つきあたりの陳列室

つきあたりの陳列室

2009.11.29
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テーマ: 本日の1冊(3759)
カテゴリ: Other topics
(2009,NHKブックス)



本書の特色は,各首の解釈についてはほとんど立ち入らず,詠んだ歌人たちを,その境遇などによりいくつかのテーマに分け,論じています。たとえば「神と人」「男と女」「都と鄙」「虚と実」というように。

私の場合,特定の歌や人物に対して強い思い入れがあるわけではないため,こういう抽象的なテーマの方が興味が持ちやすかったです。しかもテーマを少数に絞っているので,飽きずに読了できました。



「神と人」の章では,政治的な敗者となった貴族や天皇が取り上げられますが,意外だったのが次の一首でした。


 瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ (七七 崇徳院)


これを詠んだ崇徳上皇は,父親の鳥羽上皇に自分の子ではないのではと疑われていました。彼は天皇にこそ即位したものの,父に強要されて退位し,弟が即位(近衛天皇)していきます。

この一首は漫画「ちはやふる」にも取り上げられ,一般にも比較的人気のある歌です。表向きは恋歌ですが,他方で,父や弟に奪われた地位を奪還したいという,恨みや野心の吐露としても読めるとのことです。






 [白河,堀河,鳥羽,崇徳,近衛,後白河,二条,六条,…]というように。

しかしその多くは,単に漢字の羅列として把握しているだけで,何時代の天皇かは詳しく把握していません。しかし本書を読んでからは,上に述べた骨肉の争いと,「瀬をはやみ…」のイメージが植えつけられることで,[鳥羽(父)・崇徳(兄)・近衛(異母弟)]の三代を特に意識することになりました。

こうして政治史と文学史が記憶の中でからみあい,どこかを引っ張れば芋づる式に思い出せる,というようになればいいなと思っています。









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Last updated  2009.11.29 19:47:40
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inalennon @ Re[1]:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子(09/19) フィンちさん >この世は なんてままなら…
フィンち@ Re:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子 「人生のままならなさ」への強烈な疑問と,…
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ハオ@ 4年はあっという間 バーチュー&モイヤー組見ました。 優雅…

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