楓&雅のHPです

楓&雅のHPです

第一話~私は他の情報を信用しすぎた。


話は少しさかのぼる。水音たちが中3の頃のお話。当然今時期は「受験」一色で染まっているのである。
「はいはい。全く、受験生であるあんたは何故恋に燃えるんでしょうかねえ。目標は雲の上なのに。」
水音はあきれ顔をしながら愚痴を言いにきた惟香の方を見た。
「う゛ぅ。それをいわないでよ。っでね………」
「っでねって……おいおい。」
「もぉー止めないでよっ!健吾がね………」
「人の話ぐらい聞けや。」
水音が軽く睨むと惟香がしゅんとした。睨みに押されたのか、黙ってしまう。
「あ・の・ね、私は県1の学校狙ってるんだからそれなりに学力が必要なわけ。すなわち、勉強時間の確保が必要なの。私立の試験で安定はしてるけど、油断できないんだからじゃましないでよねっ!!」
水音はいっきに言い切った。
「いいじゃん。水音ちゃん頭いいし。」
「いい悪いじゃなくってっ!!」
水音は言ってから力を抜いた。言ったって仕方ないのだ。この相手には。
「………。」
お互い沈黙が続く。
「……いい?」
惟香が控えめに聞いた。
「どーぞ。どうせ私がここで止めることを知ってて流しながら聞いてただろうし。それで?荘司君が何。」
水音が頬杖をつきながらあきれ顔で惟香の方を見る。
「あっははー。ばれた?健吾がね、今度勉強教えてくれるって言ってくれたのvv」
「ふーんそう。で?」
「それだけだよ。」
「………はい、じゃあ私は試験勉強に移りますね。」
そういって水音は机から社会の問題集を引っ張りだす。そして、苦戦しながら解き始めた。
「ひどーいっ!!!もうちょっとリアクションとってくれてもいいじゃんかぁー!!!」
「そんなことする暇があったら勉強しろや。」
水音の鋭い返事に返す言葉が無くなった惟香はそれ以上反論せず、自分の勉強へと入っていった。


時間と場所が移って夕刻。部活を既に引退したので、帰る時間がいつもより早くなった水音は同じ方面に帰る志津葉と一緒に帰ることにした。
「最近一緒に帰ること多くなったよね。」
「そうね。水音ちゃんが部活引退しちゃったもんね。」
「志津葉はまだはいってるんでしょ??」
「うん。まぁ。」
「ほぉ。頭いい人は違いますね。」
水音は冗談まじりで笑いながら言う。だが、志津葉は黙ったままだった。
「えっ…ごめん。なんか悪いこといった??」
「いや、大丈夫。」
志津葉は無理に笑った。それきり会話が続くことはなかった。



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: