「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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セイシェル旅行記 その5
シャンパンを4杯飲んで、ちょっとヘベレケだ。
いやそれとも、明け方に結局飲み続けた(笑)ウィスキーが効きだしたのかもしれない。
私はいつもこんな生活を送りたいと、本気で願望している。
ああ、私って、どんなひと?
―――釣り書――
ご趣味一覧●なにがなんでもアフリカ●新しいお嫁さんとは象牙海岸で朝焼けのコーヒーを飲もう!というクドキ文句と決めてるよ●災いなして福となる料理好き●なんといってもスペイン料理が得意。イタリアン、アラビック、アフリカン他インド、フレンチも探究心旺盛。新しいお嫁さんはお皿洗いさえしてくれれば●ムカシもイマもモテナイ君●なのさっ。だからヒトの痛みはわかるし、コツコツマメなわけさ。だからか、つきあってきた彼女は数知れず。ノンフィクションの恋物語のほうがおもしろいよ。書こうかな・・・●お約束の食べ歩き●和中はぬきで、洋一本!デートはHするより食べあるきが好きだから、お得だよ●観戦なら断然ラグビー●スポーツ観戦なら断然ラグビーだね。なぜか幼少のミギリよりフランス代表チームが好き。舞え、トリコロール!シャンパン・ラグビーは美しい●いまでもファッションリーダー●赤いカードで一杯買った洋服は今でも充分着れる先見の明。冬は頭からつま先まで凝りに凝った重ね着王だけど、夏は面倒でオッチャン下着に肩掛けタオル。●そこにギャルもいるから登山●馬脚なら誰にも負けません。アルプス、東北の山々踏破した山数しれず。でも、最近はロープウェイで昇れる山なんかが好きかな。●ドラ息子、タイガース●今は、何も語りたくないよ。●Jポップスってなに?音楽ならブリテッシュポップスで決まり!クラシックなら断然ブラームス♪日本のは細野晴臣、ムーンライダース、姫神、あと夏に大滝詠一、山下達郎、佐野元春くらいかなぁ~~。●夕焼け写真少年探偵団●いろいろ旅しながらも、夕焼けは最も大切な写真タイム。夕焼けの写真集だせるくらいだよ。家の2階からただ撮っただけが圧倒的に多いけど、ね。●なにがなんでも、お酒●人様の5生分は飲んだ換算です。どんなに飲んでも飲んだ暮れないよ。手もゼッタイあげたりしない。しかも、保険はいいの加入してるから安心だよ。●ひょっとこワイン博士●自分で買うのは3000以内。レストランでも1マン以内。そのくせ高額なワインにめちゃ、詳しいよ。●とりあえずサッカー●Jリーグ創設、W杯、欧州選手権、などイベントの度に自己チーム立ち上げてます。すぐ解散するけど。でも、一応JFLの登録会員証持ってるよ。●これさえあれば、のリンガラ音楽●Jポップス??あ~~やだやだ・・・・。そんな暇あったら、リンガラを聴きなさいっ!!身もココロもウキウキ昇華されて、貴方の空洞を埋め合わすにありあまるダンスを!リンガラはキューバ経由のザイールダンスポップス&ルンバです●夏はやっぱりマリンスポーツ●そのムカシは青山あたりに出没するオカサーファー。夏はやっぱりとりあえず浜辺へ。今では寝そべって、たんに家族との海水浴が多いかな●とことんイタリア人●陽光きらめくイタリアに憧れ、伊達オトコになりきろうと大学に語学講座開設までこじつけたよ。イタリア語?1番の成果は2才年下の誰もがうらやむ文学部の娘さんを彼女にできたことかな いつか「物語」書いていきたいな●いまだにクラブ活動?●ええ年こいて、いまだにクラブ活動。梅田や三宮へ、アラブの民族衣装着て、繰り出すよ。メチャクチャなアラブ語駆使して快感だよ。●絵画ならいちおう聞いて●絵を書くのが大好き。一応展覧会とかの賞経験あり。習字もまあ、得意かな、絵心で書くわけさ。出店の看板なんかお茶の子サイサイ。看板やくらいにはなれるよ。バザーのね?●お約束の読書●とにかくなんでも好きトーマス・マン、森本哲郎、ゲーテ、プラトン、村上春樹、松尾芭蕉、古事記、ヘッセ、山本夏彦、中村うさぎ、伊集院静、歴史、宇宙、動物、西洋文学、教育、料理、漫画、哲学、環境、紀行、Hな雑誌系なんでも。●文章書くのダイスキ●読書のおかげと、感性でスラスラかけるよ。懸賞で食べていけくらいだよ。●おちゃめな世界のコレクターズ世界を旅して廻って、その土地の民芸品なんかたくさん。一部屋占拠して家族からは「捨てなさいっ」って言われるけど・・・お宝は捨てられないよ。●Hビデオ●あんまり喋りたくないなぁ~~でも正直な自分にイイコイイコ♪●でも、イチバンの命!!は太鼓祭り●ハニーの町の太鼓祭り、これが一番さ。カレンダーはこの日からはじまり、この日に終わる。地元では、そのためにハニーと結婚契約(笑)交わしたんじゃないかともっぱらの評判だよ。勇壮で、かつオトコを感じさせてあげちゃう~。ソーリャエイヤエイヤ、ヨイヤサノサッア~~♪●ネット交流●古妻に言わせれば、家庭内家でだってうまいこというよなぁ~~―――
さて、部屋に戻ったのが8時ちょっと過ぎ。
待ち受けていたかのように電話のベルが鳴った。
「今日の9時にデスクに来る予定ですね?」
え?9時たしか昨日、セイシェル国際空港では「では、明日10時、出発」と聞いていたはずだけど。
今日は、今回の旅の一番の目的であるラ・ディーク島へ行く日だ。
マヘ島から飛行機でプララン島へ飛び、プララン島らボートでラ・ディーグ島へ行く計画だ。
昨日、現地旅行会社の最大手「クレオール・ホリデー」のデスクにて「予約をしている」。
はずだ・・・・・・・。
前日、セイシェル第1日目―――。
入国審査での大汗かき太郎も、まだかき足らなかったのだ。
ドバイ8時25分発エミレーツ航空EK707便。
現地時間13時10分、予定どおりセイシェル空港に到着した。
私たち以外の乗客は全員ヨーロッパ人であった。
ほとんどのひとは入国審査を通過すると、すぐにホテルの送迎バスに吸収されていった。
私はバスに乗り込む前にすることがあった。
セイシェル空港到着後、プララン島―マヘ島間の往復チケットを買い求める。
日本を発つ随分前からそう決めていた。
しかし、空港ビル外側にずらりと並ぶセイシェル国営航空カウンター窓口は全部閉まっていた。
いきなり頓挫である。汗。
「飛行機のチケット買いたいのに窓口全部閉まってるやん?」
「土曜日だから?」
予定外で焦りはじめる。
「聞いてみたら」
いつも気楽なハニーだ。
「あ、そうか、ホテルまでのドライバーか、エージェントに尋ねてみよう。なんでおらんの?普通、わしらの名前の入ったプレート持ったひと立っとるよな?」
「そうねぇ。旅行会社はなんだったっけ?」
「アホかっ。まだ覚えてないんかっ?!ファイブスターじゃいよんのに!」
その旅行会社、どうにも見かけない。
ウロウロオロオロしていたら、現地クレオールの男性に声をかけられた。
「H・I・U?」
「エッチ、アイ、ユウウ?ノーノー。ファイブスタークラブ」
「???」
汗。
キョトンとして男は去っていった。
「トットコ、大丈夫なん?ファイブスターって、結局、関空でもドバイでもそんな名前の表示なかったやん?それって日本の旅行会社でしょ?ここの代理店とかはどこなん?」
「え?そんなん知るかっ!あんたわかったみたいに言うなっ!」
汗。
ヨーロッパ人はみんなタクシーや送迎バスで去り、空港ターミナルにはいまや人影すらない。
しばらくして、またさきほどの男が舞い戻ってきた。
「ミスター○○?」
「あ、はい、はい、そうですが。あれ?」
キョトンと汗。
男は手招きする。
焦って彼の後を追いかける。
送迎バスに乗せられる前に、飛行機チケットの購入を逃してはならない。
男を呼び止め、機内で簡単英会話本から暗唱していたベタな英語で彼にお強請りした。
「ちょっとすんません(汗)。私たちは明日、ラ・ディーグ島へ行くことを希望しています。そこで、プララン島へ行く飛行機チケットの購入をしたいのですが。チケット予約はどこへ行けばよいのですか?」
「はいはい」
男は心得たように私たちを案内する。
私は安堵した。
「やれやれ、通じたわ。ワシの英語もたいしたもんだろ?行けるで、ラ・ディーグへ!」
「どこなんそれ?」
「またそれを言う・・・・・。あのなぁ!飛行機でガイドブック見せながら説明してやったろわ!」
「そんなん、すぐには覚えられんよ」
「ああ、そうですよねっ!地図でモルディブさして『セイシェル?』って聞くひとですもんね(笑)」
「ちょっと間違えただけよ、そんなに変わらんやん。地図では」
すごい論理だ。
案内された場所はすぐそこだった。
空港ビル内、椰子の葉の屋根があるバンガロー風のカウンター。
「あれ?クレオール・ホリデー?」
セイシェル最大手のクレオール・ホリデーのオフィスだ。
カウンターに居座るのは、細い体つきでやけに目ヂカラがある猫目のクレオール女性。
プレートが置いてある。
「ナディア」だ。
ここに誘導した男がナディアに私たちを紹介する。
ナディアは私たちをチラッとだけ見て、会社概要&観光案内パンフレット風な用紙にメモしている。
メモを終えると私に渡し、目ヂカラ強く微笑む。
「今日はもう閉まっている。明日10時にホテルのロビーで待ちます」
メモを指でなぞらえながら説明する。
「ホテルには私ではなく、マリエルが待っているから」
ナディアはニッコリ。
私はビックリ。
「え?ホテル?に10時?そりゃ遅すぎるよ。行けないよ、ラ・ディーグまで。本当に明日行けるの?」
これは大いにあせります。
「ええ、ですから明日にね」
ナディアはニッコリ。
ではなく、ちょっとムッとした顔をして、「相手は英語が通じないらしい」と気づいたようだ。
セイシェルでは英語など3つの公用語がある。
英語、フランス語、クレオール語の3つの言語である。
国が興り200年という浅い歴史のなかで、約50年間フランスの殖民地、その後イギリスの殖民地であったため、今でも国民の約半々が英語、フランス語のどちらかの言葉を理解できるらしい。
一方、クレオール語であるが、これは植民地時代にフランス人がアフリカ系奴隷への命令伝達の手段として生まれた。
異なるふたつの言語を理解するため、人の間で作り上げた言語をピジン言語という。
クレオール語は、ココナツやバニラ・シナモンなどのプランテーションにおける雇い主フランス人と奴隷として働くアフリカからの移民との意思疎通を図る共通言語として、フランス語とアフリカ系言語の共通言語として生まれた。
クレオール語というのは、ほかにモーリシャスやカリブ海のマルティニークにもあり、それぞれ異なる。
セイシェルのクレオール語は、フランス語を基盤としながらもアラブ語や英語、マダガスカル語などの影響も受けているらしい。
クレオール語は主従関係の言語であったため長らく文字がなかったが、1982年、セイシェル人の努力により辞書ができた。
1985年に準公用語になり、徐々にではあるが新聞や文学にも使用されるようになったらしい。
さて、猫目ナディアと私にもピジン語のような共通言語が生まれればすばらしいのだが。
生憎、私が英語を理解するしか手立てはないらしい。
びっくりしているのは彼女たちのほうに違いない。
「英語もフランス語もクレオール語も話せず、よくもまぁ、東洋人がここまで来たわね?」
ナディアは、ここまで案内してきた男に「お手上げよ」とジャスチャーした。
男は頷きながら呆れ顔。
ナンシーが何やら喚きはじめたので、他のクレオール社員も集まりだした。
私はこれしか方法がないといった哀願顔。
送迎バスの運転手もバスから降り近寄ってきて困惑顔だ。
「あの、ほかの客も待たせてあるんだけどね」
インド洋のど真ん中の小さな小さな島で、困った顔が勢ぞろいの図、である。
ハニーは、「アタシ関係ないからね」とひとり涼しげな顔。
汗、汗、汗である。
絶望の淵だ。
にっくきバンガローのヒロイン、ナディアはこの際追いといて。
ここへ案内した男に再度念を押す。
「あのね、プララン島へは行くつもりないからね。ラ・ディーグ島オンリーだからね。ここに10時集合じゃ、遅すぎるんじゃないの?」
「はいはい、サー」
男は「わかっているからしつこいなっ」という顔つきでうなずく。
「わかっているんだね?」
しかし、私の疑念は、不安は全然解消されない。
私は「地球の歩き方(ダイヤモンド社)」のセイシェル編をドバイからの機内でずっと研究してきた。
1 マヘ島からプララン島までの行き方、時刻表
2 プララン島からラ・ディーグ島までの行き方、時刻表
3 これらの帰りの便の時刻表まで諳んじるまでになっていた。
今一度、「地球の歩き方」231頁と242頁を紐解いてみよう―――。
――Air Seycelles――
予約はヴィクトリアにあるオフィスで直接するか、旅行会社を通してする。空港へは出発の30分前までに到着していること。空港の窓口で購入することも可能だが、団体予約も入っている場合もあるので、事前に予約、購入しておいたほうがいい。
マヘ島→プララン島 毎日7:15~18:15に15~60分おきに運航。
所要約15分、59ユーロ。
――フェリー――
「Cat Coco 」マヘ島←→プララン島 毎日運航。プララン島まで所要時間約1時間、25US$。
「 Ferry Service 」プララン島←→ラ・ディーグ島 毎日運航 ラ・ディーグ島まで所要約30分
US$12
ラ・ディーグ島への行き方。
プララン島から毎日、フェリーが出ている。所要約30分、運賃往復24$
○プララン島発
7:00 9:00 10:00(日曜は10:30) 11:15(日曜は12:00) 14:30 17:15(金・日は17:45)
○ラ・ディーグ島発
7:30 9:30 10:30(日曜は11:25) 12:00(日曜は14:00) 15:30 16:30 17:45(金、日曜は18:15)
チケットはフェリー乗り場で購入する。プララン島から往復のチケットを購入し、そのときに、帰りのフェリーの予約をする。15分前にはチェックインしておくこと――――
この行き方で、私がものすごく案じていることがある。
私たちが訪れるのは日曜日、できればマヘ島を8:00台の飛行機でプララン島へ行く。
帰りの時間を逆算すると、遅くとも10:00にはプララン島に着いていなければならないと計算している。
プララン島の案内図では、島の南西側プララン空港から島の南東側にあるフェリー乗り場までから直線約10キロ、実質約15キロ、整備された道路がないとして20分はみておかなくてはならない。
そして、10:30分発のラ・ディーグ島行きのフェリーに乗る。
ラ・ディーグ島は、南北4キロ、東西2キロほどの小さな島だ。
植民地時代、ココナツ、バニラやシナモンのプランテーションがあった。
島の周囲は大変美しい海岸が多く点在している。
セイシェルの観光パンフレットには必ずといっていいほど紹介される花崗岩がそびえるアンス・スール・ジャルダンや、海の青さと白波のコントラストが美しいグラン・ダンスなどがある。
観光客の移動はレンタル自転車か観光用の牛車になる。
アンス・スール・ジャルダンとグラン・ダンスへ行くとして、自転車での移動時間も含め3~4時間もあれば十分だと考えている。
ラ・ディーグ島での滞在よりも帰りの時間が重要になってくる。
余裕をもって、最終より2本前の15:30発のフェリーでラ・ディーグ島を離れ、16:00にプララン島の港へ到着。
急ぎタクシーかバスに乗り継いで空港へ。
遅くとも17:00にはプララン島空港にいたい。
プララン島からマヘ島への飛行機最終便は18:15発である。
そして、このスケジュールだけでも時間との格闘であり不可能に近いのだが、さらに欲を言えばプララン島の北西端にあるアンセ・ラヂオ(ANCE・RADIO)というビーチにも行きたいと希望している。
アンセ・ラヂオは世界の欧米のビーチ・リゾートガイドブックなどで、「世界のダイバーが選ぶ世界一美しいビーチ」に堂々一位で紹介されている。
プララン島のアンセ・ラヂオは無理でも、ラ・ディーグ島のグラン・ダンスも同じように大変美しい海岸と紹介されているので、せめてそちらだけは絶対行きたいと考えている。
数少ないセイシェル情報のなか色々調べてみると、「世界一綺麗なビーチ」がセイシェルにはアンセ・ラヂオ以外にも7ケ所ぐらいあった。
マヘ島南西側ヴォー・バロン、東側ビスタマドール、グラン・ダンス、南端のアンス・アンタンダンス、セント・アン海洋公園のサーフ島。
プララン島のアンセ・ラヂオ、グラン・ダンス。
ラ・ディーグ島南東のグラン・ダンス、隣のプチ・ダンス、そのまた隣のアンス・ココスなどもそうである。
バード島の二つの浜もだし、クーザン島、デニス島、マヘ島のヴォー・バロンから見えるシルエット島、
フリゲート島などのビーチもとても美しいと言われる。
ホテル専用のヘリコプターやボートで訪れるようなワンアイランド・ワンリゾートといわれる島などさらに「美しい」評判が高い。
これらのリゾートは訪れたひとのみが美しさを独占できるのだからなおさらという気がする。
アスフォンス島、アノニム島、フェリシテ島、デロッシュ島、ショブスーリ島、ソース島、サンタンヌ島などには、高級リゾートではなく長期滞在型のロッジのみのような島もある。
まったく手つかずの無人島も加えると、セイシェルには「世界一美しいビーチ」が無尽蔵にあるようだ。
ところで、「世界一美しいビーチ」はセイシェルのほかにも当然候補地がある。
オーストラリアのグレートバリアリーフのホワイトサンビーチ、ヘイマン島、ニューカレドニアのイル・デ・パン、ウベア島、タンザニアのザンジバル島のパジェ、エジプトのシャルム・エル・シェイク、イタリアのアマルフィ海岸、ギリシアのアンディパクシ島のブリカビーチ、ボラカイ島のホワイトビーチなどなど。
地球にはまだまだいたるところに世界一があるはずだ。
モルディブなんか島と環礁とビーチの数だけ世界一がありそうだ(笑)。
沖縄諸島の数々のビーチを挙げるひとも根強くいる。
セイシェルは、日本ではまだまだ馴染み薄いが、欧米の旅行雑誌や旅行者アンケートでは度々プララン島のアンセ・ラヂオ、ラ・ディーグ島のグラン・ダンスは「世界一」として掲載されている。
セイシェルの数あるアイランド&ビーチのなかでも、プララン島とラ・ディーグ島は、島までの行き易さと島内移動の容易さにより、是非行くべし、一押しのアイランド&ビーチなのだ。
因みに、どの島にも「グラン・ダンス」があるが、フランス語で「大きな湾」、とても単純な名称である。
南西部のプララン空港と北西部のアンセ・ラヂオは距離が近い。
しかしながら、島内は南北海岸線までの横断道路がほとんどなく、プララン空港から南東部のフェリー乗り場を経由してほぼ島を一周するかたちでなければアンセ・ラヂオにたどり着かない。
このコースはさすがに無謀ではある。
こんな訳で、ナンシーが言う、「空港に10:00」は、尚更、大いに、一日の行動計画が崩れるのだ。
この際、観光立国であるセイシェルの流儀に倣い、ホテルからの送迎つきオプショナルツアーに参加したほうが安心で安全といえるのだが、せっかくだから二人きりで「思い出」をつくりたい。
それに、観光天国であるセイシェルのことだ、ベラボウに高い料金をふっかけられるに違いないのだ。
インターネット検索した「Green Holiday(グリーン・ホリデ-)」でオプショナルツアーが案内されている。[http://www.greenholiday.com.sg/sez/index.html]
――オプショナルツアーについて――
プララン島&ラ・ディーグ島 日帰り2島ツアー
【料金】 出発地:マヘ島の各ホテルよりピックアップ
(1)往復飛行機利用 大人$400 子供$330 *マヘ島プララン島間は飛行機で移動。
プララン島―ラ・ディーグ島はフェリー利用となります。
(2)片道高速船/片道飛行機 大人$370 子供$293 *マヘ島プララン島間の片道を飛行機利用。プララン島―ラ・ディーグ島はフェリー利用となります。
(3)往復高速船 大人$300 子供$242
【目安の時間】 07:00頃~19:00頃まで(昼食つき)――
以上の内容で、すごく割高感がある。いや、はっきり言って割高である。
「地球の歩き方」によるとマヘ、プララン、ラ・ディーグ間すべてをフェリー利用とすると、往復74$ですむのである。
それが、このツアーだと300$!と約4倍!
昼食、ガイド、島内の移動経費などを差し引いたとしても、100$以上はゆうにふっかけられている勘定ではあるまいか?
これはもう、なにがなんでも自力でラ・ディーグ島へ行くしかないのだ。
アンス・スール・ジャルダン。
私は旅立つ前、妖しいネーミングのこの海岸名を何度おまじないのように唱えたか。
数々の子連れ旅行をネット上 [http://www.geocities.jp/kozurevacation/index.html] で紹介し、そのアクセス数と人気の高さから、本にまでなった、著作者名「イルカ」さんの「それ行け!子連れ海外旅行(主婦の社刊)」の子連れセイシェル旅行ラ・ディーグ島滞在のページでこう記されている。
――積木のように積まれた巨石、雪のように白い砂浜、そしてクリスタルブルーの海のコントラストが、神々しいまでの光をはなつアンス・スール・ダルジャン。
セイシェルの他の島にも、ラ・ディーグ島の他のビーチにも、花崗岩が転がるビーチはあるが、アンス・スール・ダルジャンほど自然の偉大さを実感できる場所はない――
ああ、神々しい、のである。
アンス・スール・ジャルダン。
「グロリア・ツーリスト」のホームページ、セイシェル、ラ・ディーグ島編ではこう紹介されている。
[http://www.gloria-tourist.co.jp/sey/index.htm]
―――さざなみの穏やかな海、吸い込まれそうなターコイズブルーの海。
白い波頭が激しく打ち寄せる海。小さい島なのに色々な海を楽しめます。
海に落ちていく太陽の雄大さと、刻々と変わる空と海の協奏曲が時を忘れさせてくれます。
通称恋人岩と呼ばれている巨大な花崗岩からなる海岸。白い砂と紺碧な海とのアンバランスな魅力がなんともいえないです。
大きな岩陰には休日ともなると恋人たちでいっぱいです―――
恋人岩と謳われる花崗岩のビーチが待っている。
白い砂と紺碧な海とのアンバランスな魅力だそう。
大きな岩陰には休日ともなると恋人たちでいっぱい・・・・・。
なんだそうである。
萌え、である。
アンス・スール・ジャルダン。
なんとも芳しい香りがするネーミングではないか。
アンス・スール・ジャルダン海岸に繋がるアンス・レ・ユニオン。
映画「さようならエマニエル婦人」のロケ地でもある。
ラ・ディーグ島にある現大統領の別荘は、「エマニエル婦人」の別荘としても有名だそう。
萌え、萌え~~、である。
待っていろ、恋人岩、アンス・スール・ジャルダン。
行くぞ、ハニー、その日はきっとキューティーハニー。
だからなんとかしてよ、ナディア、なのである。
いまだに私の悲鳴・困惑光線をただの迷惑光線でやり返してくるナンシーお姐さん。
「だから、10時では遅いっ!!本当に飛行機出るんか?ツアーで行くつもりはないぞ!」
「もうみんな待ってるし、早くバスに乗ってね」
啖呵を切ろうかという勢いの私の雄叫びは、ホテルへの送迎運転手にあっさりかき消された。
そもそも、日本のとある代理店「ファイブスタークラブ」でオプショナルツアー頼んだのはいいけど、現地調達してくれとばかりに、一枚のPDFデータが送られたきり。
そのデータにあったツアー主催社が「クレオール・ホリデー」だったんだよな~。
セイシェル最大手ツアー会社「クレオール・ホリデー」。
そのツアー料金が高いのなんの。
高いと感じていたグリーン・ホリデーよりまだ高めだった。
「絶対、ツアーではラ・ディーグ島には行かないからな。断固、自力で行くからな」
日本を発つ前、そう自らに誓ったものだ。
私はやるときは、やる。
たぶん。
★戻るくん★
★進むくん★
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