宇宙は本の箱

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景気回復?


一体『景気回復』なる言葉は、いつのどこを基準として使っているのか?
バブル真っ最中を例にとって、或いは株価の最高値を例にあげて、その言葉が使われているような気がするのはひとり私だけか?

日本の人口を、きりのいいように一億人と勘定して、特殊部門はこの限りではないが、一億人の生活の為の十分な供給力が国作りという考え方であれば、日本の供給機能はとうの昔に飽和状態に達していた。それなのになお沢山の工場を作り、沢山の大型店舗を作りという構図は、二億の、三億の、五億の人口を想定してのものである。自国以外の多くの者にそれらを供給する。それが世界に向かって躍進するということだ。
しかし、今や、他国の人間の食い扶持まで世話をやいた筈の多くの工場がフル稼動しなければ、国民が多少なりとも満足のいく生活を出来ないような構造をつくってしまったのである。
そして断言してもいい。今、多くの国民が満足のいく収入が得られる為には工場はフル稼働しなければならず、フル稼働すればただちにものが溢れかえってしまう、それが今の日本だ。

どこらあたりが景気回復か?
実は今だって景気は本当は悪くはないのである。
世界をあてこんで、高収入でなければ生きていられないしくみを政治が作った、ただそれだけのことなのである。

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