5月18日 フィレンツェへ - a Firenze -




2007年5月  週末プチ旅行 in トスカーナ! 1日目


フィレンツェ
フィレンツェの連なるオレンジ色の屋根とドゥオーモのクーポラ


   □ 5月18日 フィレンツェへ - a Firenze -






 この日は、運悪く前日の夜から 国鉄FS ストライキ を起こしていた。不安に駆られながら、 Termini (テルミニ)駅へと向かう…まるで国際線の飛行機に乗るかのように2時間前には着く様に!
 正午に着いてみれば、混乱も少なく、メインの路線は走っているようだった。事前に購入していた ICplus (インターシティー・プラス) の切符を、 EuroStar (ユーロスター) に代えてもらうために、列を作り待つこと20分。珍しく快く聞いてくれる係員…と安心していた私がバカだったぁ。 必ず落とし穴がある ことに、後で気づくことになるのだ…


 この ストライキ が事前に分かっていたので、いくら時間がかかろうが、確実に行き着ける様にどんな電車でもいいからチケットを購入しようと、 国鉄FS のWeb Sito で検索。この時点で、 EuroStar が購入不可になっていたので、仕方なく ICplus のチケットを購入。
35ユーロ 也。しかも 1等 !何故かというと、もしもの時に係員と交渉するにも、扱いが2等とでは雲泥の差なのだ。
 当日 Termini 駅に着いてみれば、 EuroStar は通常通り運行されていた。これは差額2ユーロを捨ててでも、 EuroStar の2等と代えてもらうべき…時間でいえば、1時間の差があるからだ。

 さて、私に順番が廻ってきて、係員に切符を変えてもらいたい旨を伝え、理由を説明した。彼女は快く手続きを始めてくれて、私に言った。
差額の12ユーロを頂きます 。」…はいぃ???


 いつも説明は後なのだ。彼女が言うところによると、 1等 のチケットを持っている場合は、代えるチケットも同じ 1等 になるのだと。差額を国鉄側が客に払うことが出来ないから…とわけの分からないことを言われた。私は、2ユーロは要らないから2等にして欲しいと言ったが、無理!の一点張り。仕方なく12ユーロを払い、夢の(笑) EuroStar1等のチケット を手に入れた。
切符 ローマ→フィレンツェ
これが夢のユーロスター1等のチケット(笑)


 こうなったら利用できるものはしなきゃっ!と、駅構内で唯一足を踏み入れたことのない場所へ行ってみることにした。 EuroStar1等に乗車する客専用の待合室 である。何だかエラくなった気分?クーラーが効いていて、清潔。しかしこれといって特別なサービスがあるわけではない。確かに駅構内には石のベンチしかないが、ここにはソファーがある。そして無駄に係りのおねぇちゃんが4人、カウンターに座っているが、別にチケットをチェックするわけでもない。…実は黙っていても分からないんじゃないの?


 時間が来て、列車に乗り込むために、プラットホームへ向かう。駅に頭から突っ込む形のヨーロッパの駅では、自分の車両に行き着くまでに、下手すると延々10車両分歩かなければならないことがあるが、さすが 1等車 、一番近いところにある。
 シートは大きめ、ひとりがけ。トイレも清潔。走り出せば、まるで飛行機のように、飲み物とスナックのサービス。うぅむ…たった1時間半ではもったいない気が…心地よい列車移動は、このイタリアに来て初めてかもしれない。貴重な体験だった(笑)




フィレンツェ とは、2000年に美術学校に通い、その後母と二度旅行で来た時以来、ほぼ5年振りの再会。近いのに、いや近いから行くチャンスをことごとく失ってきたので、本当にいい機会だった。叔父と叔母に会う前に、 S.M.Novella 駅まで迎えに来ていたまやと、荷物を置きに彼の家へと歩いて向かった…この“歩いて”が、 フィレンツェ なのだ。 ローマ と違い、中心地は歩いて廻れる小さな街。あちこち眺めながら、このルネッサンスの街を小走りでついて行った。


 今晩はどこで何を食べようか…?まやに急用が出来たので、彼お勧めのお店は次の日にオアズケ。それならば、同居人のなおみちゃんが教えてくれたお店に行ってみることにしよう。

 目指すは Piazza Torquato Tasso (トルクアート・タッソ広場) !アルノ川の向う、 Santo Spirito(サント・スピリト)地区 のさらに西側。歩き始めてすぐに目に入った、久しぶりに見る Duomo (ドゥオーモ)は、何故かなんとなく色あせた気がした。それは私の心のワクワク度が薄れたからだろうか…? Palazzo Vecchio (ヴェッキオ宮)の前を通り、 Galleria degli Uffizi (ウフィッツィ美術館)の間を抜け、宝飾店の立ち並ぶ Ponte Vecchio (ヴェッキオ橋)を渡る…。
Palazzo dei Pitti (ピッティ宮殿)の前で右に折れると Via Maggio (マッジョ通り)に突き当たる。ここまでは、美術学校に通っていたときの通学路。懐かしく思いながら7年振りに歩けば、その頃を鮮明に思い出す。
 この道を渡り、 Santo Spirito 教会を横目に、広場を抜けて右に伸びる道を辿り、その後はひたすら真っ直ぐ Santa Maria del Carmine 教会を越えた次の角を左に曲がれば、そこが Piazza T. Tasso だ。ちなみにこの広場の名前の主、 Torquato Tasso とは、ゲーテも彼の数奇な人生を記したという16世紀初頭の叙事詩人。

 この広場の 赤い番号の9番 Trattoria da Pruto (トラットリア・ダ・プルート) がある。余談ではあるが…なぜ “赤い番号の”9番 と書いたかというと、フィレンツェの住所は未だに古い番号を使うことがあり、記載されるときは“9/R”、R=イタリア語で赤を表す Rosso(ロッソ)の9番 といい、横に黒でも記載されているが、全く違う番号になっていたりする。


Trattoria da Pruno
フォークを持った赤い鬼がシンボルマークです

 とても気のいいウエーターのお兄ちゃん。色々お勧めを教えてくれる。話に聞いていた通り、お勧めは 魚料理 らしい。よく聞けば、彼はブーツの形をしたイタリアのかかとにある、 Brindisi (ブリンディジ)の出身で、彼のお兄さんが7年くらいこの店でコックとして勤めていて、オーナーがお店を手放すのを知り、家族でこの店を買ったのだとか。自分たちの店になってまだ1ヶ月というほやほやだ。


 白ワインと共に、前菜に 生のマグロ、カジキ、甘エビ、手長エビ、牡丹エビの盛り合わせ に、 魚介類のごった煮 。その後、 アサリのスパゲッティ に、 魚介のニョッキ 。どれも新鮮で、とにかくあっさりしていて美味しい!!デザートはこのお店ご自慢のケーキやムースなどを出してくれた。甘すぎなくていい。叔父と叔母もかなり喜んでくれて、私も満足!
 …ほぼ終わりかけた頃に、まやが用事が済んだと連絡をしてきた。それなら来ればいい、と誘い、20分後には彼もテーブルについていた。 フィレンツェ に住み始めて半年だが、この店も、店が面している広場すら知らなかったようで、同じプーリア州出身の人がやっているお店に、味に、大そう満足していた。最後に彼らの マンマ 手作りのクッキーをご馳走してくれる心遣い。また来ようと思った。




 お店を後にして、車で夜のプチドライブ。 Porta Romana (ローマ門)を抜け、丘に上がっていく。 S.Miniato al Monte (サン・ミニアート・アル・モンテ教会)の下で車を降りると…眼下には、 フィレンツェ の街がオレンジ色の街灯に照らされ、少し肌寒い空気の中に、綺麗に浮き上がっていた。 フィレンツェ の夜景を見たのは初めてだった…ゆったりと静かな時間が流れていくのを感じた。


シエナへ - a Siena -  つづく…



+  Toscana  +  Firenze  +  Siena  +  Chianti 1  +  Chianti 2  +




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