私の旅の相棒、Mさんはれっきとしたフリーランスのジャーナリストである。1年のうち300日以上が海外での生活。そのための便利さから住まいを成田空港のそばに移したほどだ。主にバンコックのホテルをベースにアジア諸国を飛び回り、共同通信はじめ国内各紙(誌)やバンコク週報などエネルギッシュに送稿を続けている人だ。身分が分かれば即刻拒絶され、強制退去させられることは間違いない。 彼は今回が3度目の入国である。入国カードのOccupation(職業)欄には「President」か「CEO」Purpose of visit(入国目的)欄ではTouristにしるしをつけて潜り抜けてきた。
Mさんの番が来た。書類を提出して既に数分が経っているがなかなかOKが出ない。不信感を持たれたのだろうか。苛立ったMさんが私を手招きした。彼は私のパスポートも開いて見せながら「We are same group…」とジェスチャーを混じえ、しっかりとした声で説明を続けている。私も近づいてガラス越しにボックスの中を覗き込んだ。