「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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山さんの刑事部屋
ヨロイを脱いで朝飯を
十兵衛・・・男性。足軽。
長兵衛・・・男性。百姓。
おさよ・・・女性。十兵衛の恋人。
●山中・藪・夜
藪の中でぎょろぎょろ光る眼。
漆黒の具足に身を包んだ十兵衛。
怯えた兎のように息を殺している。
兜を叩く雨音が頭の中まで響く。
堪らず顎紐に手をかける十兵衛。
紐を解いて兜を脱ぎ捨てようと。
にわかに辺りが騒々しく。
十兵衛、咄嗟に身を伏せる。
前立の桔梗紋に映える松明の火影。
目の前の山道を駆ける複数の足音。
追手A「日向守め、何処に消えおった」
追手B「闇夜に雨じゃ。まだ左程遠くへは」
追手A「稀代の奸臣の首級、ゆめ泥棒なぞに
くれてやるまいぞ」
泥濘んだ足音が遠ざかる。
十兵衛、再び固い結び目と格闘。
やがて頭から外れる兜。
ザンバラ髪が溢れ出す。
その下の日に焼けた小狡い顔。
●タイトル
●山中・藪・夜
藪から顔を出す十兵衛。
道の左右を見渡して安全確認。
地面に入り乱れる草履の痕。
思案の末、上り斜面に挑みかかる。
藪の中に兜だけ残して。
十兵衛の脳裏に去来する不安。
●同(十兵衛の想像)
藪に残された兜を拾い上げる追手。
追手A「読みが当たったわ。やはり彼奴めは
この近くに」
追手B「首は頂いたも同然。草の根分けても
探し出すのじゃ」
殺気走って勢いを増す捜索。
●同・藪~斜面・夜(現実に戻る)
藪に残された兜を拾い上げる十兵衛。
紐を結ばずに頭にかぶる。
*****
再び斜面を登り始める十兵衛。
軟らかい土肌に手こずりながら。
必死に手がかり足がかりを求める。
具足の重さと締めつけに苦しんで。
不意に崩れ落ちる足元の土。
ずるずると滑り落ちる十兵衛。
夢中で木の根を掴んで踏みとどまる。
傾いた兜の下の怯えた目。
十兵衛「とっとと脱がねえと・・・」
●同・空地・夜(回想)
両脇を抱えられた十兵衛。
寄せ集めの足軽具足姿。
一党の前に力ずくで引き立てられる。
岩の上に腰かけて休む武将。
その傍に控える家臣たち。
皆一様に傷負い疲れ果て。
武将「面を上げよ」
家臣C「お館様の御覧に入れい」
十兵衛、髻を掴んで上を向かされる。
武将「ほう、これはこれは・・・」
思わず腰を浮かせる武将。
武将と十兵衛の顔、瓜二つ。
家臣C「如何にございますか」
武将「面妖な心地じゃ。まるで鏡でも覗いて
おるような・・・」
家臣C「陣中での噂は耳にしておりましたが
いやはや、拙者も眼を疑いましてござる」
武将「して、この者を?」
家臣C「はッ。山猿どもの目を眩ます分には
うってつけかと」
進み出る別の家臣。
家臣D「憚りながら」
武将「何じゃ山城」
家臣D「いかに造作が似ておりましょうとも
所詮は足軽風情、品も格も殿には遠く及び
ませぬ。とても騙しおおせるものでは」
家臣C「一刻でも長く時を稼げばよし。今は
贅沢など申しておる場合ではない」
十兵衛「あ、あのう・・・」
家臣D「殿、やはりここはこの行信めが」
家臣C「おぬし、この期に及んで点数を稼ぐ
算段か」
家臣D「何を」
家臣C「事ある毎にケチをつけおって。此度
はいかなる戯言を吹き込む腹じゃ」
家臣D「心外な。儂は身を以て忠義者の証を
立てようと申しておるのだ。囮なら儂が」
一瞬、十兵衛の顔に希望が灯る。
武将「それはならぬ」
希望の光が瞬時に消える。
家臣D「ですが殿・・・」
武将「役不足じゃ」
家臣D「ぬっ・・・」
武将「おぬしほどの強者、斯様な役まわりで
あたら命を散らす道理も無かろう。忠義と
申すなら生きて再起に力を尽くせ」
家臣D「も、勿体ないお言葉・・・」
感涙にむせぶ家臣D。
十兵衛の白けた視線。
すっくと立ち上がる武将。
武将「そやつの物の具を剥げい」
雑兵どもが十兵衛に襲いかかる。
抵抗虚しく身ぐるみ剥がれる十兵衛。
武将、十兵衛に歩み寄り髻を掴む。
閃く小太刀、解けるザンバラ髪。
武将「おぬし、名は何と申す」
十兵衛「・・・じゅ、十兵衛」
武将「これぞ天命か、名まで同じとは」
懐紙に包まれる十兵衛の髻。
武将「経の一つぐらいは上げてやるわ」
●同・洞穴・夜(現在に戻る)
山腹に開いた横穴の中。
奥に身を潜める十兵衛。
麗々しい具足は泥にまみれて。
一心に脇の下の引合緒を解こうと。
十兵衛「嫌に固く結びやがって」
擦り剥ける指の皮、滲む血。
十兵衛「まるで木の瘤だぜ」
解くのを諦めて腰の鞘に手を伸ばす。
十兵衛「いっそバッサリ・・・」
鯉口を切って刀を抜く十兵衛。
ハバキから二寸残して折れた刃。
十兵衛「く、くそっ」
折れ刀を放り出して大の字に寝転ぶ。
十兵衛「・・・おさよ」
目をつぶる十兵衛、眠りに誘われて。
●十兵衛の村・朝(十兵衛の夢)
よく晴れた初夏の朝。
かぶら畑に蝶が舞う。
畝道をやってくる具足姿の十兵衛。
畑に屈み込んで草取りをする少女。
十兵衛「おさよ」
腰を上げて朝陽に目を細めるおさよ。
十兵衛の姿を認めて目を丸くする。
おさよ「十兵衛さん・・・」
籠を投げ出して十兵衛へと駆け寄る。
おさよ「どうしたの、どこぞの殿様みたいな
なりして。ずっと心配しとったんよ」
十兵衛「そのお殿様を討ち取って鎧を剥いで
来たんじゃねえか」
おさよ「また嘘ばっかり」
十兵衛「嘘かどうか近くでよく見てみな」
差し伸べた籠手。
おさよを抱きしめる十兵衛。
腕の中でふくよかな体が震える。
おさよ「・・・血の臭いがする」
十兵衛「ツツジの匂いしかしねえよ」
おさよ「もう戦に行かん?」
十兵衛「行かねえ。戦は終いだ」
おさよ「あの時の契りは・・・」
潤んだ上目遣いで引合緒を掴んで。
十兵衛「覚えてるとも。お前と俺は・・・」
二人の唇が近づく。
解ける引合緒、緩む胴。
●山中・洞穴・夜半(現実に戻る)
洞穴の外で枝を踏み折る音。
十兵衛「おさよっ」
飛び起きて周囲を見回す十兵衛。
暗い洞内、入口で揺らめく火影。
追手E「誰かおるのか」
洞穴の中に差し込まれる松明。
光から逃れるように縮こまる十兵衛。
追手E「何者じゃ。諸手を挙げて出て参れ」
十兵衛「・・・・・・」
追手E「従わぬならこちらから・・・」
十兵衛「お、お待ち下さいまし」
バンザイして入口へ歩み寄る十兵衛。
火明りにさらされる具足の全身。
追手E「その甲冑、もしや貴殿・・・」
松明を捨て、すかさず抜刀。
十兵衛「違う、違うんだ。これは無理に着せ
られて・・・」
追手E「何を申されるか」
十兵衛「俺は一介の百姓だ。お殿様と似てる
からって陰法師に・・・」
追手E「何たる浅ましき振舞い、惟任日向守
ともあろう者が」
十兵衛「だから、俺は十兵衛・・・」
追手の剣に殺気が漲る。
追手E「ようやく認めたな。尋常に腰の物を
抜かれよ」
十兵衛「抜きたくても抜けねえよ。ほら鞘、
鞘だけ」
腰の空鞘を叩いてアピール。
十兵衛「中身はポッキリと・・・」
追手E「よくよく哀れな御方よ。十日あまり
とは言え紛れもなき天下人、その行く末が
これか。ならばせめて一思いに」
慈悲深い表情と八相の構え。
十兵衛「ここまでか・・・」
思わず顔を腕で覆う十兵衛。
追手E「お覚悟ッ・・・」
凄絶な気合が不意に途切れる。
*****
十兵衛、恐る恐る腕をどける。
空中で凍りついている斬撃。
口から血を垂らした追手E。
首を後ろに回そうとするが。
背後からの駄目押しに崩れ落ちる。
斜め後方から脇下に突き立った袋槍。
握っているのは汚い小袖姿の長兵衛。
無表情で骸から穂先を抜く。
十兵衛「た、助かった。恩に着るぜ」
歩み寄ろうとする十兵衛に穂先。
十兵衛「待て、あんたここいらの百姓だろ。
俺も同類だ。近江国は坂本城下の・・・」
長兵衛「その印、負けた方の大将だな」
佩楯の桔梗紋をじろりと見て。
長兵衛「おめえの首持ってきゃ、えれえ褒美
が出るってよ」
喉元に突きつけられる槍。
十兵衛「最後まで聞けってば・・・」
十兵衛、半べそをかいて。
十兵衛「俺あ偽もんだ、陰法師だ。俺の首に
一文の値打ちだってあるもんか」
長兵衛「・・・おめえが何もんだろうが別に
構わねえ」
十兵衛「へ」
長兵衛「面さえ似とりゃあ誰も気づかねえ。
似とるんだよな。おめえ、自分で言ってた
じゃねえか」
十兵衛、やぶれかぶれ。
濡れたザンバラ髪を長兵衛に向けて。
十兵衛「見ろや、このバッチイ毛を。月代も
剃ってねえ。一国一城の主ともあろう御方
がこんなむさ苦しいオツムしてるかよ」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「俺の首なんぞ持ってった日にゃあ、
あんたの首の方が涼しくなるぜ。筑前様を
謀ろうたあ不届千万ってな」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「なあ、一つ頼みを聞いてくれ。この
ヨロイを脱ぐの手伝ってほしいんだ」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「手伝ってくれたらヨロイはやるよ。
見事な造りだし、売りゃあそれなりの値が
つくだろうぜ」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「なあ・・・」
瞬きもしない長兵衛の虚ろな眼。
十兵衛「おやじさん・・・」
長兵衛「ヨロイが欲しけりゃ、先におめえを
ぶっ刺してからでも事足りるわな」
十兵衛、蒼白。
喉に食い込む穂先、膨れる血の玉。
十兵衛「・・・後悔するぜ」
長兵衛「?」
十兵衛「おっ死んだ後じゃ頭も舌も回んねえ
からよ」
●同・山道・夜半
しとど降る雨の中、歩む二組の足。
先を行く十兵衛、再び兜をかぶって。
後に続く長兵衛、槍で急かすように。
十兵衛「おいおい、そんなツンツンされちゃ
上手いこと歩けねえって。ただでさえ暗え
道だってのに」
槍の圧力、さらに増す。
十兵衛「わかった、わかったよ・・・」
自信なさげな十兵衛の足取り。
長兵衛「方角は確かかい」
十兵衛「多分な。けど何せ国元じゃねえもん
でよ、似たような景色ばかりでどうも勘が
狂うぜ。この木、さっきも見たような」
分かれ道に差し掛かる二人。
十兵衛「こっち、だったかな・・・」
長兵衛「戦場に戻っちまうぞ」
十兵衛「違う違う、こっちだ。この岩っころ
に見覚えがあらあ」
一方の道を選ぶ十兵衛。
不信の顔で続く長兵衛。
●同・洞穴・夜半(回想)
穂先をゆっくり手で払う十兵衛。
長兵衛、特に抗いもせず。
長兵衛「出まかせじゃねえだろうな」
十兵衛「出まかせなもんか。両の耳でしかと
聞いたんだ」
長兵衛「・・・・・・」(胡乱な眼差し)
十兵衛「疑り深えおやじだぜ」
長兵衛「囮を立てたとなりゃ、後はさっさと
ずらかるのが定石ってもんじゃねえのか」
十兵衛「ところがどっこい。あんたみてえな
落人狩りがそこら中うじゃうじゃしてると
きたもんだ。ノコノコ出て行こうもんなら
あっという間に三途の川よ」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「連中は息を殺して待ってんだ。大将
が討ち取られたって報せをな。お検めまで
首の正体はバレねえ。その隙にずらかろう
って寸法さ」
長兵衛「肝腎の隠れ処をおめえに聞かれちゃ
元も子もねえだろうが」
十兵衛「そりゃあその・・・ヤツらはご存知
なかったのさ、十兵衛様が閻魔大王顔負け
の地獄耳ってことを」
長兵衛「いいかげんな与太抜かしてやがると
本物の閻魔様のご厄介に・・・」
十兵衛「シッ」
不意に耳を澄ます十兵衛。
長兵衛「くせえ芝居しやがって」
十兵衛「静かに・・・何か来る・・・」
長兵衛「雨音しか聞こえねえぞ」
十兵衛「そのホトケのお仲間かも知れねえ。
先に片づけた方がお互い身のためだぜ」
*****
洞穴の中を探る追手たち。
徒労に終わり、失意と共に去る。
その様子を見ていた十兵衛と長兵衛。
洞穴の上の林に隠れて。
十兵衛「ついでにこのお荷物もここに置いて
行かねえか」
具足の胴を指の背で小突く十兵衛。
長兵衛「・・・おめえを身軽にしちまったら
碌なことになんねえ」
十兵衛「そうかい。けど覚えといてくれよ。
俺が捕まりゃ首はたちまち逃げちまうぜ。
あんたは俺を雛みてえに守ってくれなきゃ
いけねえよ」
長兵衛、化かされたような顔。
●同・山道~林・夜半(現在に戻る)
次第に鬱蒼となりゆく山道。
四囲に迫る叢林が行く手を阻む。
枝葉を掻き分けながら進む二人。
十兵衛「おやじさん」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「歩きながら寝ちまったのかい」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「いつまでもムスッとされてちゃ気が
滅入って仕様がねえ」
長兵衛「・・・・・・」
長兵衛、物言わぬ影のよう。
十兵衛「さっきの槍の腕前は見事だったぜ。
侍の泣き所を一刺しときたもんだ。えらく
慣れてるじゃねえか」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「あんた、戦のたんびにこういうこと
してんのか」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「こうしょっちゅう戦だと、てめえが
百姓だか追剝だかゴッタになんねえか」
長兵衛「よけいなお世話よ」
十兵衛「あ?」
長兵衛「それより足元の心配しな」
十兵衛「うおっ」
剥き出しの根につまづく十兵衛。
たたらを踏んで何とか持ちこたえる。
長兵衛「ざまあねえや」
十兵衛「まったくだ。餓鬼の時分からお袋に
口酸っぱくして言われてたっけ。ちゃんと
爪先に目ん玉くっつけとけって」
微かに下がる長兵衛の目尻。
長兵衛「おめえ、元々百姓っつったな」
十兵衛「おうよ。欲にくらんで鍬を槍に持ち
替えた途端このザマだ」
長兵衛「なに植えてた」
十兵衛「かぶらよ。毎年あんたの嬶の尻より
でっけえもんがとれる」
長兵衛「けっ、どうだか」
十兵衛「おやじさんは何を」
長兵衛「荏胡麻」
十兵衛「エゴマ? 何だいそりゃ」
長兵衛「知らねえか。実から油を取るんだ」
十兵衛「ゴマとは違うのかい」
長兵衛「別もんだ。シソに近い」
十兵衛「儲かるか」
長兵衛「さあな。いくら豊作だろうがこっち
にゃ一切係わりねえ。余得は名主様どまり
と決まっとる」
十兵衛「へっ、どこも同じか」
長兵衛「そいつも今宵限りだがね」
十兵衛「?」
長兵衛「名主様だろうが小作だろうが、村が
丸焼けになりゃ目くそ鼻くそよ」
十兵衛「・・・・・・」
長兵衛「これで稼がねえと、夏を待たずして
親子三代干乾しってわけだ」
槍を掲げて自虐的に。
十兵衛「・・・足元にでけえ石があるぞ」
長兵衛の視線、地面へ。
その隙にひょいと頭を屈める十兵衛。
長兵衛が視線を戻した時には。
目の前を横切る太い枝。
避けきれず前額にまともに食らう。
長兵衛、派手に転倒。
十兵衛、すかさず逃げ腰。
雨と風を切り裂く音。
十兵衛の兜に矢が跳ね返る。
*****
丈高い杉の木立に囲まれて。
八方から飛来する矢の驟雨。
たちまち十兵衛の具足は山嵐。
腰を抜かして動けない十兵衛。
長兵衛「このデクノボーが」
矢衾を縫って十兵衛に飛びつく。
もろともに窪みに転げ落ちる二人。
縁からそーっと覗く長兵衛。
目の前の地面に突き立つクナイ。
長兵衛、慌てて顔を引っ込める。
長兵衛「気配がねえ。スッパかもな」
震え上がる十兵衛を見下ろして。
長兵衛「ヨロイがなきゃお陀仏だったぜ」
十兵衛「・・・・・・」
長兵衛「こそこそ逃げようとしやがって」
十兵衛「・・・・・・」
長兵衛「まあええ。その話は後回しだ」
十兵衛「・・・・・・」
長兵衛「おい、地獄耳」
十兵衛「・・・勝手に渾名にすんな」
長兵衛「口だけはまだ達者だな」
十兵衛の兜をすっぽり脱がせる。
長兵衛「よーく耳をかっぽじれ」
十兵衛「雨しか聞こえねえよ」
長兵衛「その雨、動いてねえか」
十兵衛「?」
長兵衛「雨の当たる音が動いてねえかって」
十兵衛「・・・・・・」(頷く)
長兵衛「場所を教えろ」
長兵衛、地面から石礫を拾い上げる。
十兵衛「・・・六間先、根元から二間」
暗闇の一点を指す十兵衛の指。
間髪入れず長兵衛の投擲。
闇に吸い込まれる石礫。
微かな呻きと枝を道連れの落下音。
十兵衛「こっからまっすぐ三間」
十兵衛「五間先・・・這ってやがる」
十兵衛「四間、と左に三尺」
長兵衛、無言で次々と石礫を放つ。
その都度、伝わってくる手応え。
やがて訪れる静寂。
雨音がいやに耳に障る。
十兵衛「・・・もう動くもんはねえ」
長兵衛「大人しく待っとれよ」
槍を手に這い上がる長兵衛。
闇の奥へ溶けるように消える。
窪みの底に座り込んだ十兵衛。
刺さった矢を機械的に抜き続ける。
時おり闇から聞こえる断末魔。
*****
闇の中からぬっと現れる長兵衛。
平然としているが穂先には血糊。
十兵衛、背中の矢を抜こうと必死。
長兵衛、黙って抜いてやる。
十兵衛「・・・ありがとよ」
長兵衛「半弓で命拾いしたな」
十兵衛の足元に小型の弓を投げ出す。
十兵衛「あんたの方が余程スッパだ」
長兵衛「畑を荒らす狸にはアレが効く」
十兵衛、長兵衛の左腕に視線。
小袖が破れ、血に染まっている。
十兵衛「食らったのか」
長兵衛「掠っただけだ。蚊ほども感じねえ」
衣の裾を破って傷に巻く長兵衛。
長兵衛「次からはおめえを盾にするぜ」
●同・山道・夜明け前
いつしか雨は小降りに。
急勾配を喘ぎ喘ぎ上る十兵衛。
後ろから押して助ける長兵衛。
十兵衛「何から何まですまねえ」
長兵衛「こんな調子じゃじき明けちまうぞ」
十兵衛、力のない声に振り返る。
蒼ざめた長兵衛の額に玉の汗。
十兵衛「流石のおやじさんもくたびれてきた
みてえだな」
長兵衛「抜かせ・・・」
十兵衛「腹でも減ったか。かく言う俺だって
丸一日・・・」
長兵衛「無駄口叩く余裕があんなら、てめえ
の足で歩きやがれ」
十兵衛「あーあ、おさよの乳くれえでっけえ
握り飯が食いたいぜ」
長兵衛「・・・おめえの女房か」
十兵衛「今はまだ違う。けど、国で俺の帰り
を待ってる。江州一の別嬪で働きもんだ」
長兵衛「気ぃつけろよ」
十兵衛「え」
長兵衛「女は変わるぞ。祝言の前と後でな」
十兵衛「・・・脅かすない」
長兵衛「うちのがそうだ。輿入れ前は静御前
に思えたが、今や泣く子も黙る巴御前よ」
十兵衛「大かぶらみてえなケツに敷かれてん
のか」
長兵衛「おめえ、さっきから人の女房の尻を
好き勝手・・・」
突然、道の脇から転がり出す影。
十兵衛「ひゃっ」
尻餅をつく十兵衛、飛び退く長兵衛。
地面に倒れて呻く町人姿の男。
その背には脇差がずっぷり刺さって。
男の顔を持ち上げる長兵衛。
十兵衛「あっ、この野郎・・・」
長兵衛「見知りか」
十兵衛「まあな・・・」
男、家臣Cである。
曇った眼でぼんやり十兵衛を見て。
家臣C「お・・・おやかたさま・・・」
屈み込んで顔を近づける十兵衛。
十兵衛「いかが致した。随分と苦しそうでは
ないか」
家臣C「な、何故まだこのような所に・・・
は、早くお逃げに・・・」
十兵衛「何を寝惚けておるか。憎き猿退治の
出陣というに、逃げるの何だのと腑抜けた
ことを申しおって」
家臣Cの表情、混乱から歓喜に。
家臣C「が、合点しましたぞ。ここは浄土で
ござりますな。い、今より猿ともう一戦」
十兵衛、青筋。
十兵衛「そんなわけあるかい。勝手に極楽に
行けるつもりになりやがって」
兜を脱いで顔を見せつける十兵衛。
十兵衛「このツラ、忘れたとは言わせねえ」
家臣C「あ・・・あ・・・」
何か言いかけて、絶命。
長兵衛、家臣Cの頭を離す。
泥に虚しく埋まる顔。
十兵衛、複雑な表情で見つめる。
一帯の地面を見回す長兵衛。
長兵衛「・・・近えぞ」
今しも雨は止み、明け始める空。
周囲の様子が次第に鮮明に。
そこは山頂近くの見晴らし台。
眼下に広がった盆地。
朝靄に所どころ火の色が滲む。
一方、二人の足元には死傷者が点在。
町人と武装した農民が入り混じって。
まだ息のある町人を見下ろす長兵衛。
町人の手には血に染まった打刀。
長兵衛「多勢に無勢だったろうに。化けちゃ
いるが侍は侍だな」
長兵衛、槍で情けの一刺し。
夢うつつで骸の顔を確認する十兵衛。
長兵衛「大将は」
十兵衛「あっ、いや・・・おらんようだ」
長兵衛「おめえの読みも当てになんねえな。
とっくに逃けちまったんじゃねえのか」
視線の先、踏み荒らされた下り道。
長兵衛「まだ間に合うとええが」
十兵衛「(呟き)瓢箪から駒が出やがった」
長兵衛「何だって」
十兵衛「いや何も・・・」
長兵衛の背後で農民が起き上がる。
鬼の形相で鍬を振り上げて。
十兵衛「おやじっ」
振り向きざまに槍を繰り出す長兵衛。
農民、自重で深く突き刺さる。
長兵衛の顔に降りかかる血。
そのまま地面に倒れ込む両者。
十兵衛「おい無事か」
慌てて駆け寄る十兵衛。
長兵衛、手で十兵衛を制する。
長兵衛「いちいち騒ぐんじゃねえ」
のしかかった農民の体を押しのけて。
刺し貫いた槍を抜こうとする。
なかなか動かない槍。
後ろから手を貸す十兵衛。
間近に長兵衛の土気色の顔。
十兵衛「本気で具合が悪いんじゃねえのか」
長兵衛「うるせえな。この野郎が食いついて
離さねえんだよ」
すっぽ抜ける槍、尻餅をつく二人。
長兵衛、槍を杖に立ち上がる。
長兵衛「ぐずぐずしちゃおれん。急ぐぞ」
十兵衛、手近の骸から刀を拝借。
すかさず槍の穂先が眼前に。
十兵衛「おっと」
長兵衛「ここで仲良くおネンネしとくか」
十兵衛「あんたを出し抜こうって腹はねえ。
ただ兵力は多い方が・・・」
動かぬ穂先、刀を手放す十兵衛。
十兵衛「・・・俺を数に入れんなよ」
先に立って道を下り始める十兵衛。
少し拗ねたような表情。
長兵衛「端から入れてねえよ、お荷物」
後に続く長兵衛、左手を隠すように。
一瞬、黒く変色した指が見える。
●同・薄明
黙々と歩を進める二人。
足元を川のように流れる山霧。
十兵衛「なあ」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「引っ返す気はねえか」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「さっきが潮時だったんだ。これ以上
進んだ所でいい目が出るって証はねえ」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「あそこで死んでた奴らの首だって、
褒美のネタとしちゃ十分・・・」
十兵衛の足が止まる。
接近する危険を捉える耳。
十兵衛「おい、用心して・・・」
振り返る間もなく霧の中から襲う影。
十兵衛の両足に噛みつく野犬。
さらには両腕にも踊りかかる。
十兵衛「くそっ」
四頭の野犬をぶら下げて悪戦苦闘。
幸いにも牙は具足に阻まれている。
十兵衛「おやじ、槍で・・・」
十兵衛の目に入る長兵衛の姿。
力なく蹲り、犬どもの為すがまま。
握った槍を振いもできず。
十兵衛「人間様の味を覚えやがって」
十兵衛、左腕の犬の首根っこを掴む。
強引に引き剥がし地面に叩きつける。
さらには右腕の犬ごと木に体当たり。
両足の犬は闇雲に蹴散らして。
長兵衛の元へ懸命に駆け寄る。
十兵衛「離れろ、畜生ども」
拾った石で集っている犬を滅多打ち。
たちまち逃げ去る残党。
十兵衛「おやじ・・・」
死んだように横たわる長兵衛。
あちこちの噛み傷から流れる血。
荒い息、ひび割れた唇、虚ろな瞳。
左袖が根元から引き千切られて。
剥き出しの左腕は壊死が進んでいる。
抱き起こす十兵衛。
十兵衛「ただの矢傷だったんじゃ・・・」
長兵衛「蝮の毒でも・・・塗ってたんだろう
・・・焼きが回ったもんだ・・・」
十兵衛「・・・・・・」
長兵衛「おめえも・・・悪運の強え野郎だぜ
・・・これで晴れて自由の身・・・」
十兵衛「・・・・・・」
長兵衛「とっとと失せやがれ・・・法螺吹き
小僧が・・・」
十兵衛「え」
十兵衛の問うような眼差し。
答えずに閉じる長兵衛の瞼。
十兵衛、長兵衛をそっと横たえる。
立ち上がり、そのまま行きかけて。
犬の血で汚れた掌をじっと見る。
*****
長兵衛を負ぶって歩く十兵衛。
ただでさえ重い具足に難儀しながら。
弱々しく瞼を開く長兵衛。
長兵衛「気でも触れたんじゃねえか」
十兵衛「違えねえ」
長兵衛「何の功徳にもなんねえぞ」
十兵衛「・・・・・・」
長兵衛「人殺しを一匹助けたところで」
十兵衛「犬っころを助けたんだ」
長兵衛「?」
十兵衛「毒にやられた肉を食わねえように」
長兵衛「・・・抜かせ」
長兵衛、槍を握ったまま。
十兵衛の目の前で穂先がブラブラ。
十兵衛「槍、置いてっちゃ駄目かい」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「歩きづらくってなんねえよ」
長兵衛「嫌なら体ごと置いてけ」
十兵衛「妙にこだわるじゃねえか」
長兵衛「こいつは守り神だ」
十兵衛「そりゃ恐れ入った」
長兵衛「それに・・・」
十兵衛「?」
長兵衛「まだ役目が残っとる・・・」
●同・承前
ますます霧は濃く。
一間先も見通せない視界。
十兵衛「おやじ」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「おい、おやじ」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「くたばったんじゃねえだろうな」
十兵衛の声に焦りの色。
十兵衛「おや・・・」
長兵衛「うるせえな、おちおち夢も見てらん
ねえ・・・」
消え入りそうな声が背中から。
十兵衛「夢だって。能天気抜かしやがって」
長兵衛「ええ夢だったのによ・・・」
十兵衛「どんな夢だよ」
長兵衛「朝飯・・・」
十兵衛「え」
長兵衛「女房の拵えた・・・」
十兵衛「そいつは素敵じゃねえか。献立は」
長兵衛「麦飯・・・」
十兵衛「ほうほう」
長兵衛「漬け茄子・・・」
十兵衛「いいね」
長兵衛「大根の・・・汁・・・」
十兵衛「待ってました」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「俺もご相伴に預かりてえもんだぜ」
長兵衛「・・・ええともさ」
十兵衛「お、言ったな」
長兵衛「・・・百姓に二言はねえ」
十兵衛「じゃあこのまま連れてってやる」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「あんたの家を教えろ」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「名でもいいぞ。人に尋ねるから」
長兵衛「・・・・・・」
十兵衛「おやじ」
長兵衛「・・・・・・」
立ち止まる十兵衛。
長兵衛を背中から下ろして。
槍を抱くように地面に寝かせてやる。
瞑目、合掌。
十兵衛「・・・義理は果たしたからな」
腰を上げる十兵衛。
身軽になって歩き出す。
十歩進んで立ち止まる。
気配を感じて振り向く。
霧の中、佇む影。
槍を手に仁王立ちしている長兵衛。
十兵衛、驚きのあまり声も出ない。
長兵衛、槍を投げる構え。
十兵衛「お、おやじ・・・何も裏切ったわけ
じゃ・・・てっきり死んだのかと・・・」
長兵衛「・・・首は貰ったぜ」
放たれる槍。
十兵衛の顔の横を掠めて。
一瞬で霧の彼方へ消える。
恐怖に濡れた十兵衛の臑当。
槍の飛んだ方角から何かが倒れる音。
続いて聞こえてくる恐慌の声。
家臣F「殿、殿、如何なされた」
暫しの静寂の後、獣のごとき怒号。
霧の向こうから突進してくる足音。
家臣G「早まるな、作左」
制止の声を待たず飛び出す人影。
刀を振り上げた町人姿の家臣F。
思わずその場に蹲る十兵衛。
家臣F、足元に気づかず。
長兵衛へと一目散。
家臣F「穢らわしい火車めが」
棒立ちの長兵衛に下ろされる刃。
一太刀、倒れぬ、また一太刀。
家臣Fの後頭部に何かが当たる。
振り向いた顔はまさに修羅。
足元に落ちている十兵衛の兜。
霧の中をこちらに近づく影。
返す刀で斬りつける家臣F。
家臣Gの顔が霧から浮かび上がる。
眼を零れるほどに見開いて。
家臣G「さ、作左・・・なにゆえ・・・」
家臣F「帯刀、すまぬ、これは・・・」
ずるずると崩れ落ちる家臣G。
その後方、及び腰の十兵衛。
家臣F「うぬっ、おのれか」
十兵衛が逃げるより早く背面に一刀。
刃は通らずも衝撃で前のめり。
家臣F、そのまま背中に馬乗りに。
項を狙って突き下ろさんとする刃。
具足の隙間を探る十兵衛の手。
無我夢中で家臣Fの脛を刺す。
ぎゃっと飛び退く家臣F。
脛に突き立てられた毒の矢。
痛みに耐えながら斬りかかる家臣F。
懐に飛び込んで押し倒す十兵衛。
泥の上で取っ組み合いの格闘。
家臣F、近距離ゆえ打刀が振えない。
いつのまにか抜き身の折れ刀。
折れ口が家臣Fの首筋に当たる。
無意識に柄を横に払う十兵衛。
頸動脈の上を棘で引っ搔くように。
家臣Fの動きが止まる。
驟雨のように降り注ぐ血潮。
急に重みを増す家臣Fの体。
上から死骸をどかす十兵衛。
立ち上がって見回すも五里霧中。
途方に暮れて一人立ちつくす。
*****
霧を追い払うような黎明。
泥から微かに立ち昇る蒸気。
朝陽に照らし出された惨劇の跡。
路傍。
体を丸めて息絶えた町人姿の骸。
腰に刺さった槍を握りしめたまま。
汚れた死に顔は十兵衛に生き写し。
無感動に見下ろしている十兵衛。
十兵衛「だから着ときゃ良かったんだ」
顧みれば彼方に倒れている長兵衛。
十兵衛、槍を抜いて歩み寄る。
●寺・山門・朝
立ち番を務める足軽たち。
弛緩した顔で欠伸を嚙み殺して。
張り巡らせた陣幕が門内に見える。
周囲に立ち込める勝利の余韻。
参道をこちらに歩いてくる人影。
足軽たちの間に緊張感が走る。
行く手を阻むように突き出された槍。
足軽H「止まれ。ここは羽柴様の本陣だ」
やって来た男、十兵衛。
具足は脱ぎ捨て野良着姿。
顔半分を覆うようなボロ布の包帯。
逆さまにした兜を体の前で抱えて。
足軽H「何もんだ。名を名乗れ」
十兵衛、答えず。
兜を高々と天に掲げる。
十兵衛「首だ、逆賊の首だぞ」
槍を収めて殺到する足軽たち。
兜の中、血に汚れた西瓜大の布包み。
足軽H「おい、まさか大将首か」
十兵衛「そのまさかよ」
足軽I「やったなお前、大手柄じゃねえか」
足軽H「か、頭を呼んでこい」
足軽I「合点承知の助」
踵を返す足軽I、肩を掴む十兵衛。
足軽I「何でえ」
十兵衛「飯を」
足軽I「?」
十兵衛「まず朝飯を食わせてくれ」
朝の気に高らかに響く腹の虫。
●同・庫裏・朝
縁側に胡坐をかいた十兵衛。
両手に持った握り飯を交互に貪る。
喉を詰まらせそうになりながら。
背後から近づく具足姿の家臣J。
十兵衛、気づいて居住いを正そうと。
家臣J「構わぬ、楽にせい」
十兵衛の隣に腰を下ろす。
家臣J「此度の働きは見事であった。首検め
を待って褒美が下されるであろう」
十兵衛「(モグモグ)」(頷く)
家臣J「おぬし足軽ではないな。近在の百姓
か」
十兵衛「(モグモグ)」(頷く)
家臣J「あの忌々しいキンカ頭を一突きで、
と申すはまことか」
十兵衛「(モグモグ)」(頷く)
家臣J「百姓にしておくには惜しい武勇よ。
お召し抱えいただけるよう推挙することも
できるが、どうじゃ」
十兵衛「(モグモグ)」(首を横に振る)
家臣J「ハハハ、まこと単純明快な男じゃ。
銭か、銭が欲しいのだな」
十兵衛「(モグモグ)」(頷く)
家臣J「承知した。殿には左様に申し上げる
としよう。一旦里へ帰るがよい。検めには
日数を要するのでな」
十兵衛「(モグモグ)」(指をしゃぶる)
家臣J「何せ他に二つも首が出てきておる。
見極めがつき次第、迎えをやるとしよう。
名、おぬしの名は何と申す」
十兵衛「モグモグ」
家臣J「?」
十兵衛「長兵衛」
●山中・山道・黎明(回想)
引合緒を断ち切る刃。
地面に積み重ねられる具足。
槍を胸に眠っているような長兵衛。
その口元に耳を寄せる十兵衛。
長兵衛の唇が微かに動く。
●十兵衛の村・朝
夢の中よりも荒廃した風景。
城下の方角に上がる無数の黒煙。
戸を閉ざし息を殺した百姓の家々。
踏みにじられたかぶら畑。
膝を抱えるおさよ。
夢の中よりもやつれた表情で。
眼前には無残に割れたかぶらの白肌。
おさよ「十兵衛さん・・・」
蒼白い頬に落ちる涙。
*****
半町ほど離れた藪。
おさよの後ろ姿を眺める二つの影。
鉈と斧で武装した野盗たち。
野盗K「おい」
野盗L「何だよ」
得体の知れぬ干し肉を齧る野盗L。
野盗K「何か催してこねえか」
野盗L「ションベンならよそで・・・」
野盗K「阿呆、その『催す』じゃねえ。あの
女の肉見て何も感じねえのか。坊主かよ」
野盗L「俺ぁ、この肉で十分だ」
股ぐらをぎゅっと掴む野盗K。
野盗K「ああたまんねえ。ちょっくら遊んで
くるぜ」
野盗L「程々にな。おめえ長えんだから」
野盗K「女が息してる間だけにしとくさ」
立ち上がるや、いきなりぶっ倒れる。
野盗L「おいおい、さかりすぎてオツムに血
でも・・・」
言いかけて野党Lもぶっ倒れる。
投げ出された血染めの石塊。
*****
背後で土を踏む音。
びくっと肩をすくめるおさよ。
十兵衛「おさよ」
おさよ、怖々と振り向く。
その頬がみるみる桜色に染まって。
了
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