寝物語II



『父さんの寝物語』の、裏ページかも・・・?

とはいえ、自分の障害を自覚してからは、殆どパパ殿に寝かせつけてもらってるので、めったに聞かせる機会はなく、レパートリーも少なめです。

だいたい、今までだって、お話よりも、ヘンテコな子守唄?が殆どだったし・・・。子どもたちそれぞれに、短いテーマ曲を、赤ン坊の頃から作ってきてる(というよりは、どこからともなく湧いて出た)ので、それを歌いながら寝かせつけたり、寝かせつけられたり・・・。(_ρ_)..zzZZ

コレッ!って言えるのは、
  『赤いカバンの冒険』~あんちゃんの大切なカバンの旅行記
  『あかいきつねの話』~小さな商店で売られているカップ麺の冒険
  『月夜の泥だんご』
ぐらいです。
今日は、『月夜の泥だんご』のお話を書いてみますね。



アニメボール月夜の泥だんご


月見
昔むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
「おばあさんや、今夜は月夜じゃったのう」
「まこと、まこと。今夜は月夜ですねえ、おじいさん」
「月夜といえば、のう、おばあさん」
「そうですねえ。月夜といえば、泥だんごですねえ、おじいさん」

二人は、せっせ、せっせと、泥だんごを作りました。
「こねこね こねこね 泥だんご」
「たくさん つくろう 泥だんご」
お昼を過ぎました。二人はまだ、楽しそうに泥をこねまわしています。
「こねこね こねこね 泥だんご」
「まだまだ つくろう 泥だんご」

夕方になりました。お空はまっ赤です。
「今夜は晴れですね、おじいさん」
「まこと、まこと、今宵はいい月夜じゃ、おばあさん」
「ふうーっ」二人は、袖で汗をふきました。「もうひといき!」
「こねこね こねこね 泥だんご」
「やまほど つくろう 泥だんご」

辺りはすっかり暗くなっています。もう、夜です。
雲ひとつない、いい月夜です。
おじいさんとおばあさんは、泥だんごをきれいに並べて、100皿分、はい、出来上がり!

おじいさんとおばあさん、う~ん、と背中を伸ばして、
「おばあさんや、そろそろはじめようかのう」
「そうですねえ、そろそろはじめましょうかねえ、おじいさん」
いったい、何が始まるのでしょう?

おじいさんは、お腹をめくって、げんこつで調子よく叩きはじめました。
「ポンポコポン、ポンポコポン、ポンポコポンポコ、ポンポコポン」
おばあさんも、そのままお腹を叩き始めました。
「ポンポコポン、ポンポコポン、ポンポコポンポコ、ポンポコポン」
すると、林の中から、違う音が聞こえてきました。
「ポンポコポン、ポンポコポン、ポンポコポンポコ、ポンポコポン」
茂みから、お腹を叩きながら、たぬきが出てきました。
「ポンポコポン、ポンポコポン、ポンポコポンポコ、ポンポコポン」
また、違うたぬきがでてきました。
こうして、次々にたぬきがお腹を叩きながらでてきたので、あたり一面、腹づつみの大合奏になりました。こだまも聞こえてきます。
「わーっはっはっはっは!ゆかい、ゆかい!」
おじいさんは、ごきげんです。おばあさんも、楽しそう・・・。

ひとしきりお腹を叩いた後、一匹のたぬきが、
「ボヨヨヨヨ~~ン・・・」
と、何ともヘンな音でお腹をたたき、お月様に魔法をかけました。
すると、一皿の泥だんごが、
「へ~んし~~~ん!」
と、おいしいみたらし団子に変身しました。
他のたぬきも、
「ボヨヨヨヨ~ン・・・」
と、お月様に魔法をかけると、またまた泥だんごが
「へ~~んし~~~ん!」
と、みたらし団子に早や変わり!
たぬきたちが、次々とお月様に魔法をかけるので、
「ボヨヨ~ン」「ボヨヨ~ン」「ボヨヨ~ン」「・・・・
と、あたりにヘンな音が響き渡りました。
その音をきいた隣村のネコちゃんは、びっくりして屋根から落っこちてしまいました。
これで、100皿分の泥団子が全部、おいしいみたらし団子に変身しました。

おじいさんとおばあさんがたぬきたちにお皿をくばると、98匹いたので、おじいさんとおばあさんのを合わせると、100皿分ちょっきりでした。
「おばあさんや、ちょうど足りて、よかったのう」
「ほんに、ほんに、ちょうど足りて、よかったですねえ、おじいさん」
「おいしいのう、おばあさん」
「おいしいですねえ、おじいさん」
おじいさんも、おばあさんも、たぬきたちも、ニコニコしながら、おいしそうにみたらし団子を食べて、お腹いっぱいになりましたとさ。

とんとんむかしのこっぽりこ。


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