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三ツ目が行くでやん【番外編】恩師との再会



 お話を聴き続けやした。



 以前、日記に書いた事のある、南出さんという人だ。

 大阪へ行くと「ナンデさん」と呼ばれる事の多いこの人は

 あっしと出会って約7年になるが、四角四面のあっしを

 こんなふうに育ててくれた張本人かも知れない。。



 あっしが誘って、ナンデさんに救われた、そんなお付き合いから始まり、

 母が死に、兄が死んだときも心の支えになってくれた人でやんす。



 8時間のあいだ、あっしが喋ったのは僅か5分にも満たないであろう。。

 ナンデさんは、あっしと会えなかった4年間の日々をひたすら語り続けた。。

 あっしは、うんうんと耳を傾けて、彼の胸中を必死に理解する事に努めやした。



 途中、彼が「オレに、もう少し金に対する執着心があれば、もっと家族を

 ラクにしてやれたのになあ。。なまじっか裕福な家に生まれたばっかりに。。

 ・・・親のせいかもな。。」とつぶやいた。。



 「違いやすよ、それは違いやす!! あっしは貧乏していやすが、金に執着

  していないところはナンデさんとそっくりじゃないですか!」

 「年も11離れていて、生まれも育ちもまったく違うあっしとナンデさんが

  妙に波長が合うのは、二人ともおんなじモンを持ってるからやないでやんすか!」



 「それに。。。そうだったからこそ、あの時潔く大金の夢を捨てて、人助けが

  出来たんじゃないでやんすか?」

 「誰にも後ろ指指される事などない、本当に高潔な生き方を選んだでやんすし、

  今だって、そのお陰で悠々と生活できるだけの支えが出来たじゃありやせんか。。」



 彼の眼が涙で光っているのが見えた。。

 これから始まる新しい戦いを前に あっしを家に呼んで頂き、

 その決意を 延々8時間話されたんでやんす。。



 御歳58歳。。頭が下がりやす。。

 あっしには、子供を作っておけとも言われやした。。

 子供が出来ないのなら養子を取ってでも自分の魂を受け継ぐ子を育てなさい、と。



 あっし、それでも100%この人の話を聴けたのだろうか。。

 一期一会でやんす。。今度この人にいつ会えるのかもわからない。。

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