「呪われた家Angeline ou la maison hantee」 私が自転車で通りかかると、荒れ果てた邸を見つける。近所の人に話を聞いてみようと、トゥーサン婆さんを見つけるが、二言目には「あたしゃ何も知りませんよ」「あと少しだけですよ。あたしは何も知らないんだから」と言いつつ、ある男性が妻を亡くし、後妻を娶ったが、その後妻と継娘との間に確執があったという噂を全部喋ってくれる(笑)。ところがこの話、聞く人、聞く人によって少しずつ細部が違ってくる。さあ真相はどれ?
「シャーブル氏の貝Les coquillages de M.Chabre」 18歳の娘エステルと結婚したやや肥満気味の45歳のシャーブル氏には、結婚後4年経っても子供ができない悩みがあった。思い余ったシャーブル氏は「海水浴に行って貝を食べた方がいい」と医師から言われて海辺の町に出かけ、エクトールという地元の若者と出会う。貝を女性器に例えることから、医師の言葉自体があからさまな比喩である。しかし本当に貝を食べたのはシャーブル氏ではなくて。まあこの先は、くたびれた中年夫、まだ若い妻、旅先で出会った若者という獲り合わせだけで想像がつくはず。だって彼を一目見た時からエステルは目が離せない。ロックオン状態なのに夫は全然気づかず本当に貝さまさまだと思っているのか。それとも目的を果たせば手段はどうでもいいと思っているオトナなのか(まさかまさか)。