勉強…それは学生の敵。

勉強…それは学生の敵。

未定





   「…ジークっ…!?」


 そう言って、手を伸ばしたのは何度目だろう?

 いつも目の前にいてくれているのに…
 いつも笑って見守ってくれているのに…
 いつも…手を差し伸べてくれてるのに…

 なんで??

 いつも届かない。届いてはくれない。

 なのに……届きそうで、怖い。










 “ねぇジーク…。そっちへ行っちゃ、ダメ?”


****** 第一章『過去』***************

 ガガガガガガガッ

 いつものように戦車の通る音。
 銃を構えて見下してくる、数多くの視線。

 ダ―――ンッ

 何処からか銃声も聞こえた。


 “今日こそ、死ぬかも知れない”

 …でも、別に構わない。
 …ううん。

 “早く死にたいよ…”





 「…ィ…。…オイ!!!ホラ。邪魔だ退け!!」


 今日も兵士の声で目覚めた。
 自分に向けられた銃口を見ても、もう驚かない。
 …怖くない。
 でも、そんな奴らに、従わなければならない。
 …それが、悔しい。

 「っ早く退けっ!!!」
 『いっ……!!!』

 蹴飛ばされて、頭を打った。
 一瞬景色がボヤける。 

 毎日生きている心地がしないんだ。

 この環境だから?
 …それもある。
 でも、一番大きな原因は…


 ジークが、殺されてからだ。


+  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +

 『じーく!!あそんで!!』
 「えぇっ!?また?」
 『…っムぅ~』
 「ああああああっ!!わ…分かったって…。」



 ジーク……それは私にとって、無くてはならない人。
 いつも、面倒を見てくれていた。
 いっぱい遊んで、いっぱい話して、いっぱい教えてもらった。

 私たちには、《親》がいない。

 私にとって、ジークが親だった。
 5歳年上の、小さな親。

 …いや。《兄》に近かったのかも知れない。


 行く宛ても無く彷徨い続けて、疲れ果てて、死にそうだった。
 歩く気力も無くなって、倒れこんだ。

 そんな時に、手を差し伸べてくれたのが、ジーク…。
 優しい声で、心配してくれた。


 血は繋がっていない。
 けど、初めて会った時から、家族になったんだ。

 他にもいっぱいいた。
 孤児たちの、小さくて、大きな、家族。

 毎日が楽しくてしょうが無かった。
 親がいなくても、幸せだった。


 “みんながいたから…”







 でも、みんな死んだ。


 みんな…みんな…殺されたんだ…。




 あの時…
 確かあの時も、私は兵士に突き飛ばされてた。
 ひどく頭を打って、意識を失った。

 ただ…意識がなくなる寸前に、私の視界に見えた…。
 ジークの、あの泣きそうな顔を…。

 すごく心配してくれたんだ。
 そして、すごく怒ってくれた。
 私を、強く抱きかかえて、兵士に何かを叫んでくれてた。

 「ありがと…ジーク。」

 本当のお兄ちゃんみたいで、嬉しかった。
 守ってくれてて、安心した。


 でも、ジークはきっと怖かったよね…。
 なのに、私は、気付いてあげられなかった。
 いつも、守られてるばかりで…迷惑ばっかかけたよね。

 最後に“ごめん”が言えなかった。



 目が覚めると、誰もいなかった。
 気を失う前のことを思い出していた。

 「ジーク…?」

 辺りには、やっぱり誰もいない。
 嫌な予感がした。
 すごく、怖くなった。
 泣きそうになった。

 “早く、みんなに会いたいよ!…ジークに会いたいよ!!!”

 その思いで、駆け出そうとした。


 だが、そのとき初めて気付いたんだ。

 自分の左膝に…鋭い何かが刺さっている事を…。





 「っっあぁああぁああぁっ!!!!!!!」





 町中に響くような声で叫んだ。
 一気に痛みが襲ってくる。
 血が吹き出す…。

 それでも、私は歩いた。
 みんなのいる場所へ。
 ここからじゃそう遠くは無い。




 “ジーク……どこにいるの?また…会えるよね??”






































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