H@CHIMAKI  COMP@NY

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第12話「不安の波紋」



イカ焼きを食べながら紅子が素っ頓狂な声を出して風太を見た。
「だからぁー。バンガローに行く林のところで土砂崩れがあったんだって。」
「それほんとなの」
南はたこ焼きを食べながら。
「ホントだよ。さっき、見回りしてる先生達が言ってたぞ。今からバンガロー行くんだってさ。」
「ふーん。・・・・。あ。」
「あ」
「あ。」

上から紅子、南、風太の順に。

「千ちゃんと蒼井ちゃんは!!」
「分からねえけど・・・・。バンガローで助けを待ってるか・・・・。」

「巻き込まれたか」

南が補足する。

「千ちゃん・・・!蒼井ちゃん・・・・!」

紅子は雑踏の中を掻き分けて、学校へと走った。
風太と南もその後を追って走った。




「痛えな・・・・。」
そう言って俺は左のわき腹を押さえた。
どうやら、叩きつけられてヒビがはいったらしい。
「ケホッ・・・ケホッ・・・・。」
蒼井はさっきよりも苦しそうで、胸を押さえていた。

防空壕の中に入ってから一時間くらい経ったかもしれない・・・。
雨は止まずに時おり、また土砂が崩れる音もする。

防空壕の中は暗く、冷たかった、中は結構広く奥まではよく見えない、まるで不安と静寂で満たされているかのようだった。

(本当に助かるのか?)

何度も何度も自分に問う。

気づいた人はいるのだろうか?

それも何度も問う。

「あ・・・東さ・・・ん・・・・。」

蒼井は体を横にし胸を押さえていた。

「蒼井・・・。どうした・・・・?」

顔が妙に赤かった。

嫌な予感がよぎる。

俺は、前髪の下に手を入れて額に触れた。

熱がある。しかもやけに熱い・・・。

「蒼井!!」

「薬・・・・。バッグに・・・・。」

あんなの・・・・。なんの役にもたたないだろ・・・・・。

「バッグか・・・待ってろ・・・。」

無い。

蒼井の手にも、そんなものどこにも無かった。

流されたときに落としたんだろう。

「ゲホッゲホッゲホッ!」
ひゅーひゅーと喉を鳴らして呼吸も儘ならないようだった。

「蒼井!!しっかりしろ!!」

肩を揺らすが返事も無い。ただ、咳き込むだけ。

チクショウ・・・・。どうすりゃいいんだ・・・・。


そのとき、グッ。と、何か硬いものを踏んだ感触が足にあった。








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