「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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カメルーンの旅 その1
―― 永い永いシャルル・ド・ゴール空港経由カメルーンへ ――
総勢13名、さすがは辺境を売りにした企画旅行会社、しかも今回が一度きりの先行企画という熱帯の南カメルーンと砂漠の北カメルーン両方をめぐる結構ハードな2週間のスケジュールである。
金と時間ならたっぷりあるニッポンの老獪なひとびとと中央アフリカ、カメルーン。
そうやったら組み合わさるのかはわからないが、一発で定員応募があったそうだ。
アタシもよくもまぁ参加したもんである、トホホホホ・・・・・・・・・・。
ショックなショックなことはまだあった。
アタシたちがまずめざすはパリ郊外はシャルル・ド・ゴール空港。
エアフランス(AF)289便は予定出発時間21時55分、約14時間ノンストップ便だ。
全席・・・・・・・禁煙らしい。
それを聞いただけで、アタシはパブロフの犬のごとく、とたんに脂汗が額を流れはじめ、生唾を何度も飲み込まねばならず、肺に空洞が開いたような感覚で、偏頭痛がしだし、心臓が止まったような気がしてならず、幻想まで見そうな様相で、すっかり足痛までが吹き飛んでしまった。
数年前、キャセイパシフィック航空も全便禁煙であったが、そのときはまだ全席禁煙の走りでアタシはたいして問題とせず、香港までわずか3時間のフライト中がまんできず、トイレで数本スパスパしたものだった。
そのとき、服にまとわりついたスチュワーデスにこっぴどく叱られたことを脳裏に浮かぶ。
当時はまだしも、いまやアメリカ資本の航空会社の飛行機なんかだったら煙草を吸おうものなら出発空港までトンボ帰りをくらい、一生かかってようやく払えるかどうかの賠償金が待っているのだ。
以前、そんなことが実際起こったらしく、メディアでも報じられていた。
ますます汗がしたたり落ちる。
つらいかな、アタシは煙草を吸い始めてこの方、睡眠以外で10時間以上の禁煙の経験がないっ(いばるな)。健康増進法など、まったく関与しないところだったのに、いよいよ公共の場では「生きていけない」時代に突入したようである。
アタシはX検査を終え、出国審査を終え、足をひきづりながらほうほうの体で向かったのは空港内でも唯一喫煙が可能らしい、カフェであった。
おお、同志たちがわんさか、ここで紫煙をくゆらせながら、間近に迫る苦痛をまぎらわしているではないか。アタシは20分の間にここでたてつづけに13本!吸ったのである。
吸い貯め、ではなく、ニコチン中毒を促進したのである。
「タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない・・・・・・」
タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない、タバコが吸いたい、タバコが吸えない・・・・・・アタシは14時間のうち、2時間の睡眠時以外、ずっと汗をかきつつお念仏のように唱えていた。
「シャルル・ド・ゴール空港まであと10時間、シャルル・ド・ゴール空港まであと9時間55分、シャルル・ド・ゴール空港まであと9時間50分、シャルル・ド・ゴール空港まであと9時間45分、シャルル・ド・ゴール空港まであと9時間40分、シャルル・ド・ゴール空港まであと9時間35分、シャルル・ド・ゴール空港まであと9時間30分、シャルル・ド・ゴール空港まであと9時間25分、シャルル・ド・ゴール空港まであと9時間20分、シャルル・ド・ゴール空港まであと9時間15分、シャルル・ド・ゴール空港まであと9時間10分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであと
シャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであとシャルル・ド・ゴール空港まであと」
そして死ぬかと思った飛行機からようやくようやくようやくようやく解放され、モダンな空港内を悲鳴をあげながら喫煙場所を探すのだが、シャルル・ド・ゴールの空港どこにもない!ようなのである。
アタシは飛行機内で血液の循環が悪く、ますます悪化した靭帯痛の足を引きずりながら、モーゼの十戒の心地でいた。
もう、ひとおもいに、楽にさせておくれ、カミサマ――――。
―― アフリカのわきの下のスポンジ ドゥアラ ――
な、なんだ?なんなんだ?なんなんなんなんだ?この騒ぎは?
空港ビル構内は天から神でも降臨したかのような大騒ぎだ。
太鼓やラッパの音にすさまじい歓声が被さる。
飛行機内で血液の循環が悪く、ますます悪化した靭帯痛の足を引きずりながら、モーゼの十戒の心地でいた。
もう、ひとおもいに、楽にさせてくれ、カミサマ――――。
シャルル・ド・ゴール空港で、空港警備員に血なまこの形相でスモーキングエリアを聞き出し、涙目になりながら左片足で大きく踏み込み右足をすり足で運ぶ、を繰り返しながら地下1階で16時間ぶりのニコチン補充だ。うまいっ!もう一本!立て続けに5本!
しかし今度はこの空港で、カメルーン行き航空機に乗り換えまで5時間トランジットで缶詰状態である。まるで、アタシはニコチン切れのモルモットだ。
朝焼けのなか飛行機がどんどん飛び立っていくのを成田と変わらず、汗を流しながら待ちつづけた。
ひたすら脂汗をかきながら待ちつづけた。飛行機を?いやタバコが吸えるのを・・・・・・(恥)。
AF840機は定刻より40分遅れで離陸した。
1時間も立たないうちに地中海を跨ぎ、アフリカ、アルジャリアだ。
パリ―ドゥアラ間エールフランスの座席は最新型の液晶型テレビが備え付けられており、今現在航行している位置が地図でわかるようになっている。
音楽ばかりか映画なでのビデオもそれぞれ種類を選んで視聴でき、ゲームも搭載している。
アタシはパネルタッチだけという単純な操作にもかかわらず、機械オンチもここに極まれり!であるが操作がいまひとつわからないまま、ゲーム機相手にオセロばかり繰り返していた。
碁盤を半分埋めるどころか、こちらは碁目に10も置けばたちまちジ・エンドで機械に完膚なくまでに敗北する、のを繰り返して、ニコチン切れとともにアタシはもう切れる寸前だ(涙)。
タマンラセットやタッシリ・ナジュール上空から奇岩や大サハラの景観を小さな窓から眺めながら、気を紛らわしたりして、約8時間の飛行で北アフリカ砂漠地帯の境目あたりに位置するチャド湖を過ぎ、いよいよ飛行機はギニア湾へ向けて徐々に低空に入っていった。
飛行機は厚い厚い雲を抜け、あたり一面の濃密な熱帯雨林へと近づいて行き、カメルーン最大の商業都市ドゥアラ国際空港へ滑り込んでいった。
永い永いアタシの旅であった。
足が腫れて痛いのはもちろん、ニコチンが遮断されるという不足な事態により、アタシは2度と海外旅行など思わないと、そのときは確信していた。
飛行機から降りて、長い長いコンクリートの連絡通路を左片足で大きく踏み込み右足をすり足で運ぶ、を繰り返すのだが、成田、シャルル・ド・ホールより悪化している。
一歩一歩が以上に痛くて、重たいのだ。
入国審査が近づくにつれ、空港内が騒然としている空気が漂ってきた。
な、なんだ?なんなんだ?なんなんなんなんだ?この騒ぎは?
空港ビルは天から神でも降臨したかのような大騒ぎだ。
太鼓やラッパの音にすさまじい歓声が被さる。
何列かに並び待つ間が非常に長かったが、パスポートを一瞥されただけで、入国審査は無事終了した。
その間も祭りのように賑やかなこと、この上ない。
通路を曲がり、大騒ぎする集団がようやく全容を現した。
ジェンベという西・中央アフリカ独特のドラムや、トーキングドラムをガンガン叩く若い男たち、そしてその周りは赤・緑・黄色のカメルーン国旗を肩にかけた男やなかには女もちらほら。
祭りそのものなのか、パリからきた一便の観光客を歓迎するセレモニーなのか、気分悪くはない。
いや、というよりあまりにもすさまじい賑やかさにこちらまでハイになってくる。
いやいやお出迎えありがとう、ありがとう。
カメルーンいいところね、一度はおいで、だよね。
―ズンチャカズンチャカ、ドンドコドコドドコドコドン、オーレッ、オーレッ、オーレッ―
まるで、サッカーを応援するサポーターのようではないか。
ん?サッカー?サッカー・・・・・・・・。
―えええええええええええっ!!??――
い、いま横を通り過ぎていったのは、かのエムボマさんではないかい?
おお、皆揃いのブレザーに水色のシャツにネクタイ、大きなスポーツバッグを肩にかけている。
ひょっとして、ひょっとせずともこの集団は―――。
カメルーン・ナショナルサッカーチーム!!アフリカのライオンたちのなのだ!!
出迎えてくれたアタシたちのガイドによると、この騒動の真相はこうであった――。
カメルーンから帰国後、アタシがイエメンの旅の盟友(?)浜松のKちゃんに送ったメールには当時の様子をこう記している。
「 姫へ ――さて、ドゥアラ空港のエントランスである・・・。
群集の殺気だった目つきは、ワシを目にしたとたん、ひれ伏して
・・・んなことはなく、鐘や太鼓をドンチャラ打ち鳴らし騒然となった。
おや?お出迎えですか?オーレオーレとかしましいったらありゃしない。
が、やっぱりそれはできすぎたオハナシ。
後を振り返れば、おや!?どこかでみたことのある顔(選別は難しい
んですけど(笑)・・・)も。紺のブレザーでめかし込んでいた集団が。
なんのことはない、カメルーンナショナルチームのフランス遠征凱旋
お出迎えのサポーターたちだった。
数日後、ドゥアラでワールドカップ予選、対ガボン戦と滞在重なり町は
戦争状態のようであったことに比べれば、まだ序の口。
この先に待ち受けるさまざまな受難も、これしきのこと序の口二段なの
であーる。引っ張るなぁー・(爆)―――― 殿より 」
カメルーン・ナショナルサッカーチームは日本・韓国共同開催ワールドカップ大会のアフリカ予選を戦っている最中だが、1週間後の地元ヤウンデでの対ザンビア戦を前に、フランス代表チームとパリのスタットドゥ・フランス競技場で親善試合を戦い終えて、その帰還がアタシたちの飛行機と同じだったのだ。
その出迎えの熱狂的なサポーターたちなのであった。
アタシたちなんかの歓迎ではなくて、ゲートを出ても彼らから邪魔扱いだった(笑)。
アタシの旅はいつもささやかで意外なフェスタな渦中にいる気がする。
どこかでなにかのめぐり合わせが偶然の出会いが、楽しい朗らかない一瞬を満喫できる。
それらは、ほんの一瞬のできごとで、手からすぐにこぼれおちそうなものだが、それでも記憶の底に沈む珠玉の思い出である。
で、今回のカメルーンの旅でのフェスタなキーワードは、どうやらサッカー・・・・・・。
その後、旅のなかで北カメルーンのマルアの町で、夕食後、ホテルのサロンで、BSの再放送らしいフランス-カメルーン戦を観戦した。
フランスは先のフランス大会の栄光を勝ち取った華麗なジダン、アンリ、テュラム、
など錚々たるメンバーだ。
カメルーンはフランスの攻撃をかろうじて封じ、またカメルーンもバーに当たるなどおしいシュートチャンスを逃し、結局0-0の引き分けだった。
翌日、ドゥアラからマルアに向かうアタシたちの飛行機でまた一緒だった。
彼らナショナルチームは途中の首都ヤウンデで降りた。
1週間後のワールドカップ・アフリカ最終予選対ザンビア戦を控えているのだという。
アタシたちの旅中、ヤウンデは狂気乱舞に包まれた。
その結果はこうである――――。
2月25日、首都ヤウンデ、観衆7万6千人。曇り。
主審・アルガンドゥール(エジプト)。
ザンビアもすこぶる調子よく、またけが人がないまま初のワールドカップ出場をかけてヤゥンデに乗り込んできた。
事実上、Aグループの代表はこの2チームに絞られた。
ザンビア、GKムブロ、DFチレンベ、タナ、ムウェナ、ミシェク、MFムマンバ(46分交代マカサ)、
シニャングウェ、ミランジ、カムパンパ、FWテムボ(85分交代ムウィラ)、キムラベ(75分交代チペタ)。
一方迎え撃つカメルーンもベスト布陣だ。
カメルーン、GKアリウム、DFチャト、ソング、カラ、ヌジャンカ(89分交代ブランコ)、MFジャミレ、フォエ、オレンベ(69分交代ヌゴム)、ラウレン、FWエトオ(69分交代ジョブ)、エムボマ。
2000年アフリカ・チャンピオンであり、シドニー・オリンピック金メダルの名実ともにアフリカ難ナンバー1の座に輝くアフリカのライオン、カメルーンはこれまでアンゴラ、リビア、トーゴ相手に大会3連勝。
2月25日、地元首都ヤウンデにそのザンビアを迎え、7万6千人の観衆は勝利を疑わなかった。
前半27分、FKのこぼれ球をエース、エムボマが決めて幸先のよい先制。
それまでアウェーながら強い気迫を見せていたザンビアに落胆の色が見え始めた。
カメルーンは引き続きボールを支配し、地元ファンは追加点を信じていたが、なかなかゴールに結びつかず苦しむ。
後半に入ってすぐ、FKからエムボマが絶好のチャンスを迎えるが、シュートをバーの上に蹴り上げ、
62分にもフォエのクロスにエムボマが合わせるもものにできない。
2点目が入っていれば、かなり楽な展開になっていたはずだが、次第に1点のリードを守ろうという消極さが顔をだし、逆にザンビアの反撃を受ける。
それでもGKアリウムの攻守に救われ、1-0のままタイムアップとなった――――。
ドゥアラ国際空港ビルを出て、チームのメンバーがバスに乗り込み出発するまで、多くのひとびとが追いかけて見送っていた。
あいかわらず鐘や太鼓でガンガンヒートアップしている。
そのうち倒れてしまうひともいるのではないか?
なんだか、世界のどこにでもあるようで案外はじめて目のあたりにしたサッカー・サポーター教団である。そしてバスに乗り込む選手達は、サッカーという名の白魔術師集団である。
さて、アタシたちも現地旅行会社が手配したバスに乗り込むとしよう。
その前にタバコに火を、だ。
大西洋(ギニア湾)に面したドゥアラは熱帯性雨林気候だ。
湿った生暖かく揺れる空気に自然と、生汗がしたたり落ちてくる。
ドゥアラやその周辺地域を「アフリカの塗れたスポンジを当てた腋の下」と表現するらしい。
空は常に厚い雲に覆われ、ギニア湾の暖かい海流から熱帯性雨林でガスが充満し、いつも生暖かい。
鋭気をそぐようなアタシたちのカメルーンは静かに始まろうとしている。
熱狂的なサポーターと比例して、アタシたちを静かに出迎えてくれたのは、空港ビルに向かって手を広げているように立つ、一本のパームツリー、別名旅人の木だった。
その木の手のひらが、招き入れるしぐさなのか、―ここまでだよ―と諭しているのかはわからない。
―― モコロの水曜市で深くジンセイについて考える ――
ドゥアラのホテル。
到着早々、ウェルカムドリンクのカシスジュースの影響かどうかはいざ知らず、いきなり眩暈と頭痛に襲われた。
これは早々に寝なければ。
そうでなくても右足の甲がパンパンに浮腫んで悲鳴をあげているのだ。
アタシは地方空港から旅するとき、靭帯をサポートするためきつめの運動靴で過ごしていたのだがそれは裏目に出た。スリッパのような靴で柔らかく包んであげたほうがよかったのだが、もう手遅れだ。
ハニーの勤務する病院で泣く泣く診察を受け、痛み止めの注射を打たれたあのときの症状よりなお悪化している気がしてならなかった。
アタシの旅は、足痛との闘いでもあったのだ。
しかし、きりがない、といえばきりがない。
これを最後に極力、足痛の話はしないように務めて明るく旅したいと思ふ。
そのためにも、今日は部屋で旅の羽を休めよう。
418号室、カード式のルームキーを差し込む。
感知しない。
差し込む。
感知しない。
アタシは歯軋りしながら、エレベーターに乗り、フロントまで行く。
一歩一歩がきつい。
フロントになんとか説明し、カードを変えてもらう。フロントマンはニッコリ「ノープロブレム」
再び、長いエントランスを歩き(歩くというより這うように)、エレベーター。
ほうほうの体で客室へ。
ルームキーを差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。
感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。
差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。
差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。
差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。
差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。
感知しない。感知しない。感知しない。感知しない。感知しない差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。
差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。
差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。
差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。差し込む。感知しない。
感知しない。感知しない。感知しない。感知しない。感知しない。
関知しない。関知しない?関知しない。関知しない?関知しない。関知しない?
―あのですね・・・・・・・・・・・・・・・・・・(怒)―
まさかまさかの、もう一度決死のフロント行きへトライなのである。
気分はすっかり、K2登頂にあと20メートル迫った瀕死の登山者、なのである。
夕食時間、皆がプールサイドのバーでカクテルパーティーで談笑したり、突然のナイトシャワーのなかで木琴を奏でる楽団に聴き入ったりしてるなか、アタシの418号室とフロントの往復の旅は数回続いた―――。
カエルの鳴き声に目が覚める。
厚い雲に月が透けて見えていたと思ったら、それは太陽だった。
ホテルを出て、少し散歩してみる。
次々とツバメのような鳥が巣から飛び交いホウオウボクの木の葉が揺れつづける。
ホテルの道向かいはキオスクが数件並んでいた。
早朝だというのに、もう仕度をはじめているひと、さっそく「煙草を買わないか?」と寄ってきた。
箱売りではなく、バラにした本数売り。
アタシは苦笑いしながら、マルボロを一箱買った。500CFA(セーファフラン)である。
この通貨単位は、中部アフリカ関税経済同盟(UDEAC、1973年設立)に加盟するカメルーン、チャド、中央アフリカ、赤道ギニア、ガボンなどの共通通貨で、中部アフリカ諸国銀行(本部はカメルーンの首都ヤウンデにある)で発行される。
レートは、植民地時代にはナイジェリアに近い5分の1以外の国土はフランスに統治されていた影響で、
1フランスフラン(FF)と100CFACFAで固定されている。
因みに、1$は当時(2001年春)のレートで120円=620CFAであった。
カメルーンではナイジェリアの通貨ナイラも両替可であり、またT/Cのコミッションが5~7%と高いので、できるだけキャッシュ特に数えやすいFFに両替したほうが有利である。
昨晩はじめて通貨を使ったのは皆からは大いに遅れて食べ損ねるところだった夕食時である。
水のボトルが1400CFA、そしてアフリカで最もポピュラーなビール、プレミアが1100CFAであった。
アタシは今日、北部カメルーンの町マウラへ行くため、バスでドゥアラへ向かう途中、何気にドライバーがかけていた音楽テープがいたく気に入り、ケース無し、録音したテープで雑音あり、にもかかわらず、ドライバーに頼み込み、空港到着後、3000CFAで買い求めていた。
今回のカメルーンの旅は、前回のケニアの旅ではまりにはまっている―リンガラ音楽に触れるため―の
旅という主題があった。
しかし、買ったテープはリンガラではなく、どうやらカメルーンの民謡ポップスであったらしい。
リンガラと共通した甘いフレーズのメロディとテンポよくリズミカルな音楽で見分け(聴き分け?)がつかないのだ。
リンガラともうひとつ、ケニアの旅で果たすことができなかった買い物をも求めていた。
それは仮面である――。
大小200の部族があるとされるプチ・アフリカ=カメルーンばかりでなく、マリ、ドゴン族をはじめ西アフリカ、中央アフリカの仮面を物色しようと意気込んでいた。
ちょうど、ドゥアラで宿泊したMホテルには仮面専門店があった。
アタシがショーウィンドーから眺めていてビビビときた仮面があった。
店のマダムがニッコリ微笑むのを待つまでもなく、アタシは店に直行したかったが、生憎CFAへの両替が空港では銀行がなかったためできずにいた。
急ぎフロントで両替し、スーツケースを部屋へ放り込んで、じっくり仮面を物色するつもりだったが、
例のルームキーのおかげで、再び店を訪れたときには店には硬い鉄のシャッターが締まっていた。
ビビビ光線を送ってくれた彼女(仮面たちのことです)は黙って微笑んでいるままだ―――。
そして、カメルーン滞在中、ついに仮面ショップとは出遭えなかった。
かわりにアタシは帰国してインターネットショッピングで次々とビビビな仮面をゲットしている。
そんな買い物上手♪のアタシも、ドゥアラからマラアに着き、カプシキへ向かう途中寄ったモコロで考えあぐねていた。―買おうか、買わまいか、買おうか、買わまいか、・・・・・・・―
カラフルな女たちでとても賑わうというモコロの水曜市とやらは、すでに閑散としていた。
店畳みをはじめる彼女たちをボーッと眺めるでもなく、足が痛くて座りこんでいた。
そのとき、どこからともなくやってきた少年から差し出されたモノ。
う~~~~ん・・・・・しばらく考え込んでしまった。
二つの選択肢がこんなに大きな悩み問題だとは―――。
でも、欲しい・・・・・・・・。
どうしょうかどうしようかどうしよぉうかどうしよぉか???
それは、見たことにないくらい、やけにカラフルで大きな、生きたトカゲだった―――。
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