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その時家の隅からそれはそれは、大きな蜘蛛が出て来たのです。
あっちこっちうろうろ、這い回って何かを探して居る様に見えます。
小助が蜘蛛を見ていると、囲炉裏の煙が、もうもうと立っているその中で、
余りよく見えなかったのですが、その煙の中から、何と小雪と山姥の顔が、
代わる代わる現れて来るのです。
小助はびつくりして、もう訳が分からず、こんがらがってしまい、
逃げようと思いますが蜘蛛はあっちこっち動き回りその内に小助のほうに
大きな目をして向き、真直ぐに突進して来るではありませんか。
そして勢い余って大きな囲炉裏の中に、飛び込んでしまうのです。
パーンと大きな音がして弾けたようです。
はじけた蜘蛛は、ちょうど小助の目の前に転がり込んで、美味しいそうな肉が、はみだしにおいも良く余り食べていない小助は、(これは旨そうだ)と
手でつまんでぱっくりと一口で食べてしまったのです。
(
そうこうしている内に夜も更けて宴も終わり皆寝る事にします。
その夜中小助は腹痛で、苦しみに苦しんだ末、小助は
今までの事を、振り返ります。
(蜘蛛に変身した山姥が自分を殺しに来たが、間違って私に食べられてしまい、その恨みからか、私も死ぬ羽目になってしまうのか、私は飯の食べない嫁さんが欲しいと、
願っていたがやはりそんな事は欲深い事だった。
爺様ばあさまの事を思い欲深かったがすべて私が間違っていたのだろう。
もう取り返しがつかないが、今度生まれてきたらもっともっと、親孝行をして、嫁さんとも
仲良くして約束を守り人もうらやむ様な、いい人間に生まれ、
幸せな家庭を作りたいものだ)と思いつつ小助は、とうとう息が絶えて死んでしまったのです。
後々にこの話は、言い伝えられて今に残っているのです。
小雪が山姥になり、そして山姥が蜘蛛になり小助とともに、死んでしまった
それはそれは、悲しくて恐ろしいお話でした。
終わり
有難うございました。 また面白い話なぞ書きますね。