阿部清人のオフエアブログ

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驚きの実験に児童歓声



(2009年11月24日火曜日 河北新報朝刊)

仙台市泉区のコミュニティーFM放送局「fmいずみ」アナウンサー阿部清人さん(46)のもう一つの顔は、サイエンスインストラクターだ。身近な材料を使った、あっと驚く科学実験を盛り込んだユーモアあふれるトークショーは大人気で、その数は東北を中心に1年間に約100回。“東北のでんじろう先生”として、子どもたちに科学の面白さを伝えている。

仙台市八幡小(青葉区)で11月上旬に開かれたサイエンスショー。阿部さんは3年生の児童約100人の前で3枚の厚紙でできたブーメランを取り出した。飛ばしたブーメランが、児童の頭上をくるりと大きな弧を描いて阿部さんの手元に収まると、児童から「すごいね」と歓声が起きた。

阿部さんはブーメランが動く仕組みと作り方を分かりやすく説明。穴を開けた段ボール箱から威力のある空気の渦を出す空気砲が、紙コップのピラミッドを倒すと、児童の興奮は頂点に。山田啓世君(9)は「面白かった。見られてよかった。ブーメランは家で作ってみたい」と喜んでいた。

阿部さんのインストラクター初体験は、2001年夏の「うつくしま未来博」(須賀川市)。工業高校出身で科学の知識があるのを買われ、東京電力と東北電力が共同で設置したパビリオンで行われたサイエンスショーを任された。
 阿部さんはサイエンスプロデューサー米村でんじろうさん(54)に直接手ほどきを受け、1回20分のショーを1日11回行うハードスケジュールをこなした。

「最初の反応はいまいち。お客さんの顔ぶれによって科学実験も評判もさまざま。それが客層に合わせて見せ方を変えたら反応が良くなり、自信が付きました」

未来博終了後も月1回程度のペースで続けていた。子どもの中学校のPTA役員を務めている縁で学校や子ども会行事に呼ばれるうちに、口コミで人気が上昇。昨年は100回を超えた。

毎年招いてくれる団体も増えたが、同じ内容では飽きられる。「でんじろう先生は研究熱心で、休憩時間でもコーヒースプーンを手に『これは実験に使えないか』と考えていた。その姿を見習い、研究は続けています」

「子どもには『なぜ、どうしてだろう』と探求心を抱いてほしい」と話す阿部さんは、親の協力も得ながら親も子も楽しめるショーを意識する。「ショーが面白ければ、家族の会話も増える。親子のコミュニケーションにも一役買いたい」

<あべ・きよと>1963年石巻市生まれ。東北福祉大卒。広告代理店で企業のPR、イベントに携わるほか、FM仙台(現在のDate fm)で生番組を担当した。2000年せんだい泉エフエム放送(fmいずみ)開局に参加。同社取締役事業部長。

阿部清人サイエンスショー公式サイト
http://www.fm797.co.jp/science_show/

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