H@CHIMAKI  COMP@NY

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第14話「白い天井」



どれくらい寝ただろう。

結構、寝たような気もする。

しかし、何も変わらない。

白い天井が見えた。

薄ピンクのカーテンに周りが覆われている。

微かに消毒液の匂いがした。

まるで保健室のような・・・・。

「!?」

俺は勢いよく起き上がった。

ここは・・・・・。保健室・・・?じゃない・・・。病院か。

カーテンが開き、入ってきたのは、白衣を着たお姉さん・・・。
看護婦さんか・・・。いや、今は看護士だっけ?
「あら。東さん、起きたんですね。」
「どうも・・・。」
と一礼する。
なんか、無駄にニコニコしている人だな・・・・。
「あの・・・。ここは・・・?」
「月見ヶ丘病院ですけど?」
月見ヶ丘病院。学校のすぐ近くにある町で一番大きい病院だ。
ここの屋上から町全体が見えると聞いたことがある。
「そうすか・・・。どのくらい寝てました?」
「えーと・・・。1日くらいです。」
そんなもんか・・・・。
「蒼井は・・・・。」
一番聞きたかったことだ。蒼井はどうなった?
「星さんですか?星さんなら、まだ寝てますよ。精神疲労と高熱で心身ともにボロボロでしたから、アナタが担いで崖を登らなかったら・・・。いえ、やめときます。助かったんだから。」

死んでた、とか?

「そうですか・・・。」
俺は少し安堵した。
「まぁ。あの状況で助かるなんて奇跡ですよ。助かった、その命、大事にね。」
そう言って看護士さんは出て行った。

何しに来たんだ?

「ああ。忘れてました。診察の時間でした。」

そう言って忙しく戻ってきた。



午後。

昼食の後に紅子、南、風太が押しかけてきた。
紅子は少し涙ぐんでいた。
南はクッキーを持ってきてくれた、風太は・・・・応援歌と称して五月蝿い歌を歌っていた。

本当に助かってよかった。

嬉しい感情は湧いてこなかったが、そう思った。


夕方になって、思いもかけぬ訪問者が来た。
個室のドアが開き。入ってきた人物に驚く。

「椿先生・・・。どうしたんすか?」
「見舞いだ。」
そう言ってミカンを投げつけてきた。
「どんな感じだ?」
パイプ椅子を引っ張り出す椿先生。
「まぁ・・・。順調です。2日くらいで退院できそうですけど・・・。」
「そうか・・・・。」
懐からタバコを出し火をつける。
「ここ。禁煙ですよ・・・・。」
フーッ、と天井を仰いで煙を吐いた。
煙は横に広がりすぐに消える。
「東。」
「なんすか・・・。」

グイっ、と顔を近づけてくる、この距離は・・・・ち、近すぎる・・・。
「な・・・・。」

「左目が見えなくなったのはいつだ?」

「!?・・・・。分かってたんですか・・・・。」
「ああ・・・。一応な。」
「喧嘩したときに調子が悪かったんですよ・・・・。完全に見えなくなったのは・・・土砂崩れのときです・・・。」

「網膜剥離。知ってるだろう?強い衝撃などで網膜が破れること。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「入院は延長だ。主治医には話してある。手術しろ。」
んな。勝手な・・・・。
「金の心配はするな。保険やらでまかり通る。」

バタン。

と、ドアを閉める音が響いた。
「網膜剥離か・・・・。」

知っていたが、実感は湧かなかった。

また、左目は見えるようになるのだろうか?

少し不安な気持ちで布団をかぶった。

俺無しで3班はやっていけるのだろうか?

不安は募る。

蒼井が目覚めたのは次の日の朝だった。



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