不思議の泉

不思議の泉

12.妖精のメタモルフォー

12.妖精のメタモルフォーゼ



 無邪気に遊ぶキャンドルの妖精。

 優しく見守る若い物書き。

 花咲きあふれる丘。

 メルヘンの森。

すべて、すべて、青く包んで。


満月が微笑むこの一枚のしずかな夜の絵に。
画家が若い物書きの姿に筆を入れようとした途端、それは起きました。




きらきら光る、それは泉でした。
泉が突然、丘のすぐ下に姿を現したのです。

   ――ここよ。

やわらかな澄んだ声。
泉が、泉が、呼んでいるのです。



キャンドルの妖精、遊びをやめ、ふと真剣な表情を見せて。
ふわ~っ 羽ばたいて、泉のうえ。


水に映る、愛らしく儚げな姿。
足先が微かに水面にふれ、、、キラメク羽。

と、くるしげに身悶え。
と、くるしげに身悶え。
・・ ・・ ・・ ・
と、くるしげに身悶え。

小さく身体を屈め、光の衣を1枚1枚脱ぎおろし。

  手が、足が、、

    腕が、脚が、、

      胴が、胸が、首が、、

        頭が、髪が、そして、羽が、、

顔を上げたときには、
キャンドルの妖精は生まれ変わっていました。

  _少し大きくなった身体。
  _やや大人びた顔立ち。
  _より輝きを増した羽。

愛らしさも、儚さも、そのままに。


若い物書きの、
いままで感じたことがないような、不思議な。。。

 青い夜の。

 まんまる月の。

 メルヘン森の。

 花咲く丘の。

 あふれる泉の。

 メタモルフォーゼの。   【  あぁ、美しい幻想よ! 】


ついに…

切なさで胸がいっぱいになり。
手をさしのべ。
引きよせ。

    ( 恥らう My Love )

そっと、、キャンドルの妖精に口づけました。



    青い夜 泉あふれて 恋の羽

    君が灯りの 儚くて 愛しくて

    ただ愛しくて…




   *    *    *




すべては絵本の中の夢物語とも思え候。

またまだ続く、夢たまご。

なかから孵るは、いかなる夢や。

次回のお話はいかが相成りましょうか。


お楽しみに♪






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