癒しの休憩室

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詩)僕らの子供たち






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エスペランサ(僕らの子供たち)


バスに揺られて
少年は届けに行く

母からもらった父宛ての
手紙を持たされて
ちょこんと座席に揺れている

うきうきとした笑顔で
頭を左右にちいさく振りながら
生きて間もない喜びの調子をとっている

なんて美しい額なのだろう


エスペランサ
エスペランサ

なんてやわらかそうな唇だろう。

父よ
あなたより強い人間になりたかった
母よ
あなたより朗らかな人を連れて来たかった


また電車に乗って
少年は届けに戻る

今度は父からもらった
母のための手紙を持たされて
寒さにかじかんだ指に息を吹きつける

なんて悲しい瞳なのだろう

窓にびっしりついた
細かい水滴を手で拭いながら
走りゆく電車の外ばかり
眺めている

もうすっかり日が暮れて

目にはいっぱい涙をためているではないか
誰からもらったかわからない
ガムを噛みながら

エスペランサ
エスペランサ

まだ何が起きたかわからないこの少年を、

誰かこの子を胸に抱き上げてくれる
やさしい女はいないか

粉雪の道をたどって来た
冷たい頬を
温かいしなやかな両手で
包み込んで

涙を拭いてやる
奇特な女はいないか

もう母の手ではなくても良い

エスペランサ
エスペランサ

あなたの心に
こういう子供がいないか

あなたは
こういう子供を
遠く置き去りにしなかったか

エスペランサ
エスペランサ

人は手を差し伸べられて
無垢になる

魂は人に温められてこそ
無垢になる




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