風の吹くまま 気の向くまま

風の吹くまま 気の向くまま

二階堂黎人

『双面獣事件』

『奇跡島の不思議』

『宇宙神の不思議』

『稀覯人の不思議』

『悪魔のラビリンス』

 『人狼城の恐怖』以来、久しぶりの二階堂蘭子でした。
 と言っても、この話は『人狼城』の前の話なので、蘭子のその後がわかるわけではありません。

 蘭子にとって宿敵となる、「魔王ラビリンス」初登場です。
 とても人間とは思えない、残虐非道な行いをするラビリンス。怪人二十面相以来の大怪人と言ってもいいでしょう。
 事件はいろいろな人を巻き込んで、犯人は捕まるのですが、ラビリンスだけはつかまらず、まんまと目的を果たして消えてしまいます。
 その事件の犯人は誰か?ラビリンスは誰だったのか?
 事件のトリックがこっていたり、蘭子が鮮やかに真相をつきとめたりするのも、おもしろく読めました。

 蘭子と魔王ラビリンスの対決は、まだまだ続くようです。

 ヨーロッパで失踪した蘭子のその後も気になるけど、今はそちらでがまんでしょうか。(2004.8.4)


『魔術王事件』

 蘭子シリーズです。
 北海道の名家・宝生家の宝石をねらう殺人鬼・魔術王メフィストが引き起こす凶悪事件。ところどころにちりばめられたマジック、心理の隙をついたトリックや隠された秘密。秘密の通路や大鍾乳洞。
 江戸川乱歩の探偵小説を彷彿とさせます。

 それにしても、今回は犯人がわかっちゃいました・・・。
 えー、それともまだ裏があるのかなあと思いながら読んでいたのですが、やはりそうだったので、拍子抜けというか。
 でも、いろいろな細かい謎はわからなかったので、蘭子の推理を読んで、なるほど~と感心でした。

 昭和40年代というと、戦争の傷跡をまだまだひきずっている時代で、この事件の背景のようなことも実際ありそうではありますね。おどろおどろしいような雰囲気もぴったりの時代ですね。

 たっぷりと分厚い長編、どっぷり浸かりました。(2004.11.23)

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: