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みなさんこんばんは。4月の食品値上げは、ハム・ソーセージや冷凍食品などの「加工食品」が最も多くなりました。このほか、ケチャップや唐辛子などの「調味料」、ウィスキーなどの酒類や菓子類などが値上げされます。特集ドラマ「アイドル誕生 輝け昭和歌謡」を見ました。まだテレビの歌番組全盛時代ですね。特集ドラマ「アイドル誕生 輝け昭和歌謡」【放送時間】90分【原案】児島秀樹【脚本】児島秀樹・吉田照幸【出演】宇野祥平 宮沢氷魚 三浦誠己 吉柳咲良 萩原聖人 ほか【演出】吉田照幸【制作統括】樋口俊一(NHK)、西村崇(NHKエンタープライズ)、大谷直哉(ザロック)70年代の初頭、作詞家の阿久悠は、森昌子や桜田淳子といったアイドルを次々と世に送り出していた。そんな阿久は、ライバルの酒井政利が手がけた山口百恵を強く意識する。そして、都倉俊一とのタッグで全く新しいアイドル、ピンク・レディーをデビューさせる。そんな熱い時代を「昭和歌謡の名曲」「マル秘エピソード」「懐かしの映像」を交えて描き出す。 歌手からアーティストになって振り付けが複雑になってもう覚えられない。ただこの頃の振り付けは皆が真似できるようなレベルになっていた。山口百恵が早くからセルフプロデュース能力があってソニーも尊重してたんだな。 当代きっての人気作詞家と百恵のコラボが実現しなかったのはそういう因縁があったのか。ピンクレディーが最初フォークソングで優勝したのも初耳。時代はまさにテレビっ子だったその時代だったので懐かしい。確かにピンクレディーの歌詞は深く考えると訳がわからない。 またこのセットが懐かしいなぁ。ずぶの素人を連れてきて皆の前で歌わせ競わせその場でレコード会社やプロダクションからのスカウトまでやってのけるスタ誕考えてみればすごい話だな。一人&一社も出てこなかった時の相手の反応を考えると残酷というか天国と地獄というか。NHKスペシャル 未解決事件File.10下山事件を見ました。作:安達奈緒子 音楽:川井憲次出演:森山未來 佐藤隆太大沢たかお/溝端淳平 玉置玲央 前田旺志郎 森崎ウィン/渡部篤郎 ほか1949年7月、国鉄職員10万人の解雇に関して労組と交渉中、忽然と姿を消した下山定則総裁。その後、無残な轢死体で発見された。検死解剖の結果、死体から血が抜き取られていたことが発覚。自殺か他殺かをめぐる大論争へともつれ込んでいく。東京地検の主任検事として捜査を指揮することとなった布施健は、自殺として不可解な点が多い事件から、他殺の糸口を探っていく。朝日新聞の記者・矢田喜美雄は“伏せケン”と異名をとるほどマスコミに情報を漏らさない布施とぶつかり合いながら検察の捜査の核心を追う。複雑な迷宮のような事件を追跡する中で、布施はソ連のスパイと名乗る謎の男・李中煥にたどり着く。李は暗殺への関与を告白し、事件の背後でうごめく超大国の謀略と、犯人しか知り得ない驚くべき供述を始めるのだった―。下山事件を知ったのは本篇にも登場する松本清張『日本の黒い霧』。美しい美談を語る児玉氏はいわゆる政商(この言葉にあてはまるような人が今はいない)&フィクサー。関係者をあたっても霧の中に消えてしまう占領下のもどかしい捜査陣。男達のスーツがかっこよかった。特集ドラマ広重ぶるうを見ました。【放送予定】 2024年3月23日(土)よる10:00~11:50<BSP4K>2024年4月27日(土)よる8:40~10:30<BS>【原作】 梶よう子 『広重ぶるう』【脚本】 吉澤智子【音楽】 遠藤浩二【語り】 檀 ふみ【出演】 阿部サダヲ 優香勝村政信 笹野高史 渡辺いっけい 黒沢あすか 中島ひろ子 小松和重 前野朋哉 みのすけ山本裕子 若林時英 野添義弘 吹越満 髙嶋政伸 / 長塚京三【演出】井上昌典【制作統括】 佐野元彦(NHKエンタープライズ)、松田裕佑(松竹)、遠藤理史(NHK)【物語】文政13年(1830年)。歌川広重は家業の火消しで生計を立てる下級武士だった。派手な美人画・役者絵全盛期にもかかわらず広重は地味な画風で売れず、もがいていた。しかし妻・加代だけはそんな広重を気丈に励ましつつ、質屋に通い、身を削って支える。そんな時にある版元から渡されたうちわにベロ藍という舶来絵具で絵が描かれており、その美しさに衝撃を受け、広重は叫ぶ「この青が生きるのは空!」鬼才・葛飾北斎の存在、同門の歌川国貞との差を感じつつ、ベロ藍を初めて使用した「東都名所」の売れ行きは不調。そんな中、献身的な加代がつなげる「東海道五十三次」を出版する版元・保栄堂の主人・竹内孫八との出会い。広重は周りの人間に支えられながらも、もがき苦しみ、おのれの描きたい画を追い求める。そして、ついに描きたいものが見つかった矢先に加代の身に。そして、安政の大地震。失われた江戸を求めて、広重は再び筆をとる。ベロ藍を武器に、後にゴッホが模写し、世界の絵画に大きな影響を与える「名所江戸百景」を描き出す! 永谷園 お茶漬け海苔パックに一枚ついていた広重の五十三次は現代のつましく暮らす人たちの家にも届いていた。画業を極め最高を求める狂人北斎、売れる絵を描く職人に徹する国貞に接して自分の選ぶ画業を探す広重。来年大河 べらぼう とも被る江戸時代絵師&プロデューサー群像劇。
April 2, 2024
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みなさんこんばんは。日本を代表する女優山本陽子さんが81歳で亡くなりましたね。昔見た大河ドラマを紹介します。『NHK大河ドラマ 風と雲と虹と 完全版 第壱集』 海音寺 潮五郎 / ジェネオン エンタテインメント出演 平将門…加藤剛 藤原純友…緒形拳 吉永小百合 真野響子 草刈正雄 山口崇 西村晃 宍戸錠他 音楽 山本直純(敬称略)平安時代、京の都では藤原氏の貴族政治が栄華を誇っていた頃、関東では平将門、瀬戸内では藤原純友が同時期に叛乱を起こす。朝敵と見なされた彼等には討手がかかる。 最初に、「見た」と記憶に残っている大河ドラマが、1976年に放送されたこの作品。延喜3年(903年)~天慶3年(940年)という大河ドラマでもなかなか取り上げられない、古い時代の話。これを見た時の印象があまりに強かったので、学校に行くようになって、歴史の教科書で探したところ、ちょっとしか彼等が出てこないのにびっくり。てっきり誰もが知ってる有名人だと思っていたから。それくらい彼等のインパクトが強かった。特に平将門。「ワイルドで行こう」をBGMにすると似合いそうな野性的な緒形拳とは、おそらく対照的にキャスティングされた加藤剛が演じる将門は、理性的で、とても「お上にたてつく反逆者」には見えない。だから余計に対峙する側の悪辣さが際立つ。父親、果ては高望王(皇族で最初に平姓を賜った)の木像を旗印にして、「これが討てるか!?」って感じで出張ってくるんだから、やり方が汚い。なのに、悪者呼ばわりされるのは将門。親戚同士の領地争いに端を発して、討伐隊を差し向けられるようになるまでの過程が、「自分で望んだわけじゃないのに、何でこうなっちゃうんだろう。でも、こう来たら、もう、これしかないんだろうなぁ。」と感情移入が実にすんなりできるよう描かれていた。出演者リストを見るまで、吉永小百合が出ていた事を全然覚えていなかった。それよりも覚えているのは、興世王を演じていた米倉斉加年。都からやってきた公卿でありながら、将門と意気投合し、裏切りそうに見えて、意外にも最後まで運命を共にする。「麿は」という貴族言葉と、いかにも貴族っぽく化粧を施した顔と、ふわふわしたつかみ所のない性格は、絶品だ。将門が攫って来て妻にしてしまった真野響子演じる良子。彼女の父親(長門勇)が連れ戻しに来るのだが、事もあろうに良子が「父上!」と叫びながら矢を放つ。「良子がわしに矢を放った」とショックで惚けたようになりながら戻る長門勇も、印象的だった。将門討伐に向かうのは、平貞盛(山口崇)と、俵藤太こと藤原秀郷。『太陽にほえろ!』のヤマさんこと露口茂が後者を演じていた。心の中では将門に心寄せつつも、自分はお上の側に立ち苦悩する秀郷の表情も、忘れ難い。夢枕獏氏が現在連載中の陰陽師シリーズ「岩戸ノ姫奇譚」には、ちょうど将門、秀郷、興世王が登場するが、何度頭の中をサラっぴんにして読んでいても、どうしてもこの3人の顔がちらついてしまうのには苦笑するばかりだ。【中古】(未使用・未開封品)NHK大河ドラマ 風と雲と虹と 完全版 第壱集 [DVD]NHK大河ドラマ 風と雲と虹と 完全版 第弐集 DVD-BOX [DVD]ぐるぐる王国FS 楽天市場店
February 24, 2024
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みなさん、こんばんは。ラグビーW杯日本ベスト8には届きませんでしたね。池波正太郎さん原作の時代劇雲霧仁左衛門6を見ていますが今日が最終回です。2023年8月25日(金)放送スタート<BSプレミアム/BS4K> 毎週金曜 よる7:30~8:13 (全8回)【原案】池波正太郎 『雲霧仁左衛門』【脚本】岡本さとる 松下隆一 三谷昌登【音楽】遠藤浩二【出演】中井貴一 國村隼近藤芳正 手塚とおる 山中崇史 矢崎広 やべきょうすけ 須藤公一 村田雄浩 ほか(新キャスト)原田美枝子 八嶋智人 池田成志 片桐仁 近藤公園 中田クルミ矢柴俊博 小日向星一 木下晴香 平田雄也 野添義弘 寺島進 ほか【語り】黒田崇矢【演出】山下智彦 宇喜田尚 服部大二 石原興 井上昌典【制作統括】佐野元彦(NHKエンタープライズ) 渡邊竜(松竹) 柳川強(NHK)2013年にスタートした「雲霧仁左衛門」シリーズ。2022年には「雲霧仁左衛門5」が放送され、好評を博した人気番組の第6シリーズが、満を持してスタート。今回の舞台は、京都。雲霧が狙うのは、公儀が将軍上洛のために投入する莫大な「御用金」!歴史と伝統を持ち、国宝や重要文化財を持つ京都の寺などの実際の名前を使用し、盗賊たちが京の町を縦横無尽に駆け回ります。強力な新キャストも加わり、時代劇版「オーシャンズ」シリーズがさらにパワーアップして帰ってきます!大盗賊・雲霧仁左衛門(中井貴一)と一党たちが狙いを定めたのは、公儀が将軍上洛のために京へ投入する莫大な「御用金」!時を同じく、安部式部(國村隼)もまた老中より将軍上洛の警護の下見を兼ねて京へ行くことを命じられていた。一方、京では、京都所司代・蒼井主膳正が、 御用金に群がる公家たちと幕府の調整に難儀していた。そんな蒼井が目を掛けるのは京の有力な大店の今津屋。その女将おつるは亡くなった先代との約束を果たすために商売に励んでいた。しかし、おつるはある出来事を契機として、己の立場を利用して不正に手を染める蒼井に弱みを握られてしまい、道を踏み外してしまう。特別なまなざしで今津屋・おつるを見ている仁左衛門…仁左衛門とおつるにどんな過去があったのか!?(1)「雲霧、京へ」大盗賊・雲霧仁左衛門とその一党が、突如現れたのは京の都であった。京は、およそ100年振りの将軍上洛の報せに賑わっていた。将軍上洛の為に、江戸から京へ運ばれたのは御用金100万両。この機会に公家たちに近づき大儲けを企むのは、京の大店・今津屋を取り仕切る女将のおつるだ。そして、仁左衛門と時を同じくして京へ乗り込んだのは、火付盗賊改長官の安部式部であった。立派過ぎた先代を超えようとして無理をする後継者。その焦りにつけ込む公家。京都は所司代がいたり寺社奉行がいたり取り締まり側も役割が細分化されており客分なので安部式部も思うように動けずという足枷がつくなか自由に飛び回れる雲霧一党。(2)「公家と小判」京の商人たちから金を騙し取っていた公家の竜胆の蔵から、その不正な金を盗み出した仁左衛門と一党が、次に狙いを定めたのは、武家伝奏の中末吉の蔵だ。中末吉は、御所修繕のために莫大な御用金の中から万両を京都所司代・蒼井主膳正に要求していた。その中末吉とも裏で繋がっていたのは、今津屋おつるとその義弟・次右衛門であった。ははは、いかにも難しそうな鍵穴に挑むのではなく庭の細工に裏がありましたか。とはいえ公儀のお金といいぽんと出せる今津屋といい富が集中している江戸時代。道中で派手に奪わず夜陰に紛れてひっそりと盗めを果たす雲霧一党がかっこいい。(3)「大茶会襲撃」雲霧仁左衛門に蔵を襲われ、共に煮え湯を飲まされた公家の中末吉と竜胆は、その損失を取り戻すために、幕府禁制の賭博である闘茶会を画策する。その二人の悪事に誘われたのは、今津屋の跡取りである次右衛門であった。大金が動く闘茶会に、目を付けた雲霧一党。さらに、その雲霧の動きを見抜いた安部式部は、一気に賭場へと乗り込むのであった。回想登場の今津屋主人はまがったことが大嫌いだったのにどこでおつるは賄賂を渡してでも御用商人になろうと舵を切ったのか。貴族の雅な遊び闘茶の裏で進行していたいかさま。「神妙にいたせ!」と言われてからわざわざ去っていく様式美。(4)「月とすっぽん」闘茶会に関わった公家たちや、今津屋次右衛門の身柄を渡さない京都所司代の蒼井に、式部は、何かしらの不審を抱き始めていた。そんな中、仁左衛門は、次の狙いを次右衛門の店である材木屋に定めていた。今津屋には代々、身内の者以外を店に入れてはならないという「鉄の掟」があった。仁左衛門はその鉄の掟を破るために策を考える。常におつるが崇めている先代は実は雲霧一党だったのか!「堅気になったらまっとうな商売を」と言われその言いつけを守り続けてきた元手下が開いた今津屋になぜ盗みに入ったのか。今の今津屋にお灸をすえるため?それとも公家にいいようにされる今津屋を助けるため?(5)「茶器の値打ち」材木屋今津屋の蔵を襲った仁左衛門の次なる狙いは、今津屋佐一の呉服屋であると、安部式部は睨んでいた。しかし、これまで鉄の掟によって、店を守って来たおつるは、式部や高坂の忠告に耳を貸さない。そんな今津屋に、十阿弥哲斎という武家茶人が現れた。裏で繋がる所司代の蒼井からの入れ知恵であった茶器を使ったマネーロンダリングを図る蒼井&今津屋。唆したのは十阿弥哲斎茶人も随分と俗っ気が。毎回雲霧一党の退場の仕方が鮮やか。今回は傘がはらはらはらと落ちてきて終わった時には雲霧はいない。汚れた金がターゲットなのを式部も知っているので敢えて深追いしない。(6)「儲け話」いよいよ今津屋おつると所司代・蒼井の、黒い繋がりに確信を持ち始めた安部式部は、一計を案じ、蒼井の元に探りを入れる。当然、素知らぬ顔を決め込む蒼井は、江戸から届いた御用金の追加金で、さらに私腹を肥やそうと企んでいた。そして誰よりも早く、その報せを手に入れていた仁左衛門の狙いも、追加金に向けられていた。果たして蒼井が、その追加金を預けた先とは。おつるは蒼井の企みを見抜き断ったが早く胡蝶と一緒になりたい佐一はまんまと乗り御用金を盗まれてしまう。雲霧一党と安部式部両方から出てくる台詞「鉄の掟を錆びさせた」元雲霧一党の主だからこそ盗人の入り込む隙を知っていた主亡きあと少しずつほころびてゆく大店と母息子の仲。(7)「一番の悪党」蒼井から預かった追加の御用金を、仁左衛門に盗まれた今津屋佐一が、突如姿を眩ませた。安部式部は蒼井の不正の証拠を暴くために、蒼井は自らの不正の証拠を隠蔽するために、佐一の捜索に手を尽くす。だが、その頃江戸から、誰もが驚く報せが京へ向かっていた。人知れず、その報せを待ち構えていたのは雲霧仁左衛門であった。いよいよ仁左衛門の手が、京の都の巨悪・蒼井に迫る。「お前も悪よのう」を何度も言いそうな蒼井は息子の病死で孫息子のためにと蓄財に励み悪の道に。「雲霧に盗ませたことにしよう」夫が元一党だったこともしらないおつるが雲霧に罪を着せる皮肉。一番の悪党はおつる。最後かつての手下の妻と雲霧の再会はあるのか?(8)「隠し蔵」まさかの将軍上洛中止と、仁左衛門たちの盗みによって、その悪事が明らかになった蒼井。だが、御用金50万両だけは、行方知れずのままであった。まんまとその金を手にしたのが、今津屋おつるであることを、安部式部も、仁左衛門も見抜いている。仁左衛門の記憶に、昔の仲間・徳兵衛と交わした、とある約束が蘇る。仁左衛門、京での最後の盗み、その真の目的とは。をを、絶対にありえない2ショットが。盗めをやめて堅気になるのだから真っ当な商売をと心がけていた徳兵衛その暗号は蔵を開けられるならお頭だけと読んでいたな。「雨降って地固まる」「雲霧が雨を降らせたか」三々五々散っていく一党。またいつかどこかで!
October 13, 2023
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みなさんこんばんは。小説「人間の証明」などで知られる作家の森村誠一さんが24日、肺炎のため都内の病院で亡くなりました。90歳でした戦争ドラマ2作品を見ました。ドラママンゴーの樹の下でを見ました。【放送予定】 2023年8月11日(金・祝) 午後8時15分から午後9時44分 89分 BSプレミアム・BS4K 同時放送 【 作 】長田育恵 【音楽】 清水靖晃 【出演】 岸惠子 清原果耶 渡辺美佐子 山口まゆ 林遣都 大東駿介 安藤サクラ 伊東四朗 ほか 地域で長年親しまれてきた駅前の小さな写真館が、平成の時代に入り、店をたたもうとしている。その店は、凛子と綾という二人の女性によって営まれてきた。だが綾が亡くなり、凛子はそろそろ潮時かと思い始めている。不動産会社員・門井は、ここぞとばかりに売却を説得する。そこに田宮が訪ねて来る。彼は、現像機器のメンテナンスでこの店に通いながら、長年二人を支え続けてきた。そして田宮は、ひそかな恋心を凛子に抱きつづけていた。そこに一通の手紙が届く。昭和20年のマニラ空襲で亡くなったはずの、綾の弟からの手紙だった。フィリピン人社会に紛れ込み溶け込むことで生きてきた弟が綾の住所を探し出し、送ってきたのだ。凛子の胸に、あのルソン島の日々、そして、凛子と綾だけの秘密がよみがえってくる。らんまん長田育恵 さん脚本だったんですね。フィリピンと日本の事情など知らずにやってきたタイピスト凛子が戦争が始まり日系二世の綾と苛酷な中生きるためにどこまでできるか?やるのか?を試される日々を送る。いずれも名を体で表すようなWヒロイン。マンゴーの樹の下で~ルソン島、戦火の約束~ [ 岸惠子 ]楽天ブックスドラマアナウンサーたちの戦争を見ました。作・倉光泰子 (『PICU 小児集中治療室』 『今際の国のアリス』)音楽・堤裕介 (『アバランチ』 『インフォーマ』)語り・橋本愛 (和田実枝子役)取材・網秀一郎 大久保圭祐演出・一木正恵制作統括・新延明太平洋戦争では、日本軍の戦いをもう一つの戦いが支えていた。ラジオ放送による「電波戦」。ナチスのプロパガンダ戦に倣い「声の力」で戦意高揚・国威発揚を図り、偽情報で敵を混乱させた。行ったのは日本放送協会とそのアナウンサーたち。戦時中の彼らの活動を、事実を元にドラマ化して放送と戦争の知られざる関わりを描く。 国民にとって太平洋戦争はラジオの開戦ニュースで始まり玉音放送で終わった。奇しくも両方に関わったのが 天才と呼ばれた和田信賢アナと新進気鋭の館野守男アナ。1941年12 月8 日、大本営からの開戦の第一報を和田が受け、それを館野が力強く読み、国民を熱狂させた。以後、和田も館野も緒戦の勝利を力強く伝え続け国民の戦意を高揚させた。同僚アナたちは南方占領地に開設した放送局に次々と赴任し、現地の日本化を進めた。和田の恩人・米良忠麿も“電波戦士”として前線のマニラ放送局に派遣される。一方、新人女性アナウンサーの実枝子は、雄々しい放送を求める軍や情報局の圧力で活躍の場を奪われる。やがて戦況悪化のなか、大本営発表を疑問視し始めた和田と「国家の宣伝者」を自認する館野は伝え方をめぐって激しく衝突する。出陣学徒を勇ましく送り出す実況を任され、ただ苦悩する和田を、妻となった実枝子が叱咤し目覚めさせる。そして館野もインパール作戦の最前線に派遣され戦争の現実を自ら知ることになる。戦争末期、マニラでは最後の放送を終えた米良に米軍機が迫る。そして戦争終結に向け動きだした和田たちにも銃口が迫る。 関東大震災で真実を報道する大切さを知り入局したアナウンサーが謀略放送に携わることになり雄叫び調を反対していたアナウンサーが南方で死んでいたり主義主張に限らず仕事としてアナウンスをせざるを得なかった人々の苦悩。
August 25, 2023
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みなさんこんばんは。金田一耕助シリーズで知られる作家・横溝正史が原作を担当した未発表の映画のシナリオが新たに見つかりました。金田一耕助が活躍するストーリーで、専門家は「幻の金田一作品だと考えられる」と話しています。吉岡秀隆さんが金田一耕助を演じるTVシリーズ、遂にこの有名作品が登場します。昭和25年発表の「犬神家の一族」。これまで幾度となく映像化されてきたこの超人気作品を、各90分の前後編というボリュームでドラマ化します。「獄門島」(2016)、「悪魔が来りて笛を吹く」(2018)、「八つ墓村」(2019)に続き、満を持してお送りするNHK版金田一シリーズ第4弾です。名探偵を演じるのは前々作・前作に引き続き吉岡秀隆。対する犬神家の創始者の長女・松子を大竹しのぶが演じます。演出は「鎌倉殿の13人」を撮り終えたばかりの吉田照幸。映画テイストにあふれた3時間の大作として、BSプレミアム/BS4Kならではの質の高いドラマをお届けします。 戦後まもなく、那須湖畔の広大な屋敷で、財界の大物・犬神佐兵衛が他界。そして、戦争によるケガのため不気味なマスクで顔を覆った孫の佐清が復員してくる。だが、勢ぞろいした一同の前で発表された遺言状は、血を分けた一族ではなく他人に遺産を与えるという衝撃的な内容だった。反目し合う松子ら3人の佐兵衛の娘たち。そして、湖を訪れていた金田一耕助の前で、佐兵衛の孫たちが謎の死をとげてゆく。果たしてマスクの下の佐清は本物なのか? 謎の元日本兵の正体は? 三つ家宝に秘められたメッセージとは? 衝撃の結末に向け、名探偵の推理が始まる。【放送予定】2023年4月 BSプレミアム/BS4K(単発)【放送時間】90分✕2本 (前後編)【原作】横溝正史「犬神家の一族」【脚本】小林靖子(仮面ライダーシリーズ、アニメ「進撃の巨人」、「岸辺露伴は動かない」 ほか)【出演】吉岡秀隆 大竹しのぶ 皆川 猿時 倍賞 美津子 古川 琴音 南 果歩 堀内 敬子 金子 大地 小市 慢太郎 野間口 徹【演出】吉田照幸(「獄門島」、「八つ墓村」、「エール」、「鎌倉殿の13人」ほか)【制作統括】樋口俊一(NHK)、西村崇(NHKエンタープライズ)、大谷直哉(ザロック)前編競争相手が3人そしてアレも3つというパターンは横溝正史 割と好き。佐清を疑わせるようなアイテムを持ち出した結果かえって本物と証明している無邪気で怪しい珠世。松子が本物と偽物の間で揺れている描写が多い。そして後半皆が知っているあのスケキヨポーズが登場するのか。犬神家を一代で築き上げた佐兵衛翁の死を知らせる下宿の女将。金田一は弁護士助手から依頼を受けていて…とここが普通の世界。この後金田一は事件が起ころうとしている現場に入っていく。日常と非日常の区切りが最初と最後に登場。21世紀に昭和を思わせるような場所がまだあるんだなあ。吉備津神社。この神社自身も雨月物語 吉備津の釜 という恐ろしい伝説の舞台でもある。後編家族でもない野々宮家の娘と自分の息子をなぜ結婚させたいのか。全ての者が得られない愛を求めようとしてそれ以外の愛を振り払ってしまう残酷な犬神家の一族。例外は誰一人いない。そして確かにそういう裏に気づいてしまうある意味病気な金田一。犬神家の一族 DVD 全2枚NHKスクエア キャラクター館
April 30, 2023
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みなさんこんばんは。岸田総理大臣の欧米歴訪に同行した長男の翔太郎秘書官が公用車で土産などを購入していたことについて、およそ半数の閣僚が、こうした土産を受け取ったことを認めた一方、「プライベートなことだ」などとして具体的な中身は明らかにしませんでした。けしからんなぁ。テレビ70周年記念ドラマ「大河ドラマ」が生まれた日を見ました。テレビ70年記念ドラマ「大河ドラマが生まれた日」【放送予定】2023年2月4日(土) よる7時30分~8時45分 総合【脚本】金子茂樹【音楽】金子隆博(「カムカムエヴリバディ」など)【出演】生田斗真阿部サダヲ 松本穂香 倉科カナ 矢本悠馬 松尾諭 林泰文 仁村紗和 中田クルミ中村七之助 ともさかりえ 三宅弘城 永島敏行 イッセー尾形 伊東四朗 近藤芳正【制作統括】千野博彦(NHKメディア総局知財センター) 佐野元彦(NHKエンタープライズ)【演出】一色隆司(NHKエンタープライズ)【あらすじ】1962年、NHK芸能局の若手アシスタントディレクター山岡(生田斗真)は、上司の無茶ぶりに困り果てていた。ドラマ業界を全く知らない新しい芸能局長が「テレビ10周年を記念した大型番組を作れ。映画に負けない日本一の大型娯楽時代劇だ」と号令を発したのだ。この頃、映画会社は「五社協定」を結び専属俳優をテレビに出さないことにしていた。それを突破すべく、山岡たちは大スター佐田啓二の自宅に日参する。しかし何度足を運んでも色よい返事はもらえず、「もうあきらめます」と最後の挨拶に行ったその日、佐田は出演を受けてくれたのだ。佐田はアメリカの友人に、アメリカのテレビ事情を聞き、「将来、娯楽の王様はテレビに変わる」と知らされたのだった。佐田の出演決定により、雪崩を打つように映画スターたちの出演が決まった。作品は幕末の人間模様を描く「花の生涯」。しかし、収録が始まると、現場は問題勃発ばかり。山岡たちは現在では一般的になった収録方法をどんどん生み出しながら、放送日に向けて突き進んでいく!!さあ敵陣に挑むぞ!みたいな雰囲気で皆横一列に並んできたお茶目NHKスタッフが城を見た途端「どうやって雪の桜田門に?」とわちゃわちゃ。社長まで撮影に協力してくださる太っ腹東映。この頃は皆TVの前が団欒の風物詩だった。大河ドラマが生まれた日【Blu-ray】 [ 生田斗真 ]楽天ブックス土曜ドラマ「探偵ロマンス」も見ました。探偵ロマンスDear Detective From Rampo With Love【放送予定】2023年1月21日(土)スタート<全4話>毎週土曜 総合 夜10:00~10:49【脚本】坪田文【音楽・主題歌】大橋トリオ【出演】濱田岳 石橋静河 泉澤祐希 森本慎太郎 世古口凌 杏花 原田龍二 本上まなみ 浅香航大 浜田学 / 松本若菜 近藤芳正 大友康平 / 岸部一徳 市川実日子 尾上菊之助 原田龍二 草刈正雄 ほか【制作統括】櫻井賢【プロデューサー】葛西勇也【演出】安達もじり 大嶋慧介第1話のちに江戸川乱歩となる平井太郎は、シャーロックホームズや怪盗ルパンなどを書いたドイル、ルブラン、ポーといった海外の推理小説家に憧れながらも、まだ何者でも無く、安い賃金の仕事を転々としながら、友人・初之助と、その日の飯にありつくのがやっとの貧乏生活を送っていた。新聞社などに原稿を持ち込んでも全く相手にされない太郎の小説に、いつも感想を送ってくれる文通相手の村山隆子からの手紙が、唯一の心の救いだった。太郎が、初老の名探偵・白井三郎と出会い、ピンチにめっぽう強い三郎のユーモアとペーソスあふれる人柄に魅了される。一方、三郎は、純粋な太郎から飛び出す突飛な発想を面白がり、あふれ出る熱情や叫びに心動かされ、二人はバディを組み、探偵稼業へと乗り出していく。謎の犯行予告状にはじまり、太郎は、上海帰りの魅惑の貿易商・住良木や、秘密倶楽部の妖艶な女主人・美摩子、太郎を見下す新聞記者の潤二、三郎とは犬猿の仲の鬼警部・狭間、寡黙なバーのマスター伝兵衛など、癖の強い人々と出会い、大いに翻弄され、あげく難事件に巻き込まれていく。やがて、太郎は覚醒し、明智小五郎や怪人二十面相など、乱歩作品お馴染みのキャラクターが躍動する物語を生み出していく。「荒唐無稽な話の方が売れる」編集者「わからないものをわかりたい(からわかるように書いて欲しい)」隆子。「真実の怖ろしい局面を描きたい」江戸川乱歩以前の平井太郎。明智小五郎と怪盗二十面相にアレンジされそうな白井太郎とまだ見ぬ悪漢との因縁が伏線としてちらり。第2話平井太郎と白井三郎は、画商・廻戸殺しの真犯人を求め動き出す。太郎は、手がかりを求め、廻戸がパトロンだった人気の踊り子・お百に近づくが、その美しさに魅了されていく。一方、美摩子は、お百のパトロンとなった外務次官・後工田に接近する。そんなとき、隆子が帝都にやってくる。「あなたはやさしい人ね でも優しい人は悲しい人」白井三郎と美摩子にかけられた言葉、そして太郎の友人で「屋根裏の散歩者 」ならぬ押し入れの同居人初之助もまた。勝利しながら十分な報いが受けられなかった日露戦争の傷を引きずる日本。小説「赤い部屋 」は灯のもとで真実の姿が明かされる。最初にこうやったらどうですか?と太郎が提案したいかにもカッコいいアクション(三郎に無理と瞬殺却下)が後に明智小五郎がやりそうな立ち回りで笑った。第3話踊り子のお百は、平井太郎に、怪盗から送られた後工田殺害予告状を届ける。白井三郎に問い詰められた後工田は、取り出したのは、怪盗が求める財宝の在処を記す地図だった。一方、帝都にやってきた隆子は、若者たちに絡まれる初之助に遭遇。そこに、住良木と美摩子が現れ、助け出される。いつも夢を語る太郎に劣等感を覚えて来た初之助は、若者たちから「先生」呼ばれる住良木の優しくも魅惑的な言葉に心奪われていく。やがて、後工田殺害予告の日。三郎は、ついに主犯の少年を突き止め、「こちらから仕掛けるしかないなあ」と太郎を連れ出し、怪盗との対決に乗り出していく。「わからない。だから知りたい」何度も繰り返される台詞が本作のテーマ。一方で理解できないもの=お百を受け入れない社会を対比。世の中に入れない不満を抱える者たちの不満を取り込もうとする本当の顔を見せない怪盗(匂いは変えられない)。澄んだ瞳でちょっと弱々しい成長途上作家乱歩。第4話「赤の部屋」の会員・廻戸庄兵衛と同じように殺人予告を受けている後工田は、財宝に関する情報を世間に公表すると三郎に話すが、結局、命を奪われる。殺人を実行するのは太郎の友達の初之助。初之助は文字を読めないコンプレックスをかかえて太郎と暮らしている。そんな初之助の心を住良木が理解した。住良木がお勢にばけて三郎の心も翻弄する。住良木の姿としては美摩子を翻弄していた。美摩子にその正体を気付かれたが、美摩子は大丈夫なのか?そして、殺人を犯す初之助を操っていたのは住良木なのか?住良木の狙いは一体何なのか?「自分の声で歌いたい」と言ったお百「あなたの物語が知りたい」と言われた初之助。住良木の姿として二人を魅了した後の怪人二十面相になる顔を持たない怪盗。解決したと見せかけて現れる謎の人物。異国に眠る財宝、美女の格闘、誘拐、圧巻の悪党との対決など江戸川乱歩らしさが全面に。
February 11, 2023
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みなさんこんばんは。箱根駅伝往路駒沢が優勝しましたね。風よあらしよを見ました。伊藤野枝。大正時代の女性解放運動家。100年前、筆一本の力で、結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた。あふれんばかりの情熱をただ一つのよりどころに。「原始、女性は太陽であった」と書いた平塚らいてうへの憧れ、第一の夫、ダダイスト・辻潤との暮らし、生涯のベターハーフとなる無政府主義者・大杉栄との出会い。自由を求めて奔放に生き、文筆家としてさらに開花しようとしたやさき理不尽な暴力がわずか28歳の彼女の命を奪うが、貧困・ジェンダー格差など、現代に通じる社会矛盾に果敢に立ち向かったその生涯は、閉塞感に満ちた現在を、今改めて、強烈に揺さぶっている。吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説を原作に、向田邦子賞受賞の矢島弘一が脚本を担当、吉高由里子が主人公・伊藤野枝を演じ、自由を守ろうと懸命に生きた一人の女性の“炎”を描く。【原作】村山由佳【脚本】矢島弘一【音楽】梶浦由記【出演】吉高由里子 永山瑛太 松下奈緒 美波 玉置玲央 朝加真由美 山下容莉枝 山田真歩 栗田桃子 音尾琢真 石橋蓮司 稲垣吾郎 ほか【制作統括】岡本幸江【演出】柳川強第1話今から100年前。女性の地位は低く、良妻賢母が求められた時代。福岡の片田舎で育った伊藤野枝は、東京の女学校へ入学し、教師の辻から「青鞜」の存在を教わり心を掴まれる。貧しい家を支える為の結婚を蹴り、自由を求め再び上京した野枝に才能を感じ取った辻は、彼女に知識を与え、導く。溢れんばかりの情熱を持った野枝はらいてうの青鞜社の門をたたき、時代の若きアイコンとなる。女性にも男性にもモテモテだったがやがて青踏 瓦解を招く平塚らいてう、青踏 演説会で才能の片鱗を見せ運命の相手大杉栄の心を捉える野枝。情熱に押され彼女を引き取り妻にしたものの、先にやりたいことを見つけてしまった彼女に「一人で尺八を吹いていたかった」とお花畑的発言辻潤。第2話「青鞜」を通して次々と世の中の不平等を訴えていく野枝。しかし、世間の風当たりは厳しく、ついにはらいてう自身が隠居をしてしまう。らいてうから青鞜を引き継いだ野枝であったが、辻との関係も次第に亀裂が生じ、青鞜も廃刊となる。野枝に逆風が吹く中、時代の風雲児でアナキストの大杉栄に出会う。野枝は辻との別れを選び、大杉のもとへと駆け寄るが、待ち受けていたのは自由恋愛という名の四角関係であった。 別の方も書いていたが 永山瑛太 演じる大杉栄の吃音の挟み方が気にならない程度「吃音があるんだな」とわかる按配になっていて素晴らしい。自分をディスりまくる最初の夫から逃げ出したら理解できない自由恋愛が待っていた第3話自由を強く求める野枝と大杉は、“同志”として人生をともに歩む覚悟を決める。そして、平等で公正な社会を作ろうと、“言葉”を武器に理不尽な権力に立ち向かっていくのであった。波乱万丈の人生を更に開花させようとした矢先、関東大震災が勃発。世の中はますます混乱に陥り、野枝や大杉たち無政府主義者にも疑いの目が向けられ…そして、理不尽な暴力が彼女たちを襲ってしまう。自由恋愛と浮かれていたツケを払わされる大杉栄(実物もイケメンだ)。無政府主義を引っ張っていく時に何やってんだ!と叱咤して去っていく恩師渡辺。日常の風景の中にふと現れる甘粕=権力。本当はもっと濃かっただろう二人の人生のダイジェスト版のようだったので残念。未解決事件File.09松本清張と帝銀事件を見ました。“戦後最大のミステリー”と言われる占領期の闇・「帝銀事件」。その謎に挑んだ国民的作家・松本清張の知られざる闘いに迫る。作:安達奈緒子 音楽:川井憲次実録ドラマ出演大沢たかお、要潤、井川遥、迫田孝也、山崎銀之丞、千葉哲也桜木梨奈、久保田かずのぶ(とろサーモン)、広田亮平、井上賢嗣、大橋彰(アキラ100%)榎木孝明、佐野史郎、豊原功補 ほか「黒い福音」で事件の顛末に疑義を表明していたので「松本清張 こんなのばかり書いてていつか誰かに殺されないかな?」と心配していたが帝銀事件でもあったか。作家を守りたい編集者とノンフィクションとして民衆に届けたい作家のせめぎ合い。日本の上に米国が今よりもっと重くのしかかっていた時代。冤罪を訴える死刑囚。真犯人がいるらしいのに巨大な権力による圧力がかかっている。マスコミも沈黙を強いられるなど先ごろ終わったドラマ エルピス と被る。エルピスは圧力が国内どまりだったが占領中の事件で米国がその上にいて朝鮮戦争も絡み捜査もマスコミもぎりぎり縛られていた時代。清張に書くよう促す編集長が「今の週刊誌には力がある」と言っていてそうでなくなってしまった現在。毒薬研究を戦争犯罪として裁かず敵を倒す全うな作戦とした事で凶悪犯罪の犯人を日米が協力して闇の中に葬ってしまった。清張が膨大な資料を意のままにできていれば。清張「警視庁の主観が新聞の主観となり、読者の主観、世論の主観となる」この台詞に被って平沢氏の家に群がる民衆の写真が。きっと石を投げたり暴言を吐いたりしたのだろう。「新聞が言うから」「警察が認めたから」悪者なのだと信じて。平沢氏の心配が現実に。特集ドラマ二十四の瞳を見ました。【放送予定】2022年8月8日(月)夜9時BSプレミアム/BS4K(同時放送)【原作】壺井栄 「二十四の瞳」【脚本・演出】吉田康弘【音楽】富貴晴美【出演】土村芳 中島歩 麻生祐未 國村隼宇野祥平 濱田マリ 近藤公園 赤間麻里子 水澤紳吾今井悠貴 川島鈴遥 加藤小夏 仁村紗和 森田想 川添野愛 高瀬あい 草野大成白鳥玉季 番家天嵩 浅田芭路 志水心音 ほか【制作統括】原克子(松竹) 樋渡典英(NHKエンタープライズ) 岡本幸江(NHK)あの名作「二十四の瞳」が土村芳主演で現代によみがえる!昭和初期の物語だが、そこで描かれる戦争・貧困・差別・弾圧などは、決して遠い戦時中だけに限った問題ではない。「二十四の瞳」を次世代に伝えるべき<祈り>の物語としてドラマ化する。昭和初期の小豆島。大石久子は新任教師として岬の端にある分教場に赴任し、そこで12人の一年生たちと出会う。それから20年に渡る久子と子どもたちの交流が始まる。昭和3年から始まり終戦後生き残った教え子達と再会する先生で終わる。教え子達の成長を描くので子供達の配役が大変そう。腸カタルは所謂下痢で現在なら死ぬ病ではなかったがいかに子供達が栄養失調だったかということ。次男坊が兵隊を望んだのは手っ取り早く出世ができるから。正月時代劇「いちげき」【放送予定】2023年1月3日(火)総合/BS4K よる9時~10時29分(89分)【原作】『いちげき』松本次郎・『幕末一撃必殺隊』永井義男【脚本】宮藤官九郎【語り】六代目 神田伯山【音楽】遠藤浩二【出演】染谷将太 町田啓太 伊藤沙莉 塚地武雅 岡山天音 高岸宏行 細田善彦 上川周作/ 松田龍平 ほか【演出】松田礼人(TBSスパークル)【制作統括】樋口俊一(NHK) 加藤章一(TBSスパークル)【プロデューサー】塩村香里(TBSスパークル)小説『幕末一撃必殺隊』を原案にしたコミック『いちげき』を原作に、幕末期、江戸を騒がせていた勤皇浪士を自称する者や薩摩藩士による御用盗に対応するため、農民を集めて結成された特殊戦闘部隊「一撃必殺隊」の活躍を描く物語。舞台は大政奉還直後の江戸。徳川滅亡を図り江戸城下でろうぜきの限りを尽くす薩摩藩士に対し、大規模な戦争を避けたい勝海舟は会津藩の武士でも庄内藩の武士でもなく「村の力自慢」や「大男」、「村一番の速足」や「機転の利く小男」などバラエティーに富んだ百姓たちを寄せ集め、私設部隊を秘密裏に立ち上げる。多額の報奨金を目当てに集まった丑五郎や市造ら百姓たちは、初めて握る刀に動揺しながらも、元新選組隊士の島田幸之介に特別な訓練をうけ、日に日に成長。そして初陣。雄たけびとともに威勢よく出陣した百姓軍団の彼らには「一撃必殺隊」という名が付けられた。江戸に戦を起こしたい西郷が組織した御用盗と彼等を成敗するためににわか作りで結成された一撃必殺隊。いずれも“非正規”(敢えてこの文言が台詞に)だからいつでも斬れるトカゲの尻尾同士の争い。使い捨てにされていい人なんていない、というメッセージ。【2023年05月26日発売】 NHKエンタープライズ|nep いちげき【ブルーレイ】 【代金引換配送不可】楽天ビック(ビックカメラ×楽天)
January 3, 2023
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みなさん、こんばんは。ロシア外務省はウクライナ侵攻をめぐり日本が科した対ロ制裁への報復として、岸田首相ら政府関係者など合わせて63人を入国禁止にすると発表しました。これを受け岸田首相は、「断じて受け入れられない。さらなる制裁措置は、国際社会と連携して適切に対応したい」と述べました。以前放送されて好評だった。シリーズ横溝正史短編集II&IIIを見ました。日本ならではの“本格探偵小説”という新境地を開拓した横溝正史。初期の傑作短編を気鋭のクリエーターたちが映像化する3本シリーズ。第1回「貸しボート13号」出演 池松壮亮 ヤン・イクチュン 嶋田久作 蒔田彩珠 石橋静河演出 宇野丈良服の上にレインコートを羽織った女と、下着1枚だけを身に着けた男の遺体を乗せたボートが公園に流れ着く。女は刺殺された後に刃物で心臓を貫かれ、男は心臓を貫かれた後に首を絞められていた。事件の捜査にあたった金田一は、被害者が大学のボート部の関係者だと知り、殺人現場となった場所の見当を付ける。「百日紅の下にて」 怪しすぎる復員兵 嶋田久作 が金田一のパトロンを務める大富豪。ボートにうちこみ令嬢と婚約が決まった爽やかエースの裏の顔がもたらす悲劇。友情故の未熟な大学生が考えたつぎはぎの偽装工作で事件がもつれる。等々力警部がかっこいいぞ。第2回「華やかな野獣」出演 池松壮亮 門脇麦 芋生悠 アンミカ 福島リラ語り 田中要次演出 佐藤佐吉横溝正史の傑作短編をほぼ原作に忠実に映像化する人気シリーズ。戦後の混乱期、マスクをつけた大勢の男女が今宵の相手を物色している臨海荘の大ホール。パーティーが終ろうとした矢先、美しい女主人が胸をえぐられ殺された。事件の裏には大規模な麻薬密売がからんで。ボーイに変装し潜入していた金田一耕助が推理を展開。本格トリックも鮮やかな「華やかな野獣」を、金田一以外、出演者を全て女性で固めた異色の演出で描く。サブタイ通りいきなり踊り出す若い金田一。そして金ローテーマソングが流れる捜査を語る間もずっと踊っていたという。“やっとる”(何をとか聞かない)間の劇伴の切り替えに爆笑。この話だけの劇伴でサントラができるのでは。第3回「犬神家の一族」出演 池松壮亮 坂井真紀 村杉蝉之介 久保田紗友演出 渋江修平何度も映画化・ドラマ化されてきた横溝正史の名作「犬神家の一族」を、原作に立ち返り、あえて30分で描くという大胆な試みに挑む。昭和22年、一代で財閥を築いた犬神佐兵衛が莫大な遺産を残して他界。異様な遺言書をめぐって、生母の異なる三人の娘とその息子たち、恩人の娘である絶世の美女らの間に漂う不穏な空気。奇々怪々な連続殺人事件の幕が開く。名探偵・金田一耕助がたどりつく、一族の血をめぐる悲劇の真相とは…。原作や映画ってもっとおどろおどろしいイメージだったが30分バージョンはあの有名なスケキヨおみ足がなぜかたらいに(そしてやはり逆さま)被った布を取ったらお面、遺影はなぜかペロペロと舌を出すなど思いっきりポップな殺人事件。こんなはずでは。名探偵・金田一耕助が活躍する横溝正史の傑作を、池松壮亮主演で「ほぼ原作に忠実に映像化」する「シリーズ横溝正史短編集」。待望のパート3は、「女の決闘」「蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)」「女怪」の三作品を繊細かつ華麗に描く。●「女の決闘」 演出:宇野丈良あるイギリス人夫妻の送別パーティに招かれた金田一。人気作家とともに招待された妻が、作家の前妻と鉢合わせ、ソフトクリームを食べて苦しみ出すのを目撃する。ストリキニーネによる毒殺未遂。しかし犯人がわからぬまま、今度は作家が、前妻の前で突然苦しみ出し死亡する事件が起こる。作家とその妻と前妻。三者の愛憎が交錯するなか、事件の衝撃の真相が明らかになる。出演:池松壮亮・首藤康之・板谷由夏・菊池亜希子・YOU・みのすけ・ジョン・カビラ ほかめっちゃ声がいいロビンソン夫。二度のサロンで起きた事件は周到に考えられた女のプライドを賭けた戦い。反対にプライドのない男は排除される。サブタイに“踊る”がついてないけど本作で金田一めっちゃ踊ってます。パナマ帽でおしゃれに決めた金田一。●「蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)」 演出:渋江修平湯浅は隣に引っ越してきた金田一耕助がとにかく気に入らない。彼は裏に住む女を殺してその罪を金田一にかぶせることを妄想し、小説にしたためる。しかしある日裏に住む女が本当に殺され、湯浅は殺人の嫌疑をかけられる。なぜか殺人の物証も発見され、書いていた小説のためいっそう不利な状況に。だが取調室に現れた大嫌いな金田一耕助が、鮮やかな推理で真犯人を暴くのだった。出演:池松壮亮・冨永愛・栗原類・中島歩・長井短 ほか何もしてないのに知らない間に隣人に嫌われていた金田一と夢の世界でハイテンションな想像力が逞しすぎる湯浅順平。場面リフレインが効果的に使われていた。●「女怪」 演出:佐藤佐吉温泉場に逗留していた金田一と「私」は、近所で墓荒らしが続いていると聞き、実際に怪しげな風貌の“狸穴の行者”が何かを持ち去る瞬間を目撃する。その後、金田一が思いを寄せる銀座のマダム、持田虹子の亡夫の墓が荒らされ、頭蓋骨が盗まれていたことが判明。虹子が“狸穴の行者”から恐喝されていることを知った金田一は、彼女の力になろうと調査を続けるが、虹子は賀川春樹という美男と恋に落ちる。失恋の痛手を負いつつ、事件の真相に迫った金田一を待っていたのは、残酷かつ信じがたい結末だった!出演:池松壮亮・清水ミチコ・安藤政信・芋生悠・神野三鈴 ほかマダムと楽しそうに踊るOPから一転、思い詰めた表情で梁にぶら下がっている足だけが映る。旅館でごろごろしている横溝先生と金田一のかわいいこと。原稿には『八つ墓村』の文字が。愛した女の真実を自ら暴き立てる結果になり結婚までできなくなるとはどれだけ純情なんだ金田一
May 6, 2022
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みなさん、こんばんは。新型コロナウイルスの影響で延期されていた「東京マラソン2021」が開かれますね。池波正太郎さん原作の時代劇雲霧仁左衛門5を見ていますが明日で最終回です。【放送】BSプレミアム・BS4K2022年1月14日(金)スタート 毎週金曜よる8時~8時43分再放送:BSプレミアム 毎週日曜 午後6時45分【原案】池波正太郎 『雲霧仁左衛門』【脚本】岡本さとる、古田求、松下隆一、森脇京子、三谷昌登【音楽】遠藤浩二【出演】中井貴一、國村隼、内山理名、近藤芳正、手塚とおる、大東駿介、渡辺哲、黒沢あすか、やべきょうすけ、村田雄浩 ほか(新キャスト)ともさかりえ、早乙女太一、筧利夫、大地康雄、榎木孝明、浅野和之、酒向芳、宇野祥平、秋元才加、優希美青 ほか【演出】山下智彦、服部大二、宇喜田尚、井上昌典【制作統括】渡邊竜(松竹)、佐野元彦(NHKエンタープライズ)、落合将 (NHK)(1)「もう一人の盗賊改」江戸の取り締まり強化のため、従来の火付盗賊改長官・安部式部に加え、正義感の強いもう一人の長官・藤巻が選ばれた。その事を知り不敵に笑う雲霧仁左衛門。一方、大奥トップの総取締・滝川と、若年寄・三好、商人・西海屋の三人は利権で結ばれていた。雲霧はまずは西海屋に狙いを定める。二人体制の火付盗賊改は雲霧逮捕に全力を傾ける。質素倹約を旨とする割には大奥の方たちもキンキラ衣装がまぶしい。滝山が貝合わせの半分を持っているもう一人の半分とはもしかして雲霧?それとも新たな火付盗賊改藤巻?『神妙にお縄につけい』悪者を前にした様式美のような決め文句がなかなか最近では見られなくなった。(2)「大奥の隠し金」雲霧仁左衛門の狙いは大奥の隠し金。10年間大奥に送り込んでいる紗江は大奥総取締・滝山の信頼を得、懐刀になっていた。雲霧はさらに梅を大奥に送り込む。一方、火盗改長官・藤巻は無実の罪を着せられ切腹。その陰には若年寄・三好がいた。その後任として火盗改長官となったのは、滝山による強引なまでの推挙があった山川であった。恐るべし盗賊仲間ネットワーク。大工小僧七松を見つけた仲間のせいで次回一党の一人がピンチに。梅も10年も大奥にいる紗江もまるで忍者。山川は三好方なのかそれとも熱血漢なのか。あまりにもあっさりいなくなってしまった藤巻。大胆に式部の前に登場する雲霧。(3)「老兵、散る」大奥総取締・滝山と、若年寄・三好の力で新たに火盗改長官となった山川は雲霧仁左衛門捕獲に執念を見せる。山川の手下・儀兵衛らによって、大奥に潜入した梅と雲霧一党の七松のつなぎ役をしていた治平が捕まる。治平拷問を受けたが、義を貫き、何も口を割らず、死んでいく。仁左衛門は「根こそぎ盗む事による弔い」を誓う。お頭とさしで酒を飲み「これからも頼む」と言われるなどフラグ立ちまくりだった治平が盗人の義を守って死ぬ。現在なら盗んだバイクで走りだしそうな七松は カムカム とは真逆の一の子分伝次郎に殴り飛ばされる。七松は本当に妹に巡り合えたのか。少しずつ明らかになる滝山の悲しい過去。(4)「豪商の意地」豪商・西海屋の呉服屋と酒問屋を雲霧仁左衛門に襲われ、面目が潰れた山川。その失態に気をもむ大奥総取締・滝山は、大奥に潜入した梅に疑念を持つ。梅を救ったのは大奥に潜入した雲霧一党の紗江であった。仁左衛門は山川に対する滝山の執着を気に掛けつつも、西海屋を叩き潰す事を急ぐ。それに気づいた式部は山川に共闘を申し出る。「神妙にお縄につけい!」と言われて「ははぁ!」と畏まった盗賊に遭ったことがない時代劇。今回もお頭の指ぱっちんで木材を煙幕に自家製の船ですいすいと逃走。七松の妹への執着が悪い方に転がりそうだ。10年大奥に潜伏する女スパイ滝山。雲霧にいいように煽られて切ってしまった山川。(5)「いもうと」大奥総取締・滝山にすり寄っていた若年寄・三好は、滝山と山川が姉弟である事をつかみ、滝山に大奥総取締が代々引き継いできた大奥の隠し金をせびり始めた。雲霧仁左衛門は三好を追い詰めるため、三好の仲間の豪商・桔梗屋に狙いを定める。一方、雲霧一党の七松は大奥に潜入した梅に会い、子供の時、妹の梅を見捨てたことを詫びる。指ぱっちんは定番?ともさかりえ 座った姿勢からすっくと立つとそびえたつ感じでまさに大奥の権威。筧敏夫も長身で今日はやけに顔接近シーンが多かった。出来の悪い弟を庇い続ける姉滝山と生き別れた妹梅を想う七松ときょうだいの情愛が色濃く出た回。次回とうとうお頭が大奥に?(6)「罠と若年寄」熊五郎の働きにより、雲霧仁左衛門は、大奥総取締・滝山と山川が姉弟である事を知る。滝山も山川に姉弟である事を伝え、山川だけは守り抜く決意を話す。山川も雲霧を捕まえることで手柄を上げ、御家再興を誓う。一方、式部は,雲霧が豪商・桔梗屋や三好の先に見据えている最終的な狙いが、大奥の隠し金であることに気づく。 一度の失態であっという間に若年寄切腹(そういうもの?)安倍式部を出し抜こうとしては雲霧に遊ばれる山川。長刀が得意な紗江が三好に乱暴な振る舞いを赦すはずがないと疑い始める滝山。三好が死んだら滝山にすりより河岸を変える桔梗屋。孤児を大勢育てて優秀な配下に育てる雲霧。(7)「大奥の抜け道」若年寄・三好が切腹を命じられたのに比べ、山川が何の責任をも問われなかったことに疑念をいだいた式部は、滝山に面会を求める。身に迫る危機を感じた滝山は、大奥の隠し金をこっそりと持ち出す事を考え、豪商・桔梗屋に協力を頼む。さすがに、大奥に忍び込み、隠し金を奪うことは出来ない雲霧仁左衛門にとって、それこそが思うつぼであった。出来が悪い弟を式部にディスられた滝山がぎりぎりと拳を握りしめる。前大奥取締岩瀬に養父を殺された紗江と彼女の不正を暴く滝山は同じ方向を見ていたはずなのに弟との再会が二人の道を分かつ。多くの権力者に睨まれながら地位に留まる優秀な式部。おそるべき仁左衛門のジャンプ力(笑)(8)「旅路」火付盗賊改の職を解かれた山川。大奥を退いた滝山は弟である山川のためにも、常福寺に隠した大奥の隠し金を守り抜こうとする。その金を奪うべく周到に計画を進める雲霧仁左衛門と、雲霧の狙いに気がついた安部式部。さらには滝山を恨む豪商・桔梗屋にそそのかされ、滝山の命を狙う儀兵衛を含め、皆が常福寺に集結する中、雲霧一党の盗みが始まる!煙管がさまになる中井貴一 のお頭。かつて持っていた滝山の正義感を知るからこその式部の忠告も弟可愛さの彼女には通じない。苦境に落ちたからこそ強かった姉弟の情愛が二人の足を掬う。一度は命を狙われた滝山の元に戻る紗江。そして一党のお盗めは続く。
March 6, 2022
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みなさん、こんばんは。コロナ禍のため一味違ったお盆になりますが、今年もまた終戦が巡ってきました。この頃になると決まって放送されるNHKで放送されたドラマを二つ見ました。一つ目は太陽の子です。出演者の一人三浦春馬さんは自殺しました。遺作となりました。太陽の子出演柳楽優弥 有村架純 三浦春馬 國村準 田中裕子 イッセー尾形 山本晋也【作・演出】黒崎博(NHK制作局)【音楽】Nico Muhly(ニコ・ミューリー)【制作統括】土屋勝裕、浜野高宏、山岸秀樹【共同プロデューサー】Ko Mori(コウ・モリ)、佐野昇平【共同制作】ELEVEN ARTS Studios太平洋戦争末期、京都帝国大学の物理学研究室で原子の核分裂について研究している石村修は、海軍から命じられた核エネルギーを使った新型爆弾開発のための実験を続けていた。空襲の被害を防ぐための建物疎開で家を失った幼なじみの朝倉世津が、修の家に居候することになる。そこに修の弟の裕之が戦地から一時帰宅し、久しぶりの再会を喜ぶ。爆弾開発の実験がなかなか進まないなか、研究室のメンバーは研究を続けていく事に疑問を持ち始める。そして、裕之が再び戦地へ行くことになったやさき、広島に原子爆弾が落とされたという知らせが届く。研究者たちは広島に向かい、そこで焼け野原になった広島の姿を目撃するのだった。日本では30万人の被害を出すと予測されていた原子爆弾は広島20万長崎14万の死傷者を生む。「圧倒的な威力を持つ爆弾を生むことで世界を変える」という考えは「結果まで科学者が責任を持つべきか否か」というジレンマとせめぎ合う。【送料無料】[先着特典付]映画 太陽の子 豪華版【Blu-ray】/柳楽優弥、有村架純、三浦春馬[Blu-ray]【返品種別A】Joshin web CD/DVD楽天市場店もう一つはAkiko’s Piano 被爆したピアノが奏でる和音です。Akiko’s Piano 被爆したピアノが奏でる和音出演芳根京子 田中哲司 真飛聖 町田啓太脚本田中眞一 1945年の広島原子爆弾投下により被曝し、1946年に19歳で生涯を閉じた女性・河本明子にスポットを当てる。広島・三滝町に家族と共に暮らし、ピアノ演奏を喜びとする河本明子が、戦況の悪化に伴って音楽から引き離され、勤労奉仕に駆り出されていく姿を描く。河本明子の遺品である「明子さんのピアノ」は2005年に修復され、これまでにマルタ・アルゲリッチ、シャルル・リシャール=アムラン、ピーター・ゼルキン、ベンジャミン・フリスらが演奏。8月5日と6日には藤倉大が「明子さんのピアノ」をモチーフに作曲した“ピアノ協奏曲第4番「Akiko's Piano」”が初演される。「ディア・ペイシェント 」とは真逆の優しいお父さんを演じる 田中哲司。 平凡な高校生の憧れの先生もピアノも将来の夢も戦争が奪っていく。被爆当日元々体調が悪かったのに二つの川を泳いで渡り歩いた所で力を使い切ってしまったのだろう。
August 19, 2020
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みなさん、こんばんは。秋に怪談?ってちょっと場違いな気もしますが「プレミアムドラマ 令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear」を見ました。プレミアムドラマ 令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear【放送予定】10月6日(日)スタート毎週日曜[BSプレミアム]後10:00(全4話)<第1話のみ79分、第2~4話 各49分>【脚本・演出】源 孝志【音楽】阿部海太郎【出演】尾野真千子、柄本 佑、若葉竜也、谷原章介、戸田菜穂、石橋菜津美 /中村七之助、上白石萌音/犬山イヌコ、中原丈雄、笹野高史、伊武雅刀 /段田安則/ 髙嶋政宏 ほか【語り】神田松之丞【制作統括】千野博彦、伊藤 純、川崎直子、八木康夫巻の壱「発端」時は寛保三年、剣客で知られた旗本の青年・飯島平太郎は、訪れた本郷の刀剣商で酒に酔った浪人に絡まれ、若気の至りから斬り殺してしまう。幕府によっておとがめなしとの裁定となったものの、全てはこの事件が発端となる。時は流れ20年後、平太郎は家督を継ぎ平左衛門となり、妻との間には可憐かれんな一人娘・お露が生まれていた。しかし妻は若くして病死、奥方づきの女中だったお国は、やがて家内を取り仕切り、平左衛門の愛人となり権力を握っていくことになる。ある時、壮健な若者・孝助が士官を願い出てやってくる。実は孝助は平左衛門とは不思議な因縁で結ばれた男であった。一方なかなか縁談に応じず父を困らせていたお露は、医師・山本志丈の仲介により、美男の浪人・新三郎と運命の恋に落ちる。それは許されざる恋だった。素晴らしい刀を見た平左衛門の欲から始まった物語は「あの人に会いたい」「自分のものにしたい」「甘い汁を吸いたい」「弱い自分を叩き出したい」という様々な欲を吸い寄せる。自分が殺した相手の息子と知って孝助を側近くに置く真意は?「殺意」平左衛門が士官を許した若者・孝助はかつて殺した浪人の息子だった。隣家の放とう息子源次郎と深い仲になったお国は平左衛門を殺して偽の遺言状によって飯島家を乗っ取る悪計を巡らせるが、その謀略を孝助に聞かれてしまう。一方恋する新三郎に会えないため病身となったお露(は焦がれ死にしてしまう。しかし、新三郎への思いは捨てきれず…。一度会えば諦めるはずがかえって思いを募らせる結果になってしまった正真正銘のお嬢様お露。彼女にお国のしたたかさがあれば、またお国にお露の一途さがあれば、というのはないものねだり。次回はいよいよお札シーン。うまくいきそうなのにこちらも人の欲が邪魔をする(3)「因縁」伴蔵が見たお露は恐ろしい幽霊だった。新三郎は護符を家に貼り読経をして過ごすが、なんとしても新三郎に会いたい幽霊たちは、伴蔵と妻お峰を訪れ、大金をあげるかわりに護符をはがしてくれと頼む。金に目がくらんだ伴蔵たちは。一方お国は源次郎と飯島家をのっとり平左衛門を殺す計画を実行しようとするが。物語は佳境へ!お露新三郎の糸ひき接吻シーンがエロかった。お二人よく頑張りました!高飛車で冷静な姿から心底愛しい存在にすりよる姿まで尾野真千子 さんのくるくる変わる表情にはっとさせられる。軽率すぎる行動で人を殺めた平左衛門が20年後こんなに全てを見通せる怜悧さを持つとは。最終回「復讐」お国の悪計を阻止するため孝助が暗闇のなか斬ったのは源次郎ではなく、師・平左衛門だった。いまわの際の平左衛門によって源次郎は深手を負い、お国と共に逐電。孝助は二人を追って敵討ちの旅に出る。一年後、逐電先で名を変えていたお国に入れ込んでいたのは百両を元手に成り上がった伴蔵。日増しに態度が大きくなる妻が邪魔になった伴蔵は…。 今となればお露の執念すら可愛く見えるほど、たとえいっときでも悪心を抱いたものには残らず報いが巡って来る因果応報物語。お姫様のように生まれ死んでいった飯島家の先妻とずっと不幸な生い立ちで他人目にはどう見えてもやっと掴んだ一つの幸せを奪われまいともがくお国が対照的。完本 怪談牡丹燈籠 DVD 全3枚NHKスクエア DVD・CD館もう一つ、金田一耕助シリーズの単発ドラマ「八つ墓村」を見ました。八つ墓村【放送予定】10月12日(土)[BSプレミアム]後9:00〜10:59【原作】横溝正史『八つ墓村』【脚本】喜安浩平、吉田照幸【出演】吉岡秀隆、村上虹郎、真木よう子、蓮佛美沙子、佐藤 玲、小柳 友、宮沢氷魚、佐津川愛美、竜のり子、樋井明日香、馬場 徹、久保酎吉、田中しげ美、OKI、山口馬木也、山下容莉枝、酒向 芳、不破万作、やべきょうすけ、音尾琢真、木内みどり、小市慢太郎、津嘉山正種、國村 隼【演出】吉田照幸戦国時代に村人が8人の落武者を惨殺し、大正時代に旧家の当主が32人の村人を殺害した過去を持つ、八つ墓村。その旧家・田治見家に、長らく縁が途絶えていた寺田辰弥が跡継ぎとして戻ってくる。だが、それこそが悲劇の発端だった。祖父、異母兄、僧侶、尼僧…次々と殺害される関係者たち。だが、真相はようとして分からない。そんな中、辰弥は巨大な鍾乳洞へと迷い込む。そこで見たものは、落武者の鎧を身につけた田治見家当主の死蝋しろうだった。大伯母の老婆、異母姉、村の医師…殺人は留まるところを知らない。辰弥の出生の秘密を探り当てた金田一だったが、そのころ、当の辰弥は、祟りを恐れる村人によって、鍾乳洞の奥に追いつめられていた。 別の事件の捜査できた八つ墓村で殺人事件に遭遇する殺人を呼ぶ探偵金田一耕助。角川映画全盛期のCMで子供達が真似していた例の台詞「八つ墓村の祟りじゃ」登場。BGMにスカボロー・フェア歌詞「不可能なことを成し遂げてくれたら再び恋人になると伝えて」は美也子の妄執と掛けた。八つ墓村 [ 吉岡秀隆 ]楽天で購入
October 28, 2019
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みなさん、こんばんは。昨年、一昨年に比べて不安要素はあったのですが1年間完走しました。NHK大河ドラマを見ました。ナレーションを担当するのは大河ドラマ「翔ぶが如く」で西郷隆盛を演じた西田敏行さん。同じく大久保利通を演じた鹿賀丈史さんは斉昭の父斉興を演じました。西郷どん原作林真理子脚本中園ミホ【演出】 野田雄介 盆子原誠 岡田健出演鈴木亮平 錦戸亮 玉山鉄二 小栗旬 遠藤憲一 村山新悟 笑福亭鶴瓶 黒木華 瑛太渡辺謙 青木宗高 高橋光臣 桜庭ななみ 渡部豪太 風間杜夫 塚地武雅 松坂慶子佐野史郎 松田翔太 風間俊介 北川景子 又吉直樹 泉ピン子 柄本明 津田寛治 二階堂ふみ 内田有紀 近藤芳正 石橋蓮司 町田啓太 国広富之 藤本隆宏 迫田孝也柏原収史 泉澤祐希 浜野謙太 林家正蔵 水川あさみ 上白石萌音 忍成修吾 橋本愛高梨 臨 徳井 優 小柳ルミ子西郷隆盛(小吉、吉之助)は、薩摩(鹿児島)の貧しい下級武士の家に育った。両親を早くに亡くし、家計を補うため役人の補佐として働くが、困った人を見ると放っておけず、自分の給金も弁当も全部与えてしまう始末。西郷家はますます貧乏になり、家族は呆れかえるが、西郷は空腹を笑い飛ばす。そんな愚直な西郷に、カリスマ薩摩藩主・島津斉(なり)彬(あきら)が目を留めた。「民の幸せこそが国を富ませ強くする」と強く主張する斉彬に、西郷も心酔する。西郷は、斉彬の密命を担い江戸へ京へと奔走。薩摩のキーパーソンとなっていく。生涯の師・斉彬との出会いと別れ。篤姫との淡い恋。仲間との友情と反目。多感な青年期を経て、3度の結婚、2度の島流し…。極貧の下級武士に過ぎなかった素朴な男は、南国奄美で愛に目覚め、勝海舟、坂本龍馬ら盟友と出会い、揺るぎなき「革命家」へと覚醒し、やがて明治維新を成し遂げて行く。第1回「薩摩のやっせんぼ」まさに白馬に乗った王子様の島津斉彬様。後に西郷から「地ゴロ」呼ばわりされる史実を踏まえたらしき由羅の方に「地ゴロと言われてしまう」とたしなめられていたお坊ちゃま久光。『翔ぶが如く』『蒲田行進曲』ファンにはこたえられないキャスティング。第4回「新しき藩主」西郷どん が「ディア・ハンター」になっていたり蒲田行進曲のヤスが階段落ちならぬ島流しに。お由羅の方が「皆私を殺しに来ればいい!」と劇画っぽく叫ぶ画面を背景に斉興が静かに茶を飲んでいるシーンはツボ。斉彬お国入りを間近に見る西郷と喧騒を聞いている大久保の対比。第9回「江戸のヒー様」「篤姫」の時は素直な後継者だったのに 「平清盛 」で世の中を弄びつつ斜に構える雅仁親王を演じたからこそ今回の慶喜もどういう理由で幕引き役を引き受けるのか気になるキャラになっている。第15回「殿の死」「おんな城主直虎 」で井伊家がどんな思いで徳川家を選んだかあまねく知れ渡っているので、今回の大老は従来の幕末ものと違って、どんな酷いことをしても視聴者は優しくフォローしてしまうのではないか。第16回「斉彬の遺言」さっき一瞬井伊直弼が壊れたテープレコーダーみたいだった。慇懃にして無礼な「恐れ入り奉ります」第20回「正助の黒い石」井伊直弼どこか悟ったような最期。「白黒をつけむと君をひとり待つ」相手のもとに向かったのでしょうか。「おんな城主直虎」から続けて見ていた視聴者には井伊家の物語の最終章みたいな今回でしたね第23回「寺田屋騒動」やはりこの後に来る大久保に血の付いた懐紙を渡すシーンはアドリブでしたか。「お前も罪を背負え」なのか「俺たちはとうとうここまで来てしまった」なのか解釈が分かれるなぁと思いましたが中の人の解釈は前者だったようですね。いろいろと想像の幅を持たせてくれる演技が好きです。 第26回「西郷、京へ」左右違うお召し物がお似合い。西郷に説得されてその気になったのに、テロにあって見るからにわかりやすい作り笑顔になったヒー様の危険な感じがよく出てる。青木宗高 さんの久光の可愛らしさと嬲る時の嫌らしさのバランスが絶妙第35回「戦の鬼」「戦を避けたい西郷どん」が「戦をどうしてもしたい西郷どん」になってるけど慶喜を殺さなければならない理由が「日本を異国に売り渡そうとしているから」は弱い。殺さず権限を取り上げればいいのでは。これでは慶喜を演じるゴッシーこと松田翔太君 に同情が集まるけど大河的にOK? 第38回「傷だらけの維新」「勝者と敗者はあっけなくひっくり返っちまう」勝安房の言葉は戊辰戦争のことを指しているようにも見えるがこの後の西南戦争にもあてはまる。本妻呼びされている大久保の虚ろな笑いが華やかな錦の御旗と対照的。第39回「父、西郷隆盛」夫に逃げられた本妻利通が何としても西郷を連れ戻そうと弟を使って誘い出そうと(嘘です)。西郷に去られてから明らかに目が変わった利通。今回から語り手が息子に変わったけれどそうなっても「西郷どん、きばれ」は言うのだろうか?それともこれまでの語り手とは違う人という設定?第41回「新しき国へ」「真田丸 」切り捨てるどころか自分が政府から切り捨てられてしまった直江兼続転生後の山県有朋。いや、御屋形様の無理難題をフォローしていてついにぶちきれたのか、とか中の人(村上信悟)が共通なのでいろいろ混乱。 第44回「士族たちの動乱」やはり超特急佐賀の乱。怪傑ゾロみたいな扮装で現れ刀至上説を唱える桐野。密偵を雇い秘密警察を使い国家を監視させたジョセフ・フーシェのフランス警察を範にした事を彷彿とさせる川路利良と大久保のやり取り。不平武士に武器の扱い方を教える私学校はそのまま一つの武装集団に見える。 第46回「西南戦争」大山綱良斬首だったか。「寺田屋騒動」では制するために大山が有馬を刺した。遅れてやってきた大久保(手を下していない)に大山が返り血をなすりつけていたが、今度は大久保が大山に手を下す立場に。輪廻は巡る。「有馬と共に地獄で待つ」は痛烈な捨て台詞。第47回「敬天愛人」放送前にBL発言があったので皆殆ど月照とのあの事?と想像していたが蓋を開けてみると一蔵と吉之助のブロマンス。死の間際のフラッシュバックに登場するのは妻ではなく吉之助で本当に夢現で迎えに来るし。刀を持てば最強の人斬り半次郎を倒すのが盟友川路の銃。この二人もブロマンス。西郷どん 完全版 第壱集【Blu-ray】 [ 鈴木亮平 ]西郷どん 完全版 第弐集【Blu-ray】 [ 鈴木亮平 ]西郷どん 完全版 第参集【Blu-ray】 [ 鈴木亮平 ]西郷どん 完全版 第四集【Blu-ray】 [ 鈴木亮平 ]楽天ブックス
December 17, 2018
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みなさん、こんばんは。池波正太郎さん原作の時代劇雲霧仁左衛門4を見ていますが明日で最終回です。これまでの1、2で池波さんの原作は終わっており、3からはオリジナル脚本になっています。今回天一坊事件が絡みます。出演 中井貴一 國村隼 内山理名 大東駿介 村田雄浩 近藤芳正 手塚とおる 藤田富イッセー尾形 小野武彦 佐野史郎 永山絢斗 忍成修吾 星野真里 やべきょうすけ第1回「大盗賊と御落胤(ごらくいん)」米価の高騰に揺れる江戸。雲霧一党の頭・雲霧仁左衛門は米問屋・伊勢屋に次の盗みの狙いを定める。雲霧の動きを読んだ火付盗賊改方長官・安部式部は主だった米問屋に見張りを付けた。一方、将軍吉宗の御落胤と名乗る天一坊という謎の男が現れ世間を騒がせる。天一坊の後見人と称する赤川大膳は仕官と引き換えに高額の金を浪人たちに要求していたが、その大膳は大店の米問屋・柏屋清兵衛と裏で繋がっていた。ある日、仁左衛門は行き倒れていた天一坊を偶然助ける。第2回「米問屋襲撃」米問屋・伊勢屋に盗みに入った雲霧仁左衛門ら一党は、待ち構えていた安部式部ら火付盗賊改方の捕縛の手から辛くも逃れる。天一坊は幕府から将軍の御落胤と正式に認められるが、赤川大膳と米問屋・柏屋清兵衛が浪人たちから多額の金を集めていると知り不信感を抱く。一方、仁左衛門は、大膳と柏屋、さらにその背後には黒幕がいることを見抜き、策略を練っていた。今回は大江戸のイーサン・ハントこと州走りの熊五郎(手塚とおる)のサイドストーリー。若き日の熊五郎がいい感じの好青年。安部式部と柏屋清兵衛は現代に転生してやはり追う者追われる者を演っていたな。第3回「次なる将軍」雲霧仁左衛門配下の州走りの熊五郎は昔の奉公先の娘・静を助けるため、姿を明かさず自分の金を静に渡す。その金で静の夫・武井半次郎は天一坊への仕官を果たした。一方、安部式部は密偵を紀州に送り、天一坊の出自を調べあげた上で、彼と赤川大膳の捕縛へ向かう。仁左衛門はそのことを天一坊に告げるが、天一坊は逃げることを拒否する。時代劇では黙っていても悪役を振られやすい佐野史郎 さんが あっさり前半で退場。惜しい‼きっとどこかで悪役に転生して(をい)そして今回は熊五郎クローズアップしまくり。いつもクールでニヒルな彼がお頭の前で弱音を吐くシーンが出てくるとは。第4回「鬼」雲霧仁左衛門は米問屋・柏屋清兵衛と老中・安藤帯刀が米相場を吊り上げて暴利を貪っていると確信し、次の盗みの狙いを柏屋に定める。雲霧一党の熊五郎は昔の奉公先の娘・静の夫が斬り殺されたことで自分を責め、日陰者の盗賊稼業に疑問を感じるようになるが、仁左衛門に殴られて目が覚める。一方、火付盗賊改方は柏屋の警備を厳重にし、雲霧一党を待ち構える。第5回「大脱走」雲霧一党の熊五郎は無実の罪を着せられた静を救うため、火付盗賊改方の役宅に乗り込み、囚われの身となる。安部式部は熊五郎を市中引き回しにすることを決めるが、それは雲霧仁左衛門が必ず熊五郎を取り返しに来ると読んだためだった。引き回し当日、熊五郎を乗せた駕籠が進む中、見物客の間でいさかいが起こるが、実は彼らは全国から仁左衛門が呼び寄せた雲霧一党なのだった。今回のサブタイトルは熊五郎純情篇でいいんじゃないか。州走りの熊五郎 と 七化けのお千代 のお互いに叶わぬ恋を分かってる同士感がつおい。時代劇でこれだけ渋い 近藤芳正 さんを見るのは貴重。大江戸版フラッシュモブで熊五郎救出。仲間であることを示す合図がカッコいい。 お互いを庇って傷を負うなんてまるで 愛と誠 みたいだった 州走りの熊五郎 と静お嬢様。これからも傷を見るたびお互いを思い出して切なくなるのだろう。いつも見えない安部式部と碁を打っている雲霧。第6回「黒幕分断」柏屋清兵衛が営む両替商から金を盗んだかに見えた雲霧一党だったが、七化けのお千代が同心・永島源八郎に姿を見破られ、辛くも逃走。金は火付盗賊改方の役宅に保管されてしまう。一方、安部式部は柏屋と老中・安藤帯刀の関係に疑惑を抱き始める。盗みの失敗の責任を感じたお千代は、敵陣である火付盗賊改方への侵入を雲霧仁左衛門に直訴し、認められる。指をパチンと鳴らすとはらはらと紅葉が落ちて来て火付盗賊改が惑わされているうちにお千代と伝次郎が姿を消すシーンのカッコよさ。イッセー尾形 さん演じる柏屋清兵衛が家老の家の前で喚き散らすシーンはイッセーさんの独り舞台。最終回「最期の掟」安部式部は雲霧仁左衛門の真の標的は、不正の黒幕である老中・安藤帯刀だと睨み、安藤の屋敷を警備する。一方、正義感の強い同心・永島源八郎を仁左衛門は誘拐し、幻惑する。安藤家の蔵に侵入した雲霧一党は、隠し鉄砲を使った安藤の罠にはまって絶体絶命の危機となるが、間一髪で脱する。式部は仁左衛門が源八郎を操ることで逃走を図ったと知り、激昂。二人の壮絶な斬り合いとなるもうひとつ、ドラマ編で國村さんとイッセーさんが共演しているNHKスペシャル 未解決事件を見ました。出演國村隼 イッセー尾形 小日向文世事件が発生したのはオウム真理教による地下鉄サリン事件の10日後、張り詰めたような空気が日本社会を覆っていたある朝のことだった。國松孝次警察庁長官(当時)が東京都荒川区南千住の自宅マンションから出たところを発砲され、全治1年6か月というひん死の重傷を負ったのである。日本の治安を根底から揺るがしたにもかかわらず、犯人を特定できないまま、15年後に時効が成立。にもかかわらず、警視庁は「この事件はオウム真理教の信者グループが、教祖の意志のもとに、組織的、計画的に敢行したテロであったと認めた」と前代未聞の会見をおこなった。のか。「どこまで本当なんだろう」と思わせた時点で成功ではこのドラマ。公安と刑事部という警察内部の対立と力関係が「悪い奴を捕え裁くこと」を難しくしていく。イッセー尾形さんの再現シーンは彼の独り舞台。受けて立つ國村さんは組織の生きづらさを引きずりつつ職務に誠実に取り組む刑事。 10月29日にディレクターズカット版が放送されました。塀の中にいるあの人とNHKとの手紙のやりとりが追加されています。今の時代手書きであれだけのボリュームの手紙を書く人はいない。書き損じも一瞥した所では見当たらない。書き足りない何かを持ったまま塀の中にいる人(もう容疑者とも呼べないのか)は一体何になりたかったのか。或いは何になったのか。前に見た時はわからなかったけれど今回最後に出てきた手紙を見て「犯人だ」と思った。何というか主張をあれだけ淀みなく書ける人は物事の最後まで見通せる人なんじゃないかと。警察の思惑まではさすがに無理だったのかもしれないが。
October 18, 2018
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みなさん、こんばんは。お盆ですね。海外に行かれた方もいらっしゃるのでしょうか。NHKのドラマを二つ見ました。NHKスーパープレミアム「悪魔が来りて笛を吹く」を見ました。銀座での殺人事件の容疑者にされた旧華族の椿英輔が自殺。その無実を信じる娘の美禰子からの依頼を受けた金田一耕助は、椿邸の住人が行う奇妙な占いに立ち会う。そのとき、夜の洋館に、死んだはずの英輔が奏でるフルートの音色が響く!そしてその夜、屋敷で殺人事件が起こる。横溝正史のゴシック・ホラーを映像化。金田一が連続殺人事件の謎に挑む!【原作】横溝正史【出演】吉岡秀隆 志田未来,中村蒼,筒井真理子,村上淳,篠原ゆき子,中島広稀,中村育二,池田成志,火野正平,益岡徹,市川知宏,山西惇,倉科カナ,倍賞美津子,黒沢あすか,見里瑞穂,小林涼子,山村紅葉,橋本マナミ,白井哲也,山西規喜,宮川サキ,岡崎美知子,小市慢太郎【脚本】喜安浩平印象的だったのは東太郎と美禰子との関係が分かった時一彦が「父が申し訳ないことを」みたいな内容を東太郎に言ったシーン。こんな時でも生まれつきの育ちの良さが出てしまう一彦と同じ立場ながら第三者への謝罪が言えないで怒りと困惑ばかりの東太郎の対比が際立っていた。自分にこれほどの苦しみを与えた相手こそ悪魔だと思っていたのに当の悪魔が思いがけない人物であったことを知らされた時の悲しさよ。自らの膿で滅びゆく特権階級と傷を抱えて生きる逞しき庶民&新世代の対比。この二人のシーン和む。そして次はいよいよ 八つ墓村 なんですね?悪魔が来りて笛を吹く [ 吉岡秀隆 ]楽天で購入NHKスペシャルドラマ「花へんろ 特別編 春子の人形」を見ました。【作】早坂暁【脚本】冨川元文【出演】坂東龍汰 芦田愛菜 中西美帆 尾美としのり 田中裕子【制作統括】千葉聡史(NHK) 伴野智(東北新社)【プロデューサー】加藤邦英(プロジェクト暁)【演出】平山武之昭和初期の四国、松山。お遍路道に沿った商家の軒下に、人形と一緒に赤ん坊が置き去りにされていた。生活苦のお遍路さんらしい・・。この女の子は春子と名づけられ、少年・良介の3歳違いの妹として仲むつまじく育てられた。やがて戦争が始まり、16歳の良介は、海軍兵学校に合格して瀬戸内の海を渡った。思案した母親・静子は初めて春子に事実を告げた。「本当の兄妹ではない」と。兄にほのかな恋心を抱いていた春子は無邪気に喜び、それを兄に伝えるために広島へ向かった。その翌日・・・原子爆弾が、上空でさく裂する。終戦後、故郷に戻った良介は、信じるものもなく、妹を亡くした喪失感にさいなまれる。やがて苦悩する良介は、ある決心をする。13歳で亡くなった妹のことを、早坂はずっと書くことができなかった。しかし、数年前から“これだけは未来のために書き残したい”と脚本に向き合い始めた。病と闘いながら執筆を続けたが、途中から冨川元文にバトンタッチ、冨川が原稿を書き終えた2日後、この世を去った。人間の本質と社会を鋭い洞察力で描きつづけた早坂暁のいわば「人生の原点」を鮮やかに示す、遺作ともいうべきドラマ。 ゆったりした話のテンポと寂しげな音楽が 花へんろ を思わせる。電気が来ない電車の中で夏の暑さにじりじりと焼かれていた学生達が窓を開けたら真っ暗な中に無数の鬼火(原爆で焼かれた人たちの魂)が浮かんでいたシーンがぞっとした。花へんろ特別編 春子の人形 DVDNHKスクエア キャラクター館
August 13, 2018
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みなさん、こんばんは。正月一日目は穏やかに終わりました。やけに救急車と消防車が行きかってた気がしますが…。正月時代劇風雲児たちを見ました。見事に大河ドラマ『真田丸』のキャストが揃いましたね~。懐かしいです。原作:みなもと太郎「風雲児たち」脚本:三谷幸喜音楽:荻野清子演出:吉川邦夫(NHKエンタープライズ)制作統括:陸田元一(NHKエンタープライズ)、中村高志(NHK)キャスト前野良沢:片岡愛之助杉田玄白:新納慎也平賀源内:山本耕史田沼意次:草刈正雄長野 里美 小日向 文世 高嶋 政伸 遠藤 憲一 村上 新悟 栗原 英雄阿南 健治 高木 渉前野良沢と杉田玄白による“蘭学事始”。史上初の西洋医学書の和訳に一心同体で取り組んだ二人は、鎖国ど真ん中の江戸中期に革命的な翻訳を成し遂げます。しかし、刊行された『解体新書』になぜか良沢の名は載らず、名声は玄白だけのものとなりました。二人の間にいったい何が起きたのか…。娘の臨終にも立ち合わず打ち込んだのに名前が載らない事への妻の怒りも、名前が載らなくても良沢の仕事である事をわかっている藩主の労いも、いずれも良沢への愛から来ていてつまりは周囲から大変愛されている良沢。お互いの信念が同じであっても、名誉名声を求めているのでなくても、分かり合っていても決別する。だけど同じ所がある故にいつか必ずわかりあうことも出来るしわかってくれる人もいる。それは獄死したとされる源内であっても賄賂政治の田沼であっても同じ。[DVD] 風雲児たち 蘭学革命篇ぐるぐる王国DS 楽天市場店
January 2, 2018
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みなさん、こんばんは。今日は中国の旧正月ですね。町で沢山中国人を見かけましたが、昔ほど爆買いはしてないそうです。池波正太郎さん原作の時代劇雲霧仁左衛門3の放送が始まりました。これまでの1、2で池波さんの原作は終わっており、今回からはオリジナルです。出演中井貴一 國村隼 春風亭小朝 内山理名 板尾創路 モロ師岡 大東駿介 松田悟志近藤芳正 手塚とおる 村田雄浩第1回「嵐の予感」藤堂家への復讐を果たし、雲霧仁左衛門が姿を消してより1年。江戸では雲霧を名乗る残虐な盗賊一党が世情を騒がせていた。これを偽者の仕業とにらんだ安部式部がニセ雲霧捕縛を命ぜられるが、この騒動は仁左衛門をおびき出そうとする藤堂家江戸家老・磯部主膳の策略だった。再び集まった雲霧一党はニセ雲霧の正体を暴こうとするが、お千代が捕らえられてしまう。その窮地に現れたのは――。それにしても手塚とおるさん随分と古株となったなぁ。遂に登場、おかしら!中井さんが随分と貫禄が出たこと。第2回「新たなる盗(つと)め」仁左衛門への復讐を誓う磯部は、剣客・関口雄介に雲霧一党の隠れ家を襲わせ、藤堂家を探ってきた定七が命を落とした。仇を討つべく盗(つと)めを再開した雲霧は、磯部の資金源となっている大店を狙う。動きに気付いた式部は雲霧を追うが、仁左衛門は新たに仲間に加わった大工小僧七松の腕を生かした一計を案じる。第3回「ほおずきの調べ」ゲスト出演:松井玲奈仁左衛門が次に標的としたのは味噌醤油を扱う大店・豊田屋。だが金は特注の錠前がつけられた味噌醤油蔵にあるらしく、容易に手が出せない。雲霧の狙いが藤堂家懇意の大店にあると察知した式部は、配下の高瀬を職人として豊田屋に潜入させる一方、七松に幼なじみのおさきを近付けて動きを探る。柄本佑さんが演じていた因果小僧六之助の代わりに、大東駿介さん演じる大工小僧七松が加わりました。若くて元気が良くて小回りがきくけれど、精神的に脆く利用されることもある。雲霧一党の大人達との対比を効かせるためのキャラクターですね。第4回「忘れ形見」ゲスト出演:春本由香 櫻井淳子 森下能幸下駄雪駄商・丸子屋の様子を探る雲霧一党の小頭・伝次郎は、店で働くおなみを見かけ、動揺する。おなみは伝次郎の昔の仲間で別れた恋人だったが、ひとり娘・お志乃の祝言のために再び盗賊の引き込み役をしていたのだ。だが金の所在がなかなかつかめないことに苛立つおなみの頭・平助は、おなみ母娘を人質に伝次郎から金のありかを聞きだそうとする。こちらも新しく加わった小頭・伝次郎。以前は小頭・木鼠の吉五郎を伊武さんが演じてました。「真田丸」でするめかじってる賤ヶ岳の七本槍の一人、平野長泰を演じていた近藤さん、今回はプライベートと一味の間で苦悩する渋い役です。第5回「奪還」ゲスト出演:渡辺哲 黒沢あすか 柄本明雲霧一党を捕縛することの出来なかった安部式部は、ついに奥の手を繰り出す。以前捕えた一党の富の市とおかねをあえて死罪でなく遠島に処し、奪還に来るところを一網打尽にしようというのだ。仁左衛門はこの挑戦を敢えて受けるが、江戸市中での計画はハプニングが起きて中止のやむなきに至る。そして最後のチャンスとなる浦賀での出航待ちの夜、偽の人別帳を紛れ込ませて番所を混乱させた一党は、まんまとふたりを救出した。だがこれを読んでいた式部は街道を2方向から進み、逃げる一党を挟撃する。アクシデントにもめげず奪還を成し遂げてしまう雲霧チーム、さすがです。柄本さんのキャラは次回に続きますね。第6回「月下の誓い」ゲスト出演:柄本明雲霧一党を救ったのは、仁左衛門の兄貴分の大盗賊・暁星右衛門だった。後日訪ねてきた星右衛門は、仁左衛門に最後の盗めへの協力を依頼する。狙いは日本橋・松井屋。かつて仁左衛門が指揮をとったものの、ことを急いで満月の夜に押し込んだだめしくじり、星右衛門に傷を負わせてしまった因縁の大店である。他の組織とは組まない仁左衛門だが、押し込み先の名を聞いて囮役を引き受けるのだった。だが安部式部は過去の記録から真の狙いに気付き、駆けつける。朝倉あきちゃんが潜入捜査に。案の定松田さんがメロメロです。かわいいですもんね。中井さん演じる雲霧が星右衛門を見送る瞳の悲しいこと。手塚さんはすっかりベテランですね。第7回「凶刃」ゲスト出演:柄本明雲霧一党はかろうじて火盗の手を逃れる。暁星右衛門が仁左衛門を裏切ったのは、藤堂家の藩医となっていた息子の立場が危うくなると磯部に脅されていたためだった。星右衛門は一万両の受領と息子の身分を担保する証文を受け取るが、磯部の命を受けた関口に殺されてしまう。一方、火盗の一員・高瀬の道場に潜り込んだおようは関口の正体に気付き――。
January 29, 2017
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みなさん、おはようございます。今日は雨ですね。月曜日から始まっているNHKスペシャルを見ています。Tokyo Trial東京裁判70年前の東京で、11人の判事たちが「戦争は犯罪なのか」という根源的な問いに真剣な議論で取り組んだ東京裁判。NHKは世界各地の公文書館や関係者に取材を行い、判事たちの公的、私的両面にわたる文書や手記、証言を入手した。浮かび上がるのは、彼ら一人一人が出身国の威信と歴史文化を背負いつつ、仲間である判事たちとの激しいあつれきを経てようやく判決へ達したという、裁判の舞台裏の姿だった。11か国から集まった多彩な背景を持つ判事たちの多角的な視点で「東京裁判」を描く。人は戦争を裁くことができるか、という厳しい問いに向き合った男たちが繰り広げる、緊迫感あふれるヒューマンドラマ。出演:ジョナサン・ハイド(豪・ウエッブ裁判長役)、ポール・フリーマン(英・パトリック判事)、マルセル・ヘンセマ(蘭・レーリンク判事)、イルファン・カーン(印・パル判事)、マイケル・アイアンサイド(加・マッカーサー)、塚本晋也(日・竹山道雄) ほか*NHKの企画原案による、カナダ、オランダとの国際共同制作*判事役を演じる俳優たちは、それぞれの判事の母国出身テーマ音楽 中島ノブユキ 題字 赤松陽構造 語り 草笛光子【ドラマあらすじ】1946年の春。東京の帝国ホテルに戦勝国11か国の判事たちが集まった。日本の戦争指導者を裁く「東京裁判」を開くためだ。裁判の焦点になったのは、ナチスを裁くニュルンベルク裁判と同時に新しく制定された「平和に対する罪」。それまで国際法では合法とされていた「戦争」そのものを史上初めて犯罪とみなし、国家の指導者個人の責任を問う新しい罪の概念であった。この「平和に対する罪」を弁護側は事後法として否定する。判事室では各々の判事の意見が鋭く対立、最初は短期間で決着がつくと思われた裁判は、混迷と長期化の様相を見せてゆく。裁判の舞台裏の攻防に、日本滞在中の判事たちの私的な行動や、周辺に現われる人物の思惑が混じり合う。1948年の秋、ついに11人の判事たちは2年半に及んだ東京裁判の結論となる判決を出すべく、最後の評議の場に臨むのだった。被告たちの生と死が分かれる瞬間。それは、「人は戦争を裁けるか」という、人類の根源的な問いに答えが出されるときでもあった。第一回ああ敗戦国なんだな、と一番分かるのは食べ物。占領国の判事達が食べている帝国ホテルの豪華な食事と実映像のアルミ椀いっぱいの食べ物を喜ぶ子供。これ弁護側のドラマも見てみたい。結果ありきの裁判なら絶対圧倒的不利であり日本側の弁護人に立つ事自体圧力がかかりそうだ。そもそも戦争は個人を裁けばそれで済むのか、という問題は、個人を倒せば戦争はそれで済むのか、という問題に繋がる。済まないのは突撃作戦をやってもISが跋扈している現在を見れば明らかで、でも裁かなければ何らかのけじめがつかないから裁く、つまり結果ありきだった、と。 第二回裁判の舞台裏もパワーゲームだ。植民地として支配下にあり宗主国と現在も戦っているインドのような国と、帝国主義の名残の国が争っている。戦争は集団で起こした罪のようなものであるのに、個人を裁こうというのがどだい無理な話で、政治と法はやはりなじまない。第三話パル判事「正義を拙速に運ぼうとするとよくない」という意味の事を言っていたけれどまさにその通り。「これで罪に問わないとニュルンべルグ裁判の結果がひっくり返るから罪に問う」と最初から結果ありきで法の解釈をねじまげようとする国家とそれに乗っかろうとする法の番人。ドラマでは登場しなかったけれどしごくまっとうな理論ですね東条英機元首相。「戦争は相手がある事であり、相手国の行為も審理の対象としなければならない。この裁判は、勝った者の、負けた者への報復と言うほかはない」報復と裁判を分けるものこそ揺るがぬ法の原則であるのに。第四話戦勝国の判事として敗戦国かつ帝国主義の日本を裁いた共産主義国の中国とソ連の判事が政争に巻き込まれて失脚とは何とも皮肉な。「われわれはまだ戦争を悪として裁くことができない」予言めいた言葉はこれからすぐ隣の国の戦争や、そののちの東西冷戦へと繋がっていくわけで。
December 14, 2016
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みなさん、こんばんは。NHKでは正月に時代劇を放送するのが恒例になっています。2000年に放送された『蒼天の夢』を見ました。日本を変えた男たち、吉田松陰と高杉晋作の青春物語蒼天の夢 ~松陰と晋作・新世紀への挑戦出演中村橋之助 野村萬斎 天海 祐希 十朱 幸代 阿部 寛 高橋 秀樹 高橋 政伸 笹野 高史生瀬 勝久 モロ師岡原作司馬遼太郎『世に棲む日日』 元治2年(1865年)、倒幕に向け、奇兵隊を率いて戦いを続けている高杉晋作は曲者と間違えられて捕まってしまう。山県有朋が気づいて事なきを得る。晋作は決戦の夜明けを迎えながら仲間たちに師・吉田松陰のことを話し始める。 時は遡り安政4年(1857年)、晋作は黒船に乗り込もうとして投獄された事もあるという松陰が開いた松下村塾に興味を持つ。型破りな松陰の価値観と教育方針にうさんくささを覚える晋作だったが、次第にその人柄が気になってくるのだった。司馬遼太郎の長編歴史小説「世に棲む日日」を原作としたNHK正月スぺシャルドラマ。1997年に朝の連続ドラマ『あぐり』で吉行エイスケを演じて一躍時のひととなった野村萬斎が晋作を、松陰を中村橋之助が演じる。歌舞伎と狂言、二大古典芸能の若きリーダーの初共演作品。 いやー、2000年なので皆若いです。肌つやっつや。ストーリーは功山寺挙兵に向かう夜から当日朝(現在)→回想→現在の繰り返し。皆から尊敬されている晋作が尊敬する松陰とはどういう人だったのだろう?と更に松陰をアゲている。昨年の大河ドラマ『花燃ゆ』では伊勢谷友介さんが熱量を持つ松陰を演じていた(伊勢谷さんは『龍馬伝』では高杉晋作役)が、今回橋之助さんが演じる松陰は正反対に静かで、一歩引いた所から塾生達を見ている。ところが「やる時にはやる」突発力の持ち主で、その象徴が黒船に密航しようとした事件ペリーとの対話でこの国の未来をはっきりと自覚するシーンがあるが、これは史実なんだろうか。安政の大獄で松陰は再び捕まるが、晋作らの再三の懇願に対しても「人は対話すればわかる。わかってもらえなければ自分の話し方が足りない」ととことん楽天的。ペリーと会った密航を企てた時の経験がそう言わせているのだが、偶々、この時がラッキーだっただけだと思う。本当ならこの時、捕まって死んでいてもおかしくなかった。「自分の能力が足りないからだ、言葉を尽くせば必ずわかってくれる」といかにも自分を卑下しているように見えるが、ある面から考えると結局は自分の意見が正しい!と譲らないわけで、頑な同士が話し合っても身分の上下がある以上、結果は見えていたようなもの。ドラマタイトルは「くもり空の上には蒼い空がある」という松陰の言葉から取られた。これもまた松陰の楽天主義を象徴している。送料無料司馬遼太郎原作 中村橋之助・野村萬斎共演 日本を変えた男たち、吉田松陰と高杉晋作の青春物語蒼天の夢 ~松陰と晋作・新世紀への挑戦NHKスクエア DVD・CD館
October 11, 2016
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みなさん、こんばんは。バドミントン快挙ですね。終戦の日にNHKで放送されていた単発のドラマラスト・アタック を見ました。主演は『とと姉ちゃん』で常子の祖母の義理の息子を演じている大野拓朗さんです。 1945年6月3日、沖縄戦のさなか、最北端の離島、伊平屋(いへや)島では、米軍の上陸を受け、全島民が降伏。突然の平和が訪れ「奇跡の島」となった。実はこの島には、日本の将校がいた。海軍少尉・飯井敏雄(いい・としお)、22歳。戦禍の中でもたくましく生きる島民たちとの触れ合いは、飯井の、そして上陸したアメリカ兵の心をも動かしてゆく。敵・味方をこえた何かが生まれようとしたとき、玉音放送後の特攻、「ラスト・アタック」が全てを断ち切ってしまう…。 ラスト・アタックとは、天皇の玉音放送の5時間後、宇垣纏海軍中将率いる特攻部隊が、最後の特攻のため大分基地から沖縄に向けて飛び立ったことを指す。少なくとも戦時中の特攻は、軍の命令により行われるもので、その効果はともかくとして「国を護るため」という目的があった。しかしラスト・アタックには国家の命令はない。有体に言えば戦後の世界を想像できない軍部の一個人による私的な自殺である。特攻という言葉を使うのさえ本当は誤っている。しかしこの自殺には犠牲が伴った。特攻なんて思いもよらなかった「命より大切なものなんてあるはずがない」と言いきれる米国人を道連れにしたのだ。戦争が終わっているのだからもはや敵でもない。殺人だ。特攻という英雄的な言葉で、今でいうテロを正当化した事が、日本軍の本当の罪なのだ。 ストーリーのさわりだけ読んだところでは、助かった飯井少尉が絶望して一人だけの特攻を実行したのかと思ったが、そうではなく安心した。母国から離れてほんの少し背負っている国を下ろした日米兵士の邂逅が、ここだけ別世界みたいなほのぼのした感じで「戦争中にこんな事ありえない」と感じつつも癒されていたら、事実が空から降って来た。戦後をイメージできた人と出来なかった人の違い。やはりこんな時代に生まれたのを運命だと諦めて殉じるか、どんな世界においても自分の存在意義を求めるか。 本土にいなかったから生まれた絆だけれど、本土から離れていたからこそ、終戦をイメージできなかった人達もいた。飯井と関わる二人の米兵は、最初学校の同期かと思っていたら、全然違ってい、軍で偶々一緒になって「相棒」と呼び合う仲になったようだ。だって日本人を積極的に理解しようと努めたアンドリューと、皮肉屋のジェームズは、全然タイプが違うから。 撮影の事を思い出しながら、涙ぐみながら語る大野君と「僕なんか遊んでただけでね」とフツーに語る竹中さんの記者会見は、笑えばいいのか涙ぐめばいいのか迷ってしまった。こんな風だった完成披露試写会だったが、役作りはしない竹中さんは、見事に焼けた島んちゅになっていた。プリーツブラウス レディース 2タイプ ランダムプリーツ トップス 柔らかい 七分袖 長袖リラックス楽天で購入
August 19, 2016
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みなさん、こんばんは。NHKスペシャル 未解決事件を見ました。今日は実録ドラマ篇で明日はドキュメンタリーです。 アメリカの議会で突然明るみに出た事件。東京地検特捜部は、事件発覚当初、吉永祐介主任検事の指揮のもと、ロ社の秘密代理人であり「昭和の怪物」と呼ばれた児玉誉士夫を追っていた。しかし、捜査は難航。事件は、政界や財界、アメリカをも巻き込んで、混迷の様相を呈する。はたして巨額の賄賂を受け取った政治家は誰なのか。当時、汚職の摘発は年間1千件を超え、国民の政治不信は頂点に達していた。疑惑の渦中にあった児玉の自宅には、自称右翼の男がセスナ機で突っ込み自爆。それでも特捜部は、児玉の疑惑を追及しきれずにいた。そうした中、アメリカから届いた新たな資料。そこには、「TANAKA」の文字が…。政界に絶大な影響力を持つ田中角栄前首相に特捜部はどのように迫っていったのか。そして、残された巨大な「闇」とは…。数奇な展開をたどった事件を、特捜部の極秘資料から浮かび上がらせていく。出演松重豊 苅谷俊介 眞島秀和 小林隆 石橋凌 有福 正志 国広 富之 石井 正則 村井 國夫 中島 ひろ子 嶋田 久作今までこのシリーズを見たことがなかったのですが、ロッキード事件には思い出があります。子供の頃、友達どうしで「記憶にございません」「やー、まねしーやー!」と言い合ったり「ピーナッツがねー」とこれは意味もわからず言っていた記憶があるのです。ちゃんと知ったのは日本史の授業で、おそらく毎日のように報道されていた時は全くわかりませんでした。コーチャンという名前が米国人ぽくなくて中国人なのかな?と疑問に思ったこともありました。 吉永主任検事は検事総長まで進んだ人なのですね。辞職したとはいえ、自分達が一度は選んだ総理大臣を逮捕するという決断は重かったでしょう。番記者って大変なんですね。まさに「夜討ち朝駈け」でずーっと顔を繋いでおいても、大事な事は漏らしてもらえない。でもずーっと張っていれば、ヒントになる事を言ってくれる。吉永検事の言葉で印象的だったのは「自分達がやるのはどぶさらいで、そのどぶに綺麗な水を流すのか汚ない水を流すのかはマスコミや政治、国民が決めることだ」で、映画『帰って来たヒトラー』でもヒトラーその人が同じ事を言うんですよね。「私を選んだのは国民だ。」と。70年代は国民が熱かったんですね。まだ安保闘争で戦った人達もいたし、不正は許せない!という怒りが渦巻いていました。今は慣れっこになってしまっている気がします。ちょっと疑惑をもたれたら病院で面会謝絶とかこの頃からだったのか!とか。 それにしても金をばらまいたのは日本だけじゃないですよね?ロッキード社はそうとうヤバい会社では。それに今はフィクサー的な人もいないでしょう。舛添さんの金使いがますますせこく見えてきました。ドキュメンタリー篇も見たのですが、時の総理大臣をスケープゴートにしてまで守りたかった秘密というのは日本の再軍備化なのですね。それも、他ならぬ占領国であったアメリカが仕掛けた。結局はベトナム戦争が終わって飛行機が余り、ジリ貧になった支援者を救う為に、わざわざ国産化計画をつぶしてまで、今はもう使われていないP3Cを日本だけがどんどん買う事になった。本当に隠したかったのはそれなんですね。アメリカ大統領も知ってたんじゃないですか?
July 24, 2016
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この作品で藤本有紀さんが向田邦子賞を獲得しました。おめでとう!木曜時代劇ちかえもんを見ました。時代劇という枠でやるには、思いっきり変化球でしたけれど、面白かった。[作]藤本有紀[音楽]宮川彬良[出演]青木崇高優香 小池徹平 早見あかり山崎銀之丞 徳井優 佐川満男北村有起哉 高岡早紀岸部一徳富司純子松尾スズキ第一話近松優柔不断極元禄16年5月、大坂道頓堀で人形浄瑠璃『曾根崎心中』が空前の大ヒットに沸いた。けれどその半年前、作者近松門左衛門は超スランプに陥っていた。座主の竹本義太夫5から当たりの筋を書けと怒られ、母・喜里5からはあきれられ、年増遊女・お袖5相手にちびちびと酒を飲む近松の前に、謎の渡世人万吉(青木崇高)が現れる。天使か悪魔か?馬鹿か天才か?万吉と出会った近松に次々と災難が襲いかかる。第二話厄介者初、井守黒焼万吉5は堂島新地の「天満屋」に現れた厄介な新人遊女・お初5と出会い恋に落ち、近松門左衛門5に恋の指南を頼む。一行も筋が書けていない近松は、適当に「恋にはイモリの黒焼きが効く」と答える。ところが、近松の助言を真に受けた万吉は、お初攻略に乗り出し、その振る舞いが「平野屋」の放とう息子・徳兵衛5の逆りんに触れ、近松まで目の敵となり、作家生命まで危うくなる事態に…。第三話放蕩息子徳兵衛仲睦まじい間柄となった徳兵衛とお初。失恋し落ち込む万吉は、恋敵の実家「平野屋」に近松門左衛門を連れ出し乗り込んでいく。そこで万吉は、何の意図か、いきなり徳兵衛を自分の商い・不孝糖売りに誘い出す。なぜか意気投合する万吉と徳兵衛だが、その様子を知った平野屋大旦那・忠右衛門の逆りんに触れ、近松と万吉は、親子の間にあるただならぬ確執を知る…。第四話善悪不明九平次近松は、スランプを脱しようと赤穂義士を題材に新作に取り掛るが、万吉にダメ出しされる始末。そんな中、近松は謎の油問屋黒田屋九平次が「消えた47人目の赤穂義士・寺坂吉右衛門」だと思いいたり、九平次を尾行し正体を探り出し寺坂の物語を書こうと奔走する。ところが平野屋徳兵衛)が、不孝糖売りをとがめられ奉行所に捕えられ、九平次はお初に急接近することに。第5回標的、忠右衛門お初の過去を知った九平次は、平野屋忠右衛門の利権を乗っ取るために、お初を利用しようと迫る。そんな事とは露知らず、近松は、新作を早く書けと迫る義太夫から逃れるなか、お初と平野屋との因縁を知ってしまう。近松は衝撃を受けつつも、お初を題材に物語を書こうとするが、近松の構想メモを見た万吉がいきなり忠右衛門のもとに乗り込んでいく。第6回義太夫些少活躍万吉は、天満屋に平野屋忠右衛門を呼びつけお初にあだ討ちさせようとする。近松は事態の行方に気もそぞろだが、そこに何も知らない徳兵衛がお初を訪ねやってくる。近松とお袖は、徳兵衛を退けようと画策するが失敗し事態は思わぬ方向へ。そこで、忠右衛門をどん底の人生から救ったのは近松と義太夫だった事を喜助が語り出す。第7回賢母喜里潔決断父・忠右衛門と和解した徳兵衛は、お初との恋を捨て商売に邁進するが、九平次が平野屋潰しに暗躍する。いまだ名作を書けない近松は、喜里に心ない言葉を浴びせ傷つけ、お袖にも振られる始末。喜里は越前に帰ることに。一方、徳兵衛は、平野屋に絶体絶命のピンチを招くなか万吉を頼り、お初と再会。二人の恋心は再燃し心中を覚悟する。最終回曽根崎心中万吉心中お初と徳兵衛は心中を決意。二人を止めなかった万吉を責める近松は、平野屋に走り忠右衛門と天神の森へ向かうが、二人の遺体が横たわっていた。近松は、お初と徳兵衛の無念の思いを「曽根崎心中」に書き綴るが、その前に全てを失った九平次が恨みを晴らしに現れる。やがて、近松が全く予期せぬ衝撃の結末が待ち受けていた…。 物語の最初は、人形浄瑠璃「曽根崎心中」の有名なくだり「この世のなごり 夜もなごり 」に涙を浮かべる観客達を見て、満足そうにほほ笑みあう近松と義太夫のショット。義太夫は客の入りに満足しているのかもしれないが、近松は「もう少しギャラあげて」と心の声で呟く。そう、今回は近松の、いや松尾スズキさんの心の声と顔芸が炸裂するのだ。 だが、こうなる前の彼は、出世景清など時代物でヒットを飛ばしたあと、鳴かず飛ばずのスランプに陥っていた。遊郭に入り浸ってはいるものの、払いはいつもツケ。武士にならなかったことを母には叱られ、「西鶴なんて名前で呼ばれるのになんで俺は近松と呼ばれるんだ!」と怒っては、「怒る所はそこか?」と金主の平野屋や義太夫にあきれられる始末。そして真っ白な原稿用紙ならぬ紙を見ては、口には出さずに「書けてな~い」と心の声。第一話は「大阪で生まれた女」第二話は「悲しくてやりきれない」第三話は「学生街の喫茶店」替え歌も披露し(無茶ぶりだったそうだ)、このまま行けば沈んでゆくばかり。そんな彼の前に現れたのが、「不孝糖~不孝糖~♪」と一度聞いたら妙に耳に残るフレーズを歌う万吉、近松門左衛門のミューズとなる架空の男性。 「ちりとてちん」「平清盛」「夫婦善哉」で3たび青木さんと組んだ藤本さんが、満を持して彼に振りあてた。万吉。万吉=よろずきち、と縁起のいい名前の彼は、誰とでもすぐ仲良くなり、堅苦しい近松の母も籠絡する。ただ一つ彼の願い通りにならなかったのは、わけありの遊女お初への恋。効果音「ずきゅううん!」までつけた鉄砲の発射音を引っ提げてハートを撃たれたのに、放蕩息子徳兵衛にかっさらわれてしまう。でも、二人が目の前を去っていく間中、ずっと目を覆っていた万吉が、ぱっと目を開いた時に、いい顔して言うんですよ、「お初が笑った」って。青木さんの時の顔かな。近松がもてる男の条件として万吉に言うのが1見栄 2男 3金 4芸 5精 6おぼこ 7ゼリフ 8力 9肝 10評判で「芸」の所になぜかパソコンが出てきたりする漫画で紹介されるのが面白くて。人に言ってるわりには「自分は何も持ってない!」と愕然とする近松を慰める万吉。もうこの二人、カップルになれば?岸部さんも「夫婦善哉」で森本未来さん演じるあほぼんのお父ちゃんを演じていたが、今回も再登板。二人の恋はすんなりとはいかなそうだ。いつも「登場人物が動き出す」というのは作家がよく言うけれど、近松の赤穂義士はなかなか討ちいらない。何か納得できないことが近松の中にあるからだけれど、かかっていた幕のようなものを、平野屋との話の中でぱあっと開いていくちかえもんの表情が素晴らしい。作家の興が乗った状態というのはこういうのを言うのだろう。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ちかえもん DVD-BOX [ 青木崇高 ]楽天ブックス
January 28, 2016
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NHK土曜ドラマ経世済民の男が始まりました。第一回が高橋是清 NHK東京製作前後篇第二回が小林一三 NHK大阪製作前後篇第三回が松永安左ェ門 NHK名古屋製作になっています。第二回は「夢とそろばん」【前編】明治27(1894)年。甲州の裕福な家の生まれである小林一三は、三井銀行・大阪支店で趣味の小説を書きながらのんびり働いていた。ところが、新しい支配人として岩下清周が着任してから生活が一変。独断で融資を決めるなど破天荒な岩下に振り回され仕事漬けの日々に陥るも、同時に銀行の仕事の面白さを知る。ところがその矢先、独断専行が目立つ岩下は辞任に追い込まれ、一三も転勤に…。その後北浜銀行を設立した岩下に「新会社の社長にならないか」と誘われ三井銀行を辞め大阪に飛び戻るが、翌日から株式市場が暴落。一三は岩下から北浜銀行が関わっていた行楽電車「箕有電車」事業の清算業務を任されることに。景気のあおりを受けた箕有電車を哀れに思った一三は、妻・コウのひとことで画期的なアイディアを思いつき、弱小電鉄の再生に向け動き出す…。大阪篇は東京編とは全く異なるイメージでコメディタッチ。しょっちゅう一三が空想したり(全部自分に都合のいい想像)、彼の思い描く街の姿がアニメになって登場したり。極めつけは借金だるまことだるまの着ぐるみが出てくる。後編では宝塚の大階段でも踊るそうだ。明治初期の大阪は 煙が立ち込めていてすっかり工場地帯。かつて中国の重慶もこんな感じだったな。朝の連続テレビドラマから5年、「てっぱん」の美織さんもちょっと大人になりました。とはいえ10代から70代までの演じ分け?第一回のオダギリジョーさんといい、長いスパンで人生を描かなければならないため、演技者のハードルが高くなりますなぁ。阿部サダヲさん演じる小林一三さんは結構調子がよくて奥さんにも酷い事を言っているのに憎めない。奥田さん演じる岩下さん、確かにカッコいいですね。時計をぶら下げている姿も様になっています。【後編】無事に箕有電車を開業した一三だったが、客足は伸びない。家族で出かけられる場所をつくるため、一三は女子だけのオペラを上演することを思いつき、宝塚少女歌劇団を設立する。そんな時、箕有電鉄の大株主である北浜銀行の頭取・岩下が疑獄事件に巻き込まれ失脚。北浜銀行は事実上の倒産に追い込まれてしまう。一三は借金をして北浜銀行所有の箕有電車株を全て買い取り、名実ともに自分の会社にする。さらに苦しい状況を承知の上で路線を伸ばし、大阪から神戸までの大動脈・阪神急行電鉄を創業。駅に隣接する百貨店を創業するなど画期的なアイディアで事業を拡大していくが、日本は戦争の時代を迎えようとしていた…。そう言えば今生駒トンネルってありました。あのトンネル工事のために無理な資金を投入して窮地に追い込まれた岩下のために、今度は小林が一肌脱ぎます。「日本を一等国にする!」という彼の熱意を受け継いだ一三が、百貨店や温泉(ちょっと失敗したけど)、歌劇団に映画と人々の暮らしを豊かにするアイデアを次々と打ち出していく様は見ていてわくわくする。「一等国とは働いた者の努力が報われる国」と言い切る一三。銀行家が嫌で、働くことが嫌だった一三は、いつの間にか誰よりも働くことが好きな男になっていた。今日本は、働く者が本当に報われる国になっているだろうか。しかし一三も鳥居さんと同じく長男を病気で亡くしたのか。辛かったことだろう。天国への階段(宝塚大階段)をタカラジェンヌに見送られながら去っていく一三。何と楽しい往生なんだろう。【楽天ブックスならいつでも送料無料】経世済民の男 小林一三 [ 阿部サダヲ ]楽天ブックス
September 6, 2015
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NHK土曜ドラマ経世済民の男が始まりました。第一回高橋是清NHK東京製作前後篇出演オダギリジョー 壇蜜 武田鉄矢脚本ジェームズ三木第一回経世済民の男/高橋是清前篇高橋是清がアメリカ留学から帰国すると、日本は明治維新、時代が大きく変わっていた。初代文部大臣・森有礼の書生となり、得意の英語を活かし大学南校三等教授手伝いとなるが、芸者遊びに熱中し辞職。そのまま芸妓の桝吉に養われる。借金返済のため、九州の唐津に英語教師として18歳で単身赴任。しかし、東京に戻った時、桝吉の姿は消えていた。その後、その後、東京英語学校や文部省の通訳など役職に恵まれた是清だが、好奇心からさまざまな事業や投資に手を出し失敗を繰り返す。しかし、その経験が後の是清を培っていく。森有礼の薦めで官職に就いた是清は、33歳の時、特許局の初代局長となる。ところが、その直後、前田正名に請われ日本の未来のためと職を辞し、ペルーの銀山経営に向かうのだが…。アメリカで奴隷として売り飛ばされそうになった話は幸田真音さんの小説にも出てきたので知っていた。見知らぬ国で日本の事等碌にしらない人達に囲まれて絶体絶命で会ったにもかかわらず、彼は窮地を脱する。子供の頃にも地震にあっているが、不思議と彼は助かる。失地にあっても必ず引きあげてくれた人や助けてくれた人が周りにいたということは、彼の人望もあろうが、彼にもともと幸運の女神がついていたとしか思えない。しかしその運は2.26によって断ち切られる。大河ドラマにしてもいいくらいの濃い人生だ。大学南校(帝大)の教師としてチョイ役出演の武田鉄矢さんや大友さんなどちょっとの出演にとても豪華な配役が為されている。経世済民の男/高橋是清後篇ペルーの失敗の責任をとって、職も財産も失った是清だが、日銀新庁舎の工事責任者として採用される。さまざまな無駄を指摘し、工期短縮を実現すると、その手腕を認められ、日銀に正式採用される。明治37年(1904)、49歳の是清は、日銀副総裁。日露戦争の戦費調達のためロンドンに派遣される。失敗すれば日本の敗戦が決定的に。是清は米国の富豪、ジェイコブ・シフと出会い、見事難局を乗り切ってみせる。その後、政治家に転身、7度の大蔵大臣、総理大臣を務める。田中義一内閣の時、昭和金融恐慌処理。犬養毅内閣では、世界恐慌により混乱する日本経済に大ナタを振るい、世界最速でデフレから脱却させる。しかし、財政を預かる是清と軍費拡大を要求する軍部との間に大きな軋轢が生じてくる…。失業していた是清のもとに、元同僚の前田正名から持ち込まれたのは日銀本社の建築費用問題。ここで見積もりと費用が乖離していることに気づいた是清がプレゼンで暴くシーンはタイムリーな新国立競技場を彷彿とさせる。全く人間ってやつは。ユダヤ人の大金持ちが日本の公債を引き受けようと言って来た時、喉から手が出るほど欲しいはずなのに「私は日本の代表だから私に用があるなら私を訪ねるべき」と言いきった是清、あっぱれ。これぞ媚びない外交。維新の元勲井上馨、日露戦争突入時の桂太郎、平民宰相原敬、昭和大恐慌の田中義一、「話せばわかる」「問答無用」の犬養毅、総理大臣が次々変わっても大蔵大臣として国の経済を預かり続けた是清。何度転んでも立ちあがったダルマがラストシーンでは遂に起き上がらないことで彼の最期を示唆している。83年の生涯は立派に大河になる尺で本当に二話完結で終わるのが勿体ない。制限のある中で是清の人物像を伝えていたジェームズ三木さんやっぱり脚本がうまい。日露戦争の公債募集の時にはパイプオルガン、最後が近づいた時にはサックスと緩急をつけた音楽もいい。イケ面の印象があったオダギリジョーさんは英語も堪能で、だるまさんのようにでっぷりしてはいないけれど愛きょうがある是清を好演していた。【楽天ブックスならいつでも送料無料】経世済民の男 高橋是清 [ オダギリジョー ]楽天ブックス
August 23, 2015
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みなさん、こんにちは。大阪寝屋川の事件解決しましたね。夏休み始まった時には元気だった二人が今はいないのですね。こちらは大河ドラマ『花燃ゆ』で悪役を怪演した内藤剛志さんが主演をつとめたドラマです。『ドラマ 金曜時代劇「はんなり菊太郎2」』 澤田 ふじ子 / NHK毎週金曜日午後9時15分~10時全6回 脚本:古田求他 出演:内藤剛志 南果歩 東ちづる 田中邦衛 香川京子渡辺徹ゲスト平田満 柊瑠美他澤田ふじ子氏の「公事宿事件書留帳」シリーズのドラマ化第二弾。正妻の子である弟に家督を譲るために出奔し、今は弁護士事務所と旅館を兼ねた公事宿「鯉屋」の居候になっている田村菊太郎は、普段はお気楽な身を楽しんでいるように見えるが、いざという時には腕が立つし度胸もある男。そんな菊太郎は、困っている人を見ると放っておけないため、事件が起こると大忙し。2年前に「はんなり菊太郎」の第一話『夜の橋』を見た。男の恋人が、約束した通りに橋で待っている。菊太郎が歩いていくが、段々泣き顔になって来る。まだ恋人の死を知らない女に、どう言っていいのかわからないのだ。あと少しで女の待っている所へ辿り着くという所でエンドマークが出た。二人がどんな話をしたか、話を聞いた女がどんな反応を示したかまでは、明かされぬままに終わった。小説での終わり方も、菊太郎が泣かない所を除けばこれと全く同じ。「全てを書かなくてもわかるだろう。何でも100%書けばいいってもんじゃない。」というスタンスのもと、著者は余韻を残す終わり方をしたのだと思う。小説を踏襲してくれたエンディングは、見ていてとても満足のいくものだった。但し、納得いかない部分もあった。菊太郎が剣を振るう場面になると、ソフトフォーカスがかかったようになり、動きも少しスローモーションがかかる。これは非常に違和感があった。「いや、違う!京と江戸とテンポが違うといっても、これは違う!待ってたのは、こういう『京らしさ』の表現じゃない。そうじゃなくて、のんびりした言葉遣いや風物で京らしさを出して欲しいのになぁ。」と思っていたら、今回は全然スローモーション剣戟がなく、普通に戻っていて、ほっとした。ちょっと泣き虫気味の菊太郎と、恋人お信の相方の事情が異なる以外は、概ね原作通り。何より文章で読むだけだった公事宿のつくりが、セットとして見せてもらう事で、よくわかる。かぞえ歌や子供達の遊び、季節を感じさせる植物や動物・行事なども、原作からちゃんと取り込んでくれているのが嬉しい。レギュラー陣は概ね「だんだんドラマが原作に馴染んできたな」と思えるようになったが、香川京子さんが、台詞の抑揚から所作までやっぱりうまい。一番自然に見える。田中邦衛さんは『新選組!』に続いて妻に頭が上がらない武士役を好演中。今後こういうポジションが、はまり役になっていくのだろうか。一話ごとのゲストも、『すずらん』の柊瑠美さんから、ベテランの馬渕晴子さんまで、すんなり時代劇の世界におさまっていける人達ばっかりで、安心して見ていられる。事件の真相に迫っていく時代劇ミステリーというよりは、事件にまつわる人々の心の機微に触れる人情劇としての割合が高い、心暖まるドラマ。
August 22, 2015
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池波正太郎さん原作の時代劇雲霧仁左衛門2の放送が始まりました。第1回『新たなる戦い』名古屋での大仕事を終えた雲霧仁左衛門は、再び江戸に現れる。火付盗賊改方長官・安部式部は、血眼になって雲霧を追う。ある日、江戸市中に不知火の勇五郎という盗人の人相書きが貼り出される。勇五郎が、雲霧一党に入りたがっているとの情報が、仁左衛門の耳に入る。七化けのお千代は孤児だった幼いころ、世話になった恩人が勇五郎なのではないかと思い、指名手配となった男の身の上を案じる。仁左衛門はお千代のため勇五郎と会ってみることにする。姿を見せた勇五郎の意外な正体とは?第一回は式部自らやくざ者に扮して仁左衛門に会おうとするなかなか大胆な会でした。お千代やお京が攫われて式部と仁左衛門がそれぞれ出向いたり二人とも似ているんですよね。お千代のはかない初恋は哀しい最期を迎えてしまいました。第2回『墜ちる』雲霧仁左衛門は、火盗改の与力・岡田甚之助を金で籠絡し、安部式部の情報を探っていた。岡田の不審な行動に気付いた式部は、「雲霧一党を捕らえた者に三百両の賞金を与える」と岡田を煽る。岡田が寝返ったことに気付いた州走りの熊五郎は岡田を尾行するが、同じく岡田を見張っていた火盗改の同心・村田に捕らえられそうになり殺してしまう。追いつめられた岡田は雲霧の手下の一人を斬り捨て、式部に身の証しを立てようとするが…第3回『盗人の純情』雲霧仁左衛門の命令で、富の市は、次なる盗みの標的である豪商井筒屋に引き込みに入る。実は目が見える富の市は、井筒屋主人の治療のために奥座敷まで入り、屋敷の見取り図を作っていく。そんなとき富の市は、井筒屋出入りの青物行商のおかねと知り合う。おかねは富の市の長屋を訪ねて、食事を作ったりしてくれるようになる。実は、おかねは盗賊・夜兎の文蔵の手下で、井筒屋を狙う文蔵の指示で富の市に近づいていた。手塚とおるさん演じるNo3って結構おいしい役どころですね。小頭は管理職っぽいところもあるから軽々に動けないけれど、変装も出来れば手先も器用って使える部下じゃないですか。第4回『生き別れた娘』因果小僧六之助は、やくざに追われる娘を助ける。娘はおひさといい、病気の父の治療費を高利貸しから借りたが、法外な利子で借金がふくらみ、返済のために吉原に売られようとしていた。六之助から話を聞いた雲霧仁左衛門は一党に、高利貸からおひさの証文を奪い、おひさと、父・与助の面倒を見てやれという。そんなとき弥助の知人・霞の七三が現れる。七造は旧知の仲である木鼠の吉五郎に、一緒に一仕事しようという。第5回『甘い罠』雲霧一党が狙っていた和田屋が何者かに襲われた。深手を負った手代の伊助はお千代に助けられたが、盗賊の一味と疑われ人相書きが出回ってしまう。伊助は襲われた夜に逢いびきしていたお時を探し回る。一方、熊五郎は和田屋の図面を流した大工が他の盗賊にも通じていたのではないかと探る。大工はお時に惚れた弱みで図面を渡していたのだったが、火盗改めに捕らえられ、お時とその一味の存在をしゃべってしまう。マナカナのマナちゃんがやくざ者の情婦を演じるなんて。でもちょっと笑い方が健康的過ぎたかも。石井正則さんはまんまイメージ通り。第6回『越後屋潜入』雲霧一党の最後の狙いは老舗の菓子店・越後屋。あんまの富の市が主人の善右衛門に取り入り、引き込み役となる。跡取りの隠し子が大きくなるまで長生きしたいと言う善右衛門は、富の市に「検校の位を買ってやるからずっとそばにいて治療をしてほしい」と頼む。塀の仕掛けを外しておかなければならない富の市は迷う。一方、同心・高瀬は、雲霧一味を知る男とともに熊五郎の動きを追っていた。追い詰められた熊五郎は間一 髪、浪人に助けられる。火傷の跡を作ってまでも盗めに加わりたい八之介。だけど脇が甘いのもやっぱり彼。大丈夫なのかこのまま彼を仲間に入れて。密偵には顔を知られて煙管を盗まれてすらいるのに。そしてとうとう仁左衛門の正が明らかに。兄とその家族を奪われた復讐が目的だったのか。第7回『血戦』富の市が塀の仕掛けを外せないままに、お盗め決行の夜がやってきた。阿部式部は、富の市を尾行させて、雲霧一党の標的が越後屋であることを突き止める。式部は富の市を捕らえて拷問にかけ、今夜か明晩が決行の時だと確信する。越後屋の周りにびっしりと配置された火付盗賊改の捕り方たち。仕掛けのことも、伏兵のことも知らぬまま、雲霧仁左衛門は、一党の引き金をつくるため、最後の大仕事に挑もうとしていた。火盗改、盗賊共に死傷者が出る騒ぎとなった越後屋襲撃。兄は弟の身代わりとなる道を選ぶ。このまま兄を殺させてしまうのか、それとも自分が出向くのか。武士としての仁左衛門を知る小頭ならではの選択なんでしょうね。最終回『男の本懐』火付盗賊改方に雲霧仁左衛門が自訴したという。阿部式部が対面するが、何度か雲霧と遭遇した式部は、替え玉だと見抜く。実は自訴したのは、仁左衛門の兄、辻蔵之助であった。かつて蔵之助と仁左衛門が謀略にはまり、籐堂藩から上意討ちされかけたが、虎口を脱したことを知る式部は、武士の情けで、蔵之助を仁左衛門として、獄門を命じる。数日後、仁左衛門は積年の恨みを晴らすため、単身、籐堂藩の行列に向かい、歩を進めつつあった。仇討ちだから当然斬るのかと思ったら盗賊らしい結末の付け方でしたね。山崎努さん版と同じラストでした。ただ行列が通った時の州走りの活躍がわかりづらかったのではないかな、と。煙管を見せあってノーサイドになった仁左衛門と式部のシーンは素敵だった。また今回はあまり式部がお上の在り方に異議を唱えることはなかったですね。
February 9, 2015
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みなさん、あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。私は2箇所お参りをして、四国88か所へ行ったと同じ効果があるというお砂踏みをしてきました。その土地にまつわるご詠歌などが展示されており見応えがありました。今日は桜ほうさらを見ました。原作 宮部みゆき●脚本 大森美香●音楽 佐藤直紀●語り 檀 ふみ●出演玉木宏 貫地谷しほり 橋本さとし 鏑木海智大路恵美 水木薫 遠山俊也 小柳友貴美萬田久子 六角精児 市毛良枝 武井壮 螢雪次朗桂文珍 高島礼子 風間杜夫 北大路欣也 賄賂を受け取ったという、身に覚えの無い罪を着せられ切腹した父の汚名をすすぐため、江戸深川で長屋暮らしを始めた若侍・古橋笙之介。田舎者のお人好しで、からきし剣の弱い笙之介が、個性は強いが情に厚い江戸の人々に助けられながら、父とまったく同じ筆跡の偽文書を作った犯人捜しに、江戸の町を奔走する。笙之介は、桜の化身とも言うべき謎の女性・和香と出逢い解決の糸口をもらう。1時間30分の枠に収めるとすると、随分切ったなぁと思いました。原作では、古橋家では不甲斐ない父親に愛想を尽かした母親が兄の勝之介を支援するなど、母親にも結構問題がありました。しかしTV版ではそうした所はあっさりカットになり、単なる兄弟の確執にとどめられていました。また笙之介を支援する江戸留守居役の坂崎にも結構ダークな面がありますが、そこもカットでしたね。原作の終わり方だと続編が作れそうな感じだったのですが、どうなるのでしょうか。兄は結局捕まっていませんしね。今英国ドラマ『SHERLOCK』を見ているのですがコメンタリ―が面白くて。【2500円以上送料無料】桜ほうさら/宮部みゆき【RCP】オンライン書店boox
January 1, 2014
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みなさんこんばんは。池波正太郎さん原作の時代劇雲霧仁左衛門の放送が始まりました。第1回「大盗賊の首領」呉服問屋に美しい花嫁お千代が嫁いできた晩、隠し金庫から大金を盗み出し、誰一人として傷つけることなく消えた盗賊一味がいた。首領の名は雲霧仁左衛門。盗みの引き込み役としてお千代を嫁がせるという、二年がかりの計画だったのだ。幾度も仁左衛門に煮え湯を飲まされてきた幕府は、火付盗賊改方の長官に安部式部を任命。仁左衛門と式部の、意地と誇りを賭けた攻防戦が始まった。“殺さず、犯さず”とは鬼平が尊敬しそうな盗賊ですね。原作を読んでいないので映像作品を見るのが楽しみです。それぞれ二つ名があるのが凄い。ルパン三世と銭形警部みたいに、両方が好敵手であるがゆえに楽しめる作品ですね。第2回「子分の破門」安部式部は雲霧仁左衛門に繋がる情報を持ち込んだ者には多額の報奨金を出すという戦略を取り、雲霧一党を破門された者たちに裏切りを誘っていた。捜索の輪が狭まる中、仁左衛門たちは火付盗賊改方の岡田甚之助に近づく。岡田は式部が長官になってから閑職に追いやられていたのだ。一方、式部が放った密偵に尾行され隠れ家を突き止められた六之助は掟を破り相手を殺してしまう...。岡田甚之助を演じている甲本雅裕さんも『七つの会議』の現代劇以来NHKの連続登板ですね。正義の側に属しながら弱さも持っているという良心が揺れ動く役どころでおいしいです。今回から阿部式部の方が一歩先んじている所もあったりして両者のせめぎあいが面白くなってきそうです。第3回「哀しき妹」火付盗賊改方に捕まった六之助を火事の混乱に紛れて救い出した雲霧仁左衛門は、次なる狙いを名古屋の豪商に定めた。一方、六之助の首に多額の報奨金を掛けた安部式部(國村隼)は火元を疑い、密かに岡田甚之助を調べ始める。そんな折、拷問の傷の癒えた六之助が母親の墓参りに行くと、見知らぬ娘が墓前で額ずく姿を目撃する。その娘は15年前に死んだはずの妹の名を名乗った...。今回はいわゆる仕込みの回なので派手な盗みの場面はありませんでした。その代わり安陪式部が六之助にかけた罠が情に弱い彼を捕えてしまう。見破られた少女が選んだ道が哀れでした。第4回「新たな盗み」雲霧仁左衛門一党は尾張に向かっていた。名古屋の豪商・松屋善兵衛 に狙いを定め、公家の後家という触れ込みでお千代を松屋に嫁がせようというのだ。松屋には既に三次 が手代として入り込んでいたが金蔵のありかが分からずにいた。それを探るのがお千代の役目だ。一方、街道筋に網を張っていた安部式部は、六之助が大井川を渡ったことを掴み、部下を名古屋に向かわせる...。やはり一党のほころびを作るのは六之助でした。大井川を渡るところを見つかってしまい、賭場に出てみたらお京に見つかってしまう。でも彼が三次に感じた危うさはお千代も感じているみたいですね。うーん内山理名さんもう少しお色気があってもいいかも。雲霧一党の面々の勘の鋭さは職業独特ですね。『半沢直樹』で嫌味な上司だった手塚とおるさんが、ここでは切れ者の部下を演じています。第5回「絶体絶命」雲霧仁左衛門の命令を受け松屋善兵衛の店に入り込んだお千代が、ようやく金蔵のありかを突き止める。吉五郎が下調べに忍び込むと仕掛けが施されており、吉五郎は蔵に閉じ込められてしまう。一方、雲霧一党が名古屋にいることを突き止めた安部式部は床に臥せていた。だが、それは式部の動向をあれこれ探る部下の岡田甚之助を欺くための仮病だった...。盗賊と捕方の騙し合い、腹の探り合いが密かに進行して行くハラハラする回。お千代が公家の風習について執拗に聞かれる場面では「これは何かの罠?」と思ったが単にオジサン達の鮭の上での罪のないたわごとだったみたい。それにしてもお頭、すれ違い頭に答えをお千代に教えて手をぎゅっと握るなんてカッコ良すぎ。『薄桜記』『あさきゆめみし』と高橋和也さんは時代劇に出まくってますね。今回は雲霧一党と別の盗賊との間で揺れ動くおいしい役どころ。最終回「最後の大仕事」お千代の働きで松屋の金蔵を突き止めた雲霧仁左衛門だが、二重三重に施された仕掛けのため手出しが出来ずにいた。一方、安部式部が名古屋に送り込んだ山田藤兵衛らは見つけた盗人宿を張り込んでいた。その網に雲霧一党の三次が引っかかる。だが三次は別の盗賊に脅され、松屋の情報を流していた。そんな三すくみ状態の名古屋に安部式部が到着する――。いやー、一番びっくりしたのは中井貴一さんが舌をべろ~んと松屋の旦那に出して、そのままお千代とディープキスに移った瞬間でした。いや、あまりにもイメージになかったもので。でも口元をアップにするのではなく、押し付けられた手の動きをカメラが追ってました。この終わり方だと続編もありそうな感じですね。 【1000円以上送料無料】雲霧仁左衛門 Blu-ray BOX(Blu-ray Disc)/中井貴一オンライン書店 BOOKFAN
October 5, 2013
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オノマチこと尾野真千子さんと森山未来さん共演の夫婦善哉を見ました。出演尾野真千子 森山未来 青木崇高 桂吉弥 茂山逸平 田畑智子 大東駿介 根岸季衣火野正平第一話【芸妓とぼんちが出会うて惚れてああしてこうしてこうなった】貧しい一銭天麩羅屋の種吉とお辰の娘・蝶子は、親の反対を押し切り、北新地のお茶屋に女中奉公に入り、同僚・金八とともに、つらい下積み生活を乗り越え人気芸妓となる。憧れの芸妓となったのも束の間、化粧品問屋・維康商店のぼんぼん・柳吉と出会い、二人は恋に落ちる。柳吉は、日頃の放蕩ぶりから番頭からも蔑まれ、兄思いの妹・藤子にも呆れられ、父・半兵衛から「勘当」を言い渡される。父の怒りが解けるまでと、柳吉は蝶子を誘い駆け落ちする。大正時代が舞台のこの話を時代ものにしていいのか迷いましたが…物語中に関東大震災が登場するのでやっぱり昔の話に分類しました。桂吉弥、茂山逸平、青木崇高など『ちりとてちん』でもお馴染みの面々が登場。青木崇高とこの後田畑智子の夫役で登場する大東駿介は大河ドラマ『平清盛』でも出演していたキャスト。大東くん、藤本さんに気にいられたんでしょうね。それ以外のキャストが濃い。気の優しい蝶子の父親は火野正平さんで、計算高い母親は根岸季衣さん。隆吉の妹役は田畑智子さんで、こちらは本当の旅館のお嬢様。語り手は法善寺横丁にいるおかめで富司淳子さん。台詞の応酬がテンポ良い。そして出てくる食べ物がおいしそう。B級グルメみたいなんですけど、卵の黄身を真ん中に落とすカレ―とか、二つで出てくる夫婦善哉とか。ダンスを5歳からやっていた森山さんは、1年間日本から離れて海外の演劇で武者修行とか。かつて真田広之さんも海外の舞台に出てたりしてましたから、これからの活躍が楽しみです。 第二話【親の愛でも手切れ金でも切れぬ心が仇となる】蝶子と柳吉は、関東煮屋を始める。小さい店だが、二人で精を出す毎日が蝶子は幸せだった。しかし、柳吉は、実家に残してきた娘・文子とのことが気になる。そんなとき、妹の藤子が良家の息子・桐介を婿養子に迎えるという。柳吉は、荒れに荒れて再び散財し家を出ていく。地蔵盆の夜、突如帰ってきた柳吉は、店から手切れ金をせしめるため、蝶子に嘘の別れ話を持ちかけるが、蝶子は使いに来た番頭に柳吉とは別れないと言い切り、手切れ金も受け取らない。帰ってきた柳吉は不機嫌極まりないが、蝶子にとって精一杯の愛情表現だった。そんなとき、母のお辰が倒れ、柳吉も腎臓を患い入院。手術代も嵩み、止む無く蝶子は関東煮屋を売りに出し、再びヤトナとして働き始める。柳吉の入院先で、蝶子は、柳吉の妹・藤子と娘の文子と出会う。北新地の売れっ子芸妓だった蝶子だが、いまは見る影もない。髪はほつれ、着ているものも貧乏滲みていた。不憫な蝶子の様子に藤子は、「姐さんの苦労は、お父さんもこの頃よう知ったはりまっせ」と思わず出た慰めの言葉に、涙する蝶子だった。そんなとき、弟の信一から、母危篤の連絡が入る。昔のガキ大将が好きな子をいじめていたそのまんまに大きくなったかのような小河童を青木さんが好演。「小河童」「小河童言うな」のやりとりは二人の息の合った所を見せて、この二人が夫婦になった方が良かったのではと思わせる。自分はふらっと出かけたまま7日間も姿をくらましておく癖に、母親の危篤に「親か自分かどちらを選べ」と酷な事を強いて、蝶子を側においておきたい柳吉。自分本位でいい加減。蝶子の顔のクローズアップから涙が次第に浮かんできてこぼれおちるまで、スローで撮っていて、だんだんこみあげてくる悲しみをうまく表現している。悲しみだろうか、悔しさだろうか。このドラマ無言のシーンが多いので役者の腕の見せ所だろう。オープニングとエンディングが映画みたいで面白い。森繁久彌と淡島千影の映画決定版がある『夫婦善哉』もあと2話です。話自体は全く知らなかったので今回のドラマ版でやっと全体像がつかめました。法善寺横丁のセットが完璧ですね。それに毎回おいしいものを食べているシーンが登場してついこちらも食べたくなってしまいます。第三話【死んでも治らんあほな女が死んでも遂げたいあほな夢】蝶子は、法善寺横丁の八卦見に柳吉と晴れて夫婦になれるか占ってもらうが、八卦見は首をひねった。蝶子は、再会したかつての同僚・金八の援助で、『サロン蝶柳』という名のカフェーをオープンする。店は繁盛し大いに賑わいを見せる。「お前はええ友達もっとるな」と皮肉めいた柳吉も厨房で料理に腕をふるった。娘の文子と会えず塞ぎ込んでいると感じた蝶子は、「いつか柳吉の娘と三人で暮そう」と提案するが柳吉は煮え切らない。ある日、柳吉の妹・藤子が文子を連れて店に現れる。喜ぶ蝶子は、文子をもてなそうと張り切るが、その日に限って、店の女給・菊代と客とのトラブルが巻き起こり、最も見せたくない場面に遭遇する。やがて、柳吉の父半兵衛危篤の知らせ。焦る蝶子は、亡くなる前に柳吉との結婚を認めてもらいに会いに行こうとするが「お前は来るな」と柳吉に止められる。そして、死の間際の父と対面する柳吉だが、親子の溝は埋まることなく最悪の別れとなる。半兵衛が息を引き取ったその夜、人知れず蝶子は店のニ階に上がりガス栓をひねった。前回は蝶子の親別れ、今回は柳吉の親別れ。父危篤の知らせに実家に戻った柳吉は、妹婿に「一度廃嫡された人に敷居をまたがれたくない」と言われて慌てて次の間に。ああ、敷居をまたぐってこういう本当の意味があったんだな、と関心。今のマンション住まいじゃこういう感覚もわからないんだろうな。今話は柳吉の気持ちがよく出ている。今度はカフェ。蝶子は何やっても成功する運を持ってる女性なんですね。『七つの会議』に出ていた村川絵梨さんが嫌味な役で出演。最終話【めおとぜんざい二つで一つ あほは二人で一人前】新天地・別府にやってきた蝶子と柳吉は、小さな化粧品問屋『大阪屋』を開店する。二人で行ったダンスホール。柳吉と踊る蝶子は、いつか別府の中心流川通りに大商店を開き「日本一の夫婦になる」と夢を抱く。行商にも精を出し、新たなお客獲得に乗り出す。柳吉も自分で香水の開発など始める。近くで貸席『玉初』を営むと蝶子はすぐに打ち解けて仲良くなり、放蕩癖の柳吉の監視を女将に頼む。ようやく貯金もたまり、店を大きくできるとなった時、おきんから手紙が届く。かつての同僚金八が、ヤトナになると訪ねてきたという。手紙には、金八の夫の商売が傾き、一から出直しと綴られていた。思えば、金八の援助で始めたカフェーをたたみ別府に出てきた。蝶子は、貯まったお金は金八に送り、再び振り出しに戻る。世の中に戦争の足音が忍び寄り、弟の信一が出征することになったが、肋膜を患い帰郷を命じられる。弟を不憫に思う蝶子は、別府に弟を呼び寄せる。贅沢三昧歓迎する蝶子に対して、柳吉は終始不機嫌で、弟にやさしい言葉のひとつもかけない。商売も傾き、柳吉の中には行き場の無い虚しさが渦巻いていた。そんなとき、大阪では、柳吉の娘文子が、小説を書く学生の鈴木恭太郎と出会い恋に落ちる。戦争による物不足で商売の先行きに不安を抱えた桐介は、文子に良家から婿養子を迎えると決める。ある夜、望まぬ相手との結婚を拒む文子は、恭太郎と駆け落ちする。ここからが発見された原稿に基づく話になるようです。あの有名な台詞「おばさん、頼りにしてまっせ」は登場しませんでしたね。戦争の足音が聞こえているきなくさい時代になりました。火野さんと尾野さんが自由軒のカレーライスを食べている場面は和みます。火野さんはいい役者さんになりました。今回はかなりシリアスなやりとりがありました。柳吉が蝶子に「お前は俺を一人前にするとか言ってるけど、その裏で一人前にならんでくれと思ってるのと違うか」と反駁するのです。何もいえない蝶子。ということはそういう気持ちもあったってことでしょうか。そこをすかさず「ほんまもんの夫婦にはなれへん」ととどめを刺すのですから、いつもドツキまくるはずの蝶子も何も言えません。出ていってしまう。そこへ娘からの手紙が来て和解する。どうやら二人は大阪に帰ってくるのかな?ちょうど今朝の朝刊に織田作之助の夫婦善哉の続編のニュースが載っていました。夫婦善哉 [ 森山未來 ]価格:6762円(税込、送料無料) (2021/6/10時点)楽天で購入
August 25, 2013
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皆さま、あけましておめでとうございます。ポトフを作ったことがありますか?そう大した味付けはしないのですが、煮込むごとに肉のエキスが混じってくるのか、いい味付けになります。うちはマンションですので、門松を玄関のわきに立てかけました。皆さまの所はいかがでしょうか。さて、正月時代劇『御槍拝借』見ました。出演竹中直人 高橋英樹 藤木直人 国仲涼子 辻本祐樹 津川雅彦 本田博太郎温水洋一 小野寺昭 鶴田真由 田山涼成原作 佐伯泰英豊後国森藩の下屋敷の厩番・赤目小籐次は、酒でしくじり奉公を解かれた。しかし、それは表向きのことで、小籐次の真意は城中で辱めを受けた主君・久留島通嘉のため、大名3家を相手にたった1人で戦いを挑むことにあった。原作では4家なのですが、ドラマでは3家になっていました。何だか『平清盛』でお馴染みの面々ばかりでした。厳島の宮司、平重衡、西行、平貞能…。同じNHK時代劇繋がりでは『薄桜記』繋がりの津川雅彦さんもいましたね。ここ最近はNHK大河の影響で時代劇を見ていました。その関係で、見知った顔が沢山いたというわけです。NHKの番宣で竹中さんが「自分が高橋英樹さんを川の中に突き落とすなんて前代未聞」と言っていたのですが、本当に突き落とされてました。合成ではありません。現実では考えられないでしょう。スローモーション映像になっていて、微妙に高橋さんの突きがずれて、見事に川に落ちてました。寒かったろうなぁ。普通は身分が低くても恰幅のいい若者あたりが主役を張りそうなのに、うだつのあがらない背もそう高くない厩番が、名だたる大名の侍たちをしり目に、大名行列のシンボルである槍を奪っていってしまう!この逆転劇が面白いんですね。勿論、その裏には単なるお騒がせで仕出かしたのではない、太平の世にはない忠義の心があって、その心が敵対する古田や川に突き落とされた村瀬の心を揺り動かしていくわけです。単発でやって、反応が良ければシリーズ化するのだろうか。脇役にもいいキャラ(津川さんや鶴田さん)がいるので、シリーズ化できそうなのですが。【中古】 御鑓拝借 酔いどれ小籐次留書 幻冬舎文庫/佐伯泰英(著者) 【中古】afbブックオフオンライン楽天市場店原作はこちらです。そして更にBS時代劇『酔いどれ小籐次』になって帰ってきました!第一回『老いて初恋』御鑓騒ぎで主君の無念を晴らした浪人・赤目小籐次は、久慈屋昌右衛門の持つ長屋で静かな暮らしを始めていた。しかし御鑓騒動で恥をかかされた満島藩の田尻は小籐次を恨み、刺客として須藤を用意する。一方、小籐次は昌右衛門から大番頭水野監物に仕える奥女中のおりょうを紹介され、一度は断るものの、結局、おりょうのため剣を取る決意をする。おりょうのことを話す小籐次を見ているおこうが何だか複雑そう。“酸いも甘いも噛みわけた女性”と鶴田真由さんが言っていましたが、こういう役はある程度年齢を経ないと演じられませんね。第二回『剣豪の子』赤目小籐次を討てば剣術指南役として召抱えると田尻に言われた須藤は、赤子の駿太郎を連れた刺客であった。一方、小籐次は刃物の研ぎ屋として市井に生きる決意をし、野菜売りの娘・おうづから商売のいろはを学んでいた時、須藤が現れ、小籐次に果し合いを申し込む。小籐次は無法者の親分の萱蔵に連れ去られたおうづを救出した後、須藤との果し合いに駆けつける。お互い別の場所で会いたかった、と言っている須藤と小籐次。お互いにフェアに闘う剣士なんですよね。本当に惜しい。第三回『子育て侍』果し合いで斬った須藤に赤子・駿太郎を託された赤目小籐次は長屋の人々の手を借りながら育児に追われていた。一方、おこうの元には、侍たちに追われたお英が逃げ込んできた。お英の捜し人が須藤であることを知った小籐次とおこうは、お英に駿太郎の母ではと問いただすが、お英は何も語らず実家の小出家に帰っていく。真実を突き止めるため、小籐次は小出家に乗り込んでいく。赤ん坊がちゃんと役者してます。泣かなければいけない時になき、あやす人がかわると泣きやむ。山本耕史くんなんかはこうやって大きくなっていったのでしょうか。前回ではわからなかった須藤の出奔の理由と駿太郎出生の秘密が明らかにされた回でした。子供を背負って刀を振う小籐次と第一話でやはり子をおぶって闘う須藤がかぶり、父の役割が確かに受け継がれたことを表しています。第四話から子役登場ですね。第四回『おとうと』赤目小籐次が託された赤子を育て始めて5年。駿太郎を立派な武士にするための鍛錬が小籐次の日課となっていた。ある日、小籐次はおこうの弟・菊造が、ひんぱんにばくち場に出入りしていることを知る。菊造の作った借金で、おこうが万八楼をとられそうになっていることを知った小籐次は、いかさまを暴き、菊造を助けるためにばくち場へ乗り込んでいく。予告編で流れた比嘉愛未さん演じるおりょうがツボ降りするシーン。奥女中が何で?と思っていたら小籐次の妄想でしたとさ、というオチ。「小籐次様は高根の花を想い続けていればいいんです。野に咲く花にまで想いをかける必要はございません」と小籐次を巻き込むまいと釘をさすおこうの女心。乱れる所など見せない大人の女なのに、今回は店を差し出す無念さやら何やらで酔っ払ってしまいます。「野に咲く花も大切な花」と返す小籐次がまた素敵。確かにこの主人公、寡黙であるからこそかっこいいのですね。第五回『花嫁おりょう』おりょうの嫁入りが決まったことを聞かされた赤目小籐次は心を込めてかんざしを作り、駿太郎に届けさせる。が、花嫁道中を能見五郎兵衛が強襲し、おりょうをさらってしまう。小籐次は、自分に恨みのある田尻藤次郎を疑い問い詰める。小籐次の前では否定したものの、田尻は能見の犯行であることを知り、藩主に迷惑をかけぬよう脱藩を決意し、小籐次に果し合いを申し込む。シリーズ初の引きがある話になってしまいました。あそこでてっきりおりょうが救われるかと思いきや、敵側の事情もじっくり描くみたいですね。駿太郎はじいじ=父上と呼び方を変えているのかな?来週は何と13人と小籐次が対決!すごい殺陣になりそう。第6回『十三人の刺客』田尻藤次郎、能見五郎兵衛に捕われた、おりょう奪還のため、赤目小籐次は昌右衛門に助太刀集めを依頼する。駿太郎のため、死ねないからだ。しかし、果し合いの当日、小籐次は昌右衛門に助太刀を断る。助太刀の者にも妻子がいる。駿太郎に残すべきは、まことの武士の生き方であると思い定めた小籐次は、単身、果し合いの場所・小金井橋に向かう。須藤の因縁の剣を持ってたった一人で十三人と対峙し、しかも皆みねうち。無駄な殺生をきらう小籐次らしい幕切れでした。破断となって「これで良かったのです」というおりょうの言葉にどぎまぎする小籐次が年に似合わず可愛い。冒頭で駿太郎に「米を粗末にするな」と言ったことがラストまで効いている。第7回『勝者の方程式』赤目小籐次の首に千両の賞金が賭けられた。黒幕の紙問屋・高田屋甚左衛門は口封じのため、仲間の紙問屋ふたりの命をも奪う。旗本に生まれ商家に奉公に出された高田屋は久慈屋昌右衛門を商いの父として頭角を現したが、その強引な商法のため、久慈屋に出入り差し止めとなっていた。その恨みを晴らさんがための蛮行であることを、おりょうの協力で知った小籐次は高田屋と相対する。竹中さんがインタビューで「佐野史郎と立ちまわりをやって疲れた」と言っていた回ですね。お槍拝借騒動からの因縁がやっと断ち切れたかと思ったら、最後の生き残りが動きだしたり、また、小籐次に賞金を賭ける商人が現れたりとなかなか気が抜けない日々が続きますね。お槍騒動の決着は次回でつくのかな?第8回『心の灯』久慈屋昌右衛門のもとで働くお花を無理やり連れて行こうとするならず者を片付けた小籐次。心当たりを尋ねる小籐次に人違いだと言い張ったお花が行方をくらませた。元の嫁ぎ先だった薬種問屋・中松屋を出る時に、密かに中松屋が商っている偽阿片を持ち出したことを、小籐次は掴む。一方、小籐次を斬り主人の無念を晴らさんがため生きてきた能見五郎兵衛と小籐次の最期の戦いが始まる。お槍騒動の決着がやっとつく回。とはいっても最初から能見五郎兵衛が死に場所を求めての襲撃だったことがわかっており、勝敗の行方は明らか。それにしても小籐次が来てからこの長屋はえらく物騒になったな。いいのかそれで。第9回『かたき討ち』赤目小籐次の元に、浪人・稲村右源太が、刀を研いでくれと訪ねてくる。稲村は、かつて父を斬った田村兵衛にかたき討ちするため、故郷を出たが、腕に自信がなく逡巡するうちに、江戸で名人の竿師に弟子入りし、妻・おさんと結婚した。が先日ばったり、かたきである田村に会い、果し合いを申し込まれたのだ。果し合いまでの10日間、小籐次は秘策を授けるため、稲村に特訓を始める。右源太が仇討をすれば武士として帰参が叶うと思っていた小籐次。しかし右源太は武士としての人生をきっぱりと断ち切るために仇討をしたのだった。一方、託された駿太郎のために武士を捨てるわけにはいかない小籐次は複雑です。武士としてではなく職人として、市井に共に生きて欲しいと願うおりょうと小籐次の想いのすれ違いが描かれました。それにしても、最近小籐次の夢で遊んでますね。第10回『かなわぬ夢』久慈屋昌右衛門は手代の浩吉におやえの婿にならぬかともちかける。浩吉に相談された赤目小籐次は自分の気持ちに正直であれと諭す。一方、この事を聞いた古株の番頭でおやえに恋心を抱いていた泉蔵は、昌右衛門になぜ自分ではいけないのか、と迫り暇を出される。恨みに思った泉蔵は深夜、久慈屋に浪人たちを引き連れ押し入るが、そこには小籐次が待ち構えていた。本家出身で見目もいい浩吉が年頃の娘から好意を持たれるのは仕方ないにしても、泉蔵の「生まれが邪魔してかなわぬ夢は見られない」という嘆きにもまた、真実があったのでは。今まで勤めてくれたお礼に店を持たせてやるとか、温情でも良かったのに。まあお互いの感情の行き違いですね。おりょうとおこうの二人の女性から思われる小籐次は、儲け役ですね~。眠っている間におこうさんたら大胆!第11回『偽小籐次』背格好が赤目小籐次にそっくりの偽者が現れ、江戸の町に悪評をたてた。小籐次がたどり着いた偽小籐次は、なんと幼馴染の北堀五郎兵衛だった。久しぶりに酒を酌み交わすふたり。道場の一人娘・おぬいに婿入りしたものの、苦労をかけさせたまま、おぬいを死なせてしまった後悔を語る北堀。そんな彼から道場を取り上げようとした高利貸しが持ち出したのは辻斬りの依頼だった。おうづと後に夫婦になる太郎吉との出会いが描かれる。竹中直人さんと似ている人ということで片岡さんにラブコールを送ったとか。確かに背格好とか似てます。それにしても小籐次、モテモテです。おりょうさんに「お慕いしております」と打ち明けられて…と思ったら何と聞いていたのは偽小籐次こと北堀五郎兵衛。彼の亡き妻を演じるのが中島ひろ子さん。彼女も素敵な女性になりましたね。ふっくらしたかな。第12回『父の背中』赤目小籐次はおりょうから、お慕い申していると打ち明けられ、有頂天になり、おりょうの新居さがしに奔走する。おりょうに小籐次を取られると思った駿太郎に辛い胸のうちを打ち明けられたおこうは小籐次に注意を促す。一方、おうづは太郎吉と心通わせつつも、父の賭場での借金のかたで妾として売られようとしていた。それを知った小籐次は賭場に乗り込む。おりょうと心が通じ合って浮かれている小籐次。だが「じいじが自分の方を向いていない」と感じた駿太郎は、怒りを小籐次にぶつける。もしかして小籐次は駿太郎のためにおりょうとの話を諦めるのかな?と思ったのですがそうはならなかった。それにしても刀を振り回す場所に子供を連れていくのは大胆かつ危険ですよ。最終回(第13回)『祝言日和』駿太郎の実の父・須藤平八郎と昵懇であった槙野源左衛門が、駿太郎を引き取りたいと小籐次の前に現れる。自分と暮らしていては、駿太郎は将来仕官できるのかと考え悩んだ小籐次は、おりょうやおこうに相談する。須藤が江戸に逃げる際、頼ったのが父とも慕う槙野であり、人生最後の仕事として駿太郎を育てたいとの槙野の思いを知った小籐次は、駿太郎と別れる決意をする。【送料無料】酔いどれ小籐次 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January 2, 2013
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土曜ドラマスペシャル『負けて、勝つ』(全5回)を見ています。出演演辺 謙 松雪泰子 谷原章介 田中 圭 鈴木 杏 永井 大 初音映莉子金田明夫 篠井英介 嶋田久作 高橋和也 小市慢太郎 中嶋朋子佐野史郎 石橋蓮司 吉田栄作 中村敦夫 野村萬斎 加藤 剛 脚本 坂元裕二戦前軍部と衝突していた吉田茂は、その過去が幸いして、敗戦後の外務大臣としてダグラス・マッカーサーと交渉することになる。広田弘毅、近衛文麿らかつての盟友を失いながらも、やがて総理大臣になった茂は、真の独立を目指してリーダーシップを発揮してゆく。『小説吉田学校』などでも描かれた吉田茂の半生を、政治的側面及び家族から見た私的面も含めて描いている。脚本は東京ラブストーリーを書いていた坂元裕二さん。いつの間にかこんな骨太な男のドラマを書くようになったんだなぁ。以前伊勢谷友介さんが主演した『白洲次郎』を見ていたので、比較的時代背景が分かっていて良かったです。その時吉田茂役を演じていたのは原田芳雄さんでした。米軍に頭を抑えつけられながら、そしていろいろと理不尽な事を言われながら、戦前、戦中と修羅場を共に潜り抜けてきた、頼りとする盟友を次々と失い、その代わりとなる部下たちが育つまで、随分大変だったろうなぁと思いました。ここ最近NHKドラマを良く見ているせいか、知った顔の俳優さんが多数登場している。『平清盛』の中村敦夫、松雪泰子、金田明夫、『薄桜記』の高橋和彦、『坂の上の雲』の加藤剛、『龍馬伝』『てっぱん』の小市慢太郎。政治家同志の話し合いのシーンが第二話、第三話に登場するが、いずれも食べ物を絡めている。第二話では、せっかく総裁となって総理大臣となれた鳩山一郎(元鳩山首相の祖父)が、戦前に出版した本の内容を咎められて公職追放となったシーン。後を託すために吉田茂を呼び出して、その時ご馳走するのが茂の大好物だった湯豆腐。引き受けられない、と一旦は部屋を出ようとした茂を仲介者の松野鶴平が引きとめるのですが、その時振り返ると鳩山一郎が涙を流しながら豆腐を無言で食べている。その様子に心動かされて茂が総理大臣となることを承諾する…という展開になっています。鳩山一郎の無念、その無念に感じいって心動かされる茂、という具体的な内容は何一つ両者の間で交わされないのですが、両者の心情をうまく表現しているアイテム、場面だと思いました。第三話ではやはり昭和疑獄で失脚することになった時の総理、芦田均が、官邸に茂を招いて自分が作った茶漬けを振る舞うシーン。二人で茶漬けを食べながら芦田が自分がどんな想いで総理になったのか、吉田がこの国をどうしたいと思っているのかを話す。対立していた芦田の心のうちを知り、吉田も誰にも明かさなかった自分の希望を話す…という展開。こちらも、同じ食べ物(それも芦田にとって思い入れのある)を食することで気持ちを共有し、敵対していた二人の心が一瞬通じる場面です。それまで厳しく茂を批判し続けてきた芦田が本心を聞いて初めてそのきつい表情を緩めた瞬間を捉えています。さて、第四回はどんな食べ物が登場するのか、今から楽しみにしています。そうそう、エンディングに流れる昭和の映像がどんどん最近に近づいていってます。とうとう、今は亡き聖徳太子が登場。昭和30年代ですね。他にも新幹線やインベーダーゲームなど懐かしい映像が沢山登場しました。第四話戦後の憲法制定、東京裁判、天皇の人間宣言、英語が好きで戦争中も辞書を引いて覚えた宮沢喜一元首相や、新進気鋭の政治家だった田中角栄元首相など、年老いた姿しか見たことのない政治家たちの若き日が登場して、生きた歴史を見ているようで、楽しめます。もし朝鮮戦争が起こらなければ、日本を共産主義への盾とする構想はもっとずれて、日本の独立は違った形になったかもしれない。でも、起こったおかげで鉄鋼業が躍進したんですよね。ドラマにも出てましたけど。戦争で負けた日本が戦争でまた昇ってゆくという皮肉な結果ですが、それが日本の高度成長を支えていったんですね。今回は印象的な食事シーンはなかったのですが、吉田茂と息子健一の対決シーンが目をひきました。東京で物乞いをしていた、という描写があり、久しぶりに家に健一が帰ってきます。息子と父親はいつも間が悪い。ドライな娘に対して、息子はどうしても父親を許せない、認められない。いつも父親を批判する息子に「お前に何がわかる」と取り合わなかった茂ですが、今回は珍しく、自分の今までを詫びるんですね。やっと雪解けか…と思った矢先、健一の吉田茂の決定「米軍駐留を認め、警察予備隊を作る」への批判が始まってしまいます。戦争を放棄するといったのに、軍隊を持たないといったのに!でも、未だ米国の傘のもとにある日本ではぎりぎりの選択だったのだろうなぁという事が吉田茂側の事情も見ている読者にはわかるんですね。吉田健一の理想論は確かに正しいのですが、現実的ではない。なんだか、先の総選挙で「沖縄に基地はいらない」と言い選挙に勝ち、しかし現実的には実現できなかった鳩山元首相の姿がかぶりました。理想は勿論庶民だろうが政治家だろうが持っている。しかし実現するには、理想は理想のままではだめであり、時に非難も浴びる覚悟で国を守ってゆくことが出来る人だけが本物の政治家なのだろう、と。自民党の総裁選も見てましたが…何だかあぶないなぁと。戦争に負けたことを体験していない世代が多くなると、何かと軋轢がないといいなと思います。私も一庶民なので、これもささやかな理想なのですが。毎回、吉田茂Vs Anyoneとの見応えある対話シーンが登場します。第一話は戦犯指定された近衛文麿、第二話は総理に選ばれたのに阻まれた鳩山一郎、第三話は退陣することになった芦田均、そして第四話は吉田栄作さん演じる服部卓四郎。現在の自衛隊のトップになる予定だったが、吉田茂に阻まれ、銃を持って吉田を訪ねて来る…という緊迫したシーンでした。実際クーデターを起こして鳩山一朗をトップに据えるという計画もあったそうです。吉田邸の前に服部が佇むショットもあり、もしそうなっていたら、今の日本は北朝鮮みたいになっていたのだろうか、とぞっとします。戦前ガダルカナルで多くの戦死者を出した服部に対して、「守るってことは戦をするってことじゃない。俺の使命は二度と兵士を戦地に送らないことだ」と堂々と持論を述べる吉田。ブレない、とよくいいますが、ブレない政治家がいなくなりましたね、つくづく。自国の軍隊を持たない、とした他国から押し付けられた憲法とは真逆の事を迫ってくるアメリカとの対立は、次回にも続きます。最終回サンフランシスコ講和条約でやっと日本の独立を果たした吉田茂。しかし、同時に結んだ日米安保条約が、激しい議論を巻き起こす。条約締結を花道として引退せよと迫る白洲次郎とも対立し、講和時ピークだった支持率も下がり始める…。食べ物に注目してきたこのドラマですが、今回はチョコレートが印象に残りました。本国の意向に反して戦線拡大を主張したマッカーサーは、遂に連合国総司令官を解任され、日本を去ります。吉田茂はマッカーサーを訪ね、「日本の子供は沢山のチョコレートをあなたから貰いました」と言いながら、チョコレートを渡すのです。その時、マッカーサーは「日本産は不味いな」と言うのですが、実はそのチョコレートはアメリカ産。二人は爆笑します。「沢山のチョコレート」はマッカーサーによる数々の恩恵のことを指しています。そしてアメリカ産よりもおいしいものを作りだした日本の技術力を表しているのでしょう。アメリカは敗戦国日本に沢山の物資を与えました。しかし折から始まった朝鮮戦争で反共産主義のアジアにおける盾として日本を使うために、有難くないものも残してゆきました。「軍隊でない軍隊」―今に至るまで議論となる自衛隊です。戦後の日本を別の立場から支え続けてきた二人。敗戦後、天皇も軍部もなくなり、民主主義国家という今までとは全く別のスタートを切った日本で、国王みたいな存在だったマッカーサー。「マッカーサーでなければ、今の日本はなかった」として、当時マッカーサーが去ることを日本人は大変惜しんだとか。“日本人は一度決めた事は曲げないんだ。それが長所でもあり短所でもある”と、再軍備を迫るダレスに対しても、憲法第九条の盾になってくれたマッカーサー。ドラマを見て、マッカーサーの印象が変わったという人も多いのではないでしょうか。時に声を荒げ、時に優しい家庭人というマッカーサーの様々な面を実にうまく演じたデビッド・モースさんの存在も大きかったです。マッカーサーの死を知って、誰もいないかつてのGHQの部屋で、かつて彼と交わした言葉を反芻する吉田茂のシーンは、時に出しぬき、時に反論しながらも粘り強く対峙したからこそ築かれた二人の絆の深さを感じさせました。年表を見直すと、戦後の大変な時期、外務大臣と首相を兼任しているんですね。本当に人材がいなかったということでしょう。吉田学校の政治家たちはまだ若く、敗戦国が対等に渡り合うほどの政治力をつけていない。ワンマン宰相との誹りもありますが、やるべき事をやらなければならなかった時、そこに彼しかいなかったがために、敢えて汚れを被るしかなかったのでしょう。それに比べると、最近は国民の人気を気にしすぎる傾向が強いようです。エンディングクレジットと共に流れるのは、本当の吉田茂とマッカーサーのニュース映像。モ―スさんよりすらっとしているマッカーサーと渡辺 謙さんより太っている吉田茂。安保闘争、放水される東大。そして今の日本の映像が流れます。過去4回において、目覚ましい発展を遂げてきた日本が、再び壊滅した東日本大震災とスカイツリー。戦後混乱期を為政者たちがどのような思いで乗り越えてきたのか今一度振り返る事で、今が日本のリセットの時、奮起せよ、と言いたいのかもしれません。負けて、勝つ 〜戦後を創った男・吉田茂【全5巻セット】渡辺謙 松雪泰子【中古】【邦画】中古DVDテックシアター
September 23, 2012
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みなさんこんばんは。池端俊策さん脚本の古代三部作のうちの「聖徳太子」を見ました。【脚本】池端俊策【音楽】冨田勲【語り】長谷川勝彦【出演】本木雅弘 ソル・ギョング 中谷美紀 柄本明 加藤雅也 國村隼 近藤正臣 今田耕司浅利陽介 戸田恵梨香 松尾敏伸 河原さぶ 宝田明 松坂慶子 緒形拳前編倭国に渡った新羅の武人・伊真は時の権力者、蘇我馬子と少年の厩戸皇子に出会う。馬子と物部守屋は、仏教普及をめぐって対立していた。おりしも厩戸の父、用明帝が亡くなり、王位をめぐって争いが起きる。王位をねらう穴穂部皇子を倒した馬子は泊瀬部皇子を次期大王とし、守屋と戦う。厩戸皇子の活躍で、蘇我軍は勝利する。後編ついに新羅への出兵が決まるが、厩戸は中止させようと策を練る。一方、伊真が馬子の暗殺を企て失敗。馬子は自分の前途に邪魔になった崇峻帝を暗殺、厩戸の弟までも手にかける。ついに厩戸は馬子を剣で刺そうとし阻まれ、その剣で馬子を狙った伊真は側近に殺される。厩戸の深い悲しみと引き替えのように馬子は改心。隋から友好使節がやってくる日を迎える。【初回放送】2001年11月10日総合「NHK大阪新放送会館完成記念ドラマ」にて放送若く精悍な ソル・ギョングと美しき本木雅弘さん。美しき政を求める聖徳太子と美しさを愛でながらも自らの手を血で汚し対立する運命にある蘇我馬子。この対立構図が池端俊策脚本。緒形拳さんの権力に取りつかれ周囲が見えなくなりつつも懐にあった仏に救われ呆然とするまでの演技が圧巻。刀自古郎女が「皇子も住むことになる場所だから」と赤ちゃん山背大兄王を斑鳩に連れてくるシーン。のちに蘇我氏に追い詰められ山背大兄王が一族もろとも斑鳩寺で自害し上宮王家終焉の地となることを知るとなかなかに沁みる。【中古】聖徳太子 [DVD]Come to Store池端俊策さん脚本の古代三部作のうちの「大化改新」を見ました。スタッフ脚本 - 池端俊策制作統括・演出 - 片岡敬司音楽 - 大島ミチル語り - 窪田等出演者 岡田准一 渡部篤郎 木村佳乃 山口祐一郎 小栗旬 伊武雅刀 大杉漣 吹越満 高島礼子原田芳雄 仲代達矢前編西暦636年。弱小豪族の息子・中臣鎌足と時の権力者、蘇我氏の後継ぎ・蘇我入鹿は同じ学堂に通う大親友だった。正義ある国づくりを誓い合う2人は共に幼なじみの車持与志古に恋するが、与志古は鎌足と結婚。やがて、政治の実権を握った入鹿は、聖徳太子の息子・山背大兄皇子の討伐を計画する。正義を見失った友を鎌足は体を張って止めるが、入鹿は山背を暗殺する。後編蘇我入鹿は独裁者として朝廷を支配し、中臣鎌足は野に下り飢えや病に苦しむ民衆の救済活動に献身する南淵請安と出会う。鎌足は請安に心酔し、彼の活動を支える中大兄皇子と意気投合するが、入鹿は蘇我氏の独裁を糾弾する請安を反逆の罪で捕らえて処刑する。西暦645年。民衆を忘れた入鹿の国づくりを止めるため、鎌足はかつての親友・入鹿を倒し「大化改新」への道を開く。三代に亘る蘇我本家と上宮王家の仁義なき戦い(同じ蘇我氏出身だけど)「美しきものは正義である」きたよ池端節。あのモックンなら息子にそう教えそうだなぁと納得の誇り高きしかし世渡り下手の山背大兄皇子。怪しさ全開の伊武雅刀さん石川麻呂。名前の通り軽そうな軽皇子吹越満さん。面従腹背の家臣からやがて息子に追い落とされる情けない親父まで幅広く演じる原田芳雄さん。見る者なんでも吸収しそうな素直と顔に書いてある中臣鎌足。屈折キャラなら任せろの渡部篤郎 さん。桃色吐息で入鹿を篭絡する宝皇女高島礼子 さん今回は「美しいからこそ意のままにならないなら壊したい」ではなく「美しいものを自分の傍に置いておきたいがそうすれば汚してしまう」のがわかって敢えて離そうとする優しき悪=入鹿。しかし美しきものを追求する事を止められず結果的に汚れ仕事に手を出し親友の好意を無にする鎌足。鎌倉殿の13人最後の生き残り義時役の小栗旬くんわっかい!大化の改新 中大兄皇子役。気弱そうな父と何考えてるかわからない母親の息子とは思えない素直すぎる皇子でお約束の蹴鞠シーン出てきます。いじめっ子に囲まれるへなちょこガリ勉(中の人めっちゃ武闘派)をガキ大将が守る図。幼馴染で同じ女性を好きになるほどどこかに似たものを感じていた二人。結局自分の矢で彼を射る事はできずラストの抱擁は入鹿を愛しているみたいに長かったぞ鎌足(池端脚本あるある)。NHKドラマスペシャル 大化改新【全2巻セット】岡田准一 渡部篤郎【中古】【邦画】中古DVDテックシアター平城京遷都1300年にあたる2010年にNHK大阪が製作した前後篇ドラマ『大仏開眼』視聴しました。出演吉岡秀隆 石原さとみ 國村隼 浅野温子 江波杏子 高橋克典 市川亀治郎草刈 正雄脚本池端 俊策前編唐で類稀な学才を認められた遣唐使・吉備真備は、天平6年(734年)、東シナ海の荒波を乗り越えて、17年振りに日本に帰国、平城京の片隅で待つ母、妹と涙の再会を果たす。まもなく真備は、招かれた宮中の席で、17歳の美しい娘・阿倍内親王と出会う。内親王は問う。「唐の学問は人の心を変えることができるのか?」と。内親王は精神の病のため実の息子・聖武天皇と会おうとしない祖母・藤原宮子を案じていた。やがて真備は東宮学士として内親王の教育係に抜擢された。以来二人は固い師弟愛に結ばれ、未だ若く脆弱なこの国の中で、変転万化の人生を歩むことになる。強大な祖父・藤原不比等の尽力で民間から初めて皇后になった光明皇后。彼女と共に新興貴族である藤原氏が権力の頂点に立とうとした矢先、彼等が次々と天然痘にかかり、残ったのは藤原仲麻呂のみ。一方で古い貴族の筆頭・橘諸兄が天皇の信頼を得て昇進してゆく。今回の大河ドラマ『平清盛』では退廃の極みにある藤原摂関家が、まだ新興貴族として奮闘していた頃なので不思議な感覚。頂点に立とうとする時はがむしゃらだが、長くその場に在り過ぎると腐敗してゆく。歴史は繰り返すことを改めて感じた。フラットな視点で世の中を俯瞰する、現代人のような主人公が吉岡秀隆演じる吉備真備。権力争いの中を誰よりも長く生き抜いた彼は大仏開眼式にのみ出席していないそうだ。そこに目をつけて彼の大仏への距離感とその理由について洞察を加えたのが本ドラマ。石原さとみ演じる阿倍内親王は後に女帝となり僧侶・道鏡に溺れてしまうが、ドラマでは『ローマの休日』のアン王女よろしく市民の暮らしをお忍びで覗きにいくお茶目な姿を見せている。国村隼演じる聖武天皇が母・宮子と30年ぶりに会う時に涙を流す。未だ宮子の心は現実を見ていないが、たった一目見られただけで感涙にむせび、大仏建立を思い立つ、その彼の母に会えた喜びが伝わってくる良いシーンだった。同じ親子関係でも、浅野温子演じる光明皇后と阿部内親王はお互いをどう思っているか良くわからない。というよりも、光明皇后は施薬院を設けた慈悲深い姿が歴史では伝わっているが、本ドラマでは甥に自分の夫への謀反をそそのかすような策士の面を持っている。その二面性、恐ろしさが表情や台詞からでは伝わってこないのだ。見たままの人間にしか見えない。浅野温子自身があまり感情を表に出さない演技なのだけれど、それでも底恐ろしさを感じさせるキャラクターに見せなければならなかったのではないか。後編都は藤原氏の影響が少ない恭仁京に移された。聖武天皇は世の混乱が増すごとに大仏造立への思いを募らせる。真備は国が疲弊している今、大仏を造るべきではないと主張するが、僧・行基の不思議な魅力に出会い、聖武天皇との間を取り持つ。「国家の名の下にではなく、庶民の手によって大仏を造ってもらいたい」。聖武天皇の大仏造立に抱く思いを聞いた行基は大仏造りの先頭に立つ事を受け入れる。その間、藤原による律令国家の復権を目論む藤原仲麻呂は、次の皇太子候補、安積親王の命を狙っていた。その後、光明皇后に取り入って大出世を果たした仲麻呂は、孝謙天皇を傀儡として絶大な権力を握り、遂には真備を唐に追いやる。そうした激動の平城京で、9年の歳月をかけて造られた大仏の開眼法要が盛大に行われる。「藤原不比等が作った律令政治に戻そう」という志を持っていた仲麻呂が権力の中枢に分け入ると同時に、どんどん自らの権力欲に走ってゆく。かつての留学仲間だった玄ぼうも、「自らが大仏を建てる」という私欲を仲麻呂に利用されて破滅への道を辿る。こうした中で一人正義の道を走ろうとする真備が中枢から外れていくのは当然の成り行きであったろう。この三人のはっきりとした人生の岐路の別れ方は人間ドラマとしてとてもいい。それにしても大仏建立という崇高な目的のもと民が一生懸命汗を流す裏で貴族同士が権力争いを行う構図は現代社会にも通じる。大人しいが揺るがない主人公に吉岡さんはぴったり。ただ理を説くだけでは正義の象徴としては弱いので、その分高橋克典さん演じる仲麻呂の悪ぶりが目立たなければならなかった。その悪にいちいち反論する所で、正義を際立たせることができるのだ。ところで、後に道鏡に溺れてしまう女帝にしては石原さとみさんは大人しくて清楚過ぎ。そもそも仲麻呂の乱にしても、道鏡に寵愛を奪われ嫉妬して起こすというのが歴史書で書かれている成り行きだが、本作では女帝は公正な政治を望む綺麗なイメージでおさめられている。【27%OFF】【グッドスマイル】[DVD] 大仏開眼
January 9, 2012
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