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2024.09.26
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テーマ: ニュース(99942)
カテゴリ: 戦争と平和
火垂るの墓が初の世界配信、大絶賛の背景「二度と見たくない傑作」

動画配信サイトNetflix(ネトフリ)が配信元で、日本以外の190カ国以上で見られる。野坂昭如さんの直木賞受賞小説が原作で、第2次世界大戦末期の神戸で力強く生きる戦争孤児の兄妹の姿を描く。ネトフリでは今月16日、一斉に配信スタート。もともと世界中で根強い人気を誇ってきたが、今回の配信後、英語圏の映画レビューサイトで高評価が相次いでいる。
作品誕生から40年近くを経てもなお、多くの人の胸に響いている背景には、ウクライナやパレスチナ自治区ガザで罪なき人々が犠牲となっている世界情勢もあるようだ。

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「二度と見たくない傑作」は言い得て妙と思います。
「火垂るの墓」の公開は1988年、同時上映は「となりのトトロ」でした。封切り当時映画館で見ました。「となりのトトロ」の後で火垂るの墓を見て、あまりの衝撃と悲しさで茫然自失の人が続出した、という話もあります。私は、その当時すでに野坂昭如の原作「アメリカひじき・火垂るの墓」を読んでいたので、これは絶対となりのトトロを後に見る方が良いと思って劇場に行った記憶があります。
で、原作を知っていた私でも、この作品は強烈な印象があります。というか、下手に原作を知っているから、冒頭に清太と節子の亡霊が登場しただけで、もう涙涙でした。
そして、その時以来、全編通して見たことは、多分ないと思います。その後、一度だけ、1990年代末に、あるところに行った貸し切りバスの中でビデオを上映していたことがありますが、恥ずかしながら画面を正視することができず、目をつぶってしまった記憶があります。楽しいイベントの帰り道にこれはあまりに重い、と思ったのです。

当時は知らなかったのですが、原作者の野坂昭如は、実際に14歳で、2歳に満たない妹と二人で戦災に遭い、妹が餓死しています。ただ、その時実際には妹に対して、この作品のように優しくすることができず、あまり食べ物もやらずに死なせてしまったということを本人が述懐しています。そのことへの反省と贖罪意識もあって、「こうできたら」という「理想の兄」のであったら、という思いを込めて世に出した作品です。
しかし、悲しいかな、「理想の兄」であっても、「食べ物がない」という現実を覆すことはできません。だから、妹の餓死を防ぐことはできず、清太自身もまた、その後に(単純に食べ物がないというだけでなく、妹を失ったことで生きる気力もなくなったのでしょう)餓死してしまいます。理想の兄であることはすなわち二人の共倒れに直結してしまい、実際には妹の食べる分を横取りすることでかろうじて兄は餓死を免れて生き残ることができた、というある意味夢も希望もない現実があったわけです。

うちの子が幼い頃のことを思い出してみると、3~4歳の子どもは本当にかわいいですからね(いや、二十を超えた今だってかわいいんですけど、かわいさの意味合いが違います)、ある意味、戦争も俗世間のしがらみも離れて、洞穴の中でかわいい盛りの妹と二人での生活は、「夢の時間」だったんじゃないかと思います。でも、その夢の時間は食料を手に入れられずに餓死、という悲惨な結末と引き換えにしか、手に入れられなかったものです。
本当に、戦争というのは、悲惨であり、その悲惨さのしわ寄せは、もっとも弱い立場の人間に重くのしかかってくるものです。






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最終更新日  2024.09.26 12:25:28
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Re:火垂るの墓(09/26)  
maki5417  さん
「火垂るの墓」

良い作品ですが、なんでそんなことになったのかを考えさせることも必要かと思います。

原爆も含めて被害は雄弁に語られますが、加害はだんまりです。
日本人300万人の死者に対して、中国や東南アジアは?
戦後79年、昭和天皇はすっかり反戦論者であり平和主義者です。
息子はともかく、孫はどの程度理解しているのか疑問です。
(2024.09.26 21:24:56)

Re[1]:火垂るの墓(09/26)  
inti-sol  さん
maki5417さん

おっしゃることはそのとおりだし、私自身、南京大虐殺や日中戦争についての中国侵略について少なからず論陣を張ってきた人間ですから、加害についてだんまりであってはならない、と思います。
ただ、それをわざわざ「火垂るの墓」についての話で言うか?と思いますね。

高畑勲は、もちろん日本の加害責任についても少なからず問題意識を持っている人でした。大戦中に製作された「海の神兵」というアニメのフィルムが発見された(多分80年代後半だったと思いますが、火垂るの墓より前だったか後だったかは記憶にありません)とき、月刊「アニメージュ」だったと思いますが、若いアニメ関係者だったか学生だったかとの座談会が行われたことがあります。
その際、若い参加者がこのアニメの技術的な側面(1940年代にもうこんな技術が)ばかり注目して「ここがすごい」と褒めるのに対して、でも、このアニメは大東亜共栄圏という名の下に行われた日本の侵略を正当化するものだ、と大要そういう趣旨のことを発言していました(現物が手元にあるわけではなく、遠い記憶なので、細部に不正確な部分はあるかもしれませんが)。

そして、私も知りませんでしたが、wikipediaによれば、「しかたしん原作の『国境』を元に、満州国と朝鮮半島における人々の日常生活を淡々と描く中で、日本人の現地人差別の実態を詳らかにする企画を進めていたが、1989年に起きた天安門事件の影響で企画が流れた。 」とあります。加害責任を問う作品も作ろうとしていたようです。 (2024.09.27 20:09:22)

Re[2]:火垂るの墓(09/26)  
inti-sol  さん
追記です。
記憶を頼りに書いたので、いろいろ補足です。
「海の神兵」ではなく、タイトルは「桃太郎 海の神兵」でした。
ネガが再発見されたのは1982年で、84年に一般公開されたそうなので、私が読んだ座談会はおそらくその時のものなので、1988年公開の「火垂るの墓」より前と思われます。
(2024.09.27 20:14:21)

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