通り風

通り風

雨上がり


その雨も 昼過ぎには止み
低くどんよりした雲も
みるみるうちに明るくなり
雨に遮られて見えなかったそこらじゅうが
ぱっと広がった
家並みも木々も草花もまるで厚化粧を落とし
素顔になったように ういういしい
車から降りた私のすぐそばで
その素顔のういういしい姿で見せてくれた花たち
それは水色の空に白い雲の下で
春の暖かい雨を飲み補し
こぼれるほどの露が水晶のように輝いて
薄緑の透き通った葉っぱは息吹が立ち込んでいる
そして蕾は膨らみ始め
今咲かんと待ちわびている
私はその姿に息が詰まるような感動を
どうすることも出来ないで屈みこむ
風が微かに吹くと
蕾は小さく震え
大粒の露はぽたりと落ちた

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