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それは先生とワンきち君が中国へ行ったときのことです。お昼どき、太陽は真上にあり気温が急上昇していました。周りの風景は先生とワンきち君が住んでいるところと同じような繁華街が広がっていました。ただ、地面が土であるということだけがそれと異なるところで。「暑いねぇ・・ワンきち君。」額の汗をハンカチでぬぐいながら先生が言いました。「暑いです・・。どこかで休憩しませんか?」暑さに強いワンきち君もさすがにバテていました。少し歩くと目の前にお寺の入り口が見えました。「じゃあ、少しここで休もうかね。」門をくぐって中に入ると人の姿は見えませんでした。池がいくつかあり、それに橋がかかっていたりしました。その奥には梅の木が何十本もあり、それと同じように竹林も広がっていました。脇のほうへ移動すると小さなベンチがあったので先生とワンきち君はそこに座りました。「だれもいないんですねぇ。」竹林が風に揺られてしなる音だけが響くなか、ワンきち君はつぶやきました。「飲むかい?」先生が水筒の水をワンきち君に差し出しました。ワンきち君はそれをガブガブ飲みました。「んっ。」飲んでいる途中、ワンきち君は耳をピンと立てました。「やってくる やってくる いじわるモギーが もうすぐ もうすぐ やってくる」それは竹林がみんなでささやき、歌う声でした。「先生、今の聞きました?」「うん、モギーとはなんだろうね?」先生とワンきち君は顔を見合わせました。「ぐわっはっはっはっはっはーー!!」突然、何かが大笑いする声が響きました。先生とワンきち君はびっくりして周りを見渡して警戒しました。しかし周りには何の姿も見えません。「おぅ、おぅ、おっさーん!ここやって!」ふたたびどこからか声が聞こえます。「・・・?」足のふくらはぎのところがかゆくなったのでかこうと先生が身をかがめたそのとき・・「ふぁはっほ!!」今まで出したことのないような声で先生は驚きました。「どうしたんですか!?・・・あ!」先生の足元には1匹の小さなモグラがちょこんといました。「はよ、気づけや~。というか、おっさんビビリすぎやで。なははっ!」それがモギーとの出会いでした。
2007年08月14日
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つい先日、ぼくの中学時代からの友達が結婚をした。「結婚式でスピーチしてくれない?」結婚式の数ヶ月前に友達にそう頼まれた。「いいけど、どんくらい話せばいいの?」「まぁ、数分でいいと思うんだ。」結婚式の当日、ぼくはスピーチを頼まれたことを思い出した。「なにしゃべるかなぁ・・。」バイクで式場に向かいながらつぶやいた。その友達とは中学生のころは遊んだりいたずらしたり悪さをしていた。だから結婚式で真剣でまじめな表情をしている様子を見てなんだかおかしかった。彼がどんな気持ちで、どれだけ緊張しているかがなぜか手に取るようにわかった。ぼくはなぜか心の中で必死に「がんばれ!」と応援していた。そして披露宴。「中学時代からのお友達のスピーチです。よろしくお願いします。」司会の女性がマイクで言った。結局、ぼくはその瞬間まで何を言うか決まってなかった。ぼくはマイクの前に行って立った。ふと、横で座っている友達を見た。その顔は、中学生のときに初めて出会ったときと重なった。「お前と会えて、よかったよなぁ・・。」心の中でそう思った。すると、何も考えないでスラスラ話せている自分がいた。披露宴が終わるとき、友達が最後に全員に向かって言った。「これから二人で幸せな家庭を築いていきます。今日は来ていただいてありがとうございました。」最高に緊張していたけど、かっこよかった。幸せになってほしいと思った。そんな、結婚の話!
2007年08月06日
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メンバーでいろいろあって・・バンドでいろいろあって・・ライブでいろいろあって・・みんなそれぞれがいろんなことを思って・・決断を下すもんだ。そんな日だった。そんなライブの日って話!
2007年06月20日
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学校でのこと。その子は新入生として学校に来てから広場の遊具で遊ぶことはなかった。5月になって少ししてから変化があった。その子がブランコをじーっと見ているのだ。「ブランコ、のるか?」ぼくが聞いた。その子は言葉を持たないのでちらっとぼくを見たきりだった。動こうとしないので背中を押してうながしてあげるとトトトっとブランコのところまで来た。しかし、のるところまで来るとぷいっとどこかへ行ってしまう。それが何度も続いた。最近になってブランコにのるようになった。 そして・・・・笑ったのだ。 そんな変化の話!
2007年05月13日
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知り合いのバンドさんのライブを見に行った。久しぶりにライブを見に行ったのでとても感動した。なんだかステージの上で演奏するのがとても輝いてみえて・・彼らの一瞬の時間・・・青春という輝き・・・写真とかビデオじゃ残せない何かを得ているんだな。生き様を見たって話!
2007年05月13日
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職場での恋愛の話。先輩にぼくが聞いた。「彼女とケンカしたらどうしますかー?」「絶対に謝らないね、おれは。そして、論理で責める!」「へえー・・論理で・・。」同期の女の子に聞いた。「彼氏とケンカしたらどうするー?」「わたしは結果的にあやまるよね・・。相手がけっこう女々しくてさぁー・・。」「へえー・・あやまるんだぁ・・。」まぁ・・とにかくさ・・・恋人との素敵な夢をみたいよねって話!
2007年05月13日
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先日バンドの飲み会に行ってきた。 ぼくのバンド3人と、たまに一緒に出演するバンドさん3人と一緒に飲んだ。 とてもおもしろかった。 とてつもない大人数で飲むよりももっと少人数で飲むほうがぼくは好きだ。 みんな幸せになりますようにって話!
2007年04月26日
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最近ふと思う。 恋人同士のケンカ。 大切なケンカ。 大切じゃないケンカ。 意味のあるケンカ。 意味のないケンカ。 そんなものがあるんじゃないかなって思う。 ケンカする彼らは川の中を転がる石ころなんだ。 まぁ、ケンカの話!
2007年04月09日
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この4月から養護学校で働いている。 たくさんの先生たちがいて、とてもではないが顔さえ覚えられない。 そこで一人の先生と出会った。 その人はもう結婚して子供もいる。 「ここの学校の子供たちは本当に素直だよ。まぁ、ときどき悪さするけど無駄に考えないし思ったことをストレートに表わすからさ。」 「子供が好きなんですねー・・!」 その人の表情を見てぼくはそう言った。 素敵な笑顔だった。 「接してみて変わったよね。きっと、君もこれからそうなるんじゃないかな。」 それからは若いころの苦労とか、先生にもいろんな人がいるなどさまざまなことを聞いた。 とても興味深かった。 「面白い人だなぁ・・!」 帰り道でそう思った。 これからの日々が期待と不安って話!
2007年04月05日
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先日、送別会を開いてもらった。 4月から新しい職場で働くからだ。 送別会がはじまって来てくれた人を見渡すとすごく面白い。 少ししか話したことがなかった人やあまり関わりのなかった人が来てくれていたりする。 話すたびにほんとにお世話になったなぁと実感した。 「暇だったりなんか話したいことがあったらいつでも遊びに来いよな。」 上司に最後、そう言われた。 そう、これで会うのが最後ってわけじゃないんだ。 送別会って、一生残るものだ。 これからが出発って話!
2007年03月27日
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しばらくして注文した料理が運ばれてきました。 「わー!いただきます!」 ワンきち君はすぐに食べ始めました。 かっちゃんは先生が何か言うのを待っていました。 「じゃあ、まぁ、食べながら話そうじゃないか。」 先生はそういいました。 かっちゃんはモソモソ昆虫料理を食べ始めました。 「人間がどんなものかっていうのを説明するのは簡単なようで難しいのだよ。」 かっちゃんは耳を先生に向けました。 「われわれ人間は生物学上は、動物界・脊椎動物門・哺乳綱・霊長目という分類で学名はホモ・サピエンスといわれていて、『知恵がある』という意味なのだよ。」 先生はご飯を食べながらさっさと話します。 「わし、先生がなにいってるかわからねぇ。」
2007年03月27日
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ライブ本番中、自分のバスドラムの音が足を踏み込むたびに会場の中で響いているのがわかる。 練習でバスドラムをたたくときは・・ ドンっ でも、ライブでバスドラムをたたくと・・ ズンっ って聞こえる。 自分の出すどんな小さな雑音でもマイクで増幅されるわけで。 ドキドキして・・ 狂ってしまいそうで・・ また、快感なんだ。 そんな自分を客席から見てみたいなぁってちょっと思う。 生の自分を。 きっと、人生の中で最高の自分っていうのは発狂できる時なんだ。 そう感じた日って話!
2007年03月19日
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朝、雨がすごく降っていてバイクの運転があたふただった。 道路を走る車は日曜日ということもあってゆっくりゆっくり走っていた。 ぼくにはそれがスローモーションのように感じた。 昼、雨はいつの間にかあがっていて青い空が見えていた。 街中は日曜日ということもあってカップルが多かった。 ぼくはすれ違うたびにカップル同士でつなぐ手をジーっと見ていた。 夜、ライブが終わって外に出ると現実がぼくの中に帰ってきた。 その後の時間は矢がすぎるくらい早く感じた。 ぼくはただ、幸せだった。 人はひとりふたりって数えられるけど、心はひとつふたつって数えられないんだ。 そう感じた日って話!
2007年03月12日
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先日、県内にある平林寺(へいりんじ)というお寺に行ってきた。 とても大きなお寺でたくさんの自然に恵まれている。 そこで会ったおじいさんと話す機会があった。 ぼくは平林寺についたのはよかったのだがそのとき入り口がわからなくて近くにいたおじいさんに場所を聞いたのだ。 「入り口はね、ここの真反対のところなんだよ。」 「ああ、そうなんですか・・。歩くと時間かかりますかね?」 「いや、あなたの足なら15分もかからないでしょう。」 そのあとおじいさんは平林寺のことを細かく教えてくれた。 「私はね、このお寺のすぐ隣に住んでんですよ。もう30年になりますねぇ・・。」 「30年・・!」 「お寺に入ってから右手の奥にある梅が今きれいだからぜひ見てください。その奥には松平家のお殿様のお墓があるんですよ。ほかにもたくさんみる場所がありますからきっと楽しめますよ。」 おじいさんは微笑みながら教えてくれた。 ほとんど毎日お寺の周りを散歩しているらしかった。 お寺の中は平日ということもあって人はいなかった。 ほんとに、1人もいなかった。 空は快晴で、歩いていると少し暑いくらいだった。 ぼくは2時間かけてお寺の中をみてまわった。 樹齢500年の巨大な木や風になびく竹林、きれいなピンク色の梅の木、人気のない静けさ、どれも素晴らしかった。 なかでも、雑木林の中から空を見上げたときの瞬間。 木漏れ日が最高にきれいだった。 もっともっといろんな自然をみてみたいなと思った。 お寺を出てから気づいた。 「おれって独り言多いんだなぁ・・。」 そんな、お寺の話!
2007年03月06日
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「あの・・。」 店員さんが困っています。 「ああ・・昆虫料理を追加してもらえるかね?」 先生が言いました。 「昆虫料理!了解です!」 満面の笑顔で店員さんはそういってお店の奥に引っ込んでいきました。 先生とワンきち君はかっちゃんのほうに向き直りました。 「すごく当たり前で不思議な質問なんだが、かっちゃん、なぜわたしとワンきち君には君が見えるのだね?」 先生はかっちゃんにせまりましたがかっちゃんの口臭がすごいのに気がついて少し身を引きました。 「先生、あんまりわしを見ないでくれぇ。目が合うと先生は死んじまう。」 先生はさらに身を引きました。 「大昔、わしは人間の目に見えていたんだよなぁ。でも、それはよくないことでぇ。わしと目が合うと死んでしまうし、口はくせぇし、よくないことでぇ。だからわしはずっと思ったんだぁ。人に見られたくねぇ、人に会いたくねぇ、近づきたくねぇって。そしたら、いつの間にか人間の目にはわしは見えなくなってたんだよなぁ。」 「人間だけ?」 ワンきち君が聞きました。 「うん、人間だけだぁ。だからワンきち君はわしのこと見えて不思議じゃねぇ。先生にわしが見えるのは不思議。」 「そう考えるとたしかに不思議だね。ワンきち君はどう思う?」 「・・・ちょっとおなかがへりすぎて・・。」 ワンきち君はその場に丸まってしまいました。 「わし、先生とワンきち君に話したいことがあってついてきたんだぁ。」 「話したいこと?なんだね?」 「わしなぁ・・その・・わし・・人間を知りてぇんだぁ。」
2007年03月06日
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「先生!おなかがへって死んじゃいます!」 洞窟を出てからワンきち君が先生に言いました。 「先生、わしも腹へったよぉ。」 先生が前をさっさと歩く後ろでワンきち君とかっちゃんがわめきます。 「仕方ないね・・じゃあどこかでご飯でも食べよう。」 先生たち一行は村のなかにある一軒の料理屋さんに入りました。 「いらっしゃい!なににします?」 先生たちがテーブルに座ると店員さんが注文を聞きにきました。 「じゃあ、わたしはお米料理を適当にたのむよ。」 「お米料理!了解です!」 「ぼくはお肉料理!大盛りで!」 「お肉料理!大盛り!了解です!」 「わしは昆虫料理がいいなぁ。」 店員さんはなぜかかっちゃんの注文を無視していってしまいました。 「ちょ、ちょっと待ちたまえよ、きみ!店員くん!」 先生が行ってしまう店員さんを呼び止めました。 「はい?」 店員さんは笑顔で振り向きます。 「かっちゃんの注文をちゃんと聞いたのかね?」 「かっちゃん?だれです?」 「ここにいるやつですよ!イノシシみたいな!」 ワンきち君はおなかがへりすぎてなかば興奮していいました。 「ここにいるって・・何もいないですけど・・?」 店員さんは怪訝な顔でワンきち君を見ました。 先生とワンきち君は顔を見合わせました。 そしてかっちゃんを見ました。 そこにはイノシシのような、豚のような姿をしたかっちゃんがたしかにいました。 「じつはなぁ・・。」 かっちゃんがゆっくりしゃべり始めました。 「人間にはわしの姿、見えねぇんだ・・。」
2007年03月06日
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本番前の楽屋で違うバンドの人と会って挨拶をされた。「今日はよろしくお願いします!」「あ、こちらこそー!よろしくです!」とても腰が低くて礼儀正しい。それが本番のステージで激しくギターをかき鳴らしているのを見ると・・別人かな?(゚Д゚;)と思ってしまうくらいギャップがある。演奏を聴いていてぞくぞくした。やっぱりステージに立つと輝いている。めずらしく、ぼくは本番中、お客さんのほうも見渡した。ぼくたちの演奏を家を出て、ライブハウスに出向いて、ステージの前で立って聴いてくれている。直立不動で聴く人。頭を揺らしてリズムを取っている人。座って聴く人。楽器の演奏をジーっとみる人。「一人一人のお客さん、大事だなぁ・・。」ドラムをたたきながら一瞬、冷静にそう思った。その場にいる人たちと自分は今その一瞬を共有しているんだ。それは一生残るものだ。「お疲れ様でした!」ライブハウスの店員さんに演奏が終わって一番にそう言われた。すごくすごくうれしかった。こういう店員さんたちがいなきゃライブも成り立たなかったわけなんだ。「今日はありがとうございました!」ぼくは思いきり頭を下げてお礼を言った。まぁ、みんなが大好きって話!
2007年02月26日
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「いかがでしたか?」 先生が目を覚ますと目の前には黒人の青年がいました。 横ではワンきち君が眠っています。 「んん・・夢だったのか。」 「それは偉大な夢です。われわれはそう思っています。」 「偉大な夢・・そうかもしれないねぇ。本当に天使とやらに会えるとは。」 先生は苦笑いをしていいました。 「体験されたことが先生にとって意味のあるものであることを祈っています。ぼくは仕事があるのでもう行かなくてはいけません。」 「不思議なんだが君はなぜ私たちをこのような神聖なところに案内してくれたんだね?」 先生は少し小声で青年に聞きました。 「先生とは今日初めてお会いしました。ですが隣のワンきち君とは初めてではないのです。」 ワンきち君を優しい笑顔で見ながら青年は言いました。 「会ったことがあるのかね?」 「偉大な夢の中で会いました。」 愛くるしい笑顔で青年は答えました。 先生は訝しげに青年を見ました。 「出口はあちらになります。ワンきち君が起きたら一緒に出てください。お会いできてよかったです。また会いましょう。」 そういって青年は先生と握手をして外へ出て行きました。 ワンきち君は青年に挨拶をするようにぷひゅっと寝息をたてました。
2007年02月26日
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気がつくとワンきち君は草むらの中にいました。 空は薄いピンク色できらきら輝いていました。 その空からは金色の粉がちらほらと降ってきていました。 「わぁ・・きれいだなぁ・・。」 目の前にはとても幅の広い川が流れています。 ときどきそこにすむ魚がぴちょんと跳ねました。 周りには多くの森林がそびえています。 風が吹くたびに木々たちははやさしく揺れていました。 ワンきち君は川の流れに沿ってゆっくり歩きました。 ワンきち君が歩くたびに魚たちはぴちょんと跳ね、木々たちは優しく揺れ、空は輝きを増しました。 そこにあるすべてがワンきち君を歓迎するかのようでした。 すると地面からかわいらしい天使が現れました。 とても愛くるしい笑顔でワンきち君や大きな川、森林や空を見ています。 天使は二枚の紙切れを持っていました。 ワンきち君の前に来て一枚を手渡しました。 幼児が書くようなへんてこな字でそれは書いてありました。 わんきちくんわぁ もといたところにぃ かえりたいのですかぁ すると急に大雨が降り出しました。 空は雲に覆われ、天使やワンきち君はずぶぬれになりました。 「か、帰りたくないです。」 なぜかワンきち君は自動的に言っていました。 すると天使はもう一枚をワンきち君に手渡しました。 のん のん わんきちくんわぁ かえるんですぅ 雨はしきりに降りました。 それはまるで、そこにあるすべてが泣いているようでした。
2007年02月26日
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「あなたは太鼓をたたく人なの?」公園でバケツをたたいていたら通りかかったおばあちゃんに聞かれた。ぼくはときどきバイクで遠出をして適当なところでバケツをたたいている。お気に入りの2本のスティックで。「おれバンドを組んでいて、ドラムをたたいてるんですよー。」「あら、太鼓じゃぁないのね。」すごく高貴な格好をしたおばあちゃんで気さくな話し方をする人だった。「太鼓といえば太鼓ですね!いろんな太鼓というか・・!」「あら、やっぱり太鼓をたたく人なのねー。」「そうですね、ドラムたたいています!」「ドラム?太鼓じゃぁないの?」そんなちぐはぐしたようなことをしばらく話していた。わからないことを素直に聞く人で話していて面白かった。自分が当たり前にわかっていることを説明するのは案外難しい。見ず知らずのぼくに話しかけるおばあちゃんはすごいなと思った。ぼくはそんなおばあちゃんと話せてうれしかったわけで。「じゃあ、また会いましょうね。」そういっておばあちゃんは去っていった。ほんとに、また会いたかった。そんなちぐはぐな話!
2007年02月20日
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この日はたくさんの久しぶりがあった日だった。久しぶりに電車に乗った。日曜日の電車の中は家族連れが多くて、ゆったりしていて、やわらかい雰囲気だった。久しぶりに全力疾走した。バンドの練習に遅刻しそうになってとにかく走った。苦しかったけどなんだか気持ちよかった。久しぶりに激辛のカレーを食べた。文章に表せないくらい辛くて、それはもう・・とっても辛くて。食べた後も胃の中で辛さを感じていた。ライブ本番はみんな熱くなれて楽しかった。そんなライブの本番前の話!
2007年02月11日
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かつて東京タワーにいったことがある。 中学時代の友達と二人で。 夜、高いところから見る景色は壮大でロマンチックだった。 まわりにはカップルがたくさんいて。 みんな幸せそうだった。 そのとき、ぼくたち二人は誓ったんだ。 「なんで男二人でこんなとこ来てんだろうな・・。」 「つぎ来るときは恋人と来ような・・!」
2007年02月05日
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気がつくと先生は公園にたたずんでいました。 空は薄いピンク色できらきら輝いていました。 その空からは銀色の粉がちらほらと降ってきていました。 「なんて気持ちいいのだろうか・・。」 ふと見ると公園のベンチに一人の若い女の人が座っています。 その女の人はしくしく泣いていました。 「大丈夫ですか?」 先生は近づいていって声をかけました。 「わたしは先生が一番です。先生がそばにいれば何もいりません。先生がいなければ幸せにはなれません。」 泣きながら、自動的に女の人は話し出しました。 涙の粒がたまってまつげから落ちるのがまるでスローモーションのように先生には感じました。 「いつか、どこかで、聞いたことがあるような・・。」 すると地面からかわいらしい天使が現れました。 とても愛くるしい笑顔で先生や女の人、空や公園をみています。 天使は二枚の紙切れを持っていました。 先生の前に来て一枚を手渡しました。 幼児が書くようなへんてこな字でそれは書いてありました。 ふたりわぁ えいえんのぉ あいをぉ ちかいますかぁ 「誓います。」 急に女の人が言いました。 「ち、誓います。」 なぜか先生も自動的に言っていました。 すると天使はもう一枚を先生に手渡しました。 のん のん せんせいはぁ ちかってません~ 先生は女の人を見ました。 女の人はもう泣いていませんでした。 ただ先生をじっと見ていました。 目は泣きはらして少し赤く、やさしく弱く笑っていました。
2007年02月05日
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「どうぞそこにお座りください。」 青年が先生たちにいいました。 洞窟の一角の厚手の布がしいてあるところに先生たちは座りました。 「これをお飲みください。」 青年が洞窟の奥からカップに入った液体を持ってきました。 それは青汁に薄い白色を混ぜたようなそんな色の液体でした。 「これは何の飲み物だい?」 先生が青年に聞きました。 ワンきち君は好奇心旺盛な表情でその液体を見つめています。 「われわれの村で習慣的に飲んでいる薬湯です。」 笑顔で青年が答えました。 「そんなかにキノコが入ってんだよなぁ。」 かっちゃんがゆっくり言いました。 先生はそのときはっと思い当たることがありました。 「もしかして、シロシビン物質を含むキノコが入っているのだね?幻覚作用を及ぼすという。」 「そのとおりです。」 青年は続けて言いました。 「われわれは幻覚という一言では片付けられないものがあると信じているんです。」 「・・・?」 先生は怪訝な表情をしました。 「どうかお飲みください。健康に支障はありません。」 先生はワンきち君を見ました。 「大丈夫です。この人がいっていることは本当です。ぼくも飲みたいです!」 先生はかっちゃんを見ました。 「わしはいらねぇ。キノコ苦手だぁ。」 結局、先生とワンきち君でカップに入っている液体を半分ずつ飲み干しました。 「楽な姿勢になって目をつぶってください。」 青年にいわれるまま先生はあぐらをかきました。 ワンきち君はくるんと丸まってぺたんと床に座りました。 青年、ワンきち君、先生は円を描くように座り、青年はワンきち君の頭に左手を乗せ、先生の手を右手で優しく握りました。 先生が目をつぶってしばらくすると目の裏が白く輝いてきました。
2007年02月05日
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「どうしたんですか、先生?」 ワンきち君が先生のところに近づいて聞きました。 かっちゃんはのしのしとゆっくり近づいてきました。 「あれを見たまえ、ワンきち君。」 先生が指さす先には大きな洞窟がありました。 洞窟の先は地下につながっていて外からでは中の様子が分かりません。 「先生・・!」 ワンきち君は驚いて先生を見ました。 「そう、中から人の声が聞こえるのだよ。それも大人数の。」 「じゃあ、こんなかでキノコ食ってんだなぁ。」 かっちゃんがいいました。 すると洞窟の中から人が出てきました。 先生とワンきち君は身構えました。 「ようこそいらっしゃいました、どうぞ中へ。」 それは皮膚が黒く、下半身だけ植物の葉で覆われている、ほぼ全裸に近い状態の黒人の青年でした。 洞窟の中へ入り、先生たちは青年の後を付いて歩きました。 しばらく歩くと空間の開けた場所にたどり着きました。 そこには多くの人がいて、正座したりあぐらをかいたり横たわって眠ったりしています。 「この人たちは・・?」 先生が青年に聞きました。 そこにいる人々はみんな目の様子がおかしかったのです。 それは、そこにはあるはずのないものを見ている、何か妄想に耽っているようなそんな目をしていたのです。 「彼らは今、天使様に会っているんです。」 青年は満面の笑顔でそう答えました。 先生とワンきち君は目を見合わせました。 かっちゃんはプヒッと鼻を鳴らしました。
2007年02月05日
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図書館での出来事。ぼくの行く図書館には勉強をするための机や、本を閲覧するための簡易のいすがたくさん備えられている。その中のひとつの机でぼくはちょっと勉強していた。平日だったので人も少なく、ぼくの隣の机はあいていた。しばらくしたら高校生くらいの女の子が隣の机に座った。「受験のシーズンだからこの子も勉強に励むんだろうなぁ。」図書館の中はそんな学生たちが多かったのでぼくはそう思った。しかし、ぼくの予想は大きくくつがえされる。いつまでたってもその女の子は机の上にノートとか教科書とか、何も出そうとはしない。かといって、寝るわけでもない。「不思議な子だなぁ・・。」1時間たっても、2時間たっても同じ状況。「いったい、どうしたんだろう・・?」なんだか不安になってしまった。途中、トイレに行きたくなってぼくは席を立った。帰ってきて隣の女の子を見てびっくりした。なんと手編みのマフラーをせっせと編んでいたのだ。「たしかに、図書館で編み物をするにはいい場所だ!!」なにより、その女の子の表情に感動した。やさしくほほえみながら編んでいたのだ。そんな、一生懸命な女の子の話!
2007年02月02日
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先生とワンきち君、そしてかっちゃんは林道を歩きました。 しばらく歩くと小さな村が見えてきました。 「おお・・こんなところに村があるじゃないか。あそこで少し休ませてもらおう。」 「ぼくはおなかがへりました。」 村の中はとても静かでした。 木や葉でできている家はとても原始的で先生を魅了しました。 「自然を利用してこんな家を作るなんて素晴らしい!」 先生は一軒一軒を手で触り感触を確かめていました。 「先生・・それより、人がいませんよ。」 ワンきち君が冷静に言いました。 先生たち一行が村に入ってから、人の気配はするものの姿が見えません。 「きのこ食ってんだよぉ、きっとなぁ。」 かっちゃんが言いました。 「きのこ?」 ワンきち君が聞きました。 「ここいらのやつらはなんだか知らねぇけどみんなで集まってきのこ食うのが好きなんだよなぁ。」 「ふーーん。それは変わった人たちだなぁ。ん?」 ワンきち君が先生のほうに視線を戻すと先生が手招きをしていました。 ワンきち君とかっちゃんは先生のほうに近づいていきました。
2007年02月02日
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すごい人と出会った。 IT関連の会社の人と面接したときのこと。 その面接官の人がすごかった。 何がどうすごいかというとうまくいえないけど。 3時間その人と話したのだけれど、ぼくの良い部分、悪い部分、足りないもの、将来への道、今のポジション、すべてがわかっていた。 人を見る目がある人なんだ。 「心の中にいる自分と会話してみごらん?」 「自分と・・ですか。」 「世の中の人は自分と会話できているようで実はできていない人が多いんだよ。それは、自分がどういう人間なのかわかっている人が少ないとも言えるかな。」 すごく印象に残る言葉をたくさんもらった。 家に帰ってからぼくは無性に部屋を片付けたくなった。 そして、あっという間に部屋は片付いて。 無性に人に会いたくなったんだ。 そんな、出会いの話!
2007年01月25日
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それは先生とワンきち君がアフリカに行ったときのことです。 深夜、森の中を歩いていると向こうからゆっくりゆっくり歩いてくるものがいました。 先生は身構えました。 「わしの目を見るでねぇぞぉ。」 ゆっくり歩いてくるそれはそういいました。 その姿は、水牛のような体で、頭は豚を思わせるようで鼻は大きく、なにより首が2メートルはあるかのように長かったのです。 先生はそんな動物を初めて見ました。 「先生、あれは妖怪です。」 となりのワンきち君が言いました。 「妖怪・・?」 「カトブレパスです。」 「おっかないねぇ・・ワンきち君。早く森を抜けよう。」 「そうですね。ちなみにカトブレパスににらまれると死んでしまうそうです。」 森を抜けると朝焼けで空はきれいに輝いていました。 そこには先生とワンきち君、後ろからゆっくりカトブレパスが歩いてきました。 「先生、彼は一緒に来たがってますね。」 「おっかないねぇ・・。」 「わしも一緒に連れてってくれぇ。」 小さな声でカトブレパスは言いました。 「ワンきち君、彼は一緒に連れてってくれといっているのかね?」 「そうですね。」 「冗談だろうか?」 「たぶん、冗談じゃないと思います。」 先生とワンきち君はあさってのほうを見ながら話しています。 「わし、悪さはしねぇ。誰も殺さねぇ。息はくせぇけどさぁ。」 「先生、どうします?」 「・・・・・うん、悪さをしないならまぁ、いいだろうね。」 ワンきち君はちょっと驚きました。 カトブレパスはブヒュッと鼻を鳴らしました。 それはどうやら喜びの音のようでした。 「きみ、なんて名前?」 ワンきち君が近づいて聞きました。 「名前なんて、わしもっとらん。」 ワンきち君は先生をチラッと見ました。 「そうだね・・じゃあ、かっちゃんとでも呼ぶかね。」 「よろしくです、かっちゃん。」 ワンきち君はかっちゃんを見て言いました。 返事をする代わりにかっちゃんは鼻をブヒュッと鳴らしました。
2007年01月25日
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めずらしく3ピースライブだった。ものすごく楽しかった。今までのライブで一番の盛り上がりだった気がする。「スターフルーツサーフライダーってぼく知ってましたよ!」そんな言葉にびっくり。「かっこいい演奏でした!」そんな言葉に感動。「楽しみにしてますよー!」そんな言葉にドキドキワクワク。「また呼んでくださいね!」そんな言葉に涙ぐむ。来てくれたお客さん一人一人に感謝したい。対バンさんたちにも感謝したい。島村楽器の店員さん一同にも感謝したい。なにより・・メンバーみんなに感謝したい。ぼくはそんな一人一人のことを想って演奏するんだ。そんな昨日のライブの話!
2007年01月22日
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後輩が結婚することになった。 ひさしぶりに大学で会ってみたらすごく幸せそうな顔をしていた。 話を聞いたらなんとおなかの中に子供がいるという。 で、ぼくが聞いた。 「え、その子供は計画してできたの!?」 「うん、ちゃんと話し合ったんだ。」 満面の笑顔で彼女は言った。 すごく興味があったのでぼくはいろんなことを聞いた。 「結婚とか子供のこととかいつくらいから話すようになったの?」 「それはね、出会ったときからなんだー。」 「最初から!?」 「友達の結婚式の二次会で出会ったんだけど、あたし酔っ払ってて『あんたの子供がほしいのよ!!』って言っちゃったらしくて、そこから始まったんだよね・・。」 「そりゃ、すごい出会いだな・・!」 ぼくにとって未知の世界だから聞いててすごく面白かった。 恋愛ってなんだろう? 結婚ってなんだろう? 子供ってなんだろう? いろんな人の答えを聞いてみたい。 そして、自分の答えを見つけていきたい。 そんな、大事な話!
2007年01月15日
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「あなたの言っていることが信じられない。」 先生は目を覚ましました。 となりでワンきち君が先生の顔を覗き込んでいます。 「大丈夫ですか?顔色が悪いです。」 ワンきち君は先生の顔をぺろぺろなめました。 「うん・・ちょっと夢をみていたよ。」 空はきれいに晴れていて、華麗な青色がどこまでも広がっていました。 先生とワンきち君の周りには緑が広がっていて、春をつげる風がときおりすぎていきました。 ワンきち君は先生と森の中に散歩に来るのが大好きです。 そして、休憩がてらにねっころがるのも大好きです。 「女房はいつも私の言うことを信じられないといっていたよ。」 先生は空を見上げながら言いました。 「・・・。」 ワンきち君も空を見上げました。 すると声が聞こえました。 「先生、もうすぐ春がくるよん。」 「ワンきち、もうすぐ春がくるよん。」 それは風たちの声でした。 それは歌うように、合唱するように優しい声でした。 「先生は奥様のことを信じてあげていますか?」 先生を見つめてワンきち君は言いました。 「・・・。」 先生は黙ったままでした。 聞こえてくるのは風たちの優しい声だけでした。
2007年01月15日
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昨日のこと。繁華街をトコトコ歩いていたらぼくよりちょっと年上な感じの男の人に話しかけられた。「あ、ちょっと聞きたいんですけど・・」目的地であるお店に入ろうとしたら若い女の人に話しかけられた。「あ、ちょっと気になって話しかけたんですけど・・」バイクで普通に信号待ちをしてたら警察の人に話しかけられた。「あ、ちょっといいかな・・?」一日のうちで知らない人にそんなに話しかけられることはめったにないので面白かった。珍しい日って話!
2007年01月11日
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挨拶って大切だと思う。 ぼくは仕事場で3つの挨拶をする。 「おはようございます!」 「おつかれさまです!」 「お先失礼します!」 とにかくおっきな声でこの3つだけ言っている。 ぼくは思う。 挨拶をちゃんとやれば仕事もうまくいく。 この前、仕事先であったこと。 パートのおばちゃんが仕事を終えてあがるときにみんなに挨拶をした。 「お先失礼しまーす!」 で、ぼくが返した。 「はい、お疲れ様でーす!」 そしたらおばちゃんが軽く笑って言った。 「ははっ・・挨拶返してくれるのはけんたろう君だけだね。」 そのときはちょっと忙しくてみんな挨拶できなかった。 どうしてもおろそかになっちゃうんだ。 ぼくはそれを聞いて、これからもさき絶対ぼくだけでも必ず挨拶をしようって思った。 おばちゃんの表情がそれだけ強く印象に残った。 挨拶は大事って話!
2007年01月08日
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仕事先であったこと。休憩中、ぼくは普段は従業員専用の休憩室で過ごす。その日は従業員専用の休憩室がすごく混んでいることもあってふらりとお店のほうで過ごすことにした。ぼくの仕事先はとってもとっても大きなデパートで、年末の大晦日ということもあってたーくさんの人で埋め尽くされていた。しばらくふらふらしていたら目の前を急に見覚えのある人が通った。ぼくの知り合いだった。その人とは年内には会えたらいいなって思っていたけど仕事だから会えないだろうと思っていたからびっくりしてしまった。しかも仕事先に来るなんてちっとも考えていなかった。つまり・・会う約束もしていなくて・・ぼくの休憩時間が少しでもずれていたらもちろん会えなくて・・少しでも歩く方向が違っていたら会えなくて・・少しでも歩くスピードが違っていたら会えなくて・・とにかくすごい確率で会えたわけで・・「わぁ・・びっくりしたぁ・・!」「おれもびっくりしたぁ・・!」感動も大きい。そんな年末の話!
2007年01月02日
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最近何気なく空をボーっと見ることがある。 当たり前だけど空の向こうには宇宙があるわけで。 そう思うと、「大きいんだなぁ」とおもう。 何秒間かそういう気持ちになってから仕事とかバイクを運転したりするとゆったりした気持ちでいられる。 空が好きって話!
2006年12月28日
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バンドのみんなと飲み会に行った。楽しくて仕方なかった。音楽について熱く語って・・恋愛について熱く語って・・料理をたくさん食べて・・お酒を飲んで・・みんなの写メをとりまくって・・爆笑して・・涙ぐんで・・握手して・・ボーカルようすけさんの真剣な想いを知って・・リーダーきよさんの激励を受けて・・ベースゆーきさんの小さな声を聞いて・・幸せだった。忘年会の後も物語は続くけど、とりあえずこんな感じだった。みんな幸せになりますようにって話!
2006年12月21日
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先日のこと。職場の人と休憩所で話していた。「最近はいろんなことがあってね~・・。」意味深な顔でその人は話しだした。確かに仕事中も少しピリピリしていた感じがあった。話を聞いたらすごく深刻な話だった。もし自分がそういう状況だったら耐えられないかもしれない。そう思うくらい深刻な話だった。「おれにそんな話して大丈夫ですか!?」「まぁ、君は口堅そうだからさ。ばれたらただじゃおかないよ~?」これまた意味深な顔で言われた。人の悩みとかつらい思いを聞くと、自分の悩みなんかほんと小さいなって思う。だから、そういうことを聞くたびに、「もっとがんばれるだろ!自分!!」って、小さなことで悩んでいる自分に言い聞かせる。普段何気ない顔で過ごしているけど、人はきっとものすごく大変な状況やつらい経験とかしているものなんだなって最近思った。「おれ、口堅いかなぁ・・?」休憩が終わって仕事場に戻るときにつぶやいた。そんな、世間話!!
2006年12月19日
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ぼくの根っこにあるもの。 それは「自由」だ。 いろんな人の演奏を見て強くそう思った。 正直、「あの人みたいになりたい!」とか 「あの人を目標にしたい!」というのは思わなかった。 ただ、 「あの人よりももっとすごいことをしたい!」とか 「あのシンバルをたたく一振りがかっこいい!」とか そういうことは思ったんだ。 それはそれはすごく刺激的で。 リズムとか気にしていなくて、ハチャメチャにたたいていて、見ているだけですごく楽しい人。 機械のように正確にたたく人。 どうしたらあんな音が出るの?っていう不思議な人。 壊れるんじゃないかって心配になるくらい強くたたく人。 テレビに出てくるプロのミュージシャンみたいな人。 手が鞭みたいに柔らかくて、シンバルの音が最高に心地いい人。 それはそれはすごく刺激的で。 ぼくの根っこにあるもの。 それは「自由」で、 ロックはぼくにとって「自由」だ。 そんな、熱い話!
2006年12月18日
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ライブ、終わった~!!いろんなことを思った一日だった~!!明日か明日以降にまたゆっくり書く~!!来てくれたお客さんに感謝~!!お客さんとじっくり話したのは初めてかもしれない~!!抱きしめあって、握手することは素晴らしい~!!内容のない話~・・!!
2006年12月14日
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これはぼくが大学に入って間もないころのこと。 そのときはぼくはお菓子工場で短期のバイトをしていた。 そこの工場ですごく愛想がなくて、ほとんど何もしゃべらなくて長身でひげが少し生えている不思議な男の人が一緒に働いていた。 年齢は20代後半くらいだった。 工場内ではなんだか得体の知れない人でとおっていた。 しばらく働いていく中でぼくはその人と話す機会があった。 「仕事終わったらラーメン屋さんでも行かないすか?」 「ああ・・うん、いいよ。」 工場の近くにおいしいラーメン屋さんがあったのでぼくたちはそこへいった。 仕事が終わった後になるとその人は結構よくしゃべる人で、ぼくが質問をすると何でも答えてくれる気さくな人だった。 話を聞いたらなんとその人は有名6大学のうちのひとつに通っていた人だったのだ。 「大学で4年生になったときに中退したんだよ。」 「ええーー・・!なんでそんな急に!!もったいない!」 ぼくは食べていたラーメンをふきだしそうになった。 「自分の中でさー、すごく・・すっごくやりたいことがあったのさ。」 「やりたいこと・・!?なんですか、それって?」 「うーー・・ん、とね・・。」 なんだかしゃべるのをためらっている感じだった。 じつはこのころぼくも大学でいろいろ悩んでいるときだった。 そんなときにこの人のこういう話を聞いていることがすごく不思議だった。 「おれ、いま大学のことで悩んでるんですわ・・。」 ためらっているのでぼくから先に話し出してしまった。 「自分のやりたいことっていうか、将来とか、あんまりよくわからなくて。今はただ受験戦争をがんばって、それが終わったらなんだか思いっきり気が抜けちゃって・・。」 そう話すとその人は黙ってぼくのことを見ていた。 「大学をやめたい?」 「よく・・わからないす。」 ぼくがそう答えるとその人はまたラーメンを食べだした。 ぼくも仕方なくゆっくりラーメンを食べだした。 「おれパティシエになりたくてさ。」 「へ?」 急にその人が話し出したので驚いた。 「知ってる?パティシエって?」 「ああー・・お菓子作る職人さん・・ですか?」 「そうそう、それ。」 「意外ですねー・・!」 ぼくがそういうとその人はふっと笑った。 「おれは大学をやめるとき、心の中でもう決まってたからさ。パティシエになりたいって。だから今の工場の仕事すごい楽しいし後悔もしてないんだ。」 「ええー!楽しいんですか!?あんま、そう見えないですけど・・!」 「ははっ。見えないでしょ?みんなとあんまり話さないしね。でも楽しいんだよ。」 「ふーーーん。」 「だから、迷って、なにも決まってないのに大学をやめるのはよくないと思う。やめるときは決意して、むしろ胸を張ってやめられるくらいの気持ちじゃなきゃ。」 「はい・・・。」 「たとえばさ、いま少しでも何かやりたいこととかないの?」 「んーー・・。バイクの免許とって遠くに行ったり・・バンドとか組みたいなぁ、とか。全然、勉強と関係なくて・・。」 「大学やめなくてもそれはできるよ。まずは免許とかとってから考えてみたら?」 「はい・・・・。」 じつは、今の自分を振り返ってみて、このときの会話がよみがえってきたのだ。 ぼくは無事大学を卒業した。 この人との会話がなかったらどうなっていたかわからない。 無愛想で、無口で、長身で、ひげが少し生えていて、パティシエを目指しているこの人にぼくは支えられたんだ。 今、その人のパティシエの夢がかなっているといいなって思う。 そんな、選択の話!
2006年12月12日
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そう・・心霊系の話を書くのはとっても久しぶり!あまり体験しないから書けないのだけど・・!あれはぼくが一人で旅をしていたときのこと。バイクでふらふら東北のあたりを走っていた。夜になってきて、あたりは暗くなり、秋の終わりころだったから底冷えしていた。ぼくは宿を探した。まもなく、少し奥まったところに小さな宿を見つけた。「すいません、空いてる部屋ありますかね?泊まりたいんですけど。」「ああー、平日だから空いてますよ。」宿のおばさんはかったるそうに言って部屋まで案内してくれた。「なんか、ずいぶん静かっすねー。」「泊まってたお客さんみんな帰っちゃったから今日はおたくだけなんですよ。」そういいながら宿のおばさんはスタスタ先を歩いていった。「じゃあ、この部屋になりますからね。お風呂は24時間入れますから。ゆっくりしていってくださいね。」そういっておばさんはもと来た廊下をスタスタ歩いていってしまった。「今日はおれしかこの宿にいないんだー・・。」部屋の中でポツリとつぶやいて布団にねっころがった。急に目が覚めた。いつの間にかぼくは眠っていた。同時に隣の部屋からぼそぼそ人の話し声が聞こえてきた。その声はとても低くて、おじさん二人が話しているような声だった。「なんだ、お客さんいるじゃん・・。」そう思ってぼくはまた眠りに入った。次の日になって、宿を出るときにおばさんに挨拶をした。「じゃあ、おれもう行きますわ。・・あ、そういや、昨日は泊まってたのおれだけじゃなかったんですね?」「へ?おたくだけですけど?」「へ?だって隣の部屋でなんか話し声してましたよ?」「へ・・?」「へ・・・・?」まぁ、だれも泊まっていなかったらしい。夢だったのかなんだかわからないけど誰かがいた。まぁ、そんな話ーー。
2006年12月08日
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今日は大学で実験をしたあと、後輩とご飯を食べに行った。 話を聞いたら一人旅が好きなのだという。 「趣味はなにって聞かれたら、一人旅ですよねー!」 ぼくもバイクで遠出をしたことがあったのですごく話が面白かった。 素敵な趣味だなぁと話を聞いてて思った。 富山には世界遺産に登録されている建築物があるのもはじめて知った。 その後輩がバイトをしていると聞いてぼくは聞いた。 「バイトで稼いだお金なにに使うの?」 「一人旅のときのためにためてるんですよー!」 当たり前のようにいったので驚いてしまった。 純粋にお金を稼ぐ理由があるのは素晴らしいなぁと感じた。 青春、まっしぐらだ。 ぼくもこれからたくさん青春したいと、話してて思った。 関係ないけど、から揚げがすごくおいしかった! そんな後輩との話!
2006年12月04日
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ワンきち君はいつの間にか眠っていました。 目を覚ますと先生とモギーの会話が聞こえてきました。 「おれにとって愛情とはあれや、ピリッとしたスパイシーみたいなもんや。」 頬をピンクに染めてモギーはしゃべります。 「人生にそういうピリッとしたもんがないとつまらないんやな。それがあるから土掘るのも楽しくなるし、仕事だってがんばれるし、毎日あきひんわ。」 「モギーがいう愛情とはどの種類の愛だね?」 「へ?種類て?」 「愛には熱愛、友愛、情愛、遊びの愛・・とさまざまにあって統一した定義はされていないのだよ。」 「おっさん、なにいうてるかわからんわ。」 「そんなに難しいことはいっていないが・・。」 「どーでもええやん、そんなん。種類とかー。そんなん考えてる暇あったらおれは好いてるやつに会いに行くよ。」 「そうかね・・。」 「だからおっさん、奥さんに逃げられるんやでー?」 「そうかね・・・。」 「まぁ、がんばりや。とにかく好きっちゅーんを伝えりゃええんやから。」 「そうかね・・・・。」 「おれもう行くわ。彼女と待ち合わせなんや。みやげにドッグフードておかしいけど、まぁしゃーないわ。じゃーな。カレーうまかったわー。」 そういってモギーは出て行ってしまいました。 ワンきち君はのそっと起きて、先生の横にいって寄り添ってまた眠りました。
2006年12月04日
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キィ・・・ ワンきち君が鼻でドアを開くとそこには一匹のモグラがいました。 「なんや、ワンきちおったんかいな。」 それはワンきち君の友達の、モグラのモギーでした。 「こんな時間にどうしたの?」 外は雪がちらほら降り始めていました。 ワンきち君とモギーは家の中に入ってドアを閉めました。 ドアを閉めるとき、空の亀裂が少し大きくなっているのにワンきち君は気づきました。 「お腹へってなー。なんか食べさしてやー。」 「ドッグフードとカレーライスしかないよ。」 「まぁ、それでもええわ。」 ワンきち君とモギーはトコトコ歩きながら暖炉のある部屋まで歩きました。 「おー、おっさん!今日もしょぼくれた顔してんのやなー。」 先生はモギーを見て少し驚きました。 「モギー・・君はまたすごく汚れた身なりをしているね。お風呂にでも入ってきなさい。」 モギーはまるで自分の家のようにお風呂場までトコトコ歩いていきました。 「先生、モギーはすごくお腹減ってるみたいです。」 「うん、じゃあ今用意するよ。ワンきち君は先に寝ててもかまわんよ?」 先生は立ち上がって台所に向かいました。 ワンきち君は暖炉のまえにぺたんと座って、聞こえてくるモギーの鼻歌に耳を傾けながらちらほら降ってくる雪を眺めていました。
2006年12月04日
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「そもそも、愛情とは何だと思う、ワンきち君?」 レトルトのカレーライスを食べながら先生が聞きました。 「相手の幸福を思うことだと思います。」 ドッグフードを食べながらワンきち君は答えました。 「愛には熱愛、友愛、情愛、遊びの愛・・とさまざまにあって、統一した定義はされていないのだよ。」 「先生はどう思いますか?」 「んー・・私は特にどうとも思わんね。」 「なぜぼくに愛情のことを聞いたのですか?」 「私にはわからないから君に聞いたんだよ。」 そういって先生はさびしそうに笑いました。 そのとき、家の戸をたたく音がしました。 コンコン・・・コンコン・・・ 「ぼくが出ます。」 先生にそういってワンきち君は戸口までトコトコ歩いていきました。
2006年12月04日
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空に小さな亀裂が入りました。 ワンきち君は寒空のその亀裂をじっと見ていました。 時間がせまっていました。 「ワンきち君、お待たせ!」 ふと横を見るといつの間にか先生の奥さんが立っていました。 奥さんの顔は息を弾ませながら、とびきりの笑顔でした。 ワンきち君はその笑顔が大好きです。 「奥様、お久しぶりです!」 「元気だった?」 「はい、相変わらずです。」 「今日もこれで遊ぼうか?」 奥さんの手にはフリスビーがありました。 ワンきち君はこのフリスビーで遊ぶことが一番の楽しみでした。 奥さんとワンきち君は近くの公園で遊ぶことが習慣でした。 そこはきれいな芝生が広がる公園で奥さんとワンきち君以外にも小学生くらいの子供が何人かと小さな子供を連れた3人の親子がブランコで遊んでいました。 「あの人は元気にしてる?」 ベンチに座って額の汗を拭きながら奥さんは聞きました。 ワンきち君は奥さんをチラッと見てからいいました。 「先生は元気です。」 「そう、それならよかった。」 「でも、心は元気ではないです。」 奥さんはワンきち君に目を向けました。 「奥様はなぜ家を出たのですか?」 ブランコで遊んでいる子供の快活な笑い声が奥さんとワンきち君のところまで聞こえてきました。 ワンきち君は奥さんの目を見つめました。 「・・・。」 奥さんは目をそらしてブランコで遊んでいる親子を見つめていました。 そして、頭の中で先生のことを思っていました。
2006年12月04日
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先日、ライブバーに行ってきた。 リーダーの清さんとyo-koさんが出演するのでそれによばれたのだ。 すごく大人の雰囲気で、みんなリラックスしながら聞いていて大宮ハーツのライブハウスとはまた違った印象だった。 じつはその日はぼくの心の余裕がなくて演奏をちゃんと聴けなかった。 いろんなことがあって心が揺れていた。 2006年11月29日、その日はぼくにとって運命的な一日になった気がする。 まぁ、簡単にいえばテンションが下がっていたっていう話・・!
2006年11月30日
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ライブハウスに行ってきた。 高校生たちがとても多くて、身動きがとれなくなるくらい人数が入っていた。 その日はなんと全部で11バンドも出る予定らしかった。 ぼくはその中のいくつかのバンドを見た。 パンクとかバラード、弾き語りなどいろんな人がいた。 ひとつ、すべての曲がバラードというバンドがいた。 このバンドがぼくの中で最も印象に残ったバンドだ。 演奏中にあまりにも感動して泣いてしまったくらいだ。 でも高校生たちは意外と感動していない感じで、曲が終わった後も拍手とかはぱらぱらだった。 ぼくだけいっぱい拍手していた。 今までバラードとかテンポのゆっくりな曲を好きになったことはぼくの中であまりない。 メロコアとかハードロック、パンクロック、トランスといった曲を好きになってばかりいた。 だから今日のそのバンドにはびっくりしてしまった。 3人バンドで、ギターの人が歌うのだけど、思いきりシリアスな雰囲気で、ほとんど話すことはなくて、声も小さくて・・ ・・・でも、演奏中は一変する! なんていうか、真剣なんだ。 恥ずかしがらないで思いきりアクションして、本当にお客さんに思いを伝えている、そんな感じで。 今日のこの気持ちがなくならないうちに文章にしたくてつい書いてしまった。 たしか、バタフライフラットとかいう名前だったような・・。 そんな、ライブ話!
2006年11月24日
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家の暖炉のまえで先生とワンきち君が話しています。 「ワンきちくん、私はいつも不思議に思うんだがこうして暖炉のまえでゆっくりしていると違和感を感じるのだよ。」 先生が座るいすの横にちょこんと座っている犬のわんきち君が先生の顔を見ていいました。 「どこか具合でも悪いのですか?」 「ん・・いや、そういうわけではないんだが。」 「お仕事の疲れがたまっているのでは?」 「生理学的なものではなくて、こう・・精神的なものなのだよ。」 「・・?どういうことですか?」 ワンきち君は眉間にしわを寄せて聞きました。 「なにか、こう・・さびしいのだよ。」 外はもう真っ暗で、強い風の音が家の中に響きました。 ワンきち君は少し、先生のほうへ身を寄せました。 「先生はお金にも困っていませんし、名誉だってもっています。教授という素晴らしい地位ですし、食べ物もおいしいものを食べています。」 「うむ。」 先生は暖炉の火を見つめながらうなずきました。 「奥様がいないからですか?」 先生は結婚していましたが、今は別居していました。 そのため、今は家の中には先生とワンきちくんしかいません。 「いや、女房は関係ないのだよ。君の言うように、不自由はないのだがなぜこんなにさびしいのだろうか・・。」 先生は本当に思いつめた様子で考え込んでいました。 「先生は、人を好きになったことがあるのですか?」 ワンきち君が唐突に聞きました。 先生は驚きました。 「あははっ。馬鹿をいってはいけないよ。好きになったことがなければ女房なんかいやしないのだよ?」 「先生は、本当に人を好きになったことがあるのですか?」 ワンきち君はまじめに聞きました。 「・・・。」 先生は黙ってしまいました。 そして、頭の中で奥さんのことを思っていました。
2006年11月24日
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