不思議の泉

不思議の泉

4.花のアーチ

4.花のアーチ



十二の! one ! two !! three !!! … twelve !!!!!!!!!!!!

蛇頭 悲しみの泪をだれがしるだろう
 嘆きの傷口を覆う、瘡蓋(かさぶた)。
   鉛〔ガ〔ラ〔ガ〔ラ〔鱗。
桃のやわらかき肌、、記憶を、閉じ込め。
     幻の宝石を、追い求め。
そ、れ、が、
夢、の続き。いいきかせ、て

  う、ねる  くるしみ
  う、めく  いたみ

私の声を聞いた者はなく、
<しゅる<しゅっ、二十四舌の鑢(やすり)音。
宝石の目が変化(へんげ)するとき、花、花。
  花の詩を。
    やさしく、
      や さしく、
        や  さ しく、
飢えと渇き、の旅の終わりに。

    暗い欲望の終焉
        (アメジストの目は、輝く悦び
           ((天つ舞楽なみうつ、ふじ。

    貪欲な世界に別れを
        (サファイアの目は、輝く悦び
           ((真の勝利、おだまき。

    闇の情念の炎は消え
        (エメラルドの目は、輝く悦び
           ((森の宝石、はないかだ。

    醜い悪の華は枯れた
        (ルビーの目は、輝く悦び
           ((物語に花は開く、きんぎょそう。

           うしなわれた時をときはなち
        (翡翠の目は、輝く悦び
           ((魅惑の夜はうごかない、ひすいかずら。

           ながされた舟のマストをみつけて
        (琥珀の目は、輝く悦び
           ((ときめきの陽に色染めて、すいふよう。

           こわれた羅針盤に針をいれて
        (水晶の目は、輝く悦び
           ((月の光に美しくひらく、げっかびじん。

           こころに銅鑼をならそう 今 い、ま
        (真珠の目は、輝く喜び
           ((愛の言葉を秘めて、すのーどろっぷ。

                 胸は高鳴る たかなる 小鳥の歌を忘れず
        (ピンクフローライトの目は、輝く悦び
           ((やさしく舞い散る、さくら。

                 朝日の煌めきを ま、ぶ、しく腕に迎え入れ
        (ムーンストーンの目は、輝く悦び
           ((仄かな灯、さがりばな。

                 夜のし、じま に 吐息の微かないろを眠らせる
        (ローズクォーツの目は、輝く悦び
           ((あまやかに恋して、ばら。

                 それを呼ぼう それは、生命 いのち、なのだと
        (アクアマリンの目は 輝く悦び
           ((初々しく生まれる、はつこいそう


十二の蛇頭は、一つ一つ ふっ 消えて。
あとには十二の花が。

     ――花のアーチ

若い物書きはアーチをくぐりました。
むねのポケットには、キャンドルの妖精。
そして加勢しに来た、陽の妖精が羽ばたいて。

そこは、光まぶしい野原の中の一本みちでした。
陽の妖精は別れを告げ。
キャンドルの妖精は寝息をたて。
若い物書きは、、、てくてく、、てくてく、、
その一本みちを歩いてゆきました。






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