が舞っている舞台上。
踊るように漂うカーネーションの花弁。
●デザートショップ・店内・午後
カフェコーナーのある瀟洒な店。
厨房で生クリームを絞る老店主。
色とりどりのショーケース。
未練がましく覗き込むユウカ。
二つだけ残ったプリンアラモード。
なつみ「これ二つください。あとモンブラン
も二つ」
振り返るユウカ。
お財布を持って微笑むなつみ。
少し離れて照れくさそうな裕一。
なつみ「今日は家族みんなで行こっか」
ユウカ「・・・うん!」
ぱあっと輝くユウカの笑顔。
同年代の少女店員が箱を差し出す。
店員「ドライアイス多めに入れておきますね。
ありがとうございました!」
了
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