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”のび太~、おやつの時間よ~……”
………。
…。
う、うぅん…。
気付くと彼は、煎餅のように固く閉ざされた布団の上にいた。
身体が鉛のように重くて冷たい。
時計にチラリと目をやると、もう3時過ぎ。
少し長めの昼寝をしちまったようだな…。
それにしても嫌な夢だった。
逃れられない幾重もの重厚な鎖を引き連れるようにしながら、
俺は階段の一つ一つをゆっくりと下ってゆく。
ネコ型ロボットのBlueが、
居間で”どら焼き”を頬張っていた。
”もう、のび太クンったら…。いっちゅも、いっちゅも…”
ちとおせっかいに過ぎるのが玉に傷だが、頼りにもなる、
この愛すべきポンコツロボットの”お説教”に愛想笑いを浮かべながら、
俺もおやつを流し込むようにして口の中に放ると、
アイツらの待つ、いつもの空き地へと向かったんだ。
土管が積み上げられた小さな広場。
そこに辿り着くと、音痴なデブがこっちを見て、
こう言ってきた。
”おい、遅ぇじゃねぇか。のび太のくせに生意気だぞ”
のび太のくせに、ってのはどんな言いがかりだい?
そう思ったが、お決まりのphraseを飽きずに呟くコイツが、
最近、何だか凄くチャーミングに思えきたんだから、
人間ってのは分からないものさ。
その横にいる金持ちの出っ歯が使っている”ラジコン”は、
俺へと向けられた、欽ちゃんバリの真っ直ぐな”フリ”。
だから、こう言ってやるのが正解なんだ。
”ねぇ、僕にも使わせてよ…”
すると、デブと出っ歯が、ネタ合わせ通りの展開と、
マナ・カナをも脅かしかねないような一糸乱れぬシンクロで、
こう言ってきやがる。
”のび太は、ダメ~!!!!”
ベタだな…、
俺は心の中で苦笑いを噛み殺しながらも、
これは志村ケンのコントみたいなもんで、
予定調和が主体だからこれで構わねぇんだ、と思い直す。
それに、
これも結局はビジネスさ…。
サービス精神という”プロ意識”を心に隠し持ちながら、
俺は強い眼差しで、前方を見つめていた。
桜並木の向かい側からは、彼女が歩いてくる姿があった。
広場にいる皆が、君を祝福するようにshoutしたよ。
”しずかちゃんも一緒に、遊ぼうよ~♪”
また会えたね、ハニー。
この道で俺は、生きる意味を追い越したい。

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