「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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読書日和 ~Topo di biblioteca~
2006年7月~8月に観た映画
2006年7月~8月に観た映画
ミッションインポッシブル 3
ブレイブストーリー
日本沈没
パイレーツ・オブ・カリビアン2
ハチミツとクローバー
ゲド戦記
ユナイテッド93
「M:I:III」
観に行く前夜、前作である「…2」を再見してから観に行きました。
撮る人、監督によって同じキャラクター、シリーズでも随分違った印象に
魅せることが出来るものだなあ…なんて思いつつ鑑賞しました。
*「ミッションインポッシブル3」公式HPは→
こちら
前作はジョン・ウー監督の作品で、アクションシーンがとても“美しい”。
スローモーション映像との組み合わせ方、その緩急の付け方がもう
ぞくぞくするほど「芸術的だー!」と思って魅入ってしまうのに対し、
今回のJ.J.エイブラムス監督作品は「まるで戦争映画でも観ているよう」でした。
丹念というか実直というか、無骨というか…肩に思わず力が入っちゃう印象。
(もちろん悪い意味じゃないですよ!)
正統派、真面目に一つ一つのシーンを組み立ててってるんだろうな、と感じました。
(余談ですが、柊はジョン・ウー監督の「フェイス/オフ」という映画、好きなのです~。)
その違いはイーサン・ハントに絡んでくる女性の登場人物にも現れてるかも。
前者は“恋人”なのに対し、後者の「3」は“家族”だから。
家族を持つというのは、強みでもある反面 弱点にもなりうる存在。
演じるトム・クルーズ自身、子供が生まれたばかりだったりして、
どうしてもそういった部分はイーサンと重ねて観てしまいます…^^;
物語はどちらも緊張感があって面白いので、
あとは観る側の、アクションの見せ方の好みの問題では…と思います。
こういう映画は、映画館の大画面で味わってこそ面白さがわかるというもの。
この映画のテーマ音楽はイントロを聴いてるだけでわくわくしてきます。大好き
・・・え?
じゃあ柊は「2」と「3」、どちらが好みか…って?
そうだなあー。アクションシーンは「2」のが好きです。
でも、イーサン・ハントは長髪より短い髪のほうが似合ってる気がしますし。
「3」のイーサン・ハントは前作に比べて“年齢”を感じさせる役柄なのが寂しくて。
いつまでも現役でいてほしいーなんてファンは思ってしまうんですよね。うん。
ブレイブストーリー
子供と一緒に観に行きました。
アニメーション化(映像化)されるなら、
「ブレイブ・・・」より「ドリーム・バスター」の方が柊的には好みなんですが(笑)
*「ブレイブストーリー」公式HPは→
こちら
映像がなかなか…
前夜に夫が古いビデオテープを引っ張り出し、「アキラ」というアニメーションを
観ていたのを更に横目で見ていたんですが…。
アニメーションにもCGが持ち込まれるようになって、更に技術も進むと
こういう大画面でも観られる映像、というのが出来上がるんだなあと
ひたすら感心してしまった次第。
アニメもなかなか侮れない(笑)
原作は随分以前に読んだので、既に細かい部分はうろ覚え…
でも、原作ではもっともっとワタル達がいろんな冒険に巻き込まれていたような
気がします…。
二時間におさめなくちゃいけないから省略されちゃうのは仕方ないかー。
たった一つだけ、願いが叶えられる。
それならいっそ何も願わない方が自分にはいいかも・・・と思ってしまいます。
きっといつまでたっても、
叶えられた願いより、叶えられなかった願いの方を惜しんで、
後悔し続けるような気がするから。
自分の願いを叶える為には、何を犠牲にしても構わないか…という問いかけは
大人でも答えに迷ってしまう問いに思います。
ワタル達を置いて、家を出て行ってしまったお父さんの台詞。
「自分のための人生を生きちゃ駄目なのか。」
家族のため、と我慢を重ねた挙句…吐き出された言葉だけど
この台詞にどきりとするお父さん、お母さんは多いような気がする。
何を犠牲にしても(例えば子供を傷つけても)自分の人生を選び取りたいか。
「否」と答える人がほとんどだとは思うんだけど…。
最近の子供が犠牲になってしまってる事件やニュースを見聞きしていると…。
何だかね…不安になってきちゃいます。
でも、たちの悪いことに「何を犠牲にしても…」て気持ちも
(何を願うかによっては)理解出来なくもないから…。
一つの問いかけに対し、片側からの見方だけで物語を押し通すのではなく
両面から、多方向から焦点を当ててみせる宮部さんらしさが
ちゃんと脚本の中にも生かされてて良かったです。
ただただ、ワタルの冒険モノに終わってなくて、良かったな。
日本沈没
はじめてこのタイトルを目にしたとき、てっきり何かの比喩だと思ったんです。
だから文字通り、日本海溝に向かって日本が沈んでいく話と聞いたときには
びっくらこいた思い出があります。
一度聞いたら忘れられない、すごいインパクトのあるタイトルですよね。
*「日本沈没」公式HPは→
こちら
観ててだんだん気持ちが辛くなってくる映画でした。
(映画の出来がひどいという意味じゃありませんよ…)
「SFだよー!ありえないよー!」と現実に立ち返ろうとする一方でどうしたって
「もしも、自分がこんな状況に直面しちゃったら…」って考えさせられて
しかも明るい未来なんて全然想像できなくて意味もなく叫びだしたくなること多々。
いや、自分だったら真っ先に死んじゃうタイプ…
(或いは海外に避難するよりは沈没する方を選ぶ)だろうなーと思うんだけど。
こういうときパニックに陥らずに自分のやるべきことがちゃんと見えてる人、
使命感のある人は強いだろうな、と思えて羨ましくなります。
うん、日本が沈没することは先ずありえなくても?
近い将来地震などの災害に遭遇する可能性は高いわけだし、
その時は子供を守って自分をしっかり保たないといけない!と決意を新たにしたり。
でもなー・・・フィクションとわかっていてもやっぱり観ていて辛かったなあ…。
どうしてだろう。
著者である小松左京さんはインタビューで
「日本人に“日本について”“国土について”考えてほしかった」と答えていらして
その言葉が一番印象に残っています。
住む土地(国)があるというのは実はすごい、ありがたいことなのかも…と。
まあ色々思うところはあるにしても、です。
(丁度森絵都さんの「風に舞いあがるビニールシート」を読んでいる最中で、
“難民”をいう言葉に敏感になっていたせいもあるかもしれません。)
大学時代、「来るべき災害に備えて首都を移転するべきだ!」と
授業の度に力説する先生がいたのを思い出しました。
その先生が候補地にあげていたのは阿武隈山地という場所。
宮城県と福島県の境辺りに位置する場所でしょうか。
その先生が語られるにはここの地盤が一番強くて安全なのだそうです。
映画中、福島県の一部地域が“いまだ災害にあっていない場所”と
表示されるのを見て、その先生の説を思い出したんでした。
それをいったら柊の住んでいる場所なんて丁度断層の上なんだよなー。
かなり不安です。
宮城県沖地震なんておきてほしくないよー!!
うーん、しばらくは草なぎくんの顔を見るたびに「日本が沈没したら…」なんて
うなされそうな気がしてきました。
パイレーツ・オブ・カリビアン2 デッドマンズ・チェスト
さあて、二度目はいつ観に行くことにしよう?(笑)
*「パイレーツ・オブ・カリビアン2」公式HPは→
こちら
感想?感想なんてとても書けません。観てもらった方が断然てっとり早い!
きっと二度目も観に行くと思います。それがすべて(笑)
それにしても、次の「パイレーツ・オブ・カリビアン3」の公開が
来年2007年の5月下旬~!?
それまでじっと待たされるのは辛いです…。
それ観るまでは何があっても死ねないじゃないですか
(もちろんハリー・ポッターシリーズだって、原作も映画版も完結を観るまでは
死んでも死に切れませんけれど…
)
前作の登場人物が脇役に至るまで皆さん揃っているので、
観に行く前にちゃんと前作を復習してから観に行けばよかったなあ、なんて
ちょっと思ったかな。
とにかくディズニーのアトラクションのわくわくした感じを画面いっぱいに
見せられている感じです。
シリアスだったり、コミカルだったり、ハラハラし通しだったり…
「面白い!」と思える要素がこんな風にたっぷり詰め込まれている映画は
なかなかありません。
柊はちゃんちゃんばらばらが大好きです
この映画の一番の魅力はやっぱりジャック・スパロウ船長なのです。
もう、その一言に尽きます。
ハチミツとクローバー
何かと話題に聞く「ハチミツとクローバー」。
原作漫画も未読だし、観に行こうかどうしようか迷っていたら
偶然にも友人が一巻目を貸してくれました(笑)
こ、これは観に行った方が良いという啓示かもしれない?と都合よく考える柊
*「ハチミツとクローバー」公式HPは→
こちら
原作そのままのはぐみちゃん、って可能なの?と思ってたんですが
蒼井優さん演じるはぐちゃんが原作そのまんまの雰囲気でびっくりしました。
前回観たのは「花とアリス」だったんけど、それとは雰囲気の異なる
不思議少女っぷり~。
演技って…すごいなあ、なんて改めて感心したりして☆
登場人物たちがみんな“誰かに片思い”しているのですが
何だかそんなふうに恋出来ることが羨ましくなってしまいました。
当人たちにとってはもちろん辛い状況にあるんですけど。
若いっていいなあ、学生っていいなあ(←ばばくさい感想…?
)
青春って痛いよね。うんうん、なんて浸ってみたりして。
美術の世界って不思議、というか変ですね。
絵を描いたり、彫刻を彫ったり、それらは自己表現である筈なのに
他人から評価されたり、値段を付けられたり、そのために妥協したり。
「どうして絵を描くんだろう」
「絵を描きたいから。それ、どうして生きるんだろうって質問と同じだよ」
(台詞のニュアンスはちょっと違ってるかも
)
描きたいから、という気持ちで絵が描けた。
まわりの評価なんて気にせずに画用紙だけに気持ちを向けられた。
そんな子ども時代が柊にもあったはず…なんて思いました。
そんな気持ちで絵を描き続けられるはぐちゃんが羨ましいな。
映画のあちこちで流れる音楽が印象的。サントラ盤を聴いてみたくなりました。
*
design by
sa-ku-ra*
蛇足。 山田さんのかかと落としが映画中でも観てみたかった…なんて。
ゲド戦記
ジブリ作品は、脚本がオリジナルのものの方が(原作がない方が)面白い。
…とは巷でよくきく噂なのですが。
この作品は宮崎駿監督ではないし、ル=グウィンの原作で
しかもシリーズ一作目からの忠実な映画化ではないようだし、うーむうーむ、とか
二の足踏んでいたら結構、良かったです。
実は(恥ずかしながら告白しますと)原作本は一冊目の「影との戦い」しか
読んでいなくて…映画では既にゲドが大賢人となっているので
物語についていけるかどうかすら、不安だったんですよね
でもそのおかげでむしろ期待し過ぎるところがなくて良かったのかも。
テナーとゲドの過去にあったお話とか、クモとの前のいさかいの事とか、
原作を知らないと「?」なのかもしれませんが、柊はこれから読む楽しみが
出来た感じです(笑)
監督者が違うから?それともこれが「ゲド戦記」の世界だから?
なんとなくだけど、これまでのジブリ作品とは異なる印象を受けました。
音楽も久石譲さんじゃなかったし…。
でもそれをむしろ柊はプラスに感じました。
難解さを残すより、観客へのメッセージはすぱっとストレートな方がいいです。
(ただ単にそれは柊の好みですけど)
ゲドがアレンに語りかけるシーンにはじん…ときました。
若かりし頃、ゲドも影に追いかけられ対峙したことがあったから、とか
大賢人に至るまでにいろんな出来事を経てきたから、とか
そういったエピソードがわかっていれば尚重みのある言葉に聞こえてきた筈
・・・にしてもタイトルは「ゲド戦記」だけど、これはアレンとテルーの物語ですね(笑)
菅原文太さん演じるゲドはとっても渋くて素敵だったけど
もっとばりばり活躍するシーンも観たかったですー。
(なんといっても“戦記”だし)
クモを演じる田中裕子さんの声が低めで、とっても怖くてぞくぞくしました。
子どもたちは観終わった後「怖いー」と言ってたけど、
柊はこういうキャラクターが結構好きです
ファンタジー物は悪役が格好よかったり素敵じゃないと燃えません(笑)
挿入歌のテルーの歌は、子どもたちもお気に入りです。
*「ゲド戦記」公式HPは→
こちら
ユナイテッド93
たとえそれがやっと塞がりかけた傷口を再びえぐるような行為だとしても。
もう一度、ううん何度でも、この悲惨な出来事があったことを
自分の心に刻み付けなくちゃいけないような気がしました。
この映画を「観に行きたい」と言った時、非難めいた目を向けられたのが印象的でした。
その気持ちもわかります。
映画にするということは、“脚色する”ということに他ならないし、
映画=娯楽作品として観ることに抵抗を覚える人もいることでしょう。
2001年9月11日のあの日から、もうすぐ5年という月日しかたっていないのに
わざわざ辛い思い出を掘り起こそうとするなんて、と考える人もいるでしょう。
柊にとっても、あの日テレビのニュース画面に映し出された映像は
とてもショックなものでした。
そして衝撃的な映像が繰り返し繰り返し流されるたびに
「これは本当の出来事なのか。まるで映画みたいじゃないか。」と思いました。
こんなことが現実に起こりうるのかと、認めることがなかなか出来なかった。
繰り返し繰り返し、「まるで映画のようだ」と思ったことが忘れられなくて。
そんなふうに思った自分が、9.11を題材にした映画を実際に観たら、そのときは
何を感じるのかをどうしても知りたくて、私はこの映画を観に行きました。
*「ユナイテッド93」公式HPは→
こちら
実際、観てみれば救いなんて何処にもない、辛い映画でした。
遺族の人が観たならば、柊なんかよりもずっと痛い思いをするのだろう、と思いました。
どうしようもない思いが溢れてきて、
「この映画に泣いてしまってはいけないんだ」と思っても涙が止まらない。
ラストの沈黙が意味するものが怖くて。
それでも、それに向きあっていかなくちゃいけないんだと思って。
何のためにこんなテロが起きたんだろう。
一瞬前には当たり前の日常が繰り広げられていたのに何故、突然こんなことが起きてしまうのか。
本当にわからない。
でも、辛い映画ではあるけれど、出来るだけたくさんの人に観て欲しい。
たとえ、得るものがなくても。苦しいだけだとしても。
なんでまたここで再びあの絶望を味あわなくてはならないのかと疑問に思っても。
先日、久しぶりに「コーラスライン」という映画をDVDで観たのですが。
(もうすぐ、劇団四季の公演を観に行く予定をしているので)
そしたら、映画の冒頭にワールド・トレードセンターが映し出されたんです。
本当に何気ない一コマで、登場人物の一人がNYにやって来たということを
象徴する為の一場面でした。
この映画は1985年公開だから、もちろんこの場面は合成ではありません…。
だからこそ、なんとも言葉に出来ない気持ちが込みあげてきて、
その場面だけを確かめるように何度も繰り返し観てしまいました。
今はもうないビルがここにはある。
NY、夢をかなえようと集まってくる人々を象徴するようにこの映画の中では映し出される。
未来って…わからない。
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