島流れ者 - 悪意なき本音

島流れ者 - 悪意なき本音

大当たりのルームメイトの巻



すると、不思議なことにその後すぐにとある若い日本人、Aちゃんから電話が掛かってきて、この部屋を見に来たいという。どうやってここを知ったかというと、以前に近所のカレッジに張り紙をしていたときにたまたま日本人の女の子がいたので、声をかけて、知っている人で部屋を探しいる人がいたらこれを渡してね、と言って電話番号を渡したのがAちゃんの友達だったわけだ。

部屋を見に来た時に彼女は条件があると言ってきた。それは双子である彼女の片割れが、大学の夏休み中に一ヶ月ほど知り合いの会社でボランティアで仕事をすることになっているので、ここに滞在していとの事。彼女の部屋に滞在するということなので、リビングルームを占領されるということはないが、何しろ狭いうちなので、ちょっと躊躇したが、まだその時点で仕事が見つかっていなかったので、家賃をその期間ちょっと大目に払ってもらうことでOKした。

車の免許を現在取る最中でまだ一人では運転できない彼女は友達に頼んで少しずつ荷物を移動したいと言ってきたので、彼女の都合のいいときに家にいるようにしたのだが、その約束が彼女の都合で何度も変更されて、散々振り回された私は、彼女の留守電に文句を言って次の約束が守れないようだったら、この部屋を彼女のために確保することは出来ないと言うことを付け加えた。

その直後にあわてて彼女からの侘びの電話が入り、翌日に取り合えず、と言ってデポジットを入れに自転車に乗って30分のところから、汗だくでやってきた。この時点ではいったいどうなることやら...と行く末を案じていたが、実際彼女と暮らしてみると、とっても素直ないい子で、しかも、自分からどんどん私たちに溶け込もうしてくれる。以前にも日本人の学生のSちゃんと一緒に暮らしたが、彼女はとても謝意で、滅多に私達と一緒に会話に溶け込もうと努力することなく殆ど自分の部屋に閉じこもってしまうことが多かった。

特におじゃべり好きのジャックは、このSちゃんの私達に対して気を使いすぎている様子が気にして、こちらに非があるのではないかと考えていた。そこで、彼女が私達に溶け込みやすいように食事を大目に作って一緒に食べようと誘ったり、出来るだけ彼女に声をかけるようにしていた。しかし、彼女は9ヶ月ほどの間、私とは日本語で、たまに話をすることはあったが、ジャックがいるときにはあまり長い会話をすることはなかった。

それと比べると今回のルームメイト、Aちゃんは同じ日本人でも全く日本人らしくなく、自分からどんどん積極的にいろんなコミュニティー活動に参加したり、近所の教会に行ってみたりと大変逞しい。そして、素晴らしいことに殆ど家にはいない!! なので、私達にとってはまさに、パーフェクトなルームメイトだ。彼女が入居して一週間後に来た双子のお姉さんのHちゃんもAちゃんほど英語が話せないが、それでも積極的にいろんなところに一人で出掛けたりして、20歳にしてはとっても自立している。

そんなわけで、今回のルームメイトは初めはどうなることやらと心配したが、実は大当たりでジャックも私もほっとするどころか、大喜びといったところ。9月にはAちゃんの彼が二週間ほど滞在するという彼女の申し出を保留にしているが、この調子なら、OKしてもよさそうだ。

*8月16日2004年現在

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