若葉よりさし入るひざしまぶしくてこいぬのようにきみはたわむる
真夜中の木犀の香をまといたる青きベンチに恋の揺れをり
あまだれの落ちては石にくだかれてたまりたる水ひかり輝く
おそろいのカーディガンを着てふたり深き森にてくちづけ交わす
紫陽花のむこうに船の出で行くは上総の高きここ麻綿原
からたちの垣根にひそむ飼い猫をしばし黙りて母は待ちをり
ほおづえをついて相づち打ちながらぼくの弱さを捜しているね
蜻蛉のフロントガラスに当たりつつ故郷の道帰りゆくなり
ひとひらの花の舞ひ来ててのひらに希望のやうにそっと息づく
キミの空ボクの空とは違うけど十五の春はおんなじ気持ち(民眠さんに(2007.03.17 22:01:33)
百万の向日葵のなか初恋のノースリーブを追いかけて行く
帰ろうという人もなく夜桜の人に混ざりて来る犬を呼ぶ
向こうには土筆の見える抱擁の二十歳の春となりにけるかな
図書館の本を三冊返せずにずっと君を待っている春
初恋の人は三児の母となり母校の庭の夜の深さよ
あの夏の思い出遠くなるやうに麦藁帽子のぺこりとへこむ
今はもう二児の母ではあるけれど時々僕の夢で囁く
ぼろぼろの俳句手帳を繕いて逝きしわが師の筆跡探す
(近作
ひとひらの花の舞い来て手のひらに希望のようにそっと息づく
かねてより二人で歩く公園の入り口に咲く紫木蓮かな、
ペディキュアを塗る時ちょっと目くばせで友を帰せとせかせる合図
う
悲しみのなかに幸せ見つけ出しそつと小指を撫でては包む
夕焼けの海の空よりゆっくりとひとまわりしてトンビ消え行く(応援歌♪)
腕撫でて忘れられないぬくもりを思い返せよさくら散る夜
雨の朝むこうのホームに佇みて三年ぶりに手を振る君よ
百万の向日葵のなか初恋のノースリーブを追いかけてゆく
ほおづえをついてあいづちうちながらぼくのよわさを探しているね
もうだれも来ることはない領域にひかりをまとい蒲公英は咲く
帰ろうと言う人もなく夜桜の人に混ざりて来る犬を呼ぶ
髪切りしことに驚くまなうらに細き指よりその髪貰う
ある人にお久しぶりと言ひたくて木犀の花を携ふ

![]()
![]()