根っこの今

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#3(1) ブタと私マップ

nekko

00年10月号(1)

アジア学院ではさつまいも掘りが始まりました。
私にとって、2年目の学院での秋。2年間のアジア学院日本人学生としての学びを終えて、今は総務スタッフとして、アジア学院に就職。

一言でこれまでのアジア学院での研修の一年間を表現するなら、アジア学院のモットーでもある「共に生きる」事をいろんな機会を通して学んだ一年だった。多くのアジア・アフリカの人たちとの喜怒哀楽な人間関係は、今の自分の宝でもあり、2年目の今なお、ヒューマンクラッシュの連続だ。

豚と私マップ
アジア学院ブタ部門では、最近給食センターで重油をかけてまで燃やしていたという給食残飯をひきとり、米ぬかを混ぜ、発酵飼料(腐らないし、微生物の働きでブタには良い)にしてブタのえさにするということを始めた。たいていの畜産のえさとなる配合飼料は、アメリカからの輸入物だから、なるべく地域にある資源を使っていこうという試みだ。

夏に、地元の小学3年生が総合学習の一環として学院に見学に来た。ただ、学院をまわるのではおもしろくない。何かテーマをもってやろう!と企画したのが、『私とブタのつながりマップツアー』。オリエンテーリングのように、学院の農場にいろんな問題をはり、地図をたよりに問題を解きながらまわっていくというもの。

ブタ小屋の所に来ると、自分たちの食べ残した給食がどのようにして再利用され、ブタのえさになり、そしてそのブタが出した糞尿が、どのようにしてバイオガス(ブタや牛などの糞から発生するメタンガスの事)となって、台所で使われているのかを、見て感じられるようにと企画した。

ごみは捨ててしまえばごみに過ぎない。目の前から無くなってしまえばどんな風に処理をされようと気にしない。でも、ごみは工夫すれば、ごみではなくなるのだという事を伝えたかった。

ごみをどう処理するのかだけでなく、私たちがごみを出さぬようにするには、どうやって大量生産、大量消費のサイクルの中から抜け出せるのか。当たり前だと思って生活してきた、この生活スタイルを、ちょっと立ち止まって考えられるようなひと時。私たちには必要ではないか。




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