~一本足のフラミンゴは。~


一本足で直立不動。何も見ない。何も聞かない。何も思わない。
生まれ落ちたその時から 同じ土を踏み締め、そして、大きくなった。
数々の 
幸せや  不幸や 
温かさや 寒さや
光や   影が
一本足のフラミンゴの前で起こった。
それでも一本足のフラミンゴは 何も見ず 何も聞かず 何も思わず
ただそこに 立っていた。

いくつもの季節が流れ 風が流れ 雲が流れ
同じような違う日々が 流れ続けた。
誰一人一本足のフラミンゴに興味を示すものはいなかった。
何一つ一本足のフラミンゴが興味を示すものはなかった。
そう、思われた。

初めて一本足のフラミンゴが地面に崩れたとき
その瞬間飛び立つことの出来た大空から見下ろした初めての景色は
一本足のフラミンゴの亡骸の中に 何を残したのだろう。


2003/06/30

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