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2015年01月26日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 今回のイスラム国人質事件に対して国内外から様々な反応が出ている。個人的に注目しているのは国内での「責任論」と、その発信源。

 すでに指摘されていることではあるが、どのような経緯と結末を辿ろうとも犯罪行為の責任がイスラム国にあることに疑いはない。

 野党政治家やマスコミなど国内の一部勢力が人質事件の責任を安倍政権になすりつけようと活発に動いているようだが、テロを公然と政治利用する神経が自分には信じられない。
 そもそも難民支援を仇で返すという理屈の通じない集団が相手。あちら側にしてみれば非イスラム原理主義社会のすべてをテロの引き金に据えることができるだろう。

 自分は今のところ政府の対応に失策はないと思っている。事前に邦人が武装勢力に身柄を拘束されているのを把握していたとしても、武装勢力の動向を忖度して法治国家が外交方針を歪めることがあってはならない。それこそテロリストの思うつぼだ。
 先に挙げた「国内の一部勢力」は安倍政権を批判することでそれに加担しているわけだが、おそらく「本来の意味での確信犯」と「誤用での確信犯」の両方が混じっているのだと思う。
 イスラム国の要求は非現実的な身代金ではなく「人命をテコに政府に圧力をかけろ」なのだから、彼らはテロリストに忠実な人達とも言える。


 さて記事タイトルにもある新井英樹のマンガ『ザ・ワールド・イズ・マイン』。直接の関係はないので本件に結び付けられると作者は迷惑かもしれないが、「社会秩序と人命のどちらをとるか」という切実な選択を生々しく問いかける問題作。

 連載当時は今ほどインターネットが身近でなく、まだテレビと新聞が幅を利かせていた時代。犯罪報道がエンタメ化され、聖域化された人命尊重という世論を背景に被害が拡大していく混乱を描いた作品。当時は残酷描写や不謹慎な内容に批判の声もあったが、まさに現在の状況そのものといっていいエピソードも多数含まれている。




  社会と個人の命を秤にかけた時、
  民主主義は迷わず社会を選択せねばならない。



 私人と公人、それぞれの立場で聞く印象が変わるだろうが、これが民主主義の原則。理想主義的な極論を用いず現実的に秩序を維持するなら最小限の犠牲で多数の個と秩序を守るシステムで我々は動いていると、ちゃんと理解しなければならない時期にきている。

 現代はスマホやSNSの普及でマスコミの印象操作や世論誘導も薄れてきているので、より身近でリアルな題材として読むことができるだろう。90年代マンガの最高傑作のひとつだと思うので、未読の人は今こそ読むべき作品だ。

 特に今回の人質事件では拘束されている邦人が一度もリアルタイムで確認できていないという珍しいケース。事件発生当初から合成映像を使う必然性は疑問視されていたし、処刑後とされる静止画も背景の季節が最近のものではないという指摘もある。
 『ザ・ワールド・イズ・マイン』作中でもテロリストが死体を人質に仕立てて警察と交渉するシーンがあり、今回の事件で自分は真っ先にその場面を思い出した。

 今回は人道支援国を十字軍呼ばわり(ひどい侮辱だ)し実際に攻撃したことでイスラム国のイメージは著しく悪化しただろうし、手際の悪さと低クオリティな映像で広報・宣伝の信頼性も低下しただろう。非公認とはいえ国家を名乗る集団としてはどうも杜撰すぎる印象。第三者がイスラム国に入れ知恵して下請け犯罪組織に実行させた事件だとしても驚かない。

 さらに要求を突然ヨルダンの死刑囚釈放に変更したのも不可解。素直に解釈すれば日本の援助が人道支援だとわかったけど振り上げた拳を下ろせなかったか、日本が予想以上の強硬姿勢で軌道修正を余儀なくされたというところだろう。「これで日本は身代金がテロ資金になることを懸念して強硬姿勢をとる必要はない」という趣旨を訴えてくるのも何かカン違いしている気がする。

 そしてどちらも日本の反応を見たうえでの後手の対応なのに、またしても静止画+英語音声というわざわざ生存が疑わしくなるやり方。クオリティを問わないなら動画で一発撮りしたほうが簡単だし、日本にアピールするなら日本語に英語字幕を付けたほうが効果的に決まっている。敢えて静止画に音声を編集する手間に犯人側のメリットが見出だせない。

 ヨルダン当局は軍人を人質に取られているらしいので難しい対応を迫られるだろうが、日本がテロリストのリクエストに応えてヨルダンに圧力をかけるようなことがあってはならないと思っている。あくまで人道支援に対する筋違いな暴挙として人質の無条件解放を求め、場合によっては賠償を求めるくらい毅然とした対応をすべきだろう。



『新井英樹 ザ・ワールド・イズ・マイン』(楽天市場)





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最終更新日  2015年01月26日 13時08分03秒
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