音楽雑記帳＋　クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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　昨年の末に発売された、クライバーのカルメンですが、
米国でも先月に発売されたので米国版を購入しました。出所は、ＴＤＫのMarketing Europe GmbHというところで、リージョンフリーのNTSCです。国内版、欧州版とも高かったので、米国盤を待っていたところ、AMAZON.COMで、$23.99でした。当然日本語字幕はないですが、歌は語彙が少ないですから、英語の字幕でも十分追っていくことが可能です。また、オペラですから、特に歌詞を理解できなくても、楽しむことは出来ると思います。

　内容については、ＢＳなどでも、再三放映されてきたので、特に説明の必要がないと思います。１９７８年のウイーン国立歌劇場の公演で、カルメンがエレナ・オブラスツォワ、ホセがドミンゴ、エスカミーリョがユーリ・マズロク、ミカエラがイソベル・ブキャナン、演出がゼッフィレッリというキャストで、ＯＲＦオーストリア放送局が収録したものです。

　演奏の方は、クライバーの切れ味鋭い指揮の元、ウイーン・フィルがうなりを立てて進むという趣です。収録年代が古いので、画像、録音とも満足行くものではありませ。しかし、演奏がそれを補って有り余る程のものがあります。

　歌手では、ミカエラのイソベル・ブキャナンがその清楚な姿と相まって、とてもすばらしかったです。タイトルロールのオブラスツォワは、ちょっとドスが利きすぎた声のため、完全にはまっているとは思えませんでした。ホセやエスカミーリョが惚れるには少し怖すぎと思いました。ドミンゴは全盛期の声で非常に聴き応えがありました。エスカミーリョのマズロクも良かったです。

　クライバーの指揮はちょっと遅めのテンポでした。カルメンの叙情的な面を強調するよりは、ベリスモ的な面が強調されていたと思います。弦の急速なパッセージなんかを聞くと、ぞくぞくします。マイクがオンであまり音が混じらないで、楽器単体の音がむき出しで出てくるような録音のため、それがいっそう強調されることになります。バランス的には弦が少し強めで、弦の高音がキイキイいって、聞きづらい音になっていました。

　画像の方は、綺麗といっても、さすがに年代を感じさせますね。出来れば、デジタル処理してくれれば有り難かったんですが、追悼ということで、早く出さなければならなかったんでしょうから、これはしょうがないんでしょうね。いつか、改めて、音も画もデジタル処理したものに、お目にかかりたいものです。

　１９７８年ですから、今から３３年前ということで、ウイーン・フィル（この場合はウイーン国立歌劇場管）の連中も若いですね。フルートのシュルツ、クラリネットのシュミードル、ホルンのへーグナー、皆さんお若いです。へーグナーは頭があまり今と変わりませんけれど。（＾＾）；

　それから、若き日のトムベックもちらっと写っています。今は無きウイルヘルム・ヒューブナーも２ｎｄヴァイオリンのトップで頑張っていましたね。このオペラでは、大変重要な役割を果たす合唱も良かったです。

　ゼッフィレッリの演出は、第３幕が結構良かったですが、第４幕が装置がいまいちなこともあり、ちょっとインパクトが弱い感じでした。

ということで、このＤＶＤはリージョン・フリーで安いので、日本語字幕が無くても構わないクライバーファンの方には、絶好ではないかと思います。

Georges Bizet Carme ( TDK )

Carmen:Elena Obraztsova
DonJose:Placido Domingo
Escamillo:Yuri Mazurok
Micaela:Isobel Buchanan
Frasquita:Cheryl Knafoush
Mercedes:Axelle Gall
Zuniga:Kurt Rydll
Morales:Hans Helm
Remendado:Heinz Zednik
Dancaire:Paul Wolfrum

Chor and Orchester der Wiener Staatsoper
Carlos Kleiber

Directed for Stage and TV by Franco Zeffirelli
Sets:Franco Zeffirelli
Costume:Leo Bei
Choregraphy:Rafael de Cordova
Recorded live at the wiener Staatsoper,9 december 1978

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