サクラチル*..。*・.*

サクラチル*..。*・.*




髪が茶色くて長い、可愛らしい女の子が呼ぶ。

「どうしたの?井上さん。」

僕は精一杯恥ずかしい気持ちを押し込めてあなたに聞いた。
きっと、いや絶対あなたは僕がこう思ってるなんて気づいてない。


「えへへー。あのね、制服のボタンが1コ取れちゃったんだぁ。石田くん裁縫得意だよねっ?治してくれないかな・・・?」


「いいよ。別に。でも、井上さん女の子なんだからボタンくらい自分で付けたりしないの?」


「あはは・・・だって、石田くんのほーが裁縫上手だしっ?」


そう言ってあなたは笑った。きっと、裁縫が苦手なんだろう・・・。



「じゃあ、制服貸してくれるかな?今なら暇だからつけてあげるよ。」



「本当?!やったあ!じゃあおねがいしま・・・」



そうあなたがいったとたん僕はすぐにこう言った。

「ちょ・・・ちょっと!井上さん!こんなところで脱がないでよ!!!
もしかして・・・カッターシャツなの?ボタンとれたの・・・」


「うん。そうだよ。だから今脱ぐからちょっと待ってて」


「だだだだから!そーゆー問題じゃなくて!!!僕男の子なんだから目の前で脱ぐもんじゃないよ!」


「あ、そっか!えへへー・・・本当バカだねあたし・・・。こんなところで脱いだら石田くん恥ずかしいもんね!じゃあ、今違うとこで着替えてくるからちょっと待っててね!!!」





「・・・・・・普通、恥ずかしいのは井上さんのほうじゃないのかなあ・・・・」




あなたはいつも明るくて

あなたはいつも優しくて

たまにドジだけど、憎めなくて

好きな人のことをずっと想っている、一途な人




さっきみたいなちょっとした話だけでも、僕はすごく嬉しいんだ。
きっと井上さんは鈍感だから、気付かないだろう。いや、絶対に気付かないだろう(笑)


でも

僕はずっとあなたを見ています。

あなたが危険な場になったときは

だれよりも早く助けるから

あなたの悲しい顔は見たくないから

つらい時は少しだけでも支えたいから


まあ、僕が支えるなんて、結局、黒崎くんには勝てないだろうけどね。


でも、それでもいいかな。あなたが幸せならいい。





「ごめんね!石田くん!!今たいそう服に着替えてきたから!はい!シャツ!
お願いします。」


そういってあなたはにっこり微笑んだ。

あなたが愛しい。

あなたは時々僕に黒崎君の話をするね。僕が憂鬱な顔になってるのは気付いてないだろうね。でもまあ、それでもいいかな。




「はい。じゃあすぐボタンつけるから少し待っててくださいね。」


「うんっ!さっすが石田くん!じゃあ、素晴らしい手さばきを見てようかな」


「や、やめてくださいよ。集中できないじゃないですか。」


「あはは、いいじゃん!ずっと見てるよ!」

茶目っ気たっぷりにあなたが言った。




どうやらあなたは僕の気持ちにやっぱり全然気付いてないや。

でも別にいいや。いつか僕があなたに伝えるから。

いつになるかわからないけどね。でも今は



こんな会話のやりとりだけでもすごく幸せだから



しばらくはこんなかんじでもいいかもね。

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