科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

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問題児の行動も生かして返す


日直さんに前にでてもらい、いつも通り進行しようと思っていたら、予想通りというか、ちびっこギャングが暴れ出しました。
担任の先生がいないので、タガがはずれているようです。

彼以上にイタズラ好きな寅さんはそこで、先日書いた、「理想の教師」のオーバーアクセプト実験をしようと思い立っちゃうんですね。どうにでも、なれってもんです。

どう叱っても、じっとしていない子が(反抗性が強い)、日直の司会を妨害しています。
当然、強く注意すべきところですが、私は他の先生が見ていないのをいいことに、
彼の反抗を受け入れたら、どうなるだろうと興味が湧いたのです。

彼が、覆面をして、前へ出てきたので、逆に彼をしっかり前に立たせて、「さあ、なぞの怪人です。みなさん、この人は誰でしょう?」とみんなにきいたのです。

最初は、みんな彼の本当の名前を言います。ちゃんと手を挙げて。(かわいいですね)
すかさず、「いや、違うんじゃないか、と思う人」と水を向けてみます。
そうすると、最初、キョトンとしていたのですが、一人面白い答えを言うと、みんな気づいたみたいで、いろんなトンチンカンな名前が出てくるんですね。
みんな、どんどんのってきて、いろいろ発言しだします。
ちゃんと手をあげて答えるのが、いいですねえ。

問題の彼の反応はどうかと、見てみると、これがまんざらでもないことが、読みとれました。そこで、今度は、謎の怪人にインタビューです。
私がテレビ・レポーターになり、突撃インタビューを敢行します。
彼もあることないこと、適当に答えてくれます。

そして、ついに秘密のベールがあかされます。「その実態は~」…
具体的な名前は忘れましたが、
結局、謎の怪人さんに、みんなで拍手を送り、席まで送り届けました。

あまりにもズバリとはまったので、私の方がびっくりしちゃいました。
もちろん、朝の会は半分しか出来ませんでしたが。

反抗的メッセージにしろ、自分のメッセージを受け取ってくれる体験。
それも、何度も、メッセージをやりとりするコミュニケーションができたこと。
架空の世界には、暗黙の信頼感がなければ、お互い入っていけないわけですから、
彼は、クラス全員に受け入れられた体験をしたわけです。

これには、おまけがありまして、その次の時間、体育があったのですが、
一人の子が体操着を忘れてきたのです。
「だれか、~ちゃんに、体操着、貸してくれる人!」と呼びかけたのですが、ちょっと個性の強い子だったためか、誰も貸してあげようとしません。
困った、と途方に暮れていたとき、最後まで教室に残っていた、問題の彼が、
「僕の貸してあげる」と言ってくれたのです!!!
とくに仲がいいわけではなかったのに。ウルウル。

今回は、運がよかったケースと言えるでしょう。失敗もあるでしょう。

しかし、普通は、その行動を否定され、叱られるばかりの子が、
臨機応変にオーバーアクセプトをされ続けられることは、
その子にとって、大きな衝撃になるんだと思うんです。
そして、そう遠くないうちに、変化が現れると思うのです。

だって、人間は、人から認められるために生きているようなもんですもの。
どんな形にしろ、人とつながったという快感は、何物にも代え難いはずです。
何年生でも、大人でも同じですね。

ただし、このオーバーアクセプトを実行するには、よっぽど柔らかいアタマをもった先生か、くそ度胸をもった方でないと、現状の学校システムでは難しいでしょうね。その意味で、先生方に同情してしまうのでした。

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