H@CHIMAKI  COMP@NY

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第13話「ただいま。」


何か硬いものを踏んだ。

身をかがめて、見える右目でじっと目を凝らして見た。
茶色くて細長い何かが埋まっている。

「これって・・・・・。」




「沖!そっちにいる生徒は、何人いる!?」
職員室に大声が響いた。あの生徒指導の先生だ。
受話器にむかって叫んでいる。バンガローの電話に繋がっているようだ。
『3班と5班の生徒は全員いません。夏祭りに行っているようです・・・・。他全員は、1班のバンガローで待機してます。』
「分かった・・・・。」
先生が受話器を置くと同時に紅子が職員室に飛び込んできた。
「先生っ!!千ちゃんと蒼井ちゃんは!!」
「東と星は一緒じゃないのか!?」
「え・・・?」

「バンガローにはいないようだが・・・・。」

知らなきゃよかった・・・・。一瞬、後悔したが紅子は、走って林の道に向った。


林の道は、土砂で埋まり見るも無残な状況だった。
先生達が集まっていて、なにやら言い合っている。

立ちすくむだけ・・・・。それしかできない・・・・。自分に腹が立った。
「はぁ・・・はぁ・・・・・。紅子、速すぎるぞ・・・・。」
やっと追いついた、と風太と南が息をきらしていた。
「千太郎と・・・・蒼井ちゃんは・・・?」
「分かんないよ・・・・・。バンガローにもいなかったんだって・・・・・。」
「そんな・・・・・。じゃあ・・・・。」

雨はなおも降り続いていた。


「おいおい・・・・。勝手に殺すなよ・・・・。」

崖の際から声が。

「千ちゃん!!蒼井ちゃん!!」

見ると、蒼井をおぶった千太郎がいた。二人の体はロープで縛ってある。
「千ちゃん・・・。良かった・・・・・。」
泣きつく紅子。
「ただいま・・・・。紅子。」


まさに九死に一生とかいうやつか?
あの防空壕は、産業廃棄物の隠し場所だったらしい。だから、今でもあんなの防空壕なんて、残ってるんだな・・・。
運がいいのか悪いのか・・・・。どっちでもいいや・・・。

俺達は助かったんだ。蒼井・・・・。

俺の思考はそこで止まり、また目の前が真っ暗になった。

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