Heikの狂暴温泉芸者

Heikの狂暴温泉芸者

アメーバ





朝起きると、ぼくはアメーバになっていた

隣に眠る愛しい人の 唇から 彼女の体内へと

入り込むことに 成功した

毛細血管へと

入り込むことに 成功した





赤血球や白血球と 戯れ遊びながら

彼女の体の隅々を

あちこち旅行した





紅色の夕焼けの光の中を

冷たい朝焼けの光の中を





そして ぼくは彼女のおへそに キスをして

そこから 外の世界へと 脱出した





気がつけば ぼくはベッドの上の

たったひとつのアメーバだった








二OO五年六月二十九日

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