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任天堂のゲーム機Wiiを用いて体を動かすゲームをすると、ある程度の健康効果が期待できることが新しい研究で示された。米国の医療保険会社WellPoint(インディアナポリス)の運動生理学者Elizabeth DiRico氏によると、テレビゲームによる運動は従来の運動の代わりにはならないが、運動をしない人が体を動かすきっかけにはなる可能性があるという。 従来、テレビゲームはジョイスティックを操作する以外には動きを必要とせず、座ってするものと考えられてきた。しかし、最新のゲームではプレイヤーが立ち上がり、ダンスや実際のスポーツの動きを真似るなど、動きを要求されるものも多い。例えばWiiのボウリングゲームでは、プレイヤーは自分の順番になると椅子から立ち上がり、実際のボールほどは重くないにせよコントローラーをボールのように持ち、画面上のピンを倒すために動かさなければならない。 米フロリダ州ペンサコラPensacolaの高齢者センターで60~80代の高齢者44人に、Wiiのボウリングゲームで遊んでもらった研究では、ゲームにより被験者の心拍数が約40%上がることがわかったほか、多くの人がゲームを楽しんでいた。研究著者の1人である米ウエストフロリダ大学のLucas A.Willoughby氏によると、ゲームに熱中することにより高齢者は若返った気分になり、心理状態がよくなり、雑談を楽しむ場面もみられたという。 DiRico氏らによるもう1つの研究では、大学生13人が、Wiiのボクシング、テニス、エアロビクスうち1つのゲームを10分間している間、身体の状態を観察した。エアロビクスおよびテニスではわずかな運動効果しかみられなかったが、ボクシングには軽いジョギングに相当する運動効果があることがわかった。ただしDiRico氏は、こういうゲームはあくまで運動を始めるきっかけとみなすべきで目標点ではない点を指摘している。今回の研究結果は、シアトルで開催された米国スポーツ医学会(ACSM)年次集会で発表された。(HealthDay News 6月5日) コメント: 任天堂のゲーム機Wiiは、急速に広まって大人から子供まで楽しむゲームかスポーツになっています。確かにゲームにもなるし、軽い運動効果もあることは実感できます。ゲームに熱中することにより高齢者は若返った気分になり、心理状態がよくなり、雑談を楽しむ場面もみられるのはよいことか思われます。しかし、こういうゲームはあくまで運動を始めるきっかけとみなすべきで目標点ではないということも納得できます。
Jun 15, 2009
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東京医科歯科大教授ら 髪の毛が白くなるのは、黒髪のもとになる色素幹細胞がストレスで枯渇するのが原因であることを、東京医科歯科大の西村栄美教授らが突き止めた。 色素幹細胞の働きを維持することで、白髪の予防も可能になると期待される。科学誌セルの最新号に発表された。 色素幹細胞は毛根部にあり、自己複製を繰り返しながら色素になる細胞を供給している。西村教授らがマウスに放射線を当て、遺伝子を損傷するようなストレスを与えたところ、幹細胞は自己複製機能を失い、すべて色素の細胞に分化した。色素の細胞のもとになる幹細胞がなくなるため、白髪化が進むことが分かった。 西村教授は「白髪の原因になるような幹細胞の分化は、他の老化現象でも起きている可能性がある。若さを保つ研究の手掛かりになる」と話している。(2009年6月13日 読売新聞)コメント :白髪のメカニズムを幹細胞で研究した結果です。遺伝子を損傷するようなストレスをマウスに与えると、幹細胞は自己複製機能を失い、すべて色素の細胞に分化した。色素の細胞のもとになる幹細胞がなくなるため、白髪化が進むことが分かったようです。若さを保つ研究の手掛かりになるかどうかはよくわかりませんが、いろんな研究があるものですね。
Jun 13, 2009
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6月20日に全国ロードショー予定の山岳映画「剣岳 点の記」(木村大作監督) 1907年(明治40年)、古来から前人未踏の「死の山」といわれてきた北アルプスの名峰・剣岳(2999m)に、不屈の闘志、献身の心、仲間の絆(きずな)を信じて挑んだ男たちの物語。山岳小説の創始者ともいわれる新田次郎作品(文春文庫になっています)を映画化したものです。監督は「鉄道員(ぽっぽや)」などを撮影してきた撮影技師の木村大作氏。50年の映画人生すべてをかけて取り組んだ初めての監督作品とのことです。富山県では全国に先駆けて今週土曜日13日から上映されます。今日の昼にもテレビの「ごきげんよう」の番組で監督と俳優の小沢澤征悦氏が出演していて、盛り上がっていました。登山愛好家には見逃せない作品で、楽しみにしています。http://www.tsurugidake.jp/
Jun 10, 2009
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ヒトはアルツハイマー病になるが、進化的にヒトに最も近いチンパンジーや他の霊長類はアルツハイマー病にならないという奇妙な現象が以前から知られている。さらに不可解なのは、チンパンジーをはじめとするヒト以外の霊長類の脳にも、ヒトのアルツハイマー病の原因と考えられているアミロイド蛋白(たんぱく)が蓄積したアミロイド斑(プラーク)がみられることである。この謎を解く一つの手がかりが得られたとの報告が、医学誌「Neurobiology of Aging(加齢神経生物学)」最新号に掲載された(オンライン版には3月31日掲載)。 研究グループは、プラークの蓄積を追跡する「標識」分子がヒトの脳のプラークには容易に付着するが、類人猿やサルの脳のプラークには付着しにくいことを明らかにした。このことから、プラークの蓄積を追跡する「標識」分子がヒトの脳のプラークには容易に付着するが、類人猿やサルの脳のプラークには付着しにくいが示される。この違いを明らかにできれば、他の霊長類と同じようにヒトの脳でもプラークを無害にする方法につながる可能性があるという。 研究著者である米エモリーEmory大学(アトランタ)ヤーキスYerkes国立霊長類研究センタのRebecca Rosen氏は「ヒトとそれ以外の霊長類とでなぜプラークの構造が異なるのかは大きな疑問であるが、その構造を識別する有用なツールである標識分子PIB(ピッツバーグ化合物B)を用いれば、ヒトの脳プラークの毒性をさらに詳しく理解することができるはずだ」と述べている。しかし別の専門家は、治療や予防の点で意義のあるものかどうかはわからないと指摘している。 ヒトのアミロイド蛋白のアミノ酸配列がサルの脳のものとは異なることから、その構造が異なるのではないかとの仮説が立てられていた。Rosen氏らは今回、この仮説を検証するため、アルツハイマー病の診断に広く利用されるPIBを用いた。死亡したアカゲザル9例、リスザル6例、チンパンジー3例および末期アルツハイマー病のヒト9例、高齢だが健康なヒト3例から採取した脳組織にPIBを用いたところ、PIBがサルや類人猿の脳のプラークに対して強い付着性をもたないことが示されたという。これはマウスの脳と同様の結果だという。 このほか、同センターの別の研究グループによる最近の報告では、赤外線による視標追跡検査がヒトの軽度認知障害を検知するのに有用であることが明らかにされた。軽度認知障害は、時にアルツハイマー病の前駆症状となる。(HealthDay News 5月25日) コメント: サルがアルツハイマー病にならないというのは眉つばの報告ですが、ヒトのアルツハイマー病の原因と考えられているアミロイド蛋白が蓄積したアミロイド斑(プラーク)がみられるのはチンパンジーをはじめとするヒト以外の霊長類の脳にも同様であり、プラークの蓄積を追跡する「標識」分子がヒトの脳のプラークには容易に付着するが、類人猿やサルの脳のプラークには付着しにくいということのようです。 それぞれのプラークには基本的な構造の違いがあることが示されるので、この違いを明らかにできれば、他の霊長類と同じようにヒトの脳でもプラークを無害にする方法につながる可能性があるという。いろんな方面からアルツハイマー病は研究されていますが、治療につながる研究は少ないのが現状です。
Jun 8, 2009
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【ワシントン=勝田敏彦】携帯電話の長時間使用で、手や腕のしびれや痛みを訴える人が増えている。ひじを鋭角に曲げ続けていると起きる症状で、全米有数の医療機関の一つクリーブランド・クリニック(オハイオ州)のチームが、注意を呼びかける論文を同クリニックの学術誌に発表した。 論文によると、「肘部管(ちゅうぶかん)症候群」または俗に「携帯電話ひじ」と呼ばれる症状で、ひじの内側を走る神経(尺骨神経)が圧迫されるのが原因。 ひじを曲げて使うのは固定電話でも同じだが、チームのピーター・エバンス博士は「電話が一家に1台のころは、そんなに電話はしなかった。だが今は、街を行く多くの人がひじを曲げて携帯で話しているし、携帯を持ったまま寝てしまう人もいる。ここ数年、症状を訴える人が増えた」と指摘する。 症状が進むと、指が曲がらなくなったりする。尺骨神経の位置をずらす手術も行われている。論文は、携帯電話を持つ手を左右でときどき替えたり、ハンズフリー装置を使ったりすることを勧めている。 朝日新聞健康ニュースよりコメント : 携帯を長く持って肘を曲げていると肘部管症候群が起こることがあるということです。現代病の一つとして、注意したいものです。
Jun 6, 2009
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5月31日の日曜日は午前9時から夕方5時半頃まで「がん緩和医療ケア研修会」に出席しました。本当は土日の2日間連続の研修会があり、研修終了すれば厚労省からの研修証明書がもらえるようでしたが、土曜日は半日診療があるため、スケジュールをみて日曜日の日中に出席して、夜は救急センターの当直に入るダブルヘッダーになりました。神経内科のクリニックでは「がん緩和ケア」はあまり必要はないかもしれませんが、代わりに神経難病があり、同様なケアが必要かと考え出席させて頂きました。進行がんを診察する医師、患者、観察者など三役を演じるなど緩和医療でしか勉強できないことを実習してみて患者からみた医師などの立場なども理解できました。
Jun 2, 2009
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今日の午後はパーキンソン病患者さんに、前に友の会でリハビリ指導をして頂いたPT(理学療法師)の先生に来て頂いてリハビリ勉強会をすることを、妻が企画してくれました。最近はクリニックの看護師さんたちに研修に意欲がみられ、DM指導やパーキンソン病のリハビリ指導にも意欲を持って自主的にやってくれる雰囲気が出てきたようです。また今日はご主人が微熱が続き、尿閉が増悪してきたMSA(多系統委縮症)の患者さんの奥さんが、精神的にもかなり弱っているので、しばらく検査入院させてくれて、奥さんを休ませてあげたらという意見も聞いて、早速来週でも受けてもらえそうな病院に相談しようと考えています。クリニックの皆が協力して患者さんのことを考えてくれるようになってきたのは、喜ばしいことです。
May 30, 2009
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患者さんから頂いたお花の名前がわかりません。どなたか知っておいでる方がありましたら、教えて頂けますでしょうか?
May 28, 2009
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免疫や薬の攻撃かわして共存...ウイルス、変異繰り返す 国内でも急速に感染を広げている新型インフルエンザ。その正体であるウイルスは、遺伝子をたんぱく質の膜の中に包みこんだ小さな粒だ。ウイルスは、栄養もいらず呼吸もしていないから生物とはいえないが、まるで生き物のように自分の遺伝子から子孫を作る不可思議な存在だ。ウイルスは、人間のように自分たちだけで遺伝子をコピーして次の世代に送れない。必ず宿主となる生物の細胞などに感染し、それが自己複製する際のコピー機能を借りて増える。だから、ウイルスが生き残るには、元気な細胞が必要だ。宿主の免疫による攻撃で自分が全滅してはいけないが、逆に、ウイルスが宿主を死なせて共倒れしてもいけない。そのちょうどよいバランスの中で自分の複製を作り、次の宿主にたどり着かねばならない。インフルエンザが世界で流行するのは、軽症の人が飛行機に乗ったり満員電車で移動したりする間に、せきやくしゃみで人から人へウイルスが渡り歩くからだ。致死率が50~90%にも達するエボラ出血熱などは、発病した人が重症で動けなくなり、やがて死亡してしまうので、流行があまり広がらない。生物は、インターフェロンというウイルス攻撃専用のたんぱく質を進化させたが、多くのウイルスは、これを無効にする遺伝子を獲得している。ウイルスは常に進化し、生存の道を探っている。理化学研究所の永井美之・感染症研究ネットワーク支援センター長は「ウイルスにとって理想的な環境は、宿主に病気を起こさず、免疫にも負けない状態。宿主に重い病気を起こすのは、じつはウイルスの生存戦略にはマイナス」と話す。 ◎人間などの高等生物は、DNAという2本鎖のペアの「核酸」に、遺伝情報を持つ。この場合、細胞分裂に際し2本鎖が1本に分かれて複製されるとき、かりに遺伝情報の文字の読み違い(突然変異)が起きても、それを自動的に修復する「校正機能」がある。高等生物が自分と姿形がおなじ子孫を作り続けて繁栄できたのは、遺伝情報を変えずに伝えるこの校正機能のおかげだ。だが、インフルエンザのように、RNAという1本鎖の核酸をもつウイルスには、この校正機能がない。実際にウイルスが複製に使う遺伝子の言葉には、1万字に1字の割合で突然変異が起き、別の顔をもつウイルスになってしまう。忠実に自分に似た子孫を残すという観点からは困ったことだが、このエラーを起こしたウイルスが偶然、免疫や薬の攻撃をすり抜けると、他のウイルスが薬などで全滅しても生き残っていく。高等生物とは逆の生存戦略だ。 ◎ マレーシアで1998年に突然発生した「ニパウイルス脳炎」は、日本脳炎の仲間のウイルスが原因だ。発病した265人のうち105人が死亡した。ニパウイルスの本来の宿主は、洞窟(どうくつ)などに生息するオオコウモリ。オオコウモリでは病気を起こさず、ウイルスは共存してきた。ところが、人間がオオコウモリのねぐらの近くを開墾し、豚の飼育を始めた。オオコウモリと豚が接触して重い脳炎を起こし、人に感染した。ウイルスと人間の出会いは、時に重い病気となって現れる。人類が初めて根絶した感染症は天然痘だ。DNAタイプのあまり変異しない天然痘ウイルスは、人間にしか感染できず、しかも、免疫がない人間が感染すると必ず発病した。したがって、ワクチンで世界中の人に免疫を作り、天然痘の病人がゼロになれば、そこから先は増えることができない。まことに不器用なウイルスだった。しかしインフルエンザは違う。A型、B型、C型のうち、とくにA型ウイルスは、人間だけでなく、豚や鳥、馬など、さまざまな動物に感染する。しかも、変異しやすい性質を武器に毎年のように姿を変え、ワクチンの攻撃をかわす。「人間のウイルス感染症の6割は動物由来。新しいウイルスが人間に侵入するのは、経済開発や都市化といった人の営みの変化が原因」。人間とウイルスのせめぎ合いについて、永井さんはそう指摘する。(宮崎敦)宿主 ウイルスは、感染相手となる生物の種が決まっている。ウイルスを体内に囲い、増やすことができる生物を、そのウイルスの宿主と呼ぶ。ポリオウイルスや、麻疹(ましん)(はしか)ウイルスは、人以外に宿主がなく、世界保健機関(WHO)は天然痘に続く根絶をめざしている。鳥や豚など人間以外の生物を宿主としていたインフルエンザウイルスが人間と人間の間で感染を広げるには、種の壁を越える変異が起きる必要がある。(記事提供:読売新聞)コメント : 新型ウイルスの話題でマスコミは騒いでいますが、考えてみれば人間のウイルス感染症の6割は動物由来。新しいウイルスが人間に侵入するのは、経済開発や都市化といった人の営みの変化が原因ということらしい。鳥や豚など人間以外の生物を宿主としていたインフルエンザウイルスが人間と人間の間で感染を広げるには、種の壁を越える変異が起きる必要があり、それが新しい型のインフルエンザに変異するのでしょう。ですから、抗ウイルス剤を開発しても、すぐに耐性ができるように変異を起こすし、ワクチンを開発しても新しいウイルスには効果がないということになります。万能ワクチンに期待が持たれますが、これは極めて困難かと考えられます。やはり、各個人でウイルスの感染予防と罹っても重症にならないように日頃休養と体力をつけておくことが必要かと思われます。
May 27, 2009
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24日の日曜日は天候が今一つでしたが、ゴールデンウイークにも家族で行った立山山麓スキー場のゴンドラで山頂に登り、スキー場を降りてくるトレッキングに参加しました。 約100名の参加者は家族連れ、友人同士、夫婦など様々でしたが、10班に分かれてボランティアの班長と一緒にゴンドラで山頂まで登り、スキー場を降りてくるコースでした。スキーでは一気に降りれば10分から15分ほどのところをゆっくり2時間以上かけて降りてきました。ゆっくり降りてくるので、すす竹、こごみぜんまいなど山菜も目に入り、採りながら降りてきて交流センターでも山菜弁当を頂きました。適当な心地よい疲れを感じて、日曜日の半日を過ごしました。
May 26, 2009
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新型インフルエンザ感染が拡大する中、感染者が「発熱外来」だけでなく、地域の診療所で受診できる仙台市の対策が注目されている。パンデミック(世界的大流行)時にはかかりつけの診療所で診断、治療を受け、症状の軽い患者は自宅療養する方式で、季節性のインフルエンザと同様に診療し、感染拡大を防ぐのが狙い。感染者が増加している大阪府や兵庫県では感染者が発熱外来に集中し、病床がパンク状態になる問題が生じているが、仙台市ではこうしたことを想定し、地元の医師会と協力して態勢を整えてきた。この「仙台方式」は新型肺炎(SARS)騒動に危機感を抱いた梅原克彦市長が約4年前の市長就任時から、準備を進めていた。東北大の専門家から情報を得たり、厚生労働省仙台検疫所長だった岩崎恵美子氏を副市長に迎えるなど、陣頭指揮にあたった。 仙台市は今月、新型インフルエンザがパンデミックに突入したことを想定し、地域の診療所が軽症者診療機能を担うなどを盛り込んだ「メディカル・アクションプログラム」を策定。パンデミック時には、感染者の多くは最寄りの「かかりつけ医」がいる医療機関に行くだろうという想定のもとに検討した。岩崎副市長は「国の行動計画は発熱外来を設定しているが、普通のインフルエンザと同じ対応ができれば、かかりつけの医療機関に診てもらい、早く治療して自宅待機してもらった方が感染拡大の防止になる」と話す。コメント : もう国としての方針転換の時期に来ているが、まだパニック状態にある厚労省は方針を出しかねている感じです。早急に各自治体に診断・治療の方針をゆだねていくしかないのではないでしょうか。診断キットも足りなくなっており、季節性インフルエンザの診断も不明になるかもしれないので、重症以外は自宅療養にするべきでしょう。
May 20, 2009
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現在感染が広がっている新型インフルエンザ(豚swine由来インフルエンザA/H1N1)は、通常の季節性インフルエンザと同じように夏期には沈静化するが、秋以降に再出現する可能性が高いと多くの専門家が予測している。 米テキサス大学医学部(ヒューストン)のLuis Z.Ostrosky博士によると、過去に発生したインフルエンザの大流行では、晩春ないし初夏に小さな流行が認められた後、冬期に大きな流行が起きており、今回のウイルスも過去にみられたパターンどおりだとすれば、冬に再流行する可能性が高いという。 これまでのところ北米およびヨーロッパの国で多数の感染者が認められているが、インフルエンザは冬期のほうがはるかに拡大しやすく、南半球ではすでに秋である。AP通信によると、中核都市で新型インフルエンザと通常のインフルエンザが同時に流行すれば、公衆衛生システムが対応しきれなくなる可能性が懸念されているという。2つの異なるウイルスが変異し、新たに1つの新型株となる可能性もある。インフルエンザの拡大がいつ、どのように起こるかは、気温のほかにもウイルス自体の複製能力、宿主の感受性、人の行動パターンなどの環境によっても左右される。 幸いこれまでのところウイルスは弱毒性と考えられているが、秋以降に再出現するウイルスはさらに毒性が強まる可能性もあるとOstrosky氏は指摘する。しかし、それまでにはワクチンをはじめ、さまざまな面で世界的に準備が整っている可能性が高い。「ウイルスのゲノム配列は完全に解読されており、現時点では毒性は低いことがわかっている。これ以上何もなかったとしても、今回のことは非常によい訓練となったはずだ」と同氏は述べている。(HealthDay News 5月6日)コメント : 新型インフルエンザの話題で毎日、少しうんざりでしょうけど今後のこともあり、目が離せません。今回のウイルスは弱毒性でもあり、それが毒性の強いものに変異するのが危険です。そのための予行演習と考えるしかないのでしょうか?でも、現在の新型インフルエンザが関西から全国に拡がるのは時間の問題でしょう。それまでは現在のような医療体制で隔離などしていかなければいけないのかと疑心暗鬼が生まれます。
May 18, 2009
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新しい万能インフルエンザワクチン(universal flu vaccine)によって、異なるインフルエンザウイルス株による重篤な合併症や死亡を予防できる可能性が示されたと、米セントルイス大学(ミズーリ州)の研究グループが報告した。最近の豚(swine)インフルエンザ危機のような、インフルエンザの大流行から人々を守る上で、このような万能ワクチンが重要な役割を果たす可能性がある。 現在は、季節ごとに流行するインフルエンザ株に適合する新しいワクチンを開発する必要がある。季節性ワクチンに万能ワクチンを追加すれば、毎年変化するウイルス株に対する予防効果を向上することができると、同大学ワクチン開発センターのRobert Belshe博士は述べている。 今回の研究では、健常成人337人を対象に、A型およびB型のインフルエンザウイルス株から作製したワクチンを試験した。被験者に低用量の二価インフルエンザペプチド共役ワクチン(BIPCV)を6カ月にわたり3回接種した結果、忍容性の高さと安全性が認められると同時に、顕著な免疫反応をもたらすことがわかった。 Belshe氏は「さまざまなウイルス株に対し長期間の免疫効果をもたらす新しいワクチンが強く求められている」と指摘し、さらに研究を重ねる必要があるものの、今回の研究は「インフルエンザのパンデミック(世界的な大流行)防止に有用な万能ワクチンの開発において大きな一歩である」と述べている。この知見は、米ボルティモアで開催された米国感染症財団(NFID)ワクチン研究会議で発表された。(HealthDay News 4月27日)コメント : 夢のインフルエンザワクチンが開発されると毎年、新型インフルエンザの騒ぎにならなくて、よいですね。このような研究が成功すればノーベル賞は確実かと思われます。ぜひ成功させてもらいたいものですね。
May 11, 2009
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適正な体重を保つことは自分の健康によいばかりでなく、気候の変動を食い止めるのにも役立つという。 英ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院(LSHTM)疫学・公衆衛生学部門のPhil Edwards氏らによると、温室効果ガスは主に食物の生産によって発生するため、ベトナム人のような痩せた人の集団は、米国人のように人口の40%近くが肥満である集団に比べて、食物の消費量が約20%少なく、温室効果ガスの排出量も少ないという。 さらにEdwards氏らの計算によると、痩せている人10億人の集団では、肥満の人の集団に比べて、交通機関による二酸化炭素の排出量が年間10億トン少ないことも判明。この研究は、医学誌「International Journal of Epidemiology(疫学)」4月20日号に掲載された。 「重い体で動き回ることは、燃費の悪い車を乗り回すようなもの。体が重くなるほど動くことが苦しくなり、車に依存しがちになる。スリムでいることは健康だけでなく環境にもよい」と同氏らは述べ、肥満へと向かう地球規模の傾向を食い止める努力をもっとすべきで、これがガス排出量を減らし気候変動を減速する鍵の1つであると認識すべきと指摘している。 しかし現実は逆方向に向かっていると言う。例えば英国では、1994年から2004年の間に平均ボディ・マス・インデックス(BMI、肥満指数として用いられる)が男性では26から27.3、女性では25.8から26.9へと増加している。(HealthDay News 4月22日)コメント: これも当たり前のことを研究しているようで、研究成果を生かすためには全世界の人々が消費エネルギーを減らしてスリムになりましょうということのようです。メタボリック症候群も言うのは簡単ですが、改善のための実行が難しいのは事実ですね。
May 7, 2009
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4月29日は例年、立山山麓に山小屋を持っている外科の友人のところへお邪魔して山菜とりをしています。昨年は自然の山うどを取らせてもらって感激でした。今年はすす竹、わらび、よしなは自分の家で食するほどは収穫があり、孟宗竹は栽培しているのを頂いて、こごみぜんまい、山うどももらいました。ここ数日は山菜がメインの夕食を丁度休日で帰省した次男夫婦と一緒にお酒で楽しみました。酒の肴としては「きときとの魚」と同じくらいおいしいものですね。
May 1, 2009
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脳卒中や心筋梗塞予防 脳卒中や心筋梗塞(こうそく)など循環器疾患の予防には、肥満に重点を置いたメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、メタボ)対策よりも高血圧対策が重要であることが、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の大規模調査で分かった。 国のメタボ検診では、メタボに当てはまらないが高血圧で発症リスクの高い人を、見逃す恐れがあるという。 研究班は、全国の40-69歳の男女約2万3000人を平均約11年間にわたり調査。その間に693人が循環器疾患を発症した。 もし全員の血圧を正常にした場合、男性で48%、女性で45%の心筋梗塞や脳梗塞を減らせると推計された。 一方、メタボを解消しても男性で12%、女性で8%の改善効果しかないと考えられるという。 国のメタボ基準は肥満だけが必須条件で、高血圧の人でも、高血糖や脂質異常がないと「メタボ」とならない。分析した磯博康・大阪大教授(公衆衛生学)は「日本人は欧米人に比べ肥満者の割合が小さい。肥満ばかりに目を向けず、高血圧対策を優先する必要がある」と話している。読売新聞よりコメント : これは、最初から予想されていたことでもありますが、政府の予算削減の目的で行われてきました。しかし、目的とは裏腹にメタボリック症候群の解消には繋がりません。腹囲で簡単に医療費削減するよりも、高血圧、糖尿病、喫煙などの生活習慣病を改善していくことの方が大事であったという結果になったようです。それでも今後の特定健診は続けていく予定なのでしょうか?
Apr 27, 2009
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昨日は朝の一番便の7時10分発の飛行機で東京お茶の水の順天堂大学の有山記念館講堂で行われた日本認知症学会の教育セミナーに出席してきました。日本を代表する認知症の権威である小坂憲司先生から、レビー小体型認知症、朝田 隆先生から軽度認知障害(MCI),池田 学先生からFTLD(前頭側頭型認知症)などの講義を拝聴して、夕方の4時半の飛行機で帰りました。日帰りでの東京での勉強会も便利なような、慌ただしいような気持でした。認知症の頭の中での整理と講義で拝見させて頂いた症例から少しは自分の身になるように思えました。往復の飛行機からまだ雪を冠った北アルプスが眺めれて、リフレッシュになりました。
Apr 20, 2009
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飲酒は本態性振戦(ET)のリスク因子になるのか-。この課題を検討した研究結果がJ Neurol Neurosurg Psychiatry 4月9日オンライン版に掲載された。スペインで行われた一般住民対象の前向き研究から,1日に3杯以上のアルコール摂取を定期的に継続するとETリスクが2倍に増加することが示されたという。小脳の障害が本態性振戦の原因とも,アルコールには小脳毒性 米国では,60歳以上の約500万人がETとされている。この発症機序はいまだ明らかにされていないが,小脳における障害が原因とする報告もある。著者らは,アルコールには小脳毒性があることが知られていることから,ベースライン時のアルコール摂取量がETのリスク因子となりうるのかを検討した。 このNEDICES試験の対象は,スペインの3地域における65歳以上の一般住民3,285例。ベースライン時(1994~95年)および追跡時(1997~97年)の生涯アルコール摂取量と神経学的症状を記録し,評価した。平均追跡期間は3.3年(0.1~6.6年)。 喫煙量は箱数/日×年数,飲酒量は杯数/日(1杯=ビール360mLまたはワイン120mL,アルコール飲料30mL)×年数で換算した。飲酒による症状緩和を上回るリスクを示唆 ベースライン時のアルコール飲酒者は1,838例(56%)であった。また,追跡時には76例がETと診断された。 年間の喫煙箱数と抑うつ症状,地域差を補正したCox比例ハザードモデルによる解析では,ベースライン時の飲酒量・年はET発症リスクと相関していた〔相対リスク(RR)1.003,95%信頼区間(CI)1.000~1.006,P=0.059〕。これは抗うつ薬の服薬状況を追加補正後も同様であった(同1.003,1.000~1.006,P=0.055)。 また,同解析から,ベースライン時における飲酒量・年を四分位で層別化してET発症リスクを検討したところ,非飲酒者に比べて,第四分位(平均3~4杯/日)のRRは2.29(95%CI 1.15~4.54,P=0.018)であったのに対し,第三分位のRRは1.82(P=0.10),第二分位では1.75(P=0.10),第一分位では1.43(P=0.34)と,飲酒量が最も多い群でET発症リスクが2倍に上昇した。 さらに,飲酒量が増加するごとに,年あたりのET発症リスクは23%上昇した(RR 1.23,95%CI 1.05~1.43,P=0.01)。 以上の結果から,著者らは,1日に3杯以上のアルコールを摂取する人ではETリスクが2倍になると結論づけている。また,定期的なアルコール摂取はETの症状を緩和させるものの,慢性的な小脳毒性を引き起こし,ETの発症と症状悪化を促す可能性を指摘している。 そのため,今後のさらなる検討が必要としつつも,ET症状緩和のための飲酒に警鐘を鳴らしている。コメント: 少量のアルコールは本態性振戦を軽減するというのが、一般の神経内科医の常識でしたが、やはり多すぎる飲酒は悪化させる原因になるらしい。大量のアルコールは小脳毒性があり、小脳委縮の原因にもなることは知られており、これが本態性振戦を引き起こす原因になるというのが研究結果です。
Apr 14, 2009
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土曜日の午前の診療を少し早めに終えて顧問先生にお願いして東京国際フォーラムで開催された第106回日本内科学会講演会に出席してきました。土曜日の午後3時頃から招待講演の 内科学における研究とトランスレーショナルリサーチ 京都大学 中尾 一和教育講演の関節リウマチ治療の進歩 東京女子医科大学 山中 寿GERDの診断と治療 川崎医科大学 春間 賢ANCA関連呼吸器疾患 新潟大学 鈴木 栄一高尿酸血症と腎障害 東京慈恵会医科大学 細谷 龍男を聴講することができました。自分の勉強した記録のために記載しておきます。日曜日の午前中には糖尿病の血管合併症のトータルケア-早期診断、そして予防へ 司会:近畿大学 宮崎 俊一筑波大学 山田 信博わが国の血管合併症の実態-JDCSの結果より お茶の水女子大学 曽根 博仁糖尿病腎症 岡山大学 槇野 博史糖尿病網膜症 九州大学 石橋 達朗糖尿病大血管合併症 国立循環器病センター 片岡 有糖尿病血管合併症対策と展望-DOIT研究より 国立国際医療センター 野田 光彦 招待講演で、専門分野ではありましたが、下記の講演も拝聴してきました。パーキンソン病をめぐる最近の話題と治療の進歩 国立精神・神経センター武蔵病院 葛原 茂樹私は内科学会総会講演会や神経学会総会の講演会には時間の都合がつけばできるだけ、出席するように心がけています。出席すれば何か新しい知識が吸収できる喜びがあります。 今年の神経学会総会は平日の3日間で仙台で開催されるため出席できないのが残念です。
Apr 13, 2009
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4/4日の午後にサーバーと診察のダイナを19bにヴァージョンアップして、昨日は市内の松川支流の桜を見物、本日は事務受付と処置室のダイナをアップして、午後にオンラインでエラーなしだったので請求確定して昼休みには古城公園の桜並木をウオーキングしてきました。こんなに簡単にレセプト請求ができるのもダイナミクスのお陰だと感謝しています。
Apr 6, 2009
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昨夜は古城公園の中にある浪漫亭というレストランでクリニックのお花見夕食会を行いました。顧問先生が警察医を約40年以上もされており、今回天皇陛下からの表彰されることに決定したようです。その内輪のお祝い会も兼ねてお花見宴会を行いました。桜は当地ではまだ少し早かったようで、クリニックの妻が飾ったお花をアップしておきます。
Apr 4, 2009
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米国のガイドライン(指針)では少なくとも週に2.5時間の「適度な運動(moderate physical activity)」をすることが推奨されているが、この適度な運動とは、10分間に1,000歩というきびきびとした歩行に匹敵することが新しい研究により示された。 米国では、以前は30分の適度な運動を少なくとも週に5日行うことが推奨されていたが、昨年(2008年)秋にガイドランが改訂され、単に週に150分の運動を推奨するとの記述に変わった。「多くの人は、30分の運動をほぼ毎日という勧告にはなじみがあるが、適度な負荷が必要であることを知っている人は少なく、"適度"の意味がわかる人はさらに少ない」と、米エール大学(コネチカット州)医学部予防研究センターのDavid Katz博士は述べている。 米サンディエゴ州立大学のSimon J.Marshall氏らによる今回の研究では、女性58人、男性39人(平均32歳)にランニングマシン(トレッドミル)上で歩行してもらい、エネルギー消費を測定することにより、どの程度の運動が「適度」の範囲に入るのかを判定した。その結果、適度な運動とは男性で1分間に92~102歩、女性では1分間に91~115歩に相当することがわかった。これは「バスに乗り遅れそうになって急いでいるくらいの速さ。のんびりした歩きではなく、きびきびした歩き」だという。 歩きながら歩数を数えるのは難しいため、歩数計を用いて速度を測定することをMarshall氏は勧めているが、今回の研究では市販の歩数計の約半分は正確さを欠くことも明らかにされた。しかし、それでも歩数計を使用する方がよく、正確さの点では日本製のものが最も信頼できると同氏は述べている。米国政府の支援を受けて行われたこの研究の結果は、米医学誌「American Journal of Preventive Medicine(予防医学)」5月号に掲載される予定。 研究グループは、1,000歩の歩行を1日に3回、週5日実施すれば米国の運動ガイドラインを満たすことができると述べている。この基準値に満たなくてもウォーキングは心血管に多少の利益をもたらすが、心疾患やその他の合併症のリスクを軽減するには、30分の適度な運動が重要だとMarshall氏はいう。Katz氏によれば、歩数計がなくても、心拍数や呼吸数が顕著に上がるが一文(full sentence)を途切れずに話すことのできるペースが「適度」な運動の目安となるとのこと。(HealthDay News 3月17日)コメント : "適度"な運動は診療でもよく使われる言葉ですが、どの程度の運動が適度かということを適切に表現するのは難しかったように思います。心拍数でよく表現したりしますが、心拍数は心拍計など持っていないとよくわかりません。歩数で表現した方が、よくわかるかもしれません。いづれにしても、のんびりした歩きではなく、きびきびした歩きをできるだけすることですね。
Mar 30, 2009
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シャツの襟回りのきつさが、将来の心臓障害の指標となる可能性のあることが、フラミンガム心臓研究(Frammingham Heart Study)グループの研究で明らかになり、米フロリダ州で開かれた米国心臓協会(AHA)心血管疾患疫学・予防年次集会で報告された。 心血管疾患のリスク評価には、長年、内臓脂肪の測定が利用されている。しかし、同研究の最初の被験者の子孫にあたる3,320人のデータ(フラミンガム子孫研究)を検討した結果、頸部の脂肪にもコレステロール値や肥満などの心臓障害因子との間に密接な関連があることが判明した。「内臓脂肪組織について調整を行ってもなお、頸囲(首回り)と心血管代謝(cardiometabolic)危険因子との間に関連がみられた」と研究グループのSarah Rosner Preis氏は報告している。 標準的な肥満評価法は、腰囲の測定およびボディ・マス・インデックス(BMI、肥満指数として用いる)の判定によるものだが、医師がリスク評価をする際に、腰囲に加えて頸部肥満を利用できる可能性があると研究グループは指摘し、「上半身の皮下脂肪組織および内臓脂肪組織が、独立して心血管代謝リスクに寄与している」と説明している。 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部教授のGregg C.Fonarow博士によると、今回の研究は従来のリスク評価法以外に目を向けた点で実に優れているという。しかし、基本的に身体のどこであろうと脂肪が多すぎるのは心臓によくないということであり、腹部でもそれ以外の部位でも、脂肪組織量を評価するという点では同じことだと指摘している。 米レノックスヒルLenox Hill病院(ニューヨーク)のKirk Garratt博士は「上半身に肥満のある人は心血管疾患リスクが高いことは以前からわかっていたが、今回の研究はその定量化による評価を可能にするものだ」と述べている。Garratt氏によると、肥満には主に腰周りに脂肪がつく洋なし型と、上半身に脂肪がつくりんご型の2種類があり、上半身に脂肪の多い人は心血管疾患リスクが高いという。部位にかかわらず脂肪があれば落とすほうがよく、「BMIが25を超える人は、脂肪のついている部位とは無関係に冠動脈イベントリスクが高い」という。(HealthDay News 3月11日) コメント:この報告の要旨は、「上半身の皮下脂肪組織および内臓脂肪組織が、独立して心血管代謝リスクに寄与している」ということでしょうか。昨年は腹囲の肥満がメタボリック症候群を象徴するような健診が行われ、今度は首回りですかと、いささかうんざりする研究でもあります。実際は部位にかかわらず脂肪があれば落とすほうがよく、「BMIが25を超える人は、脂肪のついている部位とは無関係に冠動脈イベントリスクが高い」ということなのでしょう。やはり、運動や食生活の改善を図りなさいという結論でしょうか。
Mar 27, 2009
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驚きました。本日、シアトルに留学中の娘からメールがあり、米国・日本戦を観戦したという。写真付きで送ってきたメールには確かに日の丸の下の原監督の頭上に立っているのが娘でした。合成写真ではなく、Yahoo写真に出されたようです。大学院は学期休みで、剣道の試合にLAに出かけたようですが、まさかWBCを特等席で観戦できたなんて、剣道仲間のサプライズの粋な計らいだったようです。 その後の、本日は日本・韓国戦ではイチロウたちの活躍で優勝できたのはまた最高の喜びです。
Mar 24, 2009
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ワインを1日1杯飲むと、食道癌(がん)の前兆であるバレット食道のリスクが低下する可能性が示された。バレット食道は酸の逆流により食道が回復不可能な損傷を受けることによって生じるもので、人口の約5%にみられる。この症状のある人は、食道癌の一種である食道腺癌の発症リスクが30~40倍とされている。 米カイザーパーマネンテKaiser Permanente医療プラン(カリフォルニア州)の研究員、Douglas A.Corley博士らによる今回の研究では、北カリフォルニアの男女953人を対象に調査を実施。1日に1杯以上の赤ワインまたは白ワインを飲む人は、バレット食道の発症率が56%低いことが判明した。ビールや蒸留酒ではリスクの低下はみられず、またワインの摂取量が増えても予防効果の増大はみられなかった。 この研究は、医学誌「Gastroenterology(消化器病学)」3月号に掲載された。同じ号に掲載された2研究でも同様の結果が得られている。オーストラリアの研究ではワインを飲む人の腺癌発症率が低いことが示され、アイルランドの研究では、ワインを飲むと食道炎のリスクが低下することがわかった。ワインがバレット食道リスクを低下させる理由は不明だが、抗酸化物質の効果によるものか、ワインを飲む人は一緒に食物を摂取することが多いため、アルコールを単独で飲んだ場合に比べて食道組織の損傷が軽減されるためと考えられるという。 今回のワインに関する研究は、バレット食道および腹部肥満と食事との関連を調べる大規模研究の一環として実施された。この研究では、果物や野菜を1日に8サービング(※編集注=生野菜の場合は8カップ分、果物の場合は中程度リンゴ8個分に相当)摂取し、標準体重を維持することが、バレット食道のリスク軽減に有効であることもわかっている。「赤ワインが心臓によいことはすでに知られているが、健康的な生活習慣と1日1杯のワインの利点が新たに示された」と、研究を率いたカイザーパーマネンテのDouglas A.Corley博士は述べている。(HealthDay News 3月2日) コメント ; ワインはいろんな疾患のリスクを下げると言われていますね。ワインを1日1杯飲むと、食道癌(がん)の前兆であるバレット食道のリスクが低下する可能性が示された。バレット食堂に関してはこのブログでも取り上げたことがあると思いますが、バレット食道は酸の逆流により食道が回復不可能な損傷を受けることによって生じるもので、人口の約5%にみられる。この症状のある人は、食道癌の一種である食道腺癌の発症リスクが30~40倍とされている。1日に1杯以上の赤ワインまたは白ワインを飲む人は、バレット食道の発症率が56%低いことが判明したという。赤ワインが心臓にもよいことはすでに知られているが、認知症のリスクを下げるという報告もあり、認知症研究会の情報交換会で赤ワインの人気が高かったこともあります。健康的な生活習慣と1日1杯のワインの利点が新たに示されましたが、やはり度を過ぎると悪影響なのは同じです。
Mar 17, 2009
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肥満治療として減量効果に最も優れているダイエット食とは? 米国ハーバード公衆衛生大学院栄養学のFrank M. Sacks氏らは、これまでタンパク質、脂質、あるいは炭水化物それぞれの栄養素に着目したダイエット食の研究報告がなされているが、その減量効果は確立しておらず、また研究期間が1年を超えて行われているものがないとして、どの栄養素を重視した食事が効果的か、介入期間2年にわたる無作為化試験を行った。その結果、栄養素は関係なく、低カロリー食であることが肝心との報告を寄せている。NEJM誌2009年2月26日号掲載より。栄養素の割合が異なる4つの食事療法群に無作為割り付けし2年間追跡試験は過体重の成人811例を対象とし、脂質・タンパク質・炭水化物の各割合(%)が異なる4つの食事療法群、(1)20%、15%、65%、(2)20%、25%、55%、(3)40%、15%、45%、(4)40%、25%、35%に無作為に割り付け、2年間食事指導の介入を行った。4群の食事はいずれも、心血管ヘルスガイドラインにのっとったもので、食品構成は類似していた。主要評価項目は2年後の体重変化で、低脂質食群(含有比率20%)vs. 高脂質食群(同40%)、標準タンパク質食群(同15%)vs. 高タンパク質食群(同25%)、および含有比率が最も高い炭水化物食群(同65%)vs. 最も低い炭水化物食群(同35%)の比較が行われた。低カロリーな食事であることが重要、栄養素は関係ない体重は6ヵ月時点では平均6kg、ベースライン時の7%相当減っていた。しかし12ヵ月後にはリバウンドし始めていた。2年時点での減量は、標準タンパク質食群3.0kg vs. 高タンパク質食群3.6kg、低脂質食群 vs. 高脂質食群はいずれも3.0kg、最高炭水化物食群2.9kg vs. 最低炭水化物食群3.4kgで、いずれも同等だった(すべての比較についてP>0.20)。試験完了者の80%相当が、平均4kg減量していた。また14~15%相当の者が、試験前体重の少なくとも10%以上の減量に成功していた。 満腹、空腹感、食事に関する満足度、グループセッションへの出席率は、全群で同様だったが、セッションへの出席率が、減量(1セッション参加につき0.2kg)と強く関連していた。一方で、4つの食事療法群ではいずれも、脂質関連のリスク因子および空腹時インスリン濃度の改善が見られた。これらを受けSacks氏は、「カロリーが低い食事療法が臨床的に意義のある減量をもたらす。どの栄養素の割合が際だっているかは関係ない」と結論している。(武藤まき:医療ライター)コメント : 読者に期待を持たせるようなタイトルですが、結果は何のことはない、栄養素の比率は関係なく、低カロリーな食事であることが重要であるという。当たり前の結果ですが、減量には運動が大切とは言っても、低カロリー食ほどには効果がありません。今年からクリニックのスタッフに糖尿病の患者さんと一緒に病院での糖尿病教室に出席してもらい勉強してもらうことにして、外来での栄養指導など少しずつ心掛けたいと思っています。
Mar 11, 2009
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昨日の午前診療を終えて、電車で京都に行こうとしたら、人身事故のために金沢で特急を乗り換えてくださいとのこと、誰かまた自殺があったようです。誰にしても、生をそまつにしてはいけません。残った家族の悲しみを考えましょう。京都では、タクシーでウエスティン都ホテルにいきましたが、鴨川に沿って久しぶりの京都の景色を楽しませてもらいました。講演会は「診療所・病院 神経内科専門医の視点から」「リハビリテーションの視点から」「画像診断の視点から」「外科的治療の視点から」「患者の視点から」などのセッションがあって、特別講演は「今後のパーキンソン病治療の方向性」という演題で水野美邦先生が今までのEBMをまとめながら、これからの治療の展望と京都大学大学院の高橋教授にさまざまな課題を残されました。宿泊のホテルグランヴィア京都に帰り、京都タワーの夜景を携帯デジカメに収めたので載せておきます。
Mar 8, 2009
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昨日の午後2時から市内近郊の多発性硬化症(MS)の患者さんを対象に市の厚生センターで、「多発性硬化症の正しい理解と日常生活」のテーマで私の簡単な講演と、座談会が行われました。人数は10名ほどで、患者さん自身か、家族の方、あるいは家族だけの参加もあり、MSに関しての正しい知識を持ってもらい、日頃困っていることなど話して頂き、アドバイスなどさせてもらいました。中枢神経と視神経に脱髄が起こるため、視力低下や運動麻痺、感覚障害などあらゆる神経症状が発症する可能性があり、急性期の治療としてステロイドパルス、再発予防にベタフェロンなどしている患者さんや、ステロイド内服を継続している患者さんなどです。市の厚生センターでは神経難病の相談会はされていますが、パーキンソン病や脊髄小脳変性症などが多く、MSに関しては初めてだそうでした。患者さんは、あまり聞きなれない病名ですし、ネットでは検索できても実際に他の患者さんと知り合う機会も少なく、一人で悩むこともあり、今回のような企画を喜んでおられました。全国のMS友の会(MSキャビン)があることなどもパンフレットをお渡ししたので、まだ加入されていない人も加入されるかと思っています。
Mar 2, 2009
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受動喫煙にさらされている人では認知症の発症リスクの高いことが新しい研究で明らかになり、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版に2月12日掲載された。これまでの研究で、喫煙と認知症およびアルツハイマー病リスクとの関連が立証されているが、今回の研究は、受動喫煙と認知症との関連を示した最大規模のものであるという。 「認知機能と受動喫煙との間には関連がある。認知機能の低下は必ずしも認知症の前兆とは限らないが、そうであることが多い」と研究を率いた英ペニンシュラPeninsula医科大学(Exeter)のIain Lang氏も述べており、受動喫煙への曝露レベルが高い人ほどリスクも高いことも示唆されているという。 研究では、50歳以上の非喫煙者4,800人強のデータを収集。被験者の唾液を検査し、コチニンcotinine(ニコチンから生成する物質で、たばこの煙への曝露後約25時間、唾液中にみられる)の濃度を調べたほか、脳機能と認知力低下を評価する神経心理学的検査を実施した。検査は、記憶、数学、言語能力をみるもので、検査スコアが下位10%であった被験者を「認知力が低下している」と分類した。その結果、コチニン濃度の最も高い群は、最も低い群に比べて認知力低下リスクが44%高いことが判明。また、コチニン濃度の比較的低い群では認知力低下リスクは低かったものの、依然として有意なリスクが認められたという。 米国アルツハイマー病協会(AA)のMaria Carrillo氏は「喫煙はすでにアルツハイマー病の危険因子(リスクファクター)として認知されており、受動喫煙への曝露でもそのリスクが広がる可能性がある」と指摘している。また、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)医学部准教授で、同誌の論説を執筆したMark Eisner博士は「今回の研究は、公共の場をすべて禁煙にする公共政策への新たな動機付けとなるだろう」と述べている。(HealthDay News 2月12日) コメント: 受動喫煙の害はいろんな影響を及ぼすことが知られています。今回は認知症のリスクを高めるという報告です。喫煙そのものが、認知症のリスクになりますから、受動喫煙も当然かもしれませんが。認知症になりたくない人は、やはり生活習慣から考え直して、食事、運動、禁煙、適度な飲酒などできるところから始めなければいけません。これからの団塊の世代の人は、定年になっても仕事はできる限り続けるか、ボランテイアを心掛けて、よい生活習慣を守っていけば認知症なんてこわくありませんよ。
Feb 25, 2009
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土曜日の午後診療終了後に、内科医会の新年会にチャーターバスで石川県小松市の粟津温泉の「のとや」に行ってきました。昨年の同じ時期には雪が多っかたのですが、今回は晴れて雪もなく不景気というのに旅館にはお客が多く、温泉内は一杯でした。夕食会の前に、病診連携の病院からの方針などレクチャーがあり、市内の4病院のうち3病院から出席されており、診療所との連携のためによいシステムだと思いました。同じ温泉内で2次会に出てから休んで、翌日早朝にゆっくり温泉を楽しんできました。
Feb 23, 2009
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インスリンによって、アルツハイマー病による記憶力低下を遅らせたり、予防したりできる可能性のあることが、米ノースウエスタン大学(イリノイ州)のチームが率いる研究で明らかにされた。 著者の1人で、同大学認知神経学アルツハイマー病センターのWilliam L.Klein氏は「インスリン感受性は加齢とともに低下し、このことがアルツハイマー病の新たな危険因子(リスクファクター)となる。今回の結果から、インスリンシグナル伝達を高めればニューロンの損傷を保護できることが示された」と述べている。 この知見は、アルツハイマー病を糖尿病の一種とする考え方に最新のエビデンス(科学的根拠)を補強するもので、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)」オンライン版に2月2日掲載された(印刷版は2月10日号に掲載)。 今回の研究では、インスリンおよびrosiglitazoneロシグリタゾン(商品名:Avandia、日本国内では未承認、2型糖尿病治療に用いられるインスリン抵抗性改善薬)が、脳の重要な記憶中枢である海馬から採取したニューロンを、アミロイドβ由来拡散性リガンド(ADDL)から保護することが明らかにされた。ADDLは、記憶を形成するシナプスを攻撃、阻害し、記憶低下を引き起こすことで知られる蛋白(たんぱく)で、アルツハイマー病に関与していることがわかっている。 「糖尿病治療薬がシナプスをADDLから保護するという今回の発見は、アルツハイマー病による記憶障害の治療に新たな期待をもたらすものだ」と、筆頭著者のブラジル、リオデジャネイロ連邦大学准教授(ノースウェスタン大学客員教授)のFernanda G.De Felice氏は述べている。同研究グループは、最近の関連研究で、ADDLが結合したニューロンのインスリン受容体を取り去ることによりインスリン抵抗性を引き起こすことを突き止めている。(HealthDay News 2月3日)コメント : 糖尿病がアルツハイマー病のリスクファクターになるという研究は前にもあったかと思います。インスリン感受性の低下が、アルツハイマー病のリスクファクターになることがわかり、インスリンシグナル伝達を高めればニューロン損傷が保護できることが示されたということです。インスリンおよびロシグリタゾン(商品名:Avandia、日本国内では未承認、2型糖尿病治療に用いられるインスリン抵抗性改善薬)が、脳の重要な記憶中枢である海馬から採取したニューロンを、アミロイドβ由来拡散性リガンド(ADDL)から保護することが明らかにされており、ADDLは、記憶を形成するシナプスを攻撃、阻害し、記憶低下を引き起こすことで知られる蛋白で、アルツハイマー病に関与しているというのが要旨のようです。
Feb 17, 2009
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尿失禁に悩む女性は多いが、減量が症状の緩和に有効であるとの研究結果が、米医学誌「New England Journal of Medicine」1月29日号に掲載された。 研究著者の米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)産科婦人科学准教授のLeslee Subak氏は「体重は尿失禁の発症および悪化の最も大きな危険因子(リスクファクター)である」と述べている。米国では1,300万人超の女性が尿失禁に悩んでいる。いくつかの観察研究から、過体重と尿失禁との間に関連があることが判明しており、別の研究では失禁の症状緩和に減量の有効性が示唆されている。 これらの知見を確認するために、Subak氏らは米ロードアイランドおよびアラバマ両州の女性338人を対象に研究を実施。被験者の平均年齢は53±11歳、BMI(ボディ・マス・インデックス)が25~50で、7日間に少なくとも10回の尿失禁があった。米国ではBMI25以上が過体重(overweight)、30以上が肥満(obesity)とされている。 被験者の3分の2を食事、運動および行動療法などの治療介入群、残りの3分の1を対照群に無作為に割り付け、治療群は6カ月間、週1時間の集会に参加し、研究開始時から7~9%減量できるよう設計された体系的治療を受けた。対照群には健康的な食事、運動に関する指導を4回にわたり実施したほか、全被験者に尿失禁改善に役立つ自己学習用冊子を配布した。 その結果、治療群は平均8%、17ポンド(約7.7kg)体重が減少したのに対し、対照群の体重減少は1.6%、3ポンド(約1.4kg)であった。6カ月後、週の尿失禁回数は治療群で47%、対照群で28%の減少がみられた。治療群では腹圧性尿失禁(笑い、せき、くしゃみなどの腹圧による失禁)も減少したが、切迫性尿失禁(急に尿意を感じる失禁)の改善はみられなかった。 「減量で腹圧が低下したことにより、膀胱への圧力も軽減した。これらの知見から、減量が尿失禁のファーストライン治療(a first-line treatment)になることが確認された」とSubak氏は述べている。 米ノースウエスタン記念病院(シカゴ)のJanet Tomezsko博士は「体重はわれわれの身体にさまざまな影響を及ぼす。余分な体重が多いほど、効果を得るには多くの減量が必要となるが、不可能なことではない。簡単なことではないが、減量、運動および骨盤の健康に対処するプログラムは今後さらに増えるだろう」と述べている。(HealthDay News 1月28日)コメント : 海外での太りすぎの女性の尿失禁に対する減量の勧めで改善が得られたという報告です。腹圧性尿失禁(笑い、せき、くしゃみなどの腹圧による失禁)や、切迫性尿失禁(急に尿意を感じる失禁)は中高年の女性に多い症状ですが、本邦では米国のような高度の肥満は少ないかと思われるので、尿失禁の頻度は少ないかもしれません。腹圧性尿失禁は、減量で腹圧が低下したことにより、膀胱への圧力も軽減することで理解できます。切迫性尿失禁は過活動膀胱の治療薬で抗コリン剤があります。 切迫性尿失禁・ストレス性尿失禁 概説 尿がもれる状態にもいろいろなタイプがあります。我慢がきかなくてもれるタイプのものを切迫性尿失禁といいます。女性の尿失禁の中では、腹圧性尿失禁に次いで多いものです。膀胱の役割は、腎臓で絶えずつくられる尿を一定量までためておくこと、ある一定量たまったら大脳に知らせ、しかるべき場所でたまった尿を残さず排尿してしまうことです。尿がたまったことを知らされた大脳は、トイレに到着して下着を下げるまで、膀胱に収縮をはじめないよう命令を出しますが、この命令を無視して膀胱が収縮しはじめるのが、切迫性尿失禁です。脳 梗塞などによって大脳で膀胱の収縮を抑える働きが低下していて切迫性尿失禁になっている人もいます。 ________________________________________ 症状 トイレまで我慢できない、下着をおろそうとしている間に出てしまうといったものです。普通は、頻尿を伴います。 ________________________________________ 診断 膀胱内圧測定を行います。切迫性尿失禁のある人は、不安定膀胱といって、膀胱の容量が普通より小さく、その人の意思に反して膀胱が勝手に収縮したりする状態になっています。
Feb 16, 2009
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先週の2月4日(木)の夜は糖尿病の病診連携の勉強会があり、金曜日は「ワーファリンフォーラム」で、「心房細動と心源性脳塞栓症」「ワーファリン療法Update」の基調講演、特別講演がありました。心房細動に伴う脳塞栓症は、長嶋名誉監督、サッカーのオシム監督も罹患した疾患で世間の人たちに怖い脳梗塞として知られることになりました。私のクリニックにも数人の脳塞栓症後遺症で、心房細動を合併している患者さんがあり、ワーファリンでコントロールしています。コントロールの程度はプロトロンビンタイムを測定してPT-INR 1.6-2.5内でのコントロールが日本人の高齢者では好ましいと言われています。歯科で抜歯時にはこのような患者さんでは、ワーファリンは中止しない方針で歯科の先生にも認識して頂くこと、外科手術の際などはへパリンでワーファリン中止の間を凝固療法の継続をできる限り行うことなど必要なようです。土曜日は認知症研究会があり、アリセプトをエーザイで開発された京都大学大学院薬学研究科杉本教授が「アルツハイマー病治療薬開発の夢を追って」という講演を、金沢大学大学院の山田教授が「AD早期発見はなぜ必要か?AD治療は可能か?という演題でご講演をされました。そして昨日の日曜日は朝から夕方まで、「かかりつけ医のためのうつ病研修会」があり、東北の秋田県など3県を筆頭に、北陸も自殺が多く、交通事故死の数倍になっている。このことを国民全体が知り、自殺予防キャンペーンにうつ病をもっとかかりつけ医が理解して関わり、病診連携を推進していく必要があるだろうという結論でした。
Feb 9, 2009
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景気の低迷にはさまざまな犠牲を伴うが、健康まで犠牲にする必要はない。米ダナ・ファーバーDana‐Farber癌(がん)研究所(ボストン)の専門家らによると、以下に挙げる無料または低コストの方法に従えば、多額の費用をかけなくとも健康な生活を維持し、癌リスクを軽減することができるという。 ・体を動かす:早足で歩くなどの軽度から中程度の有酸素運動(エアロビクス)は心臓によいほか、癌を克服した後の再発リスク軽減にも有用である。いくつかの癌リスクを軽減する上での一貫した方策は、運動して肥満を防ぐこと。エレベーターの代わりに階段を使う、テレビを見ながらエアロバイクやランニングマシンを使用する、チームスポーツをするなどの運動も有効である。 ・健康的な食生活を送る:加工糖、赤身肉、カロリーの摂取を抑え、果物や野菜を多く摂ることにより、健康的な体重を維持し、一部の癌のリスクを軽減することができる。多くの果物や野菜の有用な栄養分は、皮など色の濃いところに集まっている。生のリンゴの皮には癌を予防する抗酸化物質クエルセチン(quercitin)が含まれ、カボチャ類、サツマイモ、ニンジンなどのオレンジ色の果物や野菜には、大腸癌、前立腺癌、肺癌および乳癌のリスクを減らすとされるカロチノイド(carotenoid、カロテノイドともいう)が含まれている。 ・喫煙を止める:最初から喫煙しないのがベストだが、喫煙者が少なくとも10~20年たばこを止めるだけで、肺癌の発症率を50%低下させることができる。禁煙は将来の医療コストを下げることにもつながる。米国癌協会(ACS)によると、喫煙は肺癌全体の80%の原因となっているほか、口腔癌、咽喉癌、膵癌、子宮癌、膀胱癌、腎癌などのリスクも増大させるという。 ・アルコールを控える:飲酒を控えればそれ自体が金銭面での節約になるのはもちろんだが、一部の癌リスクも抑えることができる。例えば、閉経後女性が1日1杯の飲酒をすると乳癌リスクが増大することがわかっている。(HealthDay News 1月19日) コメント: この題名をみたら、内容がだいたい想像つくかもしれませんね。生活習慣に注意して、運動・食生活・禁煙・飲酒を控えめにということが、一番癌予防に役立ち、健康維持のためにお金をかけないでできることだという内容です。これは確かに未病を維持していくために大事なことです。生活習慣を少し改善して、健康維持とがん予防に心がけましょう。
Feb 5, 2009
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主要校8割感染対策求める 大学生のはしか流行が問題になっているが、全国の主な大学の8割が、来年度の入学予定者に対し、入学前の感染予防対策を求めることが日本小児科医会などの調査でわかった。 予防接種済み証明書などの提出を義務づける大学もある。国は今年度から高校3年生全員に、はしかワクチンの追加接種を始めたが、接種率は5割未満と低迷。受験シーズンを迎え、同医会では「接種率の向上につながるのでは」と期待している。 調査は昨年末、同医会、京都小児科医会、京都市学校医会が、一学年の定員が2000人以上の総合大学と医学部のある全国の大学計112校に行い、93校から回答を得た(回答率83%)。「入学前にはしか対策を行う」と答えた大学は72校(77%)にのぼった。うち、「予防接種を受けるよう指導する」大学は51校(55%)、「感染や予防接種歴の調査を行う」大学は41校(44%)だった。 接種指導など「入学後に行う」とした20校(22%)を合わせると、ほとんどの大学が対策を予定。はしかの免疫があることを教育実習や病院・介護実習などの参加条件にする大学も48校(52%)あった。 はしかの予防接種は従来、1回接種だったが、予防効果が不十分なことから、2006年度から1歳と小学校入学前の2回接種に変更された。"1回接種世代"の若者に対し、国は今年度から5年間に限り、高校3年生と中学1年生での追加接種を実施している。厚生労働省によると、昨年9月末時点で、高3のはしかワクチンの接種率は48%と低迷。特に、東京、大阪、神奈川、埼玉、京都など都市部で低い傾向がある。神戸大、全員に証明義務 20歳前後の若者へのはしかの流行は2007年に、関東や近畿を中心に約80大学が1週間~2週間程度の休講を余儀なくされるなど、近年、問題になっている。 一昨年、昨年と2年連続で、はしか流行のため休講措置を取った神戸大では、来年度の入学者全員に対し、予防接種済み証明書か、抗体検査で免疫があることを証明する書類などの提出を義務づけることを決めた。 「予防接種を受けてから免疫ができるには2週間程度かかる」として、北海道大は、現役合格者には入学式の2週間前までに接種を受けるよう通知。「浪人生には大学の費用負担で検査や予防接種をすることなどを検討中」という。東大は募集要項に「予防接種自己申告書」を入れ、発病歴がない場合は入学までに追加接種を「極力完了しておくこと」と、太字で注意喚起した。 また九州大は昨年から、入学前に予防接種歴などを調べる調査票と、注意喚起を行う文書を配布。入学後に回収しているが「かなり効果が上がった」と話している。 はしかの予防接種 日本では、はしかの予防接種は努力義務との位置づけで、接種率は06年度の1歳児で約80%。流行を抑えるのに必要とされる接種率95%に達していない。昨年の患者数は約1万1000人に上り、国際的には「はしか大国」との汚名も着せられている。一方、米国では、ほとんどの小学校で入学前にはしかの2回接種を義務づけられており、2006年の患者数はわずか66人だった。(2009年1月31日 読売新聞)コメント : はしかの予防接種もそうですが、日本はいろんなワクチン接種に消極的です。ワクチンの副作用を恐れて政府が訴訟になるのを避けているからだそうです。諸外国では、はしかのワクチン、髄膜炎のワクチン、女性の子宮頚がんのパピローマウイルスに対するワクチンなど、どんどん政府の主導で勧められています。日本は医療崩壊が叫ばれており、予防まで手が回らないのか、医療費抑制策のため、ワクチン接種もあまり勧められてきませんでした。今回、諸外国から批判があって、はしかの予防接種を勧めることになったものと思われます。インフルエンザの流行が問題となっている時期に、はしかのワクチン接種を持ち出しても、接種率の上昇は難しいように思います。
Jan 31, 2009
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広く利用されているフラミンガムリスクスコアに基づいて10年間の心臓発作または脳卒中のリスクが低いと判定された50歳以下の集団であっても、その半数は生涯的なリスクは高い可能性があるという。フラミンガムスコアは、マサチューセッツ州フラミンガム地区で実施された数十年にわたる研究(フラミンガム心臓研究Framingham Heart Study)に基づくもので、年齢、性別、総コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、収縮期血圧、喫煙状況および降圧薬の使用という7つのファクター(因子)から、心臓発作や脳卒中などの心血管イベントリスクを評価するもの。 米医学誌「Circulation(循環器)」オンライン版に1月12日に掲載された今回の研究では、約4,000人の被験者(いずれも50歳以下)のうち90%が、フラミンガムスコアにより心血管疾患の10年リスクが低いと分類された。しかし、年齢以外の因子を慎重に検討した結果、10年間のリスクは低いとされた人でも生涯にわたるリスクについては、高い群と低い群に分かれることが判明した。 研究を行った米テキサス大学サウスウエスタン・メディカルセンター(ダラス)助教授Jarrett D.Berry博士によると、コレステロール値や血圧などの古くから用いられる危険因子(リスクファクター)の差は、短期リスクではあまり違いがみられないが、長期リスクには極めて重要なものであったという。 研究グループは次に、被験者の動脈の画像検査により評価の裏付けを行った。その結果、生涯リスクが高いと評価された群は、冠動脈のカルシウム蓄積量が多く、頸動脈の肥厚が有意に大きいことが判明。「生涯リスクの高い群はアテローム性動脈硬化症の重症度および進行度が高かった」とBerry氏は述べている。 米医学誌「American Journal of Roentgenology(X線学)」1月号に掲載された研究では、米エール大学(コネチカット州)臨床助教授のKevin M.Johnson博士らが、フラミンガムスコアでは冠動脈性心疾患の既往のない集団の心血管リスクを正確に予測できないことを明らかにした。この研究では、プラークによる動脈閉塞の可能性をみるのに、血管のCT検査が用いられた。Johnson氏は、フラミンガムスコアの考え方に、CTスキャンなどによる新しいリスク評価法をどう組み込んでいくかが課題と指摘している。 さらに別の研究では、フラミンガムスコアの基準に入らない85歳以上の集団について検討している。オランダ、ライデンLeiden大学メディカルセンターの研究グループによると、女性215人、男性87人を5年間追跡した結果、108人が死亡したが、フラミンガムスコアによる予測では偶然以上の的中率は認められなかったという。この知見は、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版に1月8日掲載された。(HealthDay News 1月12日)コメント : フラミンガムスタディは上記にもありますが、一般の方には馴染みが少ない言葉かと思われますので、簡単に説明しておきます。フラミンガムスコアは、マサチューセッツ州フラミンガム地区で実施された数十年にわたる研究(フラミンガム心臓研究Framingham Heart Study)に基づくもので、年齢、性別、総コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、収縮期血圧、喫煙状況および降圧薬の使用という7つのファクター(因子)から、心臓発作や脳卒中などの心血管イベントリスクを評価するもので、世界のこのような研究の標準的なものとなっています。コレステロール値や血圧などの古くから用いられる危険因子(リスクファクター)の差は、短期リスクではあまり違いがみられないが、長期リスクには極めて重要なものであったという。被験者の動脈の画像検査により評価の裏付けを行った結果、生涯リスクが高いと評価された群は、冠動脈のカルシウム蓄積量が多く、頸動脈の肥厚が有意に大きいことが判明し、生涯リスクの高い群はアテローム性動脈硬化症の重症度および進行度が高かったという結果になりました。結局、フラミンガムスコアで10年間の心臓発作または脳卒中のリスクが低いと判定された50歳以下の集団であっても、その半数は生涯的なリスクは高い可能性があるという。それはもう少し詳しい頚動脈エコーや血管のCT検査などが行われて動脈硬化が強いヒトが生涯リスクが高かったという結論かと思います。
Jan 27, 2009
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今週は水曜日に神経内科セミナーで、座長予定の教授が会議が長引いて欠席されたため、代わりに私が座長を務めさせて頂きました。演題は「一過性全健忘」で、この疾患は一般の方も経験されていることもあるかと思います。原因や誘因はまだはっきりしていないこともありますが、演者はこの疾患で数時間の発作中にSPECTという脳血流を測定する装置で検査して、論文報告されています。一過性全健忘を記録しておきます。一過性全健忘(TGA)は一時的に記憶のみが障害される病気で、通常24時間以内に治ってしまいます。発作は突然に生じ、発作中新たな記憶の形成がまったくできないのが特徴です。原因はまだはっきりわかっていませんが、経過は良好です。再発率は25%以下で、3回以上の発作の頻度は3%以下です。中年以降に発症します。 症状 記憶の障害がある日突然生じます。発作中は新たな記憶の形成ができません。これを前向(ぜんこう)健忘と呼びます。また発作前の数日、数週、場合によっては数年の記憶が消失します。これを逆向(ぎゃっこう)健忘と呼びます。発作中の記憶形成障害とこの逆向健忘により、自分がなぜここにいるのか、あるいは何をしているのかがわからず、「私はどこにいるのですか」などの質問を繰り返します。状況を教えられても、その記憶を保持できないために再び同じ質問をします。このように同じような質問を繰り返すのが、TGAの極めて特徴的な症状となっています。発作中、意識の障害や記憶以外の脳機能障害は生じませんので、かなり複雑な行為も可能です。車の運転をしたり、物を作ったりといつもと変わりのない行動が観察されます。逆向健忘は発作後にかなり回復しますが、発作直前の数時間以内の記憶は永久に失われます。一方、発作中の記憶はほぼ全部が欠落したままとなり、回復しません。 診断 診断は 臨床症状から容易ですが、てんかん発作や頭蓋内の器質的な疾患を除外するために脳波や頭部 MRI検査が必要です。ホッジス(Hodges)らは、1990年にTGAの診断基準を発表しました。[1]発作は目撃され、発作中の情報が目撃者から得られる[2]発作中、明らかな前向健忘が存在する[3] 意識障害はなく、 高次脳機能障害は健忘に限られる[4]発作中、 神経学的局所徴候は合併せず、発作後も重大な神経学的異常がない[5]てんかんの特徴がない[6]発作は24時間以内に消失する[7]最近の頭部外傷や活動性のてんかんのある患者は除外する コメント : 上記のような病態が、いわゆる一過性全健忘ですが、よく思い出してみると皆さんの中にも、上記のような発作は経験されている方もおいでるのではないかと思います。ただ、予後は良好で再発は少ないようですので、記憶していないのではないでしょうか。脳血流SPECTでは発作中5時間までは血流増加がみられたという報告を演者は論文に報告したことがあるようですが、原因などははっきりしないようです。
Jan 23, 2009
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正月は勉強会はなかったのですが、患者さんが正月明けで多く、診療中はほとんど余裕がない状態でした。今週は少し患者さんが減ったので、エコーの医療器械を導入して脳梗塞後遺症の患者さんの頚動脈エコーなど検査を開始しています。昨日に大寒に入り、寒さは今一つですが、勉強会が目白押しであります。今週は昨日の漢方の勉強会、本日は神経内科医会の研究会のセミナーがあり、明日も病診連携病院で、「失神」に関しての講演会があります。金曜日がパーキンソン病の講演会、土曜日は大阪で電子カルテダイナミクスの例会・新年会があり、出席予定です。大阪から帰っての日曜日の午後には認知症のセミナーがあり、今週の予定が終了です。また、記憶に残るような話題はブログにも記載していきたいと思っています。
Jan 21, 2009
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通常の加齢によって認知力低下の生じる機序が、科学的に明らかにされた。医学誌「Annals of Neurology(神経学)」12月号に掲載された報告によると、正常な加齢現象の1つである血糖値の上昇が、海馬(学習および記憶に不可欠な脳部位)に影響を及ぼすことが判明したという。 「このことから、血糖値の管理を向上させるあらゆる手段が、加齢による記憶力低下を改善する方法となり得る」と、米コロンビア大学メディカルセンター(ニューヨーク)アルツハイマー病・加齢脳タウブTaub研究所准教授のScott Small博士は述べている。 今回の知見は、運動をしている人では年齢の割には認知力障害が少ないとされる理由を説明するものかもしれない。つまり、運動が血糖値を安定化させるという解釈である。「われわれは過去の研究で運動によって加齢に関連する脳部位が強くなることを示したが、当時は運動がこのような特定の利益をもたらす理由はわからなかった。今、その機序について1つの仮説を得た」とSmall氏はいう。 アルツハイマー病では海馬の損傷が顕著にみられることが知られており、一部の研究からは、正常な加齢によっても海馬が損傷されることが示されている。研究グループは、健康な高齢者(平均年齢約80歳)240人を対象に、MRIを用いて海馬の機能を記録した。被験者のうち60人が2型糖尿病であり、74人の脳に「梗塞」(脳組織の損傷)がみられた。糖尿病と梗塞はそれぞれ海馬の別の部位との関連がみられ、それぞれの疾患で異なる機序が働いていることが示された。この知見は、動物を用いた試験でも裏付けられた。 「血糖値の上昇は、加齢に加担して海馬の歯状回に特異的な影響を及ぼす。また、年齢とともに血糖値の管理は徐々に難しくなる」とSmall氏は説明している。米モンテフィオーレMontefioreメディカルセンター(ニューヨーク)のBryan Freilich氏はこの知見について、「興味深い仮説だが、同時に別の機序も働いているのではないか」と指摘する。また、米ロチェスター大学メディカルセンター(ニューヨーク州)准教授のMark Mapstone氏は「この研究が検証されれば、非常に重要な意味合いをもつ。特に、加齢に際して最適な血糖値を維持するという実現可能な方策が、認知機能の低下を減速あるいは予防できるという点で重要である。糖尿病の臨床症状がない人でも、認知機能の老化に対してできることがあるということを意味する」と述べている。(HealthDay News 12月30日)コメント : 高齢者の認知機能の低下が高血糖による海馬の影響が関与している可能性があるという研究です。現在のところは確かに高血糖、高脂血症、肥満、喫煙など生活習慣が認知障害に影響を及ぼしている可能性は考えられています。そのため、その生活習慣病の治療や運動などが認知症を予防するとも言われているのは確かです。高血糖が海馬に障害を与えることは、他の神経細胞にも影響は当然あるかと考えています。
Jan 15, 2009
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新年になって、北陸には雪が少なく、今年も暖冬かと思っていましたが、ここに来て急に寒波が襲来してきました。しかし11日の成人の日は朝から晴れ間が見える良い天候に恵まれ、久し振りにスキーを取り出し立山山麓スキー場に行ってきました。その時の写真をアップしておきます。午前中1-2時間、雪山からの景色を楽しみ、お昼には帰りました。というのは夜に急患センターの当直を控えているからです。当直は相変わらず感染性胃腸炎が多く、ついで目立ったのはA型インフルエンザでした。一人が昨年イレウスで入院したことがある若い男性でしたが、二次救急病院に紹介させて頂きました。
Jan 12, 2009
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身体に侵入した細菌に対する免疫システムによる攻撃は、夜間に最も強く、昼間は最も少なくなることが米スタンフォード大学(カリフォルニア州)のショウジョウバエを用いた研究で判明し、米サンフランシスコで開催された米国細胞生物学会(ASCB)年次集会で発表された。 「今回の結果は、免疫が夜間に強くなることを示している。これは、代謝的な消費の多い活動をしていない睡眠中に、概日(サーカディアン)時計蛋白(たんぱく)が特定の免疫反応などの機能を上方調節するという仮説に一致する」と同大学のMimi Shirasu-Hiza氏は述べている。 ヒトの体はショウジョウバエと同じように概日リズムによって調整されており、毎日の食事や休息の時間という体内時計を動かしている。研究グループによると、ハエを用いた過去の研究から、細菌に感染すると概日リズムが乱れ、体内時計が正しく働かないと感染症に対する感受性が高くなることがわかっているという。 今回の研究では、ショウジョウバエを昼間と夜間の異なる時間に、2種類の異なる細菌に感染させた。夜間に感染した場合、昼間に感染したものよりも生存率が高かったという。研究グループはこのほか、概日時計が乱れたショウジョウバエでは"食細胞的(phagocytic)"活性(身体の生来の免疫反応)が低いことも突き止めている。(HealthDay News 12月15日)コメント : おもしろい研究ですね。免疫システムが夜間に働くことをショウジョウバエの研究で行った結果の報告です。ヒトの身体のリズムも食事や休息の時間の体内時計で、免疫システムの働きが異なるようです。同じ細菌感染でも夜間に感染した方が軽くすむらしい。正月は皆様は家族が揃った家庭や、海外旅行をされた方などさまざまかと思います。私はむしろ家族が揃うので、自宅で家内の手伝い係りなどしていました。正月も過ぎてクリニックも開院しましたので、またブログを継続していきます。
Jan 5, 2009
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昨夜は長男、長女、次男家族が全員集まって大夕食会になりました。夕食には新潟や愛知県から来てくれたので、メインは甲箱蟹とおいしいお刺身です。ペットの親猫がアビシニアン、子供は雑種のネコですが家族そろっての団欒でした。
Jan 1, 2009
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昨日の29日に今年最後の診療をしました。患者さんは年末にも関わらず、診療最終日のためか比較的多く受診されました。午前中は休みなく診療して、午後は5時に終了しましたが、疲れました。今年は、振り返ってみて外来加算が減額されて、少なくなった分が神経内科では神経学検査加算が算定可能になり、何とか昨年なみの診療収入を得ることができました。これは神経内科で専門的診察を行っても、一般内科の診療と同じであったのを以前から専門医では時間をかけて診療している分を加算してもらえるように希望していたのが認められた結果です。初診の神経症状を訴える患者さん、特定疾患の神経難病の更新時期などにこの点数を取らせてもらいました。他の一般内科のクリニックでは平均的に減収になっているようですので、専門医として認めてもらえたこの結果に感謝しています。
Dec 30, 2008
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重度の認知症患者が死亡したとき、認知症が死因として記録されないケースの多いことが新しい研究により示された。この知見により、認知症が致死的な疾患であるとの知識が不足していることが明らかにされただけでなく、アルツハイマー病および認知症による死亡者数が実際よりも大幅に少なく算出されていることになると、研究を行った米ハーバード大学(ボストン)医学部助教授Susan Mitchell博士は述べている。 2004年の米国政府の統計によると、米国ではアルツハイマー病が65歳以上の死因の第5位となっている。この数字は死亡診断書に基づくものであり、いくつかの研究からはこの数字が少なすぎることが示されているという。 今回の研究でMitchell氏らは、2003年から2007年までに死亡した重度の認知症患者165人(いずれもボストン地区の介護施設の入所者)を対象に医療記録および死亡診断書を調べた。その結果、死亡診断書に死亡の主な原因または要因として認知症が記録されていないものは37%で、主な死因に認知症を挙げていたものはわずか16%であることが判明。アルツハイマー病の診断を受けていた患者の3分の1については、死因としてアルツハイマー病が言及されていないこともわかった。この知見は米国医師会誌「JAMA」12月10日号に掲載された。 Mitchell氏によると、認知症が死因として認識されていないのは意図的なものではないようだという。かつては老衰として知られていた認知症は、単なる脳の疾患にとどまるものではなく、精神面に加えて身体も徐々に侵され、最終的には癌(がん)やエイズと同じように肺炎を来すこともある。認知症が致死的な疾患であるという理解が欠けていると、終末期の患者に不必要な治療を家族が強く要求するようなことにもなるとMitchell氏は指摘している。 米アルツハイマー協会(AA)医科学諮問機関のClaudia Kawas博士は、認知症による死亡者数は統計により報告される数の2倍、あるいは3~4倍である可能性もあると述べている。社会が高齢化するに従って医療に関する正確な統計を取ることが重要になってくるが、今回の研究から、死亡診断書を利用した場合は正確な推定ができないことがわかると、同氏は指摘している。(HealthDay News 12月9日)コメント : 認知症は直接の死因にならないことも多く、肺炎や他の疾患が死因として記載されることは本邦でも同様かと思われます。しかし、脳梗塞後遺症などと同じように慢性の疾患であることを考えると、認知症を死因の二次的な原因疾患として記載することも可能かと考えられます。死亡の直接死因は別であっても、認知症の記載もしておけばもっと統計的に役立てることができるのではないかという報告かと思われます。
Dec 27, 2008
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糖には依存性があるという、長年疑われてきた説が科学的に立証され、スコッツデール(アリゾナ州)で開催された米国神経精神薬理学会(ACNP)年次集会で発表された。研究を率いた米プリンストン大学(ニュージャージー州)心理学教授のBart Hoebel氏によると、糖の大量摂取が脳内で依存性薬物に極めてよく似た作用をもたらすことが動物モデルにより示され、「糖依存症(sugar addiction)」が後にアルコールなどの薬物依存症の「入り口」となることさえあるという。 今回の研究では、ラットを対象に1日のうち12時間は食餌を与えず、その後の12時間には食餌および糖水(ブドウ糖25%およびショ糖10%、清涼飲料に近い濃度)を与えることを3~4週間続けた。その結果、糖の大量摂取によって、報酬系に関与する脳部位である側坐核で神経伝達物質ドパミンが急増することが判明。依存性薬物にも脳の同じ部位でドパミンを放出あるいは増加させる作用があることがわかっている。ただし、糖を与えるだけでこの作用が起こるわけではなく、糖をしばらく断った後に大量に与える、ということを交互に繰り返す必要があった。3週間後、ラットには喫煙、飲酒、モルヒネなどを止めた人とよく似た離脱(禁断)症状がみられた。 次にラットの脳のエンドルフィン(編集部注=脳内の神経伝達物質で幸福感をもたらすといわれる物質。脳内麻薬とも呼ばれる)を遮断すると、離脱症状、不安、行動減退、ドパミン値低下などが生じることわかり、ラットの行動と神経化学物質との関連性も裏付けられた。糖依存の作用は長期間持続し、糖を断つ時間を長くするとさらに多量の糖を摂取するようになり、糖を摂取させないとアルコールの摂取量が増えることもわかった。 研究グループは、このような脳の変化の一部が大食症(過食症)や無食欲症(拒食症)などの摂食障害患者にも起こっていると推測している。太りやすい食べ物は満腹感を調節する機構を乱し、さらに食べることへと駆り立て、その悪循環が体重増加につながるのだという。この点を裏付けるためには、さらに研究を重ねる必要があると述べている。(HealthDay News 12月10日)コメント : アルコールやニコチンなどの嗜好性のあるものに依存性があることはよく知られていますが、糖の大量摂取によって、報酬系に関与する脳部位である側坐核で神経伝達物質ドパミンが急増することが判明し、依存性薬物にも脳の同じ部位でドパミンを放出あるいは増加させる作用があることがわかっているので同様のことが起こっても不思議ではないという見解のようです。糖依存の作用は長期間持続し、糖を断つ時間を長くするとさらに多量の糖を摂取するようになり、糖を摂取させないとアルコールの摂取量が増えることもわかったということです。私のアルコール依存症の患者さんが、ごはんを食べない時には、糖分を含んだ水分を飲んではまた飲酒してしまう傾向があるのですが、その意味がわかったような気がします。
Dec 24, 2008
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12月20日の土曜日は北陸には珍しい冬晴れの天気で、クリニックの午前半日の診療を終えて、帰宅途中に立ち寄った呉羽山の展望台から雪景色の写真を撮りました。もう少し、時間に余裕があれば、氷見から海上にそびえる立山連峰の写真も撮りたかったですね。
Dec 22, 2008
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進行した慢性C型肝炎患者に対する低用量のペグ(PEG)インターフェロン(編集部注=インターフェロンをポリエチレングリコール[PEG] と結合させたもので、作用時間が従来のインターフェロンよりも非常に長い)を用いた維持療法は、初回治療が奏功しなかった患者には無効であることが新しい研究で示された。このほか肝疾患の期間が4年を超える患者では、予想外の健康状態の低下がみられることも判明した。 研究著者の米セントルイス大学(ミズーリ州)肝臓センターのAdrian Di Bisceglie博士は「維持療法は米国をはじめとする各国で多数の医師に採用されているが、いまだ有効性は裏付けられていない。今回の試験結果に基づき、この治療は中止すべきである。維持療法を用いる理論的根拠はない。効果がないことは明らかである」と述べている。 慢性C型肝炎患者の約半数では、ペグインターフェロンおよびリバビリンによる6カ月から1年の抗ウイルス治療後、完全な回復が認められるが、それ以外の患者(奏功しなかった人)には、改善がみられることがあるものの、ウイルスの消失は認められない。 今回の研究は、進行した肝疾患患者で治療への奏功がみられなかった1,050人を対象に、半数にはC型肝炎ウイルスを抑制して肝疾患の進行を遅らせるため低用量ペグインターフェロンを3.5年間投与し、残りの患者は対照群とした。4年後、両群とも30%の患者に肝不全、肝癌(がん)の発症または死亡がみられた。研究開始時に比較的軽症の肝硬変がみられた患者の10~12%で、重篤な肝疾患の発症がみられた。これらの結果はいずれも予想外のものであったという。 「4年間で肝炎患者の状態が極めて悪くなった。この研究からわかったことは、慢性C型肝炎が線維症の進行した段階まで達すると、容態が急激に悪化するということだ」とDe Bisceglie氏は述べている。 この研究は、米医学誌「New England Journal of Medicine」12月4日号に掲載された。米国では約400万人がC型肝炎に感染しており、毎年1万~1万2,000人が死亡している。C型肝炎は、感染者の血液に直接接触してウイルスが伝播(でんぱ)されることで引き起こされる。(HealthDay News 12月3日)コメント : 私の専門外の分野などですが、C型慢性肝炎は本邦でも多くの患者さんがあり、病診連携での治療も勧められています。慢性C型肝炎患者の約半数では、ペグインターフェロンおよびリバビリンによる6カ月から1年の抗ウイルス治療後、完全な回復が認められるが、それ以外の患者(奏功しなかった人)には、改善がみられることがあるものの、ウイルスの消失は認められなく、これらの患者さんは予後はあまりよくないということのようです。この領域は日進月歩で、専門の先生方にはきっとまたご意見もあるものと思います。病診連携もあり、私も自分なりに少しは勉強していかないと思い、日記に記載しておきます。
Dec 16, 2008
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昨夜は医師会関連の医師、医師会スタッフ、看護学校、検査センター、訪問看護スタッフなど合同の年に1度の大忘年会でした。忘年会の話題よりも講演会の内容がユニークでしたので、ご紹介したいと思います。医師会定例会の後の定例の講演会は小林和男先生の「名探偵によるロシアの謎を解く」というような演題だったと思います。小林和男先生は下記の略歴にあるようにNHK特派員としてロシアに造詣が深く、ロシアを取り扱った著書も多くあります。講演の前置きに最後まで聴くと「眼から鱗が落ちるでしょう」と、最初にウイーンでの特派員時代に第3子を授かって、奥様と相談してどうしょうか悩んだ果てに、かかりつけ医に相談されたら、オーストリアの諺に「望まれない子どもほど幸いをもたらす」があるという話から、調べてもそんな諺はなかったのですが、医師が言ってくれたので無事に出産にこぎつけたという話題から始まりました。講演では特にプーチン前大統領が日本で報道されているのと異なり、どうして長年、国民の高い支持率を得られたかというお話だったと思います。小林先生がプーチン前大統領と会って、柔道の話を聞き、不良であった少年の頃に柔道に出会っていなかったら今日の首相もなかったであろうし、プーチンの「修身」という座右の銘の話を聞いた時は感激したそうです。その他にロシアからヨーロッパへの天然ガス輸送路に関連したプーチンの駆け引きなど、先を読み、指導者としての素質は抜群だったようです。確かに小林先生のお話は眼から鱗が落ちるような話という前置きは間違いではなかったです。ロシアに少しでも関心を持たれたら下記の著書など読んでください。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)小林 和男1940年長野生まれ。62年東京外国語大学ロシア語学科卒、同年NHK入局。70年から2年間、モスクワ特派員。82年「海外ウィークリー」のキャスターとなり、お茶の間でもお馴染みの顔に。84~87年、89~95年モスクワ支局長。ソ連崩壊の報道で第40回菊池寛賞、ソ連・ロシアに関する客観報道でモスクワ・ジャーナリスト同盟賞。著書に第46回日本エッセイスト・クラブ賞受賞の『モスクワ特派員物語 エルミタージュの緞帳』、『1プードの塩 ロシアで出会った人々』(以上NHK出版)など多数。現在、作新学院大学教授、日本エッセイスト・クラブ理事、サイトウ・キネン財団評議員。ジャーナリストとして番組出演の他、講演・執筆と幅広い活動をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 最近の著書は「狐と狸と大統領-ロシアを見る目」
Dec 15, 2008
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昨夜の病診研究会は「AFに対する最新治療」のテーマで前に勤務していた病院の循環器内科の先生の講演を聴かせて頂きました。最近、不整脈でアブレーションで治療が行われていることは知っていましたが、AFもCARTO(三次元システム)を利用して行われていることは知りませんでした。講師の先生は富山県で唯一、AFに対するアブレーション治療を行っている先生で、47例の成績も示して説明されました。成績はPafで18/25、Persistent AFで8/12、Chronic AFで3/10が洞調律に戻ったようで、適応はあるのでしょうけどAFに対する新しい治療の選択として考えてようさそうです。今までは脳塞栓の予防にはワーファリンでの抗凝固療法しか考えていなかったのですが、考えを新たにしました。私の専門分野は循環器とは異なりますが、分かりやすい講演でした。
Dec 12, 2008
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先日、県内の有名な漁港、氷見の民宿で今年で最高のグルメを堪能させて頂きました。あまり、おいしかったのでせっかくのダイエットも無駄になりそうでしたが、年に一度のご馳走だと自分自身に言い聞かせて、お酒と一緒に頂きました。せっかくですので、写真だけでも紹介させて頂きます。写真に載せれないものもあると思いますので、先に記載しておきます。お刺身の船盛り、あわびの刺身、黒鯛とさざえの焼き物、鴨と猪肉の鍋物などでした。
Dec 11, 2008
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