☆太陽に向かって☆

☆太陽に向かって☆

出生


2360gの少し小さな女の子だった。
妊娠中毒症の為、1ヶ月弱の管理入院。
陣痛促進剤による予定より3週間早い37週での出産。早期破水、陣痛がはじまり、20時間の挌闘の末生まれた待望の赤ちゃん。
すぐにこの手に抱けると思っていたのに、小さく生まれたことと、妊娠中の母体の状態が良くなかった為、保育器に入り、小児科でしばらく管理することになった。
ガラス越しでの対面…。
この手に抱くことも母乳を飲ませることも出来なかった。
兼ねてからの計画だった、個室に入っての母子同室も叶わなかった。
生まれたばかりなのに点滴をされて、鼻には強制的に胃にミルクを流し込
むチューブが入れられ、胸には心電図、足にはサチュレーション。かなり痛々しい姿だった。心の中で何度もごめんねを繰り返していた。今思い出しても涙が出てくる。
そしてその2日後には、担当医師より衝撃的な告知をされようとは夢にも思わなかった。
陽向の名前は、その時に生まれました。
今、親として我が子に出来ることは、力強い名前で応援することしか出来なかったからです。
それまでは、女の子らしい名前を考えていて、字は決まっていなかったけど、ひなでほとんど決まっていた。しかし、保育器の中の姿を見て、あえて男の子みたいな名前をつけた。陽に向かうと書いてひなた!字画も調べて、最高に運勢のいい名前だった。

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