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うるおい療法でキズを治す 



子供が切ったーとか擦りむいたーとか言うとまず洗って消毒っていうのが刷り込まれていましたので、この方法を知ったときは驚きました。
さらば消毒とガーゼこの本を読んだときから私の中の常識はひっくり返りましたよ。

ケガ(擦り傷や切り傷)には消毒。子どもでも知っている"常識"かもしれませんが、実はこれは間違いだったって知ってましたか?こんなこと言われたら不安になっちゃいますよね。でも、 最近の流れでは「傷の消毒は厳禁!」で、ガーゼや吸収パッド付絆創膏(いわゆるカットバン)を当てるのも良くないということがわかってきたんだそうです。
それじゃ、怪我したときの手当てはどうしたらいいのか―。
創傷治療の最新事情と、お出かけ先でも自分でできる簡単な傷(怪我)の治し方を紹介します。
× 傷は消毒しないと化膿する
× 傷は乾燥させる(濡らしてはいけない)
× かさぶたができるのは傷が治りかけている証拠

意外かもしれませんが、実は上記のことはすべて間違いです。

つまり、これまで傷(創)の治療法 ― 消毒して、ガーゼをあてて保護するというやり方は決定的に間違っていた! ということになりますね。

最近、創傷治療の専門家である形成外科医の間で、湿潤治療やラップ療法、またはうるおい療法などと呼ばれる新しい創傷治療法が広まりつつあるそうです。
今に、家の救急箱にラップは常識になるかもしれませんね。

これは従来の伝統的な「消毒+ガーゼ療法」の真逆をいくようなもので、人間が持っている治癒力を最大限に活かした自然で効果的な治療法といえます。

閉鎖湿潤ラップ療法とは

湿潤療法のやり方はものすごく簡単。傷を水道水できれいに洗って、あとは傷を乾かさないようにラップ(クレラップとかサランラップなど台所用のふつうのラップでOK)で被って、縁をテープで留めてやるだけ。あとは毎日傷とそのまわりを水洗いしてラップを交換していけばOKです。

翌日のラップ交換時には、すでにこれまでの治り方と違うことに気付くと思います。すりむき傷はかなり違うことが一目でわかると思います。だって、1日目にして、すでに新しい皮膚が再生しはじめているっていうのが目で見てはっきりわかるはずですから。

ただ傷を湿潤環境においておくというだけです。特別な薬を使いません。それなのに通常よりはやく、そしてきれいに痛みもなく傷が治ってしまいます。かさぶたができないというのも大きな特徴で、かさぶたに関係した肌の突っ張りや、かさぶたが剥がれて再出血ということもありません。

■消毒は絶対にしない!

閉鎖湿潤ラップ療法(うるおい療法)のポイントは、消毒薬は決して使わないことなんですって。

消毒薬は要は細菌(細胞)を殺す"毒"であって、当然人間の正常な細胞に対しても毒性があります。傷を消毒するということは、傷を治そうと活躍している人間の細胞をも殺すことになり、かえって傷の治りが遅くなります。消毒をすると傷が滲みて痛いのはまさに細胞が悲鳴を上げている証拠なんですって。はっきり言ってキズの消毒なんて自傷行為とおなじです。

■傷は乾かさない=湿潤状態を保つ

うるおい療法のもうひとつのポイントは、その名のとおり傷を乾かさないこと。

ケガした後の傷からは傷を治すために必要な成分が含まれた創傷治癒には非常に重要な滲出液が出てきています。そこにガーゼを当ててしまうと、必要な成分が吸収されて乾燥してしまい、自然治癒効果をなしません。そこで、ラップ等の水を通さないフィルムを当てて周りをテープで留めることでキズを常に湿らせた状態にし、人間が持っている自然治癒能力を最大限に活かすことができるというわけです。

この場合、透明フィルム(ラップ)のまわりは完全にテープで覆ってしまわない方が無難です。小さな傷の場合はあまり気にしなくていいのですが、広範な擦り傷など滲出液が多い場合は、テープできっちりと密封するのではなく、どこかに隙間を残しておいて余分な滲出液が外に流れ出るようにしておくと、かぶれなどのスキントラブルは少なくなります。その場合、ラップの上からガーゼを当てて包帯などで留めるというのも手です。ガーゼはあくまで余分な液体を吸収するため。傷に直接当てるモノではありませんので誤解しないようご注意くださいね。


切り傷、擦り傷などのケガした場合の処置方法をまとめると次のようになります。

◆ キズの閉鎖湿潤療法(ラップ療法)◆

1. 傷を水でよく洗う。消毒はしない!
2. 傷を被うように少し大きめのラップをあてて、縁をテープで留める。可能ならどこかに隙間を残しておく。
3. 翌日から毎日傷を水洗いし、ラップを交換。夏場など発汗の多い季節は日に1-2回程度繰り返す


口内炎や火傷など口の中の傷は早く治るということに経験的にご存じだと思います。これは傷は湿っている環境にあるからで、これと同じような状態を作るために必要なのが"ラップ"というわけです。傷の上に張って滲出液が乾かないようにするのが目的ですから、食品用ラップでなくてもビニール袋の切れ端でもかまいません。ただ清潔感と透明度(傷の状態を観察しやすい)からすると家庭では食品用ラップが便利でしょうね。

病院での実際の治療では、医療用のフィルム材や湿潤状態を維持するための特殊なシート(ハイドロコロイド材やアルギン酸)を使う場合もありますが、褥瘡など大きな傷にはより経済的な家庭用ラップを使っている病院もあり、医療材料ではない廉価な家庭用ラップといえど使用に問題がないことは実証されています。

●白色ワセリンを使うと痛みがすぐに和らぐ
最近は、傷の乾燥を防ぐという意味で、傷口に白色ワセリン(どこの薬局でも2-300円で売ってますが、ちょっと高くてもチューブ入り白色ワセリンの方が使い勝手がいいです)を薄く塗ってからラップを当てると良いとも言われています。ヤケドの場合や擦り傷などで、ヒリヒリと痛みが強いときはワセリンを塗って空気から保護してやることで痛みがスッと消えるので便利です。白色ワセリンはただの保湿剤であって鎮痛等の特別な薬理効果があるわけではありませんが、乾燥から守られるために痛みが引くようです。

●固定のテープはやっぱり医療用が安全

ラップの固定に使うテープも、何でもいいといっちゃ何でもいいのですが、粘着テープはとかく肌への影響が出やすいので、もともと肌に貼ることを前提に作られたテープの方が無難です。ということで湿潤療法用に準備をするなら医療用の紙絆創膏がいちばん。私は医療用テープとしては世界標準の3M社のマイクロポアをファーストエイドキットに入れてます。しなやかで粘着力が強くて、蒸れない。もともとは病院専用だったみたいですが、最近ではふつうの薬局でも手に入ります。

*余談ですが、このマイクロポアは、薄くてしなやかで接着力も強いので、開き気味の傷口を寄せるのにも使えます。医療機関では縫合しないでステリー・ストリップなどの小さなサージカル・テープで傷を留めることがあるのですが、それの代用にもなります(滲出液が多いときついですけどね)。

小さな傷などで、ラップを切ったりするのが面倒くさければ、後述の「バンドエイド」キズパワーパッドを使うと便利です。ハイドロコロイド材という体液に触れると溶けてドロドロになる特殊な素材を使った絆創膏で、創傷治癒の仕組みは閉鎖湿潤療法とまったくおなじです。

ホントに消毒しなくて大丈夫なの?

このラップ湿潤療法を実施する上でいちばん気になるのは、本当に消毒しなくて大丈夫なのか?ということですよね。 水道水で洗って平気なのか? 滅菌されていないラップを使っていいのか? という"清潔"にまつわることが疑問点だと思います。

消毒薬を使うことが傷の癒着にはかえって邪魔になるという話はすでに書きました。消毒は傷の治りを遅くするだけでなく、実は消毒の意味はまったくなかったという摩訶不思議な事実も言われています。

人間の皮膚というのは、いくらきれいに洗って消毒しても、毛穴の奥に常在細菌が潜んでいるため、消毒から1時間も経つと、隠れていた細菌がでてきて、消毒前と同じ状態に戻ってしまいます。

つまりいくら傷を消毒をしたところで、無菌状態にはできないわけで、これまで病院等で行なっていた手術後の傷の消毒なども、まったく意味がないということで廃止されつつあります。

それに考えてみれば、例えば口の中なんて皮膚以上に雑菌が多い環境なわけですけど、消毒なんてしなくても傷は勝手に治ります。

また例は極端になりますが、消化器癌などで腸を切る手術をした場合、縫った腸はその後消毒されることもなく、ほったらかし状態になりますがそれでも勝手に治っていきます。特に大腸なんて排泄物の一歩手前のものが詰まっているわけで、究極に汚い状態です。それでもちゃんと傷が治るのですから、消毒がそもそも必要不可欠なものではなかったというのは理解に難しくないと思います。

ということで怪我をした際には、消毒薬を塗ってお茶を濁すのではなく、傷口に附着した汚れと一過性菌を水道の流水できれいに流してやる方が重要で意味があります。

で、その水道水。これが安全かという話については、これも日本の場合はほぼ無菌状態であることが確認されています。海外等で仮に水道水に雑菌が紛れていたとしても、間違いなく創傷面よりは清潔ですから問題ないです。わざわざ高価な無菌精製水や生理食塩水などを使わなくとも、たっぷりの流水で流す方が効果的だとか。途上国等であってもとりあえず飲用に適した水であれば問題ないです。

最後にラップの安全性について。これはもともと医療用具ではないため、もちろんメーカーの安全保障などは一切ありません。こればっかりは自己責任ということになりそうですが、すくなくとも滅菌・消毒されていない状態で傷に当てることに関しては問題ありません。それはこれまで書いたように、傷の治癒には滅菌状態は必要ではないからです。普通に石鹸で洗った手で、ロールしてあるラップを切って取り扱う分には心配ないといわれています。

ラップ閉鎖療法のメリット

以上紹介したうるおい治療(湿潤療法)のメリットですが、傷の治りがはやいということに加えて、痛くないという特徴があります。

流水で洗うだけですから、消毒薬が滲みる痛みから解放されますし、湿潤環境に置くことでかさぶたができることなく、上皮が形成されていきます。かさぶたのせいで皮膚が突っ張る感じもありませんし、ガーゼを剥がすときにかさぶたがとれて、また出血してしまうなんてこともありません。
特に擦り傷の場合、湿潤療法は効果てきめんです。1週間くらいできれいに治るはずです。

最初は小さい傷から試していただけたらいいなーと思います。外出先で怪我のときはラップは持っていないでしょうから、そのときはいつもの通りの応急処置をして帰宅後にうるおい療法を試されてはどうかなと思います。

閉鎖湿潤療法をしない方がいい場合

ただし注意点として、深い刺し傷や動物に噛まれた傷の場合は、破傷風や蜂窩織炎などの創感染の可能性があるので閉鎖湿潤療法は避けてください。また傷口の断面がギザギザにささくれていたり、大きな傷の場合、洗浄が十分に行えず、そのままラップ等で密封してしまうと、嫌気性菌という空気が無いところで繁殖する菌が増殖して、大変なことになる場合もあります。

傷の状態によっては、縫った方がいい傷、またいくら深くても縫わずに開放状態にしておかかなければならない傷、メス等で傷断面を整えた方がいい傷など、治療方法はいろいろ違ってきます。

そのあたりは素人判断はできませんので、とにかく深い傷やひどく汚れた傷、動物にかまれた場合や、釘を踏み抜いた場合などは、その場でできるかぎり洗浄して、あとは素直に医療機関にかかった方が無難です。

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