サクラチル*..。*・.*

サクラチル*..。*・.*

6月20日--午前--




「おはよう。剣心。」


いつもと同じように、にっこりと薫が言う。明治15年。剣心と薫が結婚してどれぐらいの時が経っただろうか。



「おはよう。薫殿。今日は天気がいいでござるなぁ。早く洗濯でもしようかな。」


にっこりと優しい笑顔で剣心が言う。幸せな毎日。

でも最近剣心は気になっている事があった。








「剣心。ちょっと出かけてくるね。夕がたには帰るから!剣路の子守りよろしくね。」



「またでござるか。気をつけて行くでござるよ。」




剣心が気になっていることとは、ここ最近毎日のように薫が出かけて行くのである。そしてそのたびに剣路の子守りをしていて、もう剣心は大変である。



「よーし。剣路。薫殿は出かけてしまったし、拙者と遊ぶでござ・・・

いたっ、こら、やめるでござるよーーーーーーー!!!」



剣路がぐいっと剣心の髪の毛を強くひっぱる。
剣路とは剣心と薫の息子である。薫のことは大好きらしいが、剣心のことはなぜか苦手なのかわからないが、なついていない。





「もう・・・薫殿、早く帰ってきて欲しいでござるな・・・・いたた・・・」








そしてしばらくしてから、外の天気が怪しくなってきた。6月で梅雨の時期だからだろう。





「薫殿、大丈夫でござるかな。傘持っていかなかったし・・・。外まで行ってむかえに行ってこようかな・・・。剣路も行くでござるか?」




こくっと、剣路はうなづいて、剣心の手をぎゅっと握った。





「おろ?おまえ、拙者にやっと慣れたのでござるか?」



と、その瞬間、剣路が剣心の指を噛んだ。




「いたたっ。拙者にはまだまだ慣れていないようでござるな・・・・。」





でも剣路は少しずつ、剣心になついてきているのであろう。
まだまだ時間は必要そうだけど(笑)






そして、剣心は剣路の手を引いて、雨が降っている外に薫を迎えに行った。






「今気がついたのでござるが・・・・薫殿が何処に出かけていったのか、知らなかったでござる・・・・。」









ひとまず、赤べこ、薫の行きそうなところに行って探してみたが、薫はいない。





「うーん。何処にもいないでござる・・・。どうしようか。剣路。」





と、そのとき。うしろかたダダッと走ってくる、綺麗な長い髪の女が走ってきた。







「もーーーーーっ!なんでいきなり雨が降ってくるのよぉ!急いで帰らなきゃ!」





薫である・・・。





「おろ。薫殿!」




そう呼ばれて、もうすでに気付かずに剣心たちを追い越して走っていた薫がビックリして振り返る。






「剣心っ!それに剣路も・・・・。どうしたの?2人とも・・・」





「いきなり雨が降ってきたから、心配して薫殿を迎えに行こうと思ったのでござるが・・・・もう遅いようでござるかなぁ。」






時すでに遅し。傘を持っていない薫は上から下までびしょぬれである。




「しょうがないでござる。早く家に帰ろう。薫殿。」





ちょっと笑って、剣心が薫に言った。

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