H@CHIMAKI  COMP@NY

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第3話「蒼井」



俺達は、リビングのテーブルを囲み、蒼井と呼ばれた転校生と向かい合っていた。
ちなみに俺達とは、俺と紅子と南の三人である。
風太は、まだ風呂に入っていた。
長風呂にも程があるぞ・・・。

蒼井のあいさつから、しばらく沈黙が続いた。
俺は、一応、班長なのでこの班の自己紹介をしたいんだが・・・。タイミングが・・・。

紅子は、目をキラキラさせながら。蒼井を凝視している。困ってるぞ。やめろ。足踏むぞ。

南は、出来立てのハンバーグを皿にうつしながら興味なさそうに見ている。
と、言っても。内心、話したくてウズウズしているのを俺は知っている。

風呂場のほうからは、風太の鼻歌が聴こえてくる。

もう。我慢ならん。話そう・・・。
「えーと・・・。君は・「ねえねえ!!」
俺の言葉を妨害したのは、言うまでもなく、紅子だ。
「アナタの名前は!」
「え・・・えーと。蒼井です。星 蒼井。」
「アタシは西 紅子!えーと!そっちの男の子が千ちゃん!で、フライパン持ってる子が南ちゃん!」
適当なこと言うなよ・・・。
俺は紅子の顔を押しのけた。
「ああ。ええと。俺は3班の班長の東 千太郎・・・。」
言ってから、南のほうをチラッと見た。
南は、気づいたらしく、フライパンを置いて蒼井を見た。
「南 南」

「あとは・・・。もう一人、いるんだけど風呂に入ってるんだ・・。」
「そうですか・・・・。」
蒼井は、肩をすくめて、俯いた。
無理もないだろう、紅子のハイテンションについていけるのは、この班の人間ぐらいしかいないのだから。

そうだ。アレを聞かなくちゃ。

「嫌かもしれないけど、一つ聞くよ。ここで生活していくために大事なことだから。規則でね。」
「?」

「君の病気は?」

蒼井は、少し戸惑った顔を見せた。
そうだろうな・・・。自分の病気を教えたがる奴なんていないから。
「辛いだろうけど。規則でね。」
横を見ると紅子も俯いていた。

「私は・・・・・・」

はぁ・・・。コイツは、いつもタイミングが悪いな。

「よう!」

突然、リビングのドアが開いた。

満面の笑みの風太だ。

しかも。パンツ一丁で、首にはどこぞの旅館の名が書いてあるタオルを巻いていた。
体からは、湯気がホカホカ。

初めて別な環境に来た女の子が、突然現れた半裸男を見たらどう思うと思う?

「きゃあああああああああああ!!!!」

だよな・・・・。いいよ。それが普通だ。
ここの人間は、驚かない。それが普通だ。

ふと。気づくと。横には、南がいなかった。
第3話「蒼井」
瞬間。ゴキンという音が後ろのほうで響いた。
見ると。フライパンで風太の顔を殴り上手く気絶させた南がいた。
「続けて」
南はそう言うと。そのまま、風太の首を掴み、ズルズルと引きずりながらリビングの外へ歩いていった。

これも。ここでは普通のこと。




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