ジャパニエル Boleh!

ジャパニエル Boleh!

揺れるココロ


早番の時は、夕食。遅番の時はサパー。夜勤の時は朝食。
ほとんど毎日のように一緒に出かけるようになった。

そして、ある夜、クマさんからついに告白された。彼はすごく思い悩んだ
と言った。言うべきか言わないべきか・・・。でも、ロティに改宗をする
覚悟ができているかできていないか聞いた時にまだ迷ってる様子をみて
私に人生の選択権をあげたいと思った。改宗してしまえば一生、ムスリム。
もし私が改宗する準備ができているなら、それを壊すような発言はしなかった
だろうと・・・。

加えて、僕がこういったことで気持ちを変える必要は全くない。僕は
君が(マレーシアに)帰ってくるのをずっと待ってるよ、と言った。

私はものすごく悩んだ。どうしたいか、どうするべきか。
私の中で大きく引っかかっていたのは、やはり宗教だった。
たぶん自分は好きな人の為、お酒や豚肉抜きの食事を取ったり、ラマダンを
したり、ムスリムとしての人生を曲がりなりにも送っていくだろう。
しかし家族のことを考えると容易ではない気がした。何故なら私の実家の
両親と私の将来の子供たちが日本で食事をする場合、同じものを食べれなく
なる可能性があるからだ・・・。ムスリムはハラルという清められた
ものしか口にしてはならない。日本でそういった食材を手に入れるのは無理
ではないが、簡単でもない。おまけにうちのなべやフライパンなどの料理
器具は既に豚肉を調理している。それに将来子ども達が日本の学校に通う
ようになったら給食はどうするの?etc・・・細かいことだけど、そう
いったことも考えないといけない。あまりにもムスリムの生活は今まで
私がしてきた生活とはかけ離れたものだった。

しばらく思い悩んでいたけど、次第にクマさんに対する恋心は大きくなり
そのうちに元彼からの電話やメールが苦しくなってきた。もう限界だと思い
正直な気持ちを話した。とっても辛かった。だって彼自身ではなく宗教
が別れの大きな理由だったから。以前彼に言われた言葉があった。それは
もし私が改宗できなければ結婚はできない・・・と。つまり、結婚するから
改宗するのではなく、心からムスリムになりたいと思えた時にしか改宗
はするべきではない。でも自分にとってイスラムは絶対だから、と。
この言葉はずっと私の中に引っかかっていた。だからマレーシアに来て、
イスラム社会の中で他のムスリムと生活し、文化や習慣を学んだり、ラマダン
にも挑戦した。でも、100%自分の中で理解することはできなかった。
そんな私に友人の一人が言った。彼が宗教に対してそこまで思っている
のなら、彼にとって宗教とは彼自身の一部分なんだよ。彼のすべてを
愛するというのは、そういうものも含めて全部なんじゃないかな?

この言葉には正直救われた。私にとってすごく辛い別れだった。でもやっぱり
結婚は一生のことだから楽観視や軽視はできなかった。こうしてムスリム
の彼との付き合いは2年3ヶ月で終わった。

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