「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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4)デザートワインをたしなむ
2005年2月20日 この日は、イーネ・イーネと私にとって、ひとつの記念日となりました。日曜日だったこの日、人気の2番組に立て続けにデザートワインが取り上げられました。
うるるん滞在記 氷点下の滴 アイスワインに(ON AIRから遡ってください)
http://www.ururun.com/
世界遺産 トカイ地方のワイン産地の文化的景観
http://www.tbs.co.jp/heritage/archive/20050220/onair.html
次の日から、続々とお問い合わせのお電話が鳴りまくりです。アイスワインを飲める店はさほど多くなく、イーネ・イーネは、検索ランクでトップだったからです。Gooによりますと、その週の検索ワードで「アイスワイン」はベスト5に入ったとか。
お店では、それまで、アイスワインは1種類を気まぐれで色々替えていたのを急遽貴腐ワインも含めて6種類にラインナップしました。
その後もしばらく、遠く大阪、四国などからもお客様がいらっしゃいました。
今回は、このデザートワインのお話をしてまいりましょう。
「ワインは発明ではなく発見」
ワインって、どのくらい前からあるんですか?
時折お客様に尋ねられます。教科書的には、紀元何千年も前にワインに関する記述がある、とか、メソポタミア文明あたりを起源にする、ウンヌンとなっていくわけですが、それよりも大事なことは、恐らく、天然にあったものを人類が利用した、発明ではなく発見ということではないか、と私は信じています。
穀物から生まれるお酒は、でんぷんを糖化してからでないと発酵できませんが、果実(ぶどうに限らず)は糖質をそのまま酵母が利用するので、条件が整えば、人類史以前からあったものだ、と思います。アルコールは生体にとっては毒ですから、他の生き物が利用するはずもなく、人間のような高度な頭脳を持って初めて「見つけて」「飲んでみた」のではないでしょうか。
その後、キリスト教と結びついての世界的な普及というのはご存知のとおりで、いまや、ぶどうは、世界で最も生産量の多い果実(第二位はバナナ)となっており、その8割以上はワイン生産用です。
そして、この貴腐ワイン、アイスワインというのも、発明ではなく、偶然にうまれたものです。
貴腐ワインは17世紀 ハンガリーの戦争によってもたらされたもの、アイスワインは
18世紀 ドイツの農民が氷果から見出したもの、で、どちらも人為的な製法によらない天然ピュアな源を持っています。
「アイスワインとの出会い」
私が一念奮起してワインのことなど何も知らない、ただの人から、ソムリエになったのは1992年のこと。当時は、今のようにワインが多く売られている事も無く、アイスワインという単語はドイツのワインとして勉強しましたが、味わってみる機会はありませんでした。
え?そんなんでソムリエになれるの? はい、なれるんです。(汗)
で、ソムリエになったから、何かが変わる、ということもなく、即就職間口が広がる、ということもなく、マイ名刺の肩書きに入れて、仕事以外の出会いの時に使うくらいでした。
なってみて、ほっとしちゃって、ノンポリのソムリエだったわけです。
ただ、当時ワインブーム(田崎さんが世界一になったのは93年のこと)になり始めていて、比較的初期の684番目のソムリエといったって、将来は、多くの方がソムリエになるだろう、と予想もされました。実際今では1万人を超えているようです。
え?そんなにいるの? はい、あなたの身近にもいらっしゃいますよ。
ソムリエの大集団は、実はスチュワーデスさんです。胸にぶどうの金バッチをさして接客をしているのに出会ったら、一声かけてみてはどうでしょう。素敵な出会いが始まる・・・かも・・・
そんな時、年1回の食品の大展示会であるフーデックスに、毎年出展していまして、私は試食ラインの責任者でもありました。平日の一週間くらい現場に出て、担当者やコンパニオンが慣れてくると、よく抜け出して外国の出展者に行ってワインを飲んでいました(早い話、さぼってる)
その時、展示会アラシ?で有名な某ドイツワインの会社のブースでお話をしていましたら、先方も脈があるか、と思ったのか、アイスワインと貴腐ワインを特別に勧めてくださったのです。
「とろけるワインをプレゼント」
第一印象は、世の中にこれほどの酒があるのだろうか、と。ものすごく興奮して、(買うわけには行かないほどの値段)ちょっとこれ、もらっていくね、と言って、強引に頂いて、当時会社でやっていたワインの勉強会の仲間に振舞うことにしました。
ホント声が出ない、言葉にならない、という美味しさ。甘口ワインというと、砂糖水のような、しまりのないヘナチョコワインを連想しますが、極上の逸品というのは、こういうものか、と。
(ちなみに、これほど感動したのは、この後は、バルサミコ酢のホンモノをなめたとき、しかありません)
その後、当時出入りしていた西船橋にある相川さんという酒屋さんに頼んで、アイスワインをケースで仕入れたのです。
何か特別の時に贈り物にしようと。同僚の結婚式やお子様が生まれたときのプレゼントにしましたら、それは、みんなが喜んでくれて。
「こんなに人に好かれまくられるワインのようになりたい」
料理人とソムリエ、その両方を持っている人間はそんなにいないだろうから、たたき上げではないにせよ、いつか役に立つかな、と思っていた私には、このアイスワインは、天からの贈り物でした。
普段お金がないものの、買って飲む酒は、ワインだけ、と心に決めて、ちまたのスーパーやコンビニ、ディスカウントショップなどで買える1000円台のワインを飲みまくって、その品評リストを作って、会社の中で配ったりすうちに、そうだ、世の中のソムリエって、ホテルのプレステージの高いワインばかりだろうから、普通のワイン好きの方に貢献するこういうリストやら、アイスワインのような珍しいワインを、そして、誰もまだ知らない未知の生産地の3つを勉強しよう、と、思い始めました。
98年には、まだ知られていなかったオーストラリアの西部、マーガレットリバーに一人で訪問したり、これからはネットの時代ですよ、と、勧められて、「ひとびとネット」というところに登録し、そのハンドルネームにアイスワインを語って。当時書いた記事が今でも残っています。ご興味のある方はご覧になってください。
田崎さんと日テレを卒業したばかりの永井美奈子アナのワインの番組が流行ったり、江川さんの深夜のワインの番組があった時代と記憶しています。(書いていたのは2000年ころ)
ワイン&グルメよもやま話
http://www.hitobito.net/index.php?module=Navi&navipage_id=29
「ぜひ一度試してみてください」
もちろん、イーネ・イーネに来い!と強制しているわけではありません。
お食事の後に飲むお酒は、ちょっと日本人には強いものが多いので、ぜひこういったピュアなデザートワインがありましたら、お試しになってみてください。
アイスワインはデザートそのものですのでそのままで、貴腐ワインは定番はゴルゴンゾーラなどのブルーチーズです。食後の豊かなひとときをご堪能ください。
今日の一言は 私の想い
アイスワインをグラスで飲める店が他にあったら、私はお店を開かなかった。
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